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女性の勤続年数が長い企業トップ20社をご紹介!男女の差がなく安心して働ける優良企業を探そう

「少子高齢化社会」を目前に控える日本では、企業が「ダイバーシティ」の取り組みを推進することは、もはや、欠かせません。

 

また、女性が男性と同じように、自らの能力を活かしながら仕事をし、家庭生活も豊かに送ることが望まれます。

 

今回は、「女性の勤続年数が長い企業」について、詳しく解説をしていきます。

 

女性が職を転々とすることなく、安心して働ける企業をご紹介しますので、ぜひ、参考にしてください。

 

 

1.女性の勤続年数が長い企業ランキング【TOP20社】

 

女性の勤続年数が長い企業ランキングのTOP20社は、以下の通りです。(下図1)

 

①女性の勤続年数が長い企業ランキング TOP20社

 

順位 社名 業種 女性勤続年数
1位 東京ドーム レジャー 25.7年
2位 新光電気工業 電子部品・機器 25.0年
3位 高島屋 デパート 24.9年
4位 京阪電気鉄道 鉄道 23.9年
5位 小田急百貨店 デパート 23.4年
6位 大丸松坂屋百貨店 デパート 23.3年
7位 タクマ 機械 23.2年
8位 中電工 建設 23.1年
9位 東急百貨店 デパート 23.1年
10位 NECプラットフォームズ 電子部品・機器 22.7年
11位 東京電力ホールディングス 電力・ガス 22.3年
12位 首都高速道路 サービス 22.0年
13位 ルネサスエレクトロニクス 電子部品・機器 21.9年
13位 セーレン 衣料・繊維 21.9年
15位 日本製紙 印刷・紙パルプ 21.6年
16位 パナソニック 電機・事務機器 21.4年
17位 コニカミノルタ 電機・事務機器 21.3年
17位 JFEスチール 鉄鋼 21.3年
17位 住友ベークライト 化学 21.3年
20位 東芝情報システム システム・ソフト 21.1年
20位 ソニー 電機・事務機器 21.1年
20位 関東電気保安協会 サービス 21.1年

図1 参考)就職四季報女子版2022年「女性勤続年数ベスト100」P30を参考に筆者作成

 

 

a.女性が長く働いている企業NO.1は「東京ドーム」の25.7年

 

女性が長く働いている企業NO.1は「東京ドーム」で、25.7年という勤続年数になりました。

 

同社は、東京ドームと周辺エリアのレジャー施設を運営していますが、新型コロナの影響でイベント数は激減しているとはいえ、堅調な経営戦略を持つ優良企業として認知されています。

 

第2位は、電子部品メーカー「新光電気工業」の25.0年。ICパッケージを米インテルへ供給するなど国際的な企業です。

 

第3位の「高島屋」は24.9年と2位に僅差で続いており、東京や大阪など全国に店舗を展開している老舗百貨店として知らない人はいないでしょう。

 

第4位には「京阪電気鉄道」の23.9年がランクイン。同社は京阪HDの中核企業で、関西民鉄の大手として遊園地事業も手がけています。

 

第5位の「小田急百貨店」は23.4年と、こちらも長い勤続年数を誇っており、産前休暇の期間が通常6週間のところ8週間取得でき、女性社員が妊娠出産しやすい環境づくりを推進中です。

 

b.上位企業の業種は「デパート」が多い

 

図1を参照しますと、上位にランキングされた企業の業種で、一番多いのは「デパート」で20社中4社がランクインしています。

 

2位は「電子部品・機器」と「電機・事務機器」がともに3社でランクイン。

 

4位以下には「レジャー」「鉄道」「機械」など、様々な業種が並んでいます。

 

また、就職四季報女子版2022年「女性勤続年数ベスト100」の調査で、ベスト100にランクインした業種の一覧表は下記のようになりますので、ぜひ、参考にしてください。

 

