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ワークライフバランスを実現できる財閥系企業「住友商事」の採用情報や就活対策を詳しく解説!

ワークライフバランスを実現できる財閥系企業「住友商事」の採用情報や就活対策を詳しく解

 

日本五大商社の一角である「住友商事」は、健全な事業活動をすることにより社会に豊かさと夢を与え、グローバルに様々な事業を展開している企業グループです。

近年では、ワークライフバランスの実現に力を入れています。

 

今回は、由緒ある財閥系企業「住友商事」の採用情報や就活対策を詳しく解説していきますので、住友商事に就活する予定の方は、ぜひ、本記事を参考にしてください。

 

 

1.住友商事の概要

 

ここでは、住友商事の概要について簡単に解説をしていきます。

 

(1)住友商事の経営理念

住友商事が目指すべき企業像は

「常に変化を先取りして新たな価値を創造し、広く社会に貢献するグローバルな企業グループを目指す」

というものです。

 

経営理念として、下記の3つを掲げています。

 

a.企業使命

健全な事業活動を通じて豊かさと夢を実現する。

 

b.経営姿勢

人間尊重を基本とし、信用を重んじ確実を旨とする。

 

c.企業文化

活力に溢れ、革新を生み出す企業風土を醸成する。

 

住友商事グループの経営理念や行動指針の原点は、創業以来約400年にわたり脈々と受け継がれてきた「住友の事業精神」にあります。

 

「住友の事業精神」とは、住友家初代の住友政友(1585-1652)が、商売上の心得として説いた「文殊院旨意書(もんじゅいんしいがき)」を基にして、今日まで受け継がれてきました。

 

内容としては

1.何よりも信用を重んじる

2.社会の変化に素早く的確に対応

3.目先の利益に走らない

4.公利公益を大切にする

 

など、歴史ある財閥系の一流企業として、誇り高き「住友の事業精神」を引き継いでいます。*1

 

(2)コロナ禍の中、7商社の業績は少しずつ回復基調に

日本経済新聞(2021年2月4日)で、総合商社7社の2020年10~12月期の連結決算(国際会計基準)が発表されました。

 

下図1を参照すると、7社の最終損益の合計は3,469億円の黒字となり、黒字額は前年同期に比べ32%減ったとはいえ、7~9月期(3,047億円)と比較すると14%増えました。

 

商社の業績は新型コロナの影響で大きく打撃を受けていましたが、だいぶ回復し、2021年3月期の通期見通しでは上方修正の動きが広がっています。*2

 

 

 

 

2.住友商事の採用情報・従業員データ・待遇面

 

ここでは、住友商事の採用情報・従業員データ・待遇面などについて詳しく解説をしていきます。

 

(1)採用情報

住友商事で募集されている新卒向けの職種は、基幹職と事務職です。

ここでは、採用情報をご紹介していきましょう。

 

【採用情報】

職種 基幹職 事務職
応募資格 ・大学・大学院を卒業・修了予定
・役職員の子女や兄弟関係にあたる人、就業経験のある人は不可
・短期大学・大学・大学院を卒業・修了予定
・役職員の子女や兄弟関係にあたる人、就業経験のある人は不可
募集学科
初任給 院了 290,000円  大卒 255,000円 210,000円
勤務時間 全社でフレックスタイム制度導入(コアタイムなし、標準勤務時間7時間15分)
休日休暇 完全週休2日制(土・日)、祝日
年次有給休暇20日、リフレッシュ休暇、ボランティア休暇 など
福利厚生 ・社会保険
・終身年金制度、従業員持株会制度、選択型福利厚生制度(カフェテリアプラン)、産前産後欠勤(産前6週間、産後8週間)、育児休職制度、介護休職制度、高度医療見舞金制度 など
・独身寮、社宅、研修所

図2 参考)住友商事「 募集要項:新卒」を参考に筆者作成

 

(2)従業員のデータ

住友商事の2019年における従業員データは下図3の通りです。

 

【住友商事の従業員データ】

従業員数 全体5,126人(平均年齢42.7歳・平均勤続年数18.2年)
男性3,910人(平均年齢43.6歳・平均勤続年数18.8年)
女性1,216人(平均年齢39.5歳・平均勤続年数16.0年)
一般社員 離職率 1.10%
3年後新卒 離職率 2.60%
平均年収(総合職 平均42.7歳) 1,390万円

図3 参考)就職四季報 総合版 2021年 「住友商事」P185を参考に筆者作成

 

 

図3のデータを参照すると、住友商事の平均年齢は全体で42.7歳、平均勤続年数は18.2年となっています。

 

男女別では、男性の平均年齢は43.6歳、平均勤続年数は18.8年。女性の平均年齢は39.5歳、平均勤続年数は16.0年となっており、男性、女性ともに平均勤続年数が16年以上、平均年齢も約40歳前後と高めです。

 

