企業研究
グローバル医療機器メーカー、テルモの強みや企業情報、ESや新卒採用対策を解説

 

新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、肺炎などにより危篤状態にある患者さまの呼吸・循環サポートに用いられる体外循環装置「ECMO(エクモ)」が注目されています。

 

世界に先駆けて同装置を開発し、国内トップシェアの実力を誇るのがテルモ株式会社です。

 

今回は就活生に向けて、テルモの強みや企業概要、業界情報などを解説し、新卒採用対策を解説します。

 

 

1.テルモの概要

 

(1) テルモの歴史と企業理念

テルモは国内大手医療機器メーカーの一角です。第一次世界大戦で輸入ができなくなった「体温計」の国産化を進めるために北里柴三郎博士らが発起人となり、1921年設立されました。

 

以来、「医療を通じて社会に貢献する」という企業理念のもと、医療用機器の製造・販売をグローバルに行っており、特にカテーテルや人工心肺装置などの心臓・血管領域商品群では世界でも高いシェアを誇ります。

 

また、一般向け商品では、体温計・血圧計・尿検査試験紙などが良く知られています。

 

(2) 真のグローバル医療機器メーカーへ

テルモグループのアソシエイト(社員) 数は26,438名*1となり(2020年3月31日現在)、うち8割が海外アソシエイト。また2020年3月31日期の有価証券報告書によると、売上収益は前期比4.9%増の6,289億円*2で、海外比率は7割に迫る勢いです。

 

■テルモ売上収益国別比率

 

グローバル規模の事業進展にともない、アソシエイト数・売上収益の海外比率はさらに増加していくことが予想され、テルモは名実をともなった「グローバル企業」と言えます。

 

 

2.テルモの強み

 

(1) 基礎的なカテーテルを基盤としたビジネスモデル

テルモが海外展開に成功した理由のひとつが、医療機器市場が本質的にグローバルであるということです。手がける医療機器は国内だけでなく、世界中にニーズを持つという強みがあります。

 

さらに、欧米の巨大企業が数ある医療機器市場の中でテルモは、得意分野の「カテーテル」事業に注力する戦略で成功しました。現在は、基礎的なカテーテルを基盤とした事業展開とともに、最先端の治療機器にも取り組んでいます。

 

(2) 海外企業のM&Aで躍進

テルモの強みはビジネスモデルだけでなく、海外企業のM&Aノウハウも挙げられます。

 

知財関連や販売網などを保有する現地の会社を買収してテルモの子会社として事業を拡大する戦略をとってきました。結果的に買収した企業は20社以上*3にものぼり、確固たる海外基盤を築き上げられたのは言うまでもありません。

 

(3) 志高い中長期成長戦略

テルモが掲げる中長期戦略は、「日本発のグローバル企業」として世界の医療現場からの信頼を勝ち得るトップブランドになることです。さらに、製品だけでなく、供給の面やサービスでも高いクオリティをトータルに提供できる企業となる目標を掲げています。

 

 

3.医療機器業界の市場規模と課題

 

テルモが世界トップブランドへの道を進む中、医療を取り巻く環境は大きく変化しています。ここでは市場環境を見ていきましょう。

 

(1) 国内医療機器市場規模は約2兆7,000億円(2015年)

国内における医療機器市場は治療系医療機器の市場が多くを占めており、伸び率も高くなっています。市場規模は約2兆7,000億円です(2015年)。

 

 

(2) グローバル市場規模は3,362億米ドル(2016年)

一方、医療機器におけるグローバル市場規模は3,362億米ドル(2016年)で約35兆8,000億円です(2021年2月27日換算)。

 

最大の市場は米国、次いで日本となっています。しかし、今後は中国やアジアの国々が台頭するなどグローバル市場が拡大傾向にある中において、日本の地位は相対的に低下することが予測されています。

 

 

(3) 日系企業の課題は国際競争力強化

主要なグローバル医療機器メーカーを売上高で見ると、上位25企業のうちのほとんどが欧米企業、特に米国企業で占められています。

 

日本企業の最高ランクは17位オリンパス(医療事業)。次いで18位テルモ、22位富士フィルムホールディングス(ヘルスケア事業)という結果で、日系企業の国際競争力に課題があることがうかがえます*4。

 

 

4.テルモの募集要項と採用の流れ

 

テルモの企業概要や強み、市場環境を理解したところで、新卒採用の募集内容を見ていきます。

 

(1) 募集コースと歓迎されるスキル・人材

テルモでは下記「企画営業コース」、「開発技術コース」、「SEコース」という職種別採用を実施しています。

企画営業コース・MR
・コーポレート・スタッフ(マーケティング、経営企画、広報、経理・財務、法務、情報システム、ロジスティクス、人事、総務 他)
・TRY(MR、コーポレート・スタッフを指定せずにチャレンジしたい方)
開発技術コース研究開発、製品開発、製造技術、設備技術、金型・成形技術、評価、品質保証・管理、臨床開発、レギュラトリー、知的財産 他
SEコースME機器の保守点検等のメンテナンスと販売サポート 他

