企業研究
女性を多く採用する会社NO.1は住友生命保険!企業別の離職率や管理職の割合も公表【ランキングTOP20】

昭和60年5月に「男女雇用機会均等法」が成立してから、30年以上の月日が経過しました。

 

男女雇用機会均等法の施行により、働く人が性別により差別されることなく、働く女性がその能力を十分に発揮できる雇用環境を整備することは、わが国における重要な課題となっています。

 

今回は、「女性を多く採用する企業」がトピックです。

 

女性を積極的に採用している企業の実態について解説していきますので、これから就活や転職活動を検討している女性の方は、ぜひ、この記事を参考にしてください。

 

 

1.女性を多く採用する企業ランキング【TOP20社】

 

【女性を多く採用する企業トップ20社】

順位社名業種採用数
1位住友生命保険生保607人
2位スギ薬局 家電量販・薬局・HC550人
3位東京海上日動火災保険損保426人
4位第一生命保険 生保396人
5位クリエイトエス・ディー 家電量販・薬局・HC275人
6位システナ システム・ソフト272人
7位三井住友信託銀行銀行270人
8位ニトリグループ その他小売業260人
9位ココカラファイン ヘルスケア 家電量販・薬局・HC252人
10位JPホールディングスグループ その他サービス240人
11位りそなグループ銀行190人
12位NTTデータシステム・ソフト177人
13位三井不動産リアルティ不動産173人
14位NTTドコモ通信サービス172人
15位富士ソフトシステム・ソフト170人
15位NEC電機・事務機器170人
17位凸版印刷印刷・紙パルプ166人
18位NTT西日本通信サービス164人
19位ノジマ家電量販・薬局・HC160人
20位大東建託住宅・マンション153人

図1 参考)就職四季報女子版2022年「女性採用人数ベスト100」P28を参考に筆者作成

 

 

 

①住友生命保険が607名でダントツ首位

 

女性を多く採用する企業ランキングTOP20において、ダントツの1位となったのは「住友生命保険」の607人です。

 

2位には「スギ薬局」の550人、3位には「東京海上日動火災保険」が426人と続いています。

 

4位には1位の「住友生命保険」と同業種である「第一生命保険」がランクイン。

 

5位には、神奈川県が地盤のドラッグストア大手「クリエイトエス・ディー」が選出されています。

 

 

②業種は家電量販・薬局が多い

 

業種別で見ますと、「家電量販・薬局・HC」が4社で一番多く、次は「生保・損保」の保険と「システム・ソフト」が3社ずつと並んでいます。

 

銀行は2社がTOP20にランクインされていますが、就職四季報女子版2022年「女性採用人数ベスト100」では、100社のうち14社が入っていますので、比較的、女性の採用が多い業種です。*1

 

 

2.女性を多く採用する企業トップ10社の概要

 

女性を多く採用する企業トップ10社の概要をまとめたものは、下図2の通りです。

 

【女性を多く採用する企業トップ10社の概要】

順位企業名新人女性の入社3年後の離職女性の平均勤続年数女性の既婚率女性役職者
1位住友生命保険 *2NA13年57.2%206人
2位スギ薬局 *3 NA7年36.1%225人
3位東京海上日動火災保険*4NA12年44.2%192人
4位第一生命保険 *5NA16年NA930人
5位クリエイトエス・ディー *6NANANA133人
6位システナ *743%5年26.0%55人
7位三井住友信託銀行 *8NA14年NA1,570人
8位ニトリグループ *913%5年514人197人
9位ココカラファイン
ヘルスケア *10
32%NANANA
10位JPホールディングスグループ *11NA4年NA12人

図2 *2~*11「就職四季報 女子版2022年」を参考に執筆者作成

 

 

 

①入社3年後の離職率は非公開の企業が多い

 

図2を参照すると、入社3年後の離職率は非公開の企業が多く見られます。

 

10社のうち、離職率を公開しているのは3企業であり、システナは43.1%、ニトリグループは13.4%、ココカラファイン ヘルスケアは32.4%という数値です。

 

厚生労働省が調査した、1000人以上の事業所における「新規大卒就職者の就職後3年以内の離職率」(下図3)は、平成15年から平成29年まで20~27%台を推移しています。

 

日本の新規大卒就職者の平均離職率が20~27%台であるのと比較すると、システナとココカラファイン ヘルスケアは、やや高めの離職率といえるでしょう。

 

また、平均勤続年数が長い業種は「保険」であり、一番長いのは第一生命保険の16.2年、次は住友生命保険の12.5年、東京海上日動火災保険が11.7%と続きます。

 

三井住友信託銀行も13.8年と、比較的長い方です。

 

厚生労働省が実施した「平成30年賃金構造基本統計調査」の調査では、女性の平均勤続年数は9.7年となっています。*12

 

日本の平均と比較しても、第一生命保険、住友生命保険、東京海上日動火災保険、三井住友信託銀行の4社は、女性が平均より長く働ける企業です。

 

 

