企業研究
新型コロナ後の注目業界はこれ!「2021年度 明るい兆しの業界予想天気図」を詳しく解説

新型コロナの感染拡大以降、業界の天気図は大きく一変しました。

 

今まで好調であった業種の落ち込みが目立つ一方で、コロナによる影響で、さらに成長が見込まれる分野も増えてきたのです。

 

今回は、「新型コロナ後の注目業界」について詳しく解説をしていきます。

 

これから、就職活動を行う予定の方は、ぜひ、業界を選ぶ際の参考にしてください。

 

 

 

1.コロナ禍でも「快晴」の業界

 

 

コロナ禍であっても、業績や2021年度の見通しが「快晴」であると予測されている業界の一覧表は下記の通りです。(図1)

 

 

【コロナ禍でも「快晴」の業界】

 

業界名理由代表的な企業
※( )は2019年 売上高
AI *1これから中長期的にAIによる労働代替が伸びると予測・FRONTEO(104億円)
・ロゼッタ(39億円)
・PKSHA Technology
(30億円)
リチウムイオン電池 *2EV用途が見込まれ、長期的に市場の拡大が続く・パナソニック(1兆4,824億円)
・ジーエス・ユアサ・コーポレーション(422億円)
・リチウムエナジージャパン
(287億円)
先端技術材料 *3 5Gや車載向け部品用の機能化学品は高い需要が続く・旭化成
・三菱ケミカルHD
・住友化学
※該当データなし
スキルシェア *4企業の外部人材の起用や、社員の副業解禁、在宅勤務の拡大が市場拡大の要因・クラウドワークス(87億円)
・イントループ(37億円)
・ランサーズ(34億円)
宇宙開発 *5宇宙企業への投資が急拡大、欧米では民間が宇宙開発を主導し政府の依頼も受注することも・三菱重工業(7,038億円)
・川崎重工業(5,325億円)
・IHI(4,808億円)
オンライン教育 *6休校により学校教育ICT化の重要性が高まり、関連サービスが拡大・NTTコミュニケーションズ
(7,946億円)
・内田洋行(1,643億円)
・チエル(31億円)
電子部品 *7テレワークの増加により通信機器の需要が堅調である5Gも本格化・京セラ(1兆5,990億円)
・村田製作所(1兆5,340億円)
・TDK(1兆3,630億円)
クラウド *8テレワーク普及、DX(デジタルトランスフォーメーション)の機運が高まりシステムのクラウドへの移行は継続中・アマゾン(30兆1,841億円)
・マイクロソフト
(13兆5,407億円)
・NTTコミュニケーションズ
(7,946億円)
倉庫・物流施設 *9ECの拡大、3PL(EC事業者やメーカーなどから物流を一括受注)の成長、大型化のニーズでコロナ後も安泰・三井倉庫HD(2,319億円)
・三菱倉庫(1,889億円)
・住友倉庫(1,563億円)

図1 参考)*1~9会社四季報 業界地図 2021年版を参考に筆者作成

 

 

①「快晴」企業の特徴は新型コロナによる環境変化に強い

 

コロナ禍のただ中でも、「快晴」であると予測されている企業の特徴は、「新型コロナによる環境変化に強い」「EV用途の見込みが強い」「ITビジネスに強い」など3つの強みを持っています。

 

新型コロナの発生により、在宅勤務などテレワークが増えたり、人との接触を減らしたりすることで、クラウドサービスや電子部品など通信機器の需要が堅調のです。

 

特に、電子部品は好調で、新型コロナの影響で自動車向けは停滞気味ですが、5Gなど通信利用での拡大は著しく見込まれるといえるでしょう。

 

世界の電子情報産業の生産金額における、日系企業のシェア率は38%となっており、電子部品産業は日本の代表的な「お家芸産業」の一つと位置づけられています。*10

 

 

②クラウドではアマゾン1強

 

近年では、あらゆる分野において、DX(デジタルトランスフォーメーション)の重要性が増しています。

 

その基盤となるのは「クラウド」ですが、クラウドインフラのトップリーダーとして活躍しているのが、米アマゾン傘下の「アマゾン・ウェブ・サービス」(AWS)です。

 

世界シェアで3割強を占めており、日本でもトップに君臨しています。(図2)

 

 

 

国内IaaS・PaaS市場ベンダー別シェア

図2 参考)会社四季報 業界地図 2021年版「クラウド」P91を