ダイキンは、「空調」「化学」「フィルタ」の3分野を柱に事業を展開しています。
人々が快適に過ごせる健康で安全な空間を提供するため、多彩な製品とサービスを、世界150カ国以上においてグローバルにビジネス展開をしている企業です。
近年では、新型コロナウイルス感染症により、全世界で換気や空気清浄への関心が高まっています。
今回は、「空気で答えを出す会社」ダイキン工業の採用情報や就活対策について、詳しく解説をしていきます。
これから、ダイキン工業に就活することを検討している方は、ぜひ、本記事を参考にしてください。
1.ダイキン工業の概要
ここでは、ダイキン工業の概要について簡単に解説をしていきます。
①ダイキン工業の企業理念
ダイキン工業の企業理念は「進化し続けるグループを目指す」というもの。
温暖化とエアコンの関係が取りざたされている中で、地球に優しい製品を開発し、環境社会をリードしていくことを目標としています。
主な理念内容は下記の通りです。
1.「次の欲しい」を先取りし、新たな価値を創造する
2.世界をリードする技術で、社会に貢献する
3.企業価値を高め、新たな夢を実現する
4.地球規模で考え、行動する
5.柔らかで活力に満ちたグループ
6.環境社会をリードする
7.社会との関係を見つめ、行動し、信頼される
8.働く一人ひとりの誇りと喜びがグループを動かす力
9.世界に誇る「フラット&スピード」の人と組織の運営
10.自由な雰囲気、野性味、ベストプラクティス・マイウェイ
引用)ダイキン工業「グループ経営理念 | ダイキンについて」
②ダイキン工業の事業売上の約9割が空調事業
下図1は、ダイキン工業の売上高内訳を表したグラフです。
ダイキン工業の売上高(2018/3月期)2兆2,906億円の内訳は、事業売上の約9割が空調事業となりました。
このように、ダイキン工業は空調事業で世界トップ級であり、化学事業でも半導体や自動車用途など、様々な事業を手掛けています。
その他の事業では、油圧機器や酸素濃縮器なども展開中です。

図1 引用)首相官邸「ダイキン工業における 協創イノベーションの取組み」P1
2.ダイキン工業の採用情報・従業員データ・待遇面
ここでは、ダイキン工業の採用情報・従業員データ・待遇面などについて詳しく解説をしていきます。
①ダイキン工業の新卒採用情報
ダイキン工業で募集されている新卒向けの職種は、技術職と事務職です。
ここでは、採用情報をご紹介していきましょう。
【採用情報】
職種 | 技術・事務 |
応募資格 | 大学、大学院、高等専門学校・短大を卒業(修了)見込み |
募集学科 | 基本的に技術系は理系、事務系は文系の出身者が多い |
初任給 | ・博士了 268,800円 ・修士了 244,800円 ・大学卒・高専専攻科卒 225,000円 ・高専・短大卒 197,000円 |
勤務時間 | 標準労働時間 7時間45分 本社・支社 9:00~17:30 製作所 8:30~17:00 ※フレックスタイム制、裁量労働制あり |
休日休暇 | 完全週休2日制 |
福利厚生 | 独身寮・社宅完備、保養所(蓼科、宝塚、那須)、退職年金制度、住宅融資制度、財形貯蓄制度、持ち株制度等 |
図2 参考)ダイキン工業「募集要項 | 新卒採用情報」を参考に筆者作成
②ダイキン工業の従業員データ
ダイキン工業の2019年における従業員データは下図3の通りです。
【ダイキン工業の従業員データ】
従業員数 | 全体8,800人(平均年齢41.9歳・平均勤続年数15.4年) 男性7,449人(平均年齢43.2歳・平均勤続年数16.2年) 女性1,351人(平均年齢35.2歳・平均勤続年数10.9年) |
一般社員 離職率 | 1.70% |
3年後新卒 離職率 | 9.20% |
平均年収(総合職 平均41.9歳) | 824万円 |
図3 参考)就職四季報 総合版 2021年 「ダイキン工業」P328を参考に筆者作成
図3のデータを参照すると、ダイキン工業の平均年齢は全体で41.9歳、平均勤続年数は15.4年となっています。
男女別では、男性の平均年齢は43.2歳、平均勤続年数は16.2年。女性の平均年齢は35.2歳、平均勤続年数は10.9年となっており、男性の方が平均勤続年数、平均年齢ともに高めです。
従業員数も、男性が全従業員数の約85%を占めており、女性より多めです。
総合職の平均年収(平均41.9歳)は824万円となっています。
③ダイキン工業への入社後の休暇・育休の実態
ダイキン工業に入社した後の、有給などの取得日数、育休の取得者数などをまとめた表は下図4の通りです。
夏季休暇は有給で取得し、有給取得率は90%。他の上場企業は付与日数20日が標準ですが、比較すると日数が2日多くなっています。
育休取得者数は354名で、男性の取得者は216名となっており、男性の社員数が約9割ということもありますが、こちらも他企業より男性の育休取得者が多いといえます。