従業員数は、男性が全従業員数の約76%を占めており、女性より多めです。

 

総合職の平均年収(平均42.7歳)は1,390万円で、1,000万円の大台を超えています。

 

(3)入社後の休暇・育休の実態

住友商事に入社した後の、有給などの取得日数、育休の取得者数などをまとめた表は下図4の通りです。

 

夏季休暇は有給で取得、有給取得日数は16.9日で取得率は85%と高めです。

 

育休取得者数81名のうち、男性の取得者は10名で、育休は2年間取得できます。

 

【住友商事に入社後の休暇・育休の実態】

夏季休暇 有給で取得
年末年始休暇 12/29~1/3
有給取得 16.9/20日
育休期間と取得者数 ・2年間
・取得者数は81名(男性は10名)

図4 参考)就職四季報 総合版 2021年 「住友商事」P185を参考に筆者作成

 

 

3.求める人材や採用・試験情報

 

ここでは、住友商事が求める人材像やエントリーの流れ、試験情報などについて詳しく解説をしていきます。

 

(1)求める人材像

住友商事が求める人材像は、特に設定されていません。

会社の人材基本戦略として「ダイバーシティ&インクルージョン」を掲げているからです。

 

性別、年齢、障がい、国籍などの外面の属性や、ライフスタイル、職歴、価値観などの内面の属性にかかわらず、それぞれの個を尊重し、認め合い、良いところを活かすことを重視しています。

 

社員一人一人の個性を生かし、競争力の源泉にしていこうという考えがあるからこそ、採用という入り口の時点で「求める人材像」は特に設定していないのです。

就活生には、「自身の個性を選考で見せてほしい」と考えています。*3

 

(2)エントリーの流れ

エントリーの流れとしては、こちらの順番で行っていきます。

 

【採用プロセス】(3月~7月)

採用プロセスは「6月選考」と「デザイン選考・7月選考」に分かれています。

 

a.6月選考

  1. 筆記
  2. 面接(複数回)
  3. 内々定 

 

b.デザイン選考・7月選考

  1. 筆記
  2. GW 他(複数回)
  3. 内々定 *4

 

(3)試験情報

ここ数年はキャリア採用数を増やしていることもあり、結果として、新卒採用数は昨年と比較して若干減らしています。

 

また、住友商事では、2018年からエントリーシートの提出を廃止しており、筆記試験の合格者全員が1次面接に進みます。

 

筆記試験は例年、テストセンターと呼ばれる会場で受験をしていましたが、新型コロナの感染防止のため、自宅で受験可能なオンラインテストを用意しました。

 

面接もオンラインで対応し、9割以上の面接官が「見極めに問題はなかった」と回答をしています。*5

 

試験において重視される科目は「筆記と面接」であり、面接は4~5回実施されます。*6

 

(4)採用数と採用実績校

住友商事における各年度の採用数をまとめた表がこちらです。(下図5)

 

【基幹職 採用数:男女別】

年度 男女別採用実績
2018年 136名(男104 女32)
2019年 150名(男118 女32)
2020年 132名(男103 女29)

図5 参考)就職四季報 総合版 2021年 「住友商事」P185を参考に筆者作成

 

 

2020年4月入社者の採用実績校/学歴フィルターは下記の通りです。

 

文系

(院)東大、京大(大)慶大、東大、上智大、青学大、同大、立命館大、阪大、神戸大、明大、京大、早大、東北大、九大、中大、東京外大、関西学大、立教大など

 

理系

(院)早大、東理大、東北大、慶大、北大、上智大、筑波大、東工大、東大、京大、阪大、東理大(大)神戸大、早大、慶大、上智大、ICU、北大、九大など *7

 

 

4.テレワーク推進企業で「厚生労働大臣賞 優秀賞」を受賞

 

住友商事では、2018年から全社的なテレワークの導入を進めており、新型コロナ感染拡大に伴い、2020年3月1日からは全役職員に対して在宅勤務を原則としています。*8

 

その功績が認められ、令和2年度の「テレワーク推進企業 厚生労働大臣賞 優秀賞」として厚生労働大臣から表彰をされました。*9

 

ここでは、住友商事社員のワークライフバランスについて見ていきましょう。

 

(1)原則、全社員を対象にテレワークを実施

 

下図6は、住友商事が実施しているテレワークの図です。

基本的に「在宅勤務」「サテライトオフィス勤務」「モバイルワーク」の3形態を柱としたテレワーク制度を整備しています。

3形態の概要は以下の通りです。

 

a.在宅勤務:従業員の自宅、または自宅に準ずる場所において勤務

b.サテライトオフィス勤務: 会社所有の所属事業場以外の会社専用施設、または会社が契約(指定)している他会社所有の共用施設において勤務

c.モバイルワーク: 在宅勤務及びサテライトオフィス勤務以外で、かつ、社外で勤務

 