なお、女性勤続年数が高い業種のNO.1は「電機・事務機器」で、100社中16社がランクインしています。

 

 

②女性勤続年数が長い業種ベスト5

 

順位

業種

会社数(100社のうち)

1位

電機・事務機器

16

2位

電子部品・機器

10

3位

デパート

8

4位

化学

7

4位

機械

7

5位

電力・ガス

6

図2 参考)就職四季報女子版2022年「女性勤続年数ベスト100」P30-31を参考に筆者作成

 

 

 

2.女性勤続年数が長い企業トップ10社の概要

 

女性の勤続年数が長い企業トップ10社の概要をまとめたものは、下図2の通りです。

 

①女性勤続年数が長い企業トップ10社の概要

 

順位 企業名 新人女性の入社3年の離職率 平均年収 平均年齢 有給取得日数(年) 女性既婚率
1位 東京ドーム *1 0.0% 590万円 45歳 12.0日 NA
2位 新光電気工業 *2 0.0% 716万円 45歳 12.9日 25.2%
3位 高島屋 *3 15.8% 682万円 47歳 12.7日 48.4%
4位 京阪電気鉄道 *4 NA NA   19.6日 46.1%
5位 小田急百貨店 *5 22.2% 604万円 45歳 12.0日 50.8%
6位 大丸松坂屋百貨店 *6 11.1% 744万円 46歳 10.4日 49.6%
7位 タクマ *7P416 0.0% 895万円 43歳 9.9日 49.2%
8位 中電工 *8 0.0% 708万円 42歳 10.4日 62.0%
9位 東急百貨店 *9 30.0% 540万円 46歳 11.9日 41.5%
10位 NECプラットフォームズ *10 44.4% 659万円 48歳 15.2日 61.2%

図3 *2~*11「就職四季報 女子版2022年」を参考に執筆者作成

 

 

 

a.年収トップはボイラー製造大手「タクマ」の895万円

 

女性の勤続年数が長い企業の上位10社の中で、女性の勤続年数が長く、かつ、年収が一番高い企業は、ボイラー製造大手「タクマ」の895万円です。

 

同社では、各種ボイラーを基盤にゴミ焼却プラントや水処理、バイオマス発電などを展開しています。

 

2019年度実績では、ボーナスは6.12か月分の180万円が支給され、年収面でも文句なしといえるでしょう。

 

2番目に年収が高いのは、百貨店大手の「大丸松坂屋百貨店」の744万円で、他の百貨店と比較しても、群を抜いて高めの年収となっています。

 

3番目には、ICパッケージの国際メーカー「新光電気工業」が716万円でランクイン。「小田急百貨店」と同様に産前休暇が8週間取得できる、女性にやさしい企業です。

 

また、上位10社の平均年収は非公開の企業を除き、全てが年収540万円以上となっています。

 

日本の平均年収は男性が539万7000円、女性が295万5000円となっており、上位10社の企業で働いている女性は、男性とほぼ同レベル、またはそれ以上の収入を得ているといえるでしょう。(下図4)

 

 

令和元年_民間給与実態統計調査_平均給

図4 引用)国税庁「令和元年 民間給与実態統計調査」(第8表)平均給与 P13(https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2019/pdf/001.pdf)

 

 

 

b.新人女性の入社3年後離職率0%は、10社中4社が実現

 

新人女性の入社3年後離職率0%は、「東京ドーム」「新光電気工業」「タクマ」「中電工」の4社が実現しています。

 

「中電工」は前年度も離職率が0%となっており、平均年収が708万円であることから見ても、好条件の優良企業といえるでしょう。*11

 

百貨店3社の中では、「大丸松坂屋百貨店」が入社3年後の離職率が11.1%、平均年収が744万円であり、一番労務環境が優れています。

 

また、女性社員の平均年齢も非公開の企業を除き、全てが42歳以上となっており、女性が長く働ける企業であることを証明しています。

 