【ダイキン工業に入社後の休暇・育休の実態】
夏季休暇 | 連続5日(有給で取得) |
年末年始休暇 | 連続5日 |
有給取得 | 20.0/22日 |
育休期間と取得者数 | ・1歳になるまで ・取得者数は354名(男性は216名) |
図4 参考)就職四季報 総合版 2021年 「ダイキン工業」P328を参考に筆者作成
3.求める人材や採用・試験情報
ここでは、ダイキン工業が求める人材像やエントリーの流れ、試験情報などについて詳しく解説をしていきます。
①求める人材像
ダイキン工業が求める人材像は「強い参画意識を持ち、成長し続けようと努力し続け、進んで未知の領域へ挑戦し変革する人」です。*1
②新卒採用エントリーの流れ
エントリーの流れとしては、こちらの順番で行っていきます。
【採用プロセス】
- ES提出(3月~7月)
- 適性テスト(3月~7月)
- 面談(2~3回、6月~7月)
- 内々定(6月上旬~)*2
③新卒採用の試験情報
試験において重視される科目は「面談」です。
【選考の重要ポイント】
a.総合職
ESテーマで重視されるポイントは「経験からくる人的魅力 説得力 論理性 自律活動性メンバーシップマインド」です。
面談では「マインド(意欲・自立心など)・基礎能力」を総合的に評価されます。
b.技術職
ESテーマで重視されるポイントは「経験からくる専門性 チャレンジ精神 発想力 論理性 自律活動性 メンバーシップマインド 特殊な経験 学業含む課外活動への取り組み」です。
面談は総合職と同じになります。*3
④採用数と採用実績校
ダイキン工業における各年度の採用数をまとめた表がこちらです。(下図5)
【採用数:男女別】
年度 | 男女別採用実績 |
2018年 | 434名(男300 女134) |
2019年 | 436名(男313 女123) |
2020年 | 418名(男298 女120) |
図5 参考)就職四季報 総合版 2021年 「ダイキン工業」P328を参考に筆者作成
2020年4月入社者の採用実績/学歴フィルターは下記の通りです。
文系:(院)京大・明大・一橋大(大)早大・神戸大・慶大・上智大・同大・関大・阪大・東京外大・九大など
理系:(院)阪大・神戸大・大阪府大など(大)同大・立命館大・関大・芝工大・東理大・明大・法政大・千葉大など *4
4.世界トップ級の空調メーカーとしてグローバルに活躍
①国内エアコンメーカーの売上高ランキングトップ5
下図6は、国内エアコンメーカーの売上高ランキングトップ5です。
ダイキン工業は5社の中でも、ダントツの売上高を誇り、世界でもトップ級の空調メーカーとしてその名を響かせています。
順位 | 企業名 | 売上高 | 特徴 |
1位 | ダイキン工業 | 2兆3,091億円 | ・空調専業で業務用から家庭用まで幅広い ・M&Aも駆使し世界各地で高いシェア率を誇る |
2位 | 三菱電機 | 1兆902億円 | ・家庭用、業務用ともに強い ・2016年にイタリアの業務用空調会社を買収 |
3位 | パナソニック | 4,930億円 | ・家庭用では国内トップクラス ・海外専門販路を拡大 |
4位 | 富士通ゼネラル | 2,301億円 | ・家庭用と業務用どちらも扱う ・売上高の9割が空調 |
5位 | コロナ | 180億円 | ・石油暖房大手 ・エアコンは低価格帯が強い |
図6 参考)会社四季報「業界地図」2021年版「エアコン」 P83を参考に筆者作成
②空調事業の海外における地域別売上比率
下図7はダイキン工業における、空調事業の地域別売上の比率です。
全体の3割をアメリカが占めており、日本での比率を上回っています。
アメリカにおいては、2012年に買収したグッドマンを軸に強気の販売戦略を繰り広げ、エアフィルター事業を第3の柱へと育成中です。
ヨーロッパ、中国、アジアにも販路を拡大し、中国では現地最大手の格力電器と提携し、高価格帯を中心に高い利益率をあげています。*5
5.ダイキン工業のまとめ
今回は、ダイキン工業の採用情報や就活対策について、詳しく解説をしていきました。
1924年に大阪で創業したダイキン工業は今、空調事業を中心に、世界150カ国以上で事業を展開しています。*6
暑い夏、寒い冬に生活を快適に助けてくれるのがエアコンです。
エアコンで世界トップレベルの売上を誇るダイキン工業は、人々の健康を支え、空気と環境の新しい価値を創り続けています。
ダイキンの成長を支え続ける3つの源泉は「人」「環境」「進取の精神」。
この3要素を常に経営の重要ポイントにして、環境を考えながら実践することで大きく発展をしていきました。
これからも、快適な生活を支えるための空調を世界中に届けながらも、地球への環境問題に取り組んでいく企業です。