原則として、部以上の組織単位で実施され、必要に応じ、チーム等の小単位も可能となっています。*10

ただ、新型コロナの感染拡大の影響で、全てのサテライトオフィス勤務やモバイルワークは今のところ、禁止されている状況です。*11

 

 

住友商事のテレワーク

図6 引用)厚生労働省「住友商事」P4

 

(2)アウトプット志向の働き方を浸透

 

アウトプット志向とは「大量の情報の中でも、考えることや情報の発信を重要視」している思考法のことです。

 

住友商事では、2018年9月のオフィス移転を機に、テレワークやスーパーフレックスの導入を含む働き方改革として、

「書類半減・書類のあり方見直し」

「ファイルサーバー上のデータ整理」

「会議のあり方見直し(ペーパーレス会議システムなど)」

「ICTインフラ環境の抜本的な刷新」

などを実施しました。

 

テレワークデイズ期間の2019年7月〜9月には「Workstyle Transformation 2019」と題した促進施策を実施しています。

 

全社員一律の定量目標の達成を通じ、各組織における働き方について議論し、会社全体としてプラスになるよう、アウトプット志向の働き方の浸透に取り組んでいます。

 

社員の評判もすこぶるよく

「個人の生産性が向上・維持」93%

「組織の生産性が向上・維持」87%

「健康維持・増進」97%

「働きやすさが向上・維持」98%

など高い評価を得ています。*12

 

 

数字でわかる住友商事の働き方

図7 引用) 厚生労働省「住友商事」P10

 

 

(3)ウィズコロナにおける在宅勤務は定着しつつある

新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け、住友商事では、テレワーク制度のルールを一部緩和しました。

 

発生以前はテレワークの実施上限として、週2日(14.5時間)相当を上限としていましたが、これを撤廃。

対象者となる社員も拡大し、通常は対象外としている新人や派遣社員についても対象者としました。

また、未就学児や介護が必要な家族と同居していて、他に世話をする人がいない場合には、在宅勤務扱いとなります。

 

なお、サテライトオフィス勤務やモバイルワークも、新型コロナの感染リスクを鑑み、全て禁止の状態です。

そのため、在宅勤務が主流となっていますが、モニタやキーボードなど、仕事に使用する機材の購入代金は、組織長の承認のもと会社が負担してくれます。

 

また、下図8は在宅勤務率の推移グラフですが、最初の緊急事態宣言が発表された2020年4月には在宅勤務率が90.7%になり、同年5月には92.0%と増加しました。

緊急事態宣言が解除された5月25日以降からは、少しずつ出社が増え始めてきましたが、すでに2020年3月1日からは全役職員に対して在宅勤務を原則としているため、大幅には増えていません。

 

緊急事態宣言の解除後も、住友商事では「重要会議・定例会議」「日常稟議」「日常業務オペレーション」等も在宅で行っていました。

緊急事態宣言期間中の出勤率は大手町本社で2%程度、全社でも10%程度。緊急事態宣言解除後は大手町本社で10%弱、全社でも10%強です。

 

また、2020年10月の出勤率は25%程度に抑えられており、住友商事のウィズコロナによる在宅勤務は定着する方向に向かっているといえます。*13*14

 

コロナ禍での住友商事の働き方

図8 引用)厚生労働省「住友商事」P11

 

 

5.まとめ

 

今回は、日本経済を牽引する一流商社「住友商事」について、詳しく解説をしていきました。

 

住友商事は、日本五大商社の一社であり、鉄鋼やメディア事業に強みを持つ企業です。

最大の特徴はメディア・ICT部門で、CATV最大手のジュピターテレコムなどが利益柱になっています。

 

近年では社員のワークライフバランスを重視し、新型コロナ感染拡大以前の2018年から、テレワークを導入して社員が働きやすい環境を構築するなど「風通しの良い企業」でもあります。

常に変化を先取りして新たな価値を創造しながら、財閥系企業としての矜持を持ち続けている、グローバルな企業グループです。

 

 

参考資料/参考サイト
*1 参考)住友商事「経営理念
*2 参考)日本経済新聞「最終黒字3割減、7商社の10~12月合計 回復基調に
*3・5・8・13 参考)住友商事「変わりゆく総合商社の人材像
*4・6・7 参考)就職四季報 総合版 2021年 「住友商事」P185
*9 参考)厚生労働省「令和2年度テレワーク推進企業等厚生労働大臣表彰」P1
*10参考)厚生労働省「住友商事
*11・14参考)厚生労働省「住友商事
*12 参考)厚生労働省「住友商事
*13 参考)NHK「緊急事態宣言 1回目の状況
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フリーランスの転職・不動産ライター。複数のメディアで執筆中です。宅建の資格を活かし、家族が所有する投資用不動産の入居者管理もしています。住まいに関する資格である整理収納アドバイザー1級、福祉住環境コーディネーター2級も取得済みです。趣味は整理収納と料理。

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