 

 

3.家事・育児時間は女性の方が依然として大きい

 

女性がフルタイムで男性並みに働いている人が多い昨今でも、以前として家庭に関する労働時間は、女性の方が以前として多いです。

 

 

①家事時間は男女差は縮小しているが、依然として大きい

 

総務省が、平成28年に実施した社会生活基本調査によると、平成23年と平成28年では、男性は家事時間・育児時間がそれぞれ1分の増加し、女性は8分減少したというデータが得られました。(下図5・右表)

 

また、年齢階級別の家事時間を見てみると、35~39歳の層で、女性は平成23年から20分ほど減少していることが読み取れます。(下図5・左表)

 

過去20年の期間においては、家事時間は男性が少しずつですが増加傾向にあり、女性は減少傾向となっています。

 

とはいえ、平成28年を見てみると、女性の1週間の家事時間が2時間24分なのに対し、男性は、わずか19分であり、その差は約2時間もあります。(下図5・右表)

 

このようなことからも、まだまだ、家事に関する労働は女性の方が、圧倒的に負担が重いといえるでしょう。

 

 

平成28年社会生活基本調査_生活行動に関する結果_結果の概要

図5 引用)総務省「平成28年社会生活基本調査 生活行動に関する結果 結果の概要」P5(https://www.stat.go.jp/data/shakai/2016/pdf/gaiyou2.pdf)

 

 

 

②男性の育児時間は増えているが、女性の方が何倍も多い

 

育児時間は、図5(左表)を参照すると、平成23年より30~34歳層の女性は20分増加、男性も30~39歳の層で5分増加し、ともに増加の傾向が見られます。

 

男女別の育児時間は、平成8年では女性は男性の約9倍多く、その後はゆるやかに差は縮小していき、平成28年には女性は男性の4倍多いという状況に改善されました。

 

平成8年と比較すると、この20年の間に、だいぶ男性が育児に協力するようになったとはいえ、まだまだ大きな開きがあるといえるでしょう。

 

また、子どもがいる夫婦世帯については、就学前や小学生を持つ年齢層(25歳~40歳)で、夫婦間の負担にかなり違いがあります。

 

ただ、子供に手がかからなくなる45歳以上になると、男女ともにあまり変わりがありません。

 

 

平成28年社会生活基本調査_生活行動に関する結果_年齢別育児時間

図5 引用)総務省「平成28年社会生活基本調査 生活行動に関する結果 結果の概要」P6(https://www.stat.go.jp/data/shakai/2016/pdf/gaiyou2.pdf)

 

 

4.まとめ       

 

今回は、「女性の勤続年数が長い企業」について詳しく解説をしていきました。

 

女性が長く働けるようにするには、家庭での理解やサポート、法整備なども必要ですが、まずは、女性が働きやすい環境が整えられている企業に入社することが重要です。

 

今回、ご紹介した企業はどれも、実際に女性が長く働き続けている優良企業ばかりです。

 

これから就活や転職活動を検討している女性の方は、この記事をぜひ、参考にしてください。

 

参考資料/参考データ
*1参考)就職四季報女子版2022年「東京ドーム」P680 *2「新光電気工業」P330
*3「高島屋」612 *4「京阪電気鉄道」P706 *5「小田急百貨店」P615 
*6「大丸松坂屋百貨店」P612 *7「タクマ」P416 *8・11「中電工」P575
*9「東急百貨店」P615 *10「NECプラットフォームズ」P337
就職四季報 女子版2022年「女性勤続年数ベスト100」P30-31
就職四季報 女子版2022年「東京ドーム」P680
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フリーランスの転職・不動産ライター。複数のメディアで執筆中です。宅建の資格を活かし、家族が所有する投資用不動産の入居者管理もしています。住まいに関する資格である整理収納アドバイザー1級、福祉住環境コーディネーター2級も取得済みです。趣味は整理収納と料理。

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