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社内認定制度でキャリアアップ、野村総研の採用情報や傾向・就活対策について

社内認定制度でキャリアアップ、野村総研の採用情報や傾向・就活対策について

 

野村総合研究所は、野村証券系のシンクタンクで、大手SIベンダーです。

 

システム開発から始まった企業で、現在もシステムの企画・開発や運用をメインの事業としています。

 

多くの優良企業認定を受け、社内のキャリアパス制度も充実している野村総研の採用情報や就活対策などについてみていきましょう。

 

 

1.募集職種と初任給など

 

野村総研の募集職種は以下の5つです。

経営コンサルタント 企業戦略の策定や業務改革、官公庁の政策指導など。
アプリケーションエンジニア 金融・流通・産業用のシステム企画、設計、開発。
テクニカルエンジニア クラウド、オンプレミスでのIT基盤の設計、構築、運用など。
セキュリティスペシャリスト コンサルティング、セキュリティ監視・診断、ソリューション開発など。
経理スペシャリスト 本社部門や各事業部門での企業会計全般。

 

初任給は2020年3月実績で、

博士了:299,500円

修士了:251,500円

大学卒:221,500円

となっています*1。

 

なお、

・三親等以内にグループの役員、社員、入社予定者がいる場合は応募できない

・兄弟など、入社後に三親等以内の親族が在籍する可能性がある場合、同時には応募できない

 

という規定があるので注意してください*2。

 

コンサルティング、シンクタンクに分類される企業ではありますが、メインはSIベンダーで、売上高のほとんどはITソリューションによるものです。

IT系の専攻でないとエンジニア職に就けない、ということはありません。文系からエンジニアになっている人もいます。

 

 

2.野村総研の求める人材と通過率

 

採用HP内では、採用担当者が学生へのアドバイスを語っています。

 

その中でも最も注意したいのは、

私が特に思うのは、「人の噂に惑わされない」ことです。自分の目で見たこと、自分の耳で聞いたことが大切だと思います。就職を考えている企業のことやそこで働く人を見ることで、自分なりの思いを持ってほしいと思います。(中略)いろいろな業界や企業を見る中で「自分なりの決定軸(やりたいことや譲れないもの)」を作ってほしいと思います。どんな会社でもいいところと悪いところがあるはずですので、その中で何を優先するのかを決めておかないと、いつまでたっても決められないのではないでしょうか。

 

 

という点です。

 

自分で見聞きしたことを元に物事を考え、それを表現する力が求められます。

コンサルタントやSIベンダーは、クライアントの業務を自分で見聞きし、改善策を自分で考え、提案・実現する仕事ですから、当然必要とされるスキルとも言えます。

 

面接経験者の話として、このようなものがあります。

1次面接 SEとして働くにあたって必要な素質を5点挙げよ、という質問があり少し焦った。
最終面接 逆質問をする時間が5分与えられるため、事前に質問を考えてくるように言われていた。時間はあっという間だったので関連性のあることを聞くといいと思った。

 

「自分はどう思うのか」を、周囲の考えを気にせず話しましょう。

逆質問は自分の思考回路がはっきり分かる項目でもありますので、1次面接で感じたことや、企業研究をしていて気になった点はメモに残しておくと良いでしょう。

 

なお、ES通過率は55%、6,245の受付に対して3,409通過です。また、全体での倍率は16倍となっています*3。

 

 

3.野村総研の社風とキャリアパス制度

 

野村総研の社風について、社員の座談会が採用HPに掲載されています。

 

一例を挙げるとこのようなものです。

新卒入社A
分からないことがあっても、ただ「教えてください」と言うだけでは絶対に教えてもらえなかったんです。分からないなりに調べて「私はこう思いますが」と自分の意見を述べると、「実は、こうなっていてね」とすごく丁寧に教えてもらえる。それがうれしくて、一生懸命調べていたのを覚えています。

 

新卒入社B
自分もあまり準備ができていない状態で質問をした時に「それってどういう意味?」と逆に聞かれてしまった覚えがある。何をするにも自分で考えて、納得しながら進めることを重視する文化があるんじゃないかな。

 

新卒入社C
自分の中で整理してから話すことで、論理的に考える力や話す力はすごく鍛えられたと思う。新人の頃はお客様にも言いたいことがなかなか伝わらず、納得してもらえないことがあったけど、今では要点を押さえた話し方ができるようになったと実感しています。

 

 

まさに「自分で考える力」が試されます。面接で意識したい点です。

 

 

そして野村総研は、長いスパンで社員のキャリアアップを考えています。

特徴的なのは、「NRI認定制度」です。

 

・一定基準以上のプロジェクトで優れた実績・成果をあげて組織に貢献ししている

・自己研鑽でも一定の成果を上げている

 

このような社員に対して、認定ビジネスディベロッパー、認定データサイエンティスト、認定プロジェクトマネージャなどの資格を付与しています。

 

「やりたいこと」も大切ではありますが、「どうなりたいのか」を自分で考えているかどうかも重要視されます。長い目で見た自分のキャリア形成についても考えておくと良いでしょう。

 

また、多くの優良企業認定を受けています。

 

経済産業省の認定する「健康経営優良法人 ホワイト500」や女性活躍を推進するために厚生労働省が認定している「プラチナくるみん」「えるぼし」の他、女性が活躍している上場企業を経済産業省と東京証券取引所が選定する「なでしこ銘柄」にも入っています*4。

 

 

4.野村総研への就活で参考にしたいサイトとまとめ

 

中期経営計画を含めた事業概要はこちらからダウンロードできます。

どのような事業を展開しているかへの理解度は重視されますので、チェックしておきましょう。

 

「NRIの事業概要(2021年1月更新)」:リンク

 

また、長編のトップメッセージや価値観などについても紹介されている統合報告書も必見です。

 

「統合レポート」:リンク

 

 

しっかりと自分の将来の目標が描けていることも重視されます。

そのためには自分の現状の「強み」をしっかりと分析して、具体的に話せなければなりません。

 

しっかりと自己分析をしてから臨みましょう。

 

 

参考資料/参考サイト
*1、2「募集要項」野村総合研究所
*3 「就職四季報総合版 2021年版」東洋経済 p118
*4「働き方改革への取組み」野村総合研究所
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執筆者 清水

2002年京都大学理学部卒業後、TBSに主に記者として勤務。社会部記者として事件事故やテクノロジー、経済部記者としては企業活動から金融まで経済全般を幅広く取材。CSニュース番組のプロデューサーも務める。フリーライターに転向後は、取材経験や各種統計の分析を元に、お金やライフスタイルなどについて関連企業に寄稿。趣味はサックス演奏。自らのユニットを率いてライブ活動を行う。

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