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人気企業ランキング常連、東日本旅客鉄道(JR東日本)の採用情報とESや面接の傾向・対策について

人気企業ランキング常連、東日本旅客鉄道(JR東日本)の採用情報とESや面接の傾向・対策について

例年就職人気企業ランキングの上位に入っている企業の一つが、JR東日本(東日本旅客鉄道)です。

航空や鉄道業界は常に根強い人気がありますが、その中でも「安定していそう」というイメージが強いことでしょう。

 

また、新幹線の運転士から都市開発まで、とても広い範囲に及ぶ事業展開も人気要素になっています。

 

JR東日本の採用情報や就活対策についてご紹介します。

 

1.東日本旅客鉄道(JR東日本)の採用職種と初任給について

 

職種は大きく分けて、「総合職」と「エリア職」です。

 

東日本旅客鉄道(JR東日本)の総合職

JR東日本が国内外で展開する様々な事業を担当します。

国内では輸送サービスのほか、ホテルやエキナカ開発、商品開発などの生活サービス、そしてSuicaの電子マネー事業と、MaaSの実証実験も進んでいます。

また、海外ではタイやインドなど様々な国の鉄道プロジェクトに参加しています。

4つの海外拠点を構え、国際事業を拡大しているところです。

 

これら非常に幅広い職種が全て「総合職」に含まれます。

 

21年卒の募集は100人程度でした。

 

東日本旅客鉄道(JR東日本)のエリア職(支社採用)

JR東日本のエリア内を基本にした鉄道事業、観光開発、事業用地の管理などが業務です。首都圏エリア、水戸支社、高崎支社、長野支社、新潟支社、仙台支社、盛岡支社、秋田支社の8つに分かれています。

総合職と大きく違うのは、エントリー時に勤務希望エリアを選択するという点で、総合職に比べて地域に根ざした事業という色合いが濃くなります。

将来的にはエリアマネジメントに携わることになります。

 

エリア職ではまず全員が駅の勤務を経験します。

 

21年卒の募集は840人程度でした。

 

初任給は総合職とエリア職で異なっています(2019年度実績・東京23区内勤務の場合)。

 

<総合職>

修士了:245,295円

大学卒:225,055円

高専卒:207,575円

 

<エリア職>

修士了:221,260円

大学卒:213,210円

短大・専修学校・高専卒:205,275円

 

全体の平均年収は715万円、残業月平均は13.3時間、有給取得年平均は17.3日です。

 

2.JR東日本の選考ステップと求められる人材

 

JR東日本が求めているのは、「『使命感』『責任感』『柔軟な思考』『グローバルな視点』を兼ね備えた多様な人材」です。

 

JR東日本は「総合職」としている中に多くの部門が含まれていますが、エントリー時に希望する仕事内容を2つまで選ぶという方式を取っています。

 

総合職の場合はエントリーシート、適性検査を経て、グループディスカッション、数回の面接で内々定です。エリア職は通常の適性検査に加え、運転適性検査の受検も必要です。

 

2020年のエントリーシートの課題はこのようなものでした。

 

総合職:自己PR(400字)、JR東日本で実現したいこと(800字)

エリア職:自己PR(400字)、志望理由(600字)

 

JR東日本の場合は、まずJR東日本という企業が何をしているのかについての知識が必須です。

JR東日本の企業理念として、

 

「『究極の安全』を第一にお客様の信頼に応え、全ての人の心豊かな生活を実現します」

(2021年度 就活四季報)

 

というものがあります。

 

運輸会社として安全・便利に移動できるということは大前提です。

それにプラスして、

「全ての人の心豊かな生活」

という部分にフォーカスしてJR東日本の事業をみていくと、周辺のまちづくりでもたらされる豊かさ、観光資源の発掘による地域の活性化という豊かさも企業使命であることがわかります。

もちろん、安全に旅行できることも豊かさになります。

 

このように、JR東日本の事業は、鉄道を利用する人や鉄道のあるところに暮らす人の全てに豊かな生活を提供する、という理念に繋がっています。

もちろん、海外でのプロジェクトのようにこれから鉄道を導入することで生む豊かさ、というものも含まれています。

 

よって、「移動手段」とだけ考えるのではなく、生活全般の中でどんなところにJR東日本の事業が関係しているのか注意深く観察しておく必要があります。

 

鉄道の知識は必要ですが、それだけではいけないということです。

 

3.JR東日本の面接、グループディスカッションの傾向と対策とは

 

グループディスカッションは1次面接と同日に行われます。

 

JR東日本には上記のような特徴や理念がありますので、グループディスカッションの題材も「鉄道」に限りません。

「まち」「生活」といった切り口から選ばれることもあります。

鉄道会社の将来像といったテーマもありました。

 

個別の面談で意識したいのは、志望動機を明確にすることです。

最も詳しく掘り下げられるところです。

なぜ鉄道業界なのか、もそうですが、なぜ私鉄でなく、かつJRの中でもJR西日本やJR東海ではなく東日本なのか、というところまで問われることがあります。

 

そのためにも、JR東日本の事業については詳細に勉強しておく必要があります。

 

もちろん、学生時代に力を入れたこと、というような基本的な質問もあります。

整合性の取れた回答、会話が求められるのは言うまでもありません。論理的に話すよう心がけましょう。

 

4.まとめと参考サイト、書籍など

 

JR東日本は毎年、学生向けのイベントや説明会を積極的に開催していますのでチェックしておきましょう。

 

企業を知るための参考サイトや書籍は以下です。

 

まず、現在公表されている経営ビジョンです。

 

これまでの歩みや、業界を取り巻く環境の変化、それに応じたJR東日本のビジョンについて、説明動画と資料がありますので必ずチェックしましょう。

社長インタビューでもビジョンについて語られています。

 

・JR東日本グループ経営ビジョン「変革2027」:https://www.jreast.co.jp/investor/moveup/

・JR東日本 社長インタビュー:https://www.jreast.co.jp/investor/interview/

 

企業の「辞書」とも言える会社要覧も公表されています。関心のある事業については、ここで詳細に勉強することができます。また「ファクトシート」には各種データも掲載されています。

 

・JR東日本 会社要覧:https://www.jreast.co.jp/youran/

・JR東日本 ファクトシートhttps://www.jreast.co.jp/investor/factsheet/pdf/factsheet.pdf

 

また、最新のビジネスとして注目されている「MaaS(マース)」については知っておく必要があります。

業界ではいま最も大きなムーブメントであり、かつ多く企業を巻き込む話題ですので、他の企業の就活にも役立つでしょう。

 

・「MaaS モビリティ革命の先にある全産業のゲームチェンジ」(日経BP)

 

には、最新の業界地図も収録されています。

 

選考過程では「JR東日本が持つフィールドで何をやってみたいか」という部分も問われます。本気度や具体性がとにかく求められますので、しっかり備えておきましょう。

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執筆者 清水

2002年京都大学理学部卒業後、TBSに主に記者として勤務。社会部記者として事件事故やテクノロジー、経済部記者としては企業活動から金融まで経済全般を幅広く取材。CSニュース番組のプロデューサーも務める。フリーライターに転向後は、取材経験や各種統計の分析を元に、お金やライフスタイルなどについて関連企業に寄稿。趣味はサックス演奏。自らのユニットを率いてライブ活動を行う。

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