新規大学卒就業者の就職後3年以内の離職率の推移_1000人以上の企業編

図3 引用)厚生労働省「新規大卒就職者の事業所規模別就職後3年以内※の離職率の推移」(https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000689583.pdf)

 

 

 

②女性役職者は「三井住友信託銀行」が圧倒的に多い

 

女性役職者は、三井住友信託銀行が1,570人おり、人数としては圧倒的に多くなっています。

 

次に多いのは第一生命保険で、全役職者3529人の内、930人もの女性役職者がおり、約35%の割合を占めています。*13

 

2016年に「女性活躍推進法」が施行されたことにより、民間企業(企業規模100人以上)における管理職女性の割合は年々伸び続けています。

 

とはいえ、課長級以上の女性の割合は9.9%、課長級は11.2%であり、男性管理職の割合に比べると非常に低い状況といえるでしょう。

 

部長級の女性の割合に至っては、いまだに6.6%以上にはならず、管理職以上の重要ポジションは、まだまだ男性が握っているのが日本の現状です。*14

 

3.女性を取り巻く雇用環境の実態

 

近年では、少子高齢化やマーケットの成熟化が進む日本経済において、女性の力を活用する動きが目立ち始めています。

 

労働力の新たな担い手として、女性の活躍を積極的に取り組んでいる企業も増えている傾向です。

 

ここでは、女性を取り巻く雇用環境の実態について解説をしていきましょう。

 

 

①中小でも約4割の企業が女性活躍に取り組んでいる

 

昨今での大企業では、ダイバーシティ(性別、人種、国籍、宗教、年齢、学歴、職歴など多様さを活かし、企業の競争力に繋げる経営上の取組)を推進している企業が非常に多くなっています。

 

中小企業でも、女性従業員の活躍を推進するところが増え始め、「女性活躍に取り組んでいる企業」は既に44.1%の割合となっています。

 

「今後取り組む方法で検討している」企業も26.2%あり、今後は企業の規模を問わずに、女性の能力を積極的に活用していく企業が増える見込みです。

 

女性従業員の活躍を推進する中小企業の特長_女性活躍への取り組み状況

図4 引用)日本政策金融公庫「女性従業員の活躍を推進する中小企業の特徴−女性の活躍を促すための取り組みのあり方」図1 P63(https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/ronbun1211_04.pdf)

 

 

 

②男女の能力に差はなく、女性の感性や能力が期待されている

 

図5を参照すると、女性活躍に取り組んだきっかけとしては「男女の能力に差はないから」という回答が、60.3%で一番多い理由となりました。

 

男女には身体的機能の点で違いはありますが、能力的には性差は関係なく、人それぞれであるといえます。

 

仕事に関しては、「男性向き、女性向き」と考えるのではなく、一人ひとりの適性に合っているのかということが重要でしょう。

 

次に多いのは、「女性の感性・経験を活かし事業を活性化するため」が57.3%、「女性の能力を活かせる機会が増えてきたため」が55.8%という結果でした。

 

少子高齢化が進んでいる日本においては、将来的に労働力不足が見込まれており、女性が労働者として活躍することが期待されています。

 

これからは、男女に関わりなく公正な評価をする企業が、社会的にも認知されていくことでしょう。

 

女性従業員の活躍を推進する中小企業の特徴_女性活躍に取り組んだきっかけ

図5 引用)日本政策金融公庫「女性従業員の活躍を推進する中小企業の特徴−女性の活躍を促すための取り組みのあり方」図2 P63(https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/ronbun1211_04.pdf)

 

 

4.まとめ

 

今回は、「女性を多く採用する企業」について、ランキングや入社3年後の離職率など、データをもとに詳しく解説をしていきました。

 

近年の大企業間では「ダイバーシティ」の概念が根付き、性差や職歴などにこだわらず、社員一人ひとりの能力を評価していく傾向が見られています。

 

少子高齢化が進むにつれて、労働力人口の減少が見込まれるなか、女性は極めて重要な働き手です。

 

これから就活や転職活動を検討している女性の方は、女性を積極的に採用している企業を、選択肢の一つとして考えてみることをおすすめします。

 

 

 

参考資料/参考データ
*1 参考)就職四季報 女子版2022年「女性採用人数ベスト100」P28
*2 参考)就職四季報 女子版2022年「住友生命保険」P270 *3「スギ薬局」P635
*4「東京海上日動火災保険」P220 *5・13「第一生命保険」P269 *6「クリエイトエス・ディー」P636 *7「システナ」P138 *8「三井住友信託銀行」P226 *9「ニトリグループP649 *10「ココカラファイン ヘルスケア」P636 *11「JPホールディングスグループ」P727
*12・14 参考)厚生労働省「特集 女性活躍やハラスメント防止で社員の力を活かせる会社づくり」
www.mhlw.go.jp/stf/houdou_kouhou/kouhou_shuppan/magazine/201912_00001.html
【参考資料】
就職四季報 女子版2022年「女性採用人数ベスト100」P28
就職四季報 女子版2022年「三井住友信託銀行」P226

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