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役員などの年収公表で話題 ファーストリテイリングの採用情報と就活対策

役員などの年収公表で話題 ファーストリテイリングの採用情報と就活対策

 

「ユニクロ」「ジーユー」などを世界で展開するファーストリテイリンググループはSPA(アパレル製造小売業)の国内首位、世界でも3位の企業です。

 

特にユニクロの採用方法は独特で、大学1年、2年からでも応募できるシステムや、最終面接を好きなタイミングで受けることができる「ユニクロパスポート」といったシステムがあります。

 

ファーストリテイリンググループの採用情報や対策を見ていきましょう。

 

 

 

1.年収テーブルの公開で話題に

 

 

「年収のお知らせ。」

ファーストリテイリングはこんなタイトルの採用広告を2013年に出して話題になりました。

新入社員から役員まで全てのグレードの年収と年齢を表にして公開し、「1億円役員はいます。1億円店長はまだか。」というキャッチフレーズを添えたものです。

 

グレードはJ-1からK-4まであり、平均年収は394万円から2億4000万円まで、という内容で、

「フェアに評価します。いい仕事をした人に、もっと大きな仕事を任せます。給料に上限はありません。」

と綴られたこの広告は、実力次第で高い年収も夢ではないことをアピールしています。

 

 

実際、ファーストリテイリングは給与・待遇について、

「完全実力主義です。それは会社の都合ではなく、人間が成長する道具。私たちは、どこまで人間をフェアに評価できるかを考えています。いい仕事をした人が、もっと大きな仕事を任せられる会社でありたい。もし世界一いい仕事をしたら、世界一いい報酬をもらってもいいじゃないか。本当にそう思います。会社はどこよりも成長する機会を与え、その機会を使って成長してもらう場なのです。」

と言い切っています*1。

 

その「実力主義」が、採用方法にも大きく反映されています。

 

 

 

2.ファーストリテイリンググループの募集職種

 

 

ファーストリテイリングの募集には、全国転勤や海外転勤を伴うグローバルリーダー社員と、転勤を伴わず各地の店長代行候補者となる地域正社員の2種類があります。

 

初任給はそれぞれ、

グローバルリーダー社員:255,000円

地域正社員:177,500円〜202,800円(地域により異なる)

となっています。

 

地域正社員として入社した人でも、その後のキャリアによってグローバルリーダー社員に転向することも可能です。

 

なお、グローバルリーダー社員は入社日が一般とは異なっています。

ユニクロが3月1日と9月1日の年2回、ジーユー、プラステ、リンク・セオリー・ジャパンは3月1日です。

その後選考に進むためには、会社説明会への参加が必須です。

そこから適性検査、面接と進んでいきます。

 

 

 

3.ユニクロの通年採用

 

 

グループのうち、ユニクロでは通年採用を実施していますが、大きな特徴があります。

 

まず、どの学年からも参加が可能だという点です。大学1年、2年生もエントリーが可能で、まさに好きなタイミングで就活を始められます。

2年生で内定を得てから4年生5月まで海外留学、6月から内定者アルバイトを経て翌3月に入社した社員の例もあります。

 

「ユニクロパスポート」というシステムもあります。

「ユニクロパスポート」は会社説明会→WEB適性検査→面接(複数回)→本部セッション、とここまでの選考を通過した人に発行されるもので、発行から3年以内であればいつでも最終面接を受けられるというシステムです。

新卒・既卒でも利用できます。

そして、選考に落ちても1年に一度、期が変われば再びチャレンジすることができます。

 

 

 

4.ファーストリテイリング、特にユニクロの面接対策

 

 

ユニクロの面接では、ユニクロの店舗や商品についてよく尋ねられる傾向があります。

個人の好みや使い心地の話で終わってしまってはNGです。

日頃から店舗や商品を観察しながら、変わりゆく店舗や商品の様子を捉え、自分なりに分析しておく必要があります。

日頃のそうした観察に会社説明会やその後のイベントなどで肉付けしていき、ユニクロに対する意識や意見、考えなどを自分の中で育てていくのが良いでしょう。

 

かつ、非常に重要なのは、「世界におけるユニクロの立ち位置」について考えているかどうかです。

世界という市場の中でどのような事業戦略を持ち、展開しているのかといった部分に対する理解は必要不可欠です。

また、実力主義、と表立って宣言しているベンチャー精神の強い企業です。

 

インプットからアウトプットまでの過程も重視されます。

相手が高い立場の人でも、自分の意見を堂々と言えるくらいの思考能力とプレゼンテーション能力は必須です。

 

どちらかというと、ベンチャー精神の強い企業だと言えるでしょう。

 

なお、求める人材像は「『服を変え、常識を変え、世界を変えていく』という当社の志に共鳴し、一緒に実現を目指してくれる人」です。

 

 

 

5.参考にしたいURLやサイト

 

 

まず企業の事業展開について知るために必須なのがIR資料です。

直近の決算説明会とアニュアルレポート、また事業戦略説明会などの資料が公表されていますので目を通しておきましょう。

 

ファーストリテイリング IRライブラリー:https://www.fastretailing.com/jp/ir/library/

 

サステナビリティへの取り組みについてもチェックしておきましょう。

最近ではリサイクルダウンジャケットを発売して話題になりましたが、それ以外にも、「世界の中のユニクロ」をこうした取り組みの中に探してみるのも良いでしょう。

 

ファーストリテイリング サステナビリティ:https://www.fastretailing.com/jp/sustainability/

 

そして、ファーストリテイリングは柳井社長の意思が強く反映されている企業です。

その柳井氏の著書である「経営者になるためのノート」(PHP研究所)にはその考えが綴られています。

 

なお、ファーストリテイリングは長期や海外でのインターンシップといった制度を設けているほか、学生と接する機会となるイベントを多数実施しています。

これらを見逃さず、積極参加することは大きなアドバンテージになるでしょう。

採用情報のサイトに各種インターンや勉強会について紹介されていますので、こちらは早めにチェックしましょう。

 

ユニクロに関しては、何年生からでも応募でき、再挑戦もできるという最大の特徴があります。

早めの情報収集がスムーズに就活を進めるためのカギにもなるでしょう。

 

ファーストリテイリング 採用情報:https://www.fastretailing.com/employment/ja/

 

 

参考資料/参考データ
*1 ファーストリテイリング採用情報「給与・待遇」
https://www.fastretailing.com/employment/ja/fastretailing/jp/graduate/company/environment/
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執筆者 清水

2002年京都大学理学部卒業後、TBSに主に記者として勤務。社会部記者として事件事故やテクノロジー、経済部記者としては企業活動から金融まで経済全般を幅広く取材。CSニュース番組のプロデューサーも務める。フリーライターに転向後は、取材経験や各種統計の分析を元に、お金やライフスタイルなどについて関連企業に寄稿。趣味はサックス演奏。自らのユニットを率いてライブ活動を行う。

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