「あの街にあの家に、こころは帰る 積水ハウス~」
優しい歌声のCMソングで有名な積水ハウスは、人が安らぎと幸せを感じられる家を提供し続けている大手住宅メーカーです。
積水化学工業から戦後独立し高級鉄骨プレハブ住宅を主力として全国展開しており、近年ではESG経営(Environmentは環境、Socialは社会、Governanceは企業統治)のリーディングカンパニーとして更なる発展を目指しています。
今回は「人と環境にやさしい企業」積水ハウスの採用情報や就活対策について詳しく解説をしていきます。
これから積水ハウスに就活することを検討している方はぜひ、本記事を参考にしてください。
1.積水ハウスの概要
ここでは、積水ハウスの概要について簡単に解説をしていきます。
(1)積水ハウスの企業理念
積水ハウスの企業理念は「人間愛」が根本哲学。
基本姿勢は「真実・信頼」目標は「最高の品質と技術」事業の意義は「人間性豊かな住まいと環境の創造」を掲げています。
人が安らげる家を創り上げる積水ハウスの社員に求められる行動規範は以下の通りです。
【行動規範】
・私たち一人一人が積水ハウスです。
・相手の幸せを願う暖かい心で全てに取り組もう。
・使命を自覚し、誠実に行動しよう。
・権力的にならず、共に力を合わせ仕事をしよう。
・創意を活かし、時代に挑戦しよう。*1
(2)環境省からエコ・ファースト企業に認定
環境省は「エコ・ファースト制度」を施策の一つとしており、内容は企業が環境大臣に対して地球温暖化対策や廃棄物・リサイクル対策など、自らの環境保全に関する取組みを約束するというものです。*2
積水ハウスは平成20(2008)年6月に環境大臣より「エコ・ファースト企業」認定を受け、環境に対する取り組みを実践してきました。
同社では「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」(ZEH)の販売数を増やしており、2017年度には新築戸建住宅の居住時年間CO2排出量を1990年度比で83.6%削減することに成功しています。*3
環境戦略と事業戦略を一体化させ、来るべき脱炭素社会に向けて地球温暖化対策を重要視している企業です。

図1 引用)環境省「COOL CHOICE チャレンジ~地球温暖化対策を実践する1週間~」
2.積水ハウスの採用情報・従業員データ・待遇面
ここでは積水ハウスの採用情報・従業員データ・待遇面などについて詳しく解説をしていきます。
(1)採用情報
積水ハウスでは「営業職(総合職)」「技術職(総合職)」「総合事務職(総合職)」「地域勤務職(一般職)」の4種類で採用を行っています。
こちらでは採用情報をご紹介していきましょう。
コース別 | 営業職・事務職(総合職) | 地域勤務職(一般職) | 技術職(総合職) |
募集学部・学科 | 全学部全学科 | 全学部全学科 | 建築部門:建築系学科(卒業時に2級建築士の受験資格を得られる人) 研究開発部門:建築系・土木系・機械系・情報系・人間工学系学科 生産部門:建築系・機械系・電気系・情報系・材料化学系学科 IT部門:情報系・建築系学科 |
採用対象 | 卒業および修了見込みの新卒学生 | ||
初任給 | 大学院:226,500円 大学:213,500円 |
大学:178,500円~188,500円 短大・専門:168,500円~178,500円 |
大学院:226,500円 大学:213,500円 |
勤務時間 | 営業部門・本社/9:00~18:00 | 工場/8:30~17:30 | |
休日休暇 | 週休2日制(但し曜日は部門によって異なる) | ||
福利厚生 | 退職金制度、企業年金制度、従業員持株制度、積立貯蓄、団体保険、住宅資金融資制度、独身寮(営業職・技術職・総合事務職)など |
図2 参考)積水ハウス「新卒採用 募集要項」「新卒採用 待遇・福利厚生」を参考に筆者作成
(2)従業員のデータ
積水ハウスの2019年における従業員データは下図3の通りです。
【積水ハウスの従業員データ】
従業員数 | 全体14,904人(平均年齢41.8歳・平均勤続年数17.6年) 男性11,708人(平均年齢43.4歳・平均勤続年数19.2年) 女性3,196人(平均年齢35.8歳・平均勤続年数12.1年) |
一般社員 離職率 | 2.30% |
3年後新卒 離職率 | 11.30% |
平均年収(総合職 平均41.8歳) | 945万円 |
図3 参考)就職四季報 総合版 2021年 「積水ハウス」P617を参考に筆者作成
図3のデータを参照すると積水ハウスの平均年齢は全体で41.8歳、平均勤続年数は17.6年となっています。
男女別では男性の平均年齢は43.4歳、平均勤続年数は19.2年。女性の平均年齢は35.8歳、平均勤続年数は12.1年となっており、男性の方が平均勤続年数、平均年齢ともに高めです。
従業員数は男性が全従業員数の約79%を占めており女性より多めです。
総合職の平均年収(平均41.8歳)は945万円。一般社員の離職率は2.3%で少なめといえます。
(3)入社後の休暇・育休の実態
積水ハウスに入社した後の有給などの取得日数、育休の取得者数などをまとめた表は下図4の通りです。
夏季休暇は連続5日、有給取得日数は7.3日で取得率は約37%と半数以下になります。
育休取得者数975名のうち男性の取得者は793名と男性が非常に多く、育休は子どもが3歳になるまで取得ができます。
【積水ハウスに入社後の休暇・育休の実態】
夏季休暇 | 連続5日 |
年末年始休暇 | 連続7日 |
有給取得 | 7.3/20日 |
育休期間と取得者数 | ・3歳になるまで ・取得者数は975名(男性は793名) |
