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世界最大のコンサルティング企業アクセンチュアの採用情報や傾向・対策と、コンサル業界の基礎知識

世界最大のコンサルティング企業アクセンチュアの採用情報や傾向・対策と、コンサル業界の基礎知識

 

コロナ禍で市場拡大が見込まれる業界のひとつに、コンサルティングがあります。

 

なかでもアクセンチュアは世界最大のコンサル会社で、日本国内でも幅広い領域のコンサルティングを展開しています。

 

女性活躍にも注力しているアクセンチュアの採用情報と就活対策、またコンサル業界の基礎知識を紹介します。

 

 

 

1.コンサルティング企業の種類と動向

 

ひとくちに「コンサルティング会社」といっても、様々な系統の企業があります。

よって、どのような分野の事業に携わりたいかによって会社選びも変わってきます。

 

日本企業、外資系企業をあわせて大きく分類するとこのようになります(図1)。

シンクタンク系 野村総研、三菱総研、日本総研、三菱UFJリサーチ&コンサルティング、みずほ総研
総合系 アクセンチュア、アビームコンサルティング
国内系 船井総研HD、ドリームインキュベータ、シグマクシス
人事系 リンクアンドモチベーション、マーサー、コーン・フェリー・ヘイグループ
戦略系 マッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストンコンサルティンググループ、ベイン・アンド・カンパニー、A.T.カーニー
会計系 デロイトトーマツ、KPMGコンサルティング

図1 主要コンサルティング会社の分類(「就活NEXT 未来を変える会社2022-2023」日経HR p58より作成)

 

 

企業の業務改善を手助けするのがコンサル業界です。

企業の業務での課題は経営、M&A、人事、ITなど多岐にわたります。そこでコンサル業界各社はそれぞれの強みをいかして専門的なサービスを提供しています。

 

また、コロナ禍をきっかけに多くの企業がビジネスモデルの転換を迫られる中、特にデジタル・IT業務に携わるコンサルティングサービスの市場は拡大することが予測されています(図2)。

 

国内コンサル市場の予測

図2 国内コンサル市場の予測
(出所「国内コンサルティングサービス市場予測を発表」 IDC Japan)

 

 

 

DX(デジタルトランスフォーメーション)について企業の間で取り組みが加速していることもあり、今後も市場の拡大が予想されます。

 

コンサルティング業界は景気の影響を受けやすいという特徴がありますが、DXについては「2025年の崖」問題を多くの日本企業が抱えているという事情もあり、伸びを示している分野です。

 

 

2.アクセンチュアの募集職種と初任給など

 

その中でも「総合系コンサルティング」としてデジタルも含めた幅広い分野でのサービスを展開するアクセンチュアについて、募集職種などをみていきましょう。

 

2022年卒については、以下の募集ポジションがあります。

 

・ビジネスコンサルタント

・デジタルコンサルタント

・ソリューション・エンジニア

・データサイエンティスト/AIアーキテクト

・アナリティクス・コンサルタント

・コンテンツデザイン

・戦略コンサルタント

 

 

事業領域としては他に「クリエイティブ/デザイン」「マーケティング」がありますが、この2種類のポジションについては募集を受け付けていない状況です(2021年2月24日時点)。

 

給与は年俸制で、初任給の一例は

戦略コンサルタント職:5,509,000円

デジタルコンサルタント職:4,300,000円

ソリューション・エンジニア職:東京オフィス3,238,000円、札幌、会津若松2,852,000円

となっています*1。

 

 

3.アクセンチュアの傾向とES対策

 

アクセンチュアへの就活でまず知っておかなければならないのが、「未来のアクセンチュアに必要なDNA」です。このようなものです。<「求める人材像」アクセンチュア>

 

・背伸びをしてでも目標へ手を伸ばさずにはいられない

・自分も会社も世の中までも、変えたいと望む

・常に次のステージを見据え、自らの開拓に貪欲である

・チャレンジに手加減せず、最後までやり遂げる

・信念を持ち、誠実さを貫ける

・あるべき姿を追求するためには、立場や関係性を超えた主張を厭わない

・常に既存の概念にとらわれない新しいものを探求している

・正解がない状況こそ楽しめる

・タフな状況も、周囲を引き込み楽しめる情熱がある

・多様な文化、相違する意見の中にこそ宝石があると知っている

・互いを生かし合えるチームこそ無限の可能性があると信じる

・未知の経験や出会いを大切にする

 

過去のESでは、この「未来のアクセンチュアに必要なDNA」のうち共感できるものを1つ挙げて、その理由を自分の経験を踏まえて記述する、という項目がありました*2。

 

「1つを挙げる」からには何か濃い体験談や強い思いとして、採用側の印象に残るものが必要です。

 

 

4.アクセンチュアの面接「ケース面接」

 

アクセンチュアでは「ケース面接」があります。

 

実際のコンサルの現場で取り組むような課題について、時間内に答えを出すというものです。

 

コンサルタントという仕事は「問題解決」ですから、問題解決力や解決しようという姿勢と、自分の出した答えを相手にきちんと伝えられる論理的な表現力が求められます。

 

ケース面接についてアクセンチュアはこのようなアドバイスをしています。

<「ケース面接の心得」アクセンチュア>

 

・慌てずに、落ち着いて時間を確保しましょう。

・分からないことは面接官に質問しましょう。

・柔軟かつ臨機応変に対応しましょう。

・視覚的に説明しましょう。

・端的に伝えましょう。

・解答はストーリーで語りましょう。

・面接官のすべての言葉に集中して、解答に必要な手掛かりを集めましょう。

 

 

このような心得も必要ですが、まず時事問題にある程度詳しくなければ、時代に応じた解答もできませんので、日頃から社会や経済について高い関心を持つことも重要です。

 

また、面接官に質問することも重要なことです。

実際のコンサル現場では、顧客が「何を求めているのか」を知るには相手との会話は必須です。わからないことは自分の勝手な解釈に頼らない、それも適切な問題解決方法です。

 

相手の求めるものを正確につかみ、そこに適切な解答をわかりやすく提示する、というのはコンサル業務の基本です。

また、模範解答はない、と考えて取り組むことも大切です。

 

 

5.アクセンチュアへの就活で参考にしたいサイトとまとめ

 

アクセンチュアのHPには、社員が発信しているブログがあります。

こちらをチェックして、アクセンチュアでの仕事やアクセンチュアの理念などを知ることができます。

 

「Careers Blog」:リンク

 

また、会社概要のページには、最近のコンサルティングのテーマ会議についての資料やアクセンチュアの社会活動、働き方改革などについてまとまっていますので、これらの資料はひととおり目を通しておきましょう。

 

「会社概要・地図」:リンク

 

ニュースレターも発行されていますので、受け取って日々勉強しておくのも良いでしょう。

 

コンサルタントに必要な基本能力は、問題解決への強い意欲と、論理的思考力、論理的なプレゼンテーション能力です。

 

日頃から自分のことや自分の考えたことなどについてわかりやすい説明ができるよう訓練したり、日常生活の中に社会問題を見つけ、自分ならどう解決するかを考えながら思考力を鍛えたりするのも良いでしょう。

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執筆者 清水

2002年京都大学理学部卒業後、TBSに主に記者として勤務。社会部記者として事件事故やテクノロジー、経済部記者としては企業活動から金融まで経済全般を幅広く取材。CSニュース番組のプロデューサーも務める。フリーライターに転向後は、取材経験や各種統計の分析を元に、お金やライフスタイルなどについて関連企業に寄稿。趣味はサックス演奏。自らのユニットを率いてライブ活動を行う。

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