 

職種別の分類は初任時のもので、経験を積んだ後はさまざまな業務に配属される可能性があります。

 

テルモでは異なる仕事で身につけられる専門性(知識、スキル、考え方、行動、価値観、マネジメント)を重視しているのがその理由です。

 

また、テルモでは、「留学経験がある方」や「英語やその他の言語を習得した方」、海外大生を歓迎しています。国内外を問わず多数の留学生を採用した実績もあります。

 

ほかにも、医療を支える企業として、働く社員も心身ともに健康であることが大事だと考えています。

 

例えばテルモの社員は就業時間内の喫煙を完全に禁止するなど、医療に携わる一員として自らの健康管理に努めています。こういった取り組みに共感できる人が求められています*5。

 

(2) 採用実績と初任給

採用実績は例年120~150名程度あり、なかでも開発技術コースの採用人数が多くなっています。学部卒の採用実績も多数あるため、学部卒の人もチャレンジしてみましょう*5。

 

2020年実績企画営業コース:48名
開発技術コース:104名
SEコース:2名
2019年実績企画営業コース:50名
開発技術コース:77名
SEコース:4名

 

また、2020年4月初任給実績は以下の通りです*5。

 

博士263,500円
修士241,500円
学部225,500円
高専193,500円
専門180,500円

 

(3) 勤務地

グローバル企業のテルモは世界中に生産・販売の拠点等があるため、国内で経験を積んだ後、海外で活躍できる可能性があります。

 

国内東京、神奈川、静岡、山梨、北海道、宮城、栃木、埼玉、千葉、新潟、石川、長野、愛知、京都、大阪、兵庫、岡山、広島、香川、福岡、鹿児島、沖縄 他
海外アメリカ、メキシコ、ブラジル、チリ、コロンビア、プエルトリコ、ベルギー、イタリア、スイス、スペイン、イギリス、スウェーデン、フランス、ドイツ、ロシア、中国、韓国、台湾、インド、タイ、ベトナム、シンガポール、フィリピン、インドネシア、マレーシア、オーストラリア、UAE、南アフリカ 他

 

各地域で研究開発や生産管理、マーケティング、管理スタッフ等の仕事があります*5。

 

(4) 人事教育制度と福利厚生

新入社員研修や階層別研修以外にも、MR研修、経営人財育成研修、海外駐在員養成研修などが充実しています。

 

また、人財を公募している部署に対して自ら手を挙げられる「人財公募制度」があり、チャレンジ精神旺盛な人に向いている職場環境であることがわかります。

 

また、福利制度として、湘南センターや各工場には社員寮が完備されています。その他の営業拠点などでも賃貸マンションを借り上げ、社員寮として用意されています。

 

そのほか、財形貯蓄や社員持株会制度、産前・産後休暇、育児休暇、育児短時間勤務、介護休暇なども充実しています*5。

 

(5) 採用プロセス

企画営業コース、開発技術コースとも、下記のような採用プロセスとなっています*5。

 

エントリー 

→ 会社説明会 

→ 書類選考(エントリーシート、開発技術コースは「研究概要」も提出)

→ 適性検査①

→ 面接(複数回)

→ プラネックス見学(テルモの歴史や技術を紹介する施設)

→ 適性検査② 

→ 最終選考

 

 

5.テルモのES・面接対策

 

テルモは売上収益の7割、さらにアソシエイトの8割が海外で占められている国内屈指のグローバル医療機器メーカーです。しかし、海外進出してすぐに成功したわけではありません。

 

さまざまなチャレンジを経て今の地位を確立したことから、「やりたい仕事は自らつかむ」という企業風土があります。

 

社員インタビューからも、

「本人が希望すれば、やりたい仕事、機会をつかむ可能性を持った会社」

「自分の出した成果と努力次第で、社内の様々な仕事に就くチャンスがつかめる会社」

「想いを持って主体的に動く人にチャンスをくれる会社」

と異口同音にチャンレンジする人を応援してくれる環境であることが述べられています*6。

 

同社を志望するならば、「失敗を恐れず挑戦し、自ら成長し続けられる」ことをアピールすることが大事です。ESや面接では、そのような特徴が伝えられる学生時代のエピソードを用意しておくと良いでしょう。

 

さらに、テルモの選考でもう1つポイントになるのは、「医療を通じて社会に貢献する」という同社の経営理念に共感できることです。

 

医療機器に関わる仕事は直接に人のためになる仕事であり、自らの成果がわかりやすく社会貢献につながっていきます。テルモと共に成長し、「医療を通じて社会に貢献する」ために挑戦していきたいという気持ちをぶつけていきましょう。

 

 

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