図4 参考)就職四季報 総合版 2021年 「積水ハウス」P617、就職四季報 女子版 2022年 「積水ハウス」P577を参考に筆者作成
3.求める人材や採用・試験情報
ここでは積水ハウスが求める人材像やエントリーの流れ、試験情報などについて詳しく解説をしていきます。
(1)求める人材像
積水ハウスが求める人材像は「人の心の機微に敏感に反応し、誠意を持って行動できる人」です。*4
(2)エントリーの流れ
エントリーの流れとしては、こちらの順番で行っていきます。
【採用プロセス】(総合職:3月~6月、技術職:3月~7月)
- ES提出(3月~)
- 筆記・面接(3~4回、6月~)
- 内々定(6月~)*5
(3)試験情報
試験において重視される科目は「面接」です。
面接では「活力に富み、主体的に創造・革新にチャレンジできるか」などを問われます。*6
過去に出題されたESテーマは総合職・技術職ともに「自己・志望動機(各300字程度)」などです。*7
(4)採用数と採用実績校
積水ハウスにおける各年度の採用数をまとめた表がこちらです。(下図5)
【総合職 採用数:男女別】
年度 | 男女別 採用実績 |
2018年 | 大卒(男296 女159)修士(男18 女8) |
2019年 | 大卒(男252 女176)修士(男19 女10) |
2020年 | - |
図5 参考)就職四季報 総合版 2021年 「積水ハウス」P617を参考に筆者作成
2020年4月入社者の採用実績校/学歴フィルターは下記の通りです。
文系:(大)立命館大、関西学大、日大、明大、駒澤大、甲南大、神奈川大、中京大、東洋大、法政大、慶大、青学大、立教大、中大、早大、東大、上智大、横国大など
理系:(院)大阪市大、九大、信州大、慶大、広島大、明大など
(大)日大、東理大、芝工大、法政大、明大、関西学大、広島大、九大、千葉大など *8
4.戸建て住宅で業界NO.2、賃貸建設・管理が事業の約4割
積水ハウスの2019年度の売上高は2兆4,151億円で営業利益は2,052億円となっており、戸建て住宅業界においては首位の大和ハウス工業に次ぎ第2位です。
事業別売上高構成(下図6)では「賃貸建設・管理」が39%を占めており最も多い割合となっています。
「戸建て、分譲」は23%の割合で全住宅販売戸数は4万3,314戸、そのうち戸建て住宅販売戸数は1万3,252戸であり全住宅販売戸数の約3割です。
下図のグラフにあるように積水ハウスは近年、賃貸住宅や大規模都市開発(6%)や海外(6%)にも積極的に事業展開をしており、傘下にはゼネコンの鴻池組を擁しています。
5.キッズファースト企業としてイクメン休業を積極的に推進
積水ハウスは社員の育児休業を推奨しているキッズファースト企業です。
女性社員だけでなく男性社員でも育児休業を1カ月取得させるなど、社員の家庭生活も大切にしています。
ここでは積水ハウスの「イクメン制度」について詳しくご紹介をしていきましょう。
(1)男性育児休業1カ月以上完全取得への取り組み
積水ハウスでは育休期間は子どもが3歳になるまで認めており、育児休業取得者数975名のうち男性が793名を取得しているという「育休取得」に関して非常に理解が深い会社です。
同社では「わが家を世界一幸せな場所にする」というビジョンを打ち出しており、社員の家庭についても同様の考えで実践しているといえます。
(2)イクメン休業の制度内容
イクメン休業制度の意義は下図の通りです。
積水ハウスでは会社の企業理念として「人間愛」を掲げており、家族の安心を何よりも大切にしています。
社員本人が得られるメリットとしては家族のきずなを通じ豊かな経験をすることや、仕事の見直しを図れることなどです。
社員が実際に子育てを経験することで、お客様に対して「共働きや子育て」に関する具体的な提案もできるようになるという狙いもあり、実際に子育て世帯への理解と配慮意識が向上し住まいの提案の幅が広がりました。
職場においても育児休業により発生する仕事分担などの仕組を変革することで、「助け合う職場」という社風が構築されています。

図7 引用)内閣府「育児休暇関係 積水ハウス株式会社」P4
イクメン制度内容と取得状況は下図の通りです。
【制度内容と取得状況:2019年4月末時点】
運用開始日 | 2018年9月1日 |
取得対象者 | 3歳未満の子を持つ積水ハウス従業員(男女とも) |
主な特徴 | ・育児休業1カ月以上の完全取得 ・最初の1カ月を有給(ボーナス、退職ポイントの算定、昇給昇格に影響なし) ・最大で4回の分割取得が可能 |
3歳未満の子を持つ男性従業員数 | 1,453名 |
取得計画書提出人数 | 938名(うち、取得開始人数857名) |
図8 参考)内閣府「育児休暇関係 積水ハウス株式会社」P4を参考に筆者作成
5.まとめ
今回は「わが家を世界一幸せな場所にする」というビジョンをテーマに企業活動をしている「積水ハウス」について詳しく解説をしていきました。
積水ハウスは人が住まう家を創り出すということもあり、非常に「人間愛」を大切にしている企業です。
戸建て住宅業界ではNO.2の位置にあり、営業力やブランド力に強みを持っています。
近年では賃貸住宅の建設や借り上げにも注力しており中国や豪州、米国など海外にも積極的に事業を展開しています。
社員に対しても「イクメン制度」を推進し、男性が育休をとりやすい社会へと貢献している「人に優しい」企業です。
*2 参考)環境省「エコ・ファースト制度とは?」
*3 参考)環境省「COOL CHOICE チャレンジ~地球温暖化対策を実践する1週間~」
*4・5・6・8 参考)就職四季報 総合版 2021年 「積水ハウス」P617
*7 参考)就職四季報 総合版 2021年 「積水ハウス ES出題テーマ」P1,010