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世界最大の経済メディア 日本経済新聞の採用情報と過去問、傾向と就活対策

世界最大の経済メディア 日本経済新聞の採用情報と過去問、傾向と就活対策

 

日本経済新聞社(日経新聞)は、日本最大の経済メディアです。

イギリスのフィナンシャル・タイムズを買収して海外にも多くの拠点を持っていて、新聞発行だけでない幅広いビジネスを展開しています。

 

新聞社というと記者職イメージも強いかもしれませんが、ビジネスの企画部門の募集もあります。

 

特にビジネス色の強い日経新聞の採用情報と、傾向や就活対策についてみていきましょう。

 

 

 

 

 

1.募集職種と初任給など

 

 

日経新聞の募集職種は大きく分けて3つです。

 

 

①記者

 

新聞社のイメージそのものでしょう。

ただ、日経新聞の場合は他の新聞社と違い経済ニュースに特化しています。専門学部の出身である必要はありませんが、学生時代に国内外の経済に興味を持ち、自分なりに分析する力は求められます。

国内外広いフィールドで仕事をしています。

 

 

②ビジネス(営業・企画)

 

新聞社の仕事は、報道だけではありません。

ビジネス分野としては販路の開拓だけでなく、英文メディアの事業開発や、セミナー・マーケティングなどの研修事業の企画などもあります。

また、デジタル事業にも注力しているところです。

 

 

③エンジニア

 

ビジュアルデータ制作、ソフトウェアエンジニア、データサイエンティストといった仕事です。

日経電子版、日経テレコンといったデジタルコンテンツに関する業務や、データベースを活用した各種サービスの展開に関する業務があります。

 

また、情報インフラの構築、新聞製作技術といった分野の仕事もあります。

 

なお、初任給と採用実績校は次のようになっています*1。

 

<初任給>

博士了:294,500円〜

修士了:294,500円〜

大学卒:278,000円〜

 

<採用実績校(2020年4月入社>

院卒=京大、早大、東大、名大、横国大、大阪府大、奈良女大、法政大、

大卒=早大、東大、慶大、京大、東工大、北大、一橋大、上智大、名大、ICU、立教大、中大、青学大、筑波大、東京外大、白百合女子大

 

 

 

 

2.日本経済新聞の特色と論文突破

 

 

まず、記者職には英語を含むSPIと筆記試験、論文試験があります。

 

日経新聞の採用情報サイトには過去に出題されたテーマも掲載されています*2。

それによると、2020年春採用では、

「テレワークが変える日本社会」

について、60分で800文字の小論文の作成を求めらています。

 

論文試験では、事実を列挙するだけでは論文として成立しません。自分の経験やファクトに基づいた意見、そして幅広い視座から論じる必要があります。

 

テレワークと言っても様々な側面があります。人の生活を変えるということだけでなく、産業構造の変化をもたらす可能性もあります。

日頃から社会の動き、ちょっとした変化を捉え、気になることは調べ、自分なりの意見を持つことが重要です。

記者の資質そのものとも言えるでしょう。

 

また、独自の「日経TEST」が設けられています。

政治、経済、海外の出来事についての4択問題です。

これは日頃から新聞を読み、自分の興味があることだけでなく、世界や社会がどのように動いているか、また、経済とは基本的にどのような仕組みなのかを知っておかなければ回答するのが難しいものばかりです。

 

一部を見てみるとこのような設問で、かなり幅広い分野の知識が求められていることがわかります。

 

 

日経TEST準拠問題(2021年入社定期採用)
問1 日本の国内総生産(GDP)についての以下の記述のうち正しいのはどれか。

① 日本はドル換算の名目GDPで世界2位である。
② 日本企業の海外拠点で生産されたモノの付加価値は含まない。
③ 実質GDP成長率は年率で5%程度を維持している。
④ 日本企業の最終利益を合計すると算出できる。


問2 2020 年1月末時点で、首相としての「連続在任期間」が史上最長である人物は誰か。

① 伊藤博文
② 桂太郎
③ 佐藤栄作
④ 吉田茂


問5 スマートフォン決済サービスのうち、決済に使う技術が他の3つと異なるのはどれ か。

① PayPay(ペイペイ)
② アップルペイ
③ 楽天ペイ
④ LINEペイ

問6 2018 年に原油生産量が最も多かった国はどれか。英国の石油メジャーBPの統計。
① サウジアラビア
② ロシア
③ アラブ首長国連邦(UAE)
④ 米国

 

引用:「日経TEST準拠問題」(2021年入社定期採用)」https://www.nikkei.co.jp/saiyo/pdf/past/2020spring_base.pdf

日頃から高いアンテナと強い好奇心を持って様々なニュースに接する心がけが重要です。

 

 

 

 

3.日本経済新聞の「デジタル採用枠」

 

 

日経新聞では、最初に示した①〜③の職種の他に、「デジタル採用」の枠があります。上記の枠よりもより専門性の高い分野です。

報道に最新のテクノロジーを取り入れることに積極的な新聞社です。

 

システム設計・開発に関わる一定の技術を前提としていて、必要とされるプログラミング言語も指定されています。スマホアプリや日経電子版開発といった業務から、AIやメタデータ設計に関わる業務まで幅広く、またWebデザイナー、アートディレクターの仕事もあります。

 

こちらのデジタル採用の場合、初任給は以下のようになっています*3。

 

大学卒:278,000円

大学院卒:294,500円

 

 

 

 

4.参考にしたいURLや書籍とまとめ

 

 

当然のことながら、日経新聞の購読をするのがベストです。必須とも言えるかもしれません。

電子版でもかまいませんが、紙の新聞の方がその日のニュースを俯瞰しやすいのでおすすめします。

多くの情報を自分の中に取り入れ、「点と点を線で結ぶ」発想ができるようになると良いでしょう。

また、日経新聞の幅広いビジネス展開について知っておきましょう。企業イメージが少し変わるかもしれません。

 

「会社を知る 事業概要」:https://www.nikkei.co.jp/saiyo/company/business.html

 

書籍としては、日経TESTの公式テキストが発行されています。問題集としてもそうですが、思考力を鍛えるのにも役立ちます。

「日経キーワード」も、経済ニュースを理解する助けになります。他社の試験でも役立つでしょう。社会人も勉強のために手にする書籍です。

 

経済は人の暮らしの基盤とも言えます。経済報道を通じて人々の役に立つのが日経新聞の存在です。

経済というと、株や為替のようなもののイメージが強いかもしれませんが、食べ物や身近なテクノロジーもまた経済ニュースの範疇に入ります。

 

筆者の経験上ですが、経済について知ると他の分野の話もよく見えてくるようになり、経済がいかに社会の中の多くの現象に関わっているかがわかります。

楽しみながら時事・経済ニュースに触れる習慣をつけていきましょう。

 

 

参考資料/参考サイト
*1「就職四季報総合版 2021年版」p87
*2「過去の試験問題」日本経済新聞社HP
https://www.nikkei.co.jp/saiyo/recruit/previous.html
*3「デジタル採用」日本経済新聞社HP
https://hack.nikkei.com
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執筆者 清水

2002年京都大学理学部卒業後、TBSに主に記者として勤務。社会部記者として事件事故やテクノロジー、経済部記者としては企業活動から金融まで経済全般を幅広く取材。CSニュース番組のプロデューサーも務める。フリーライターに転向後は、取材経験や各種統計の分析を元に、お金やライフスタイルなどについて関連企業に寄稿。趣味はサックス演奏。自らのユニットを率いてライブ活動を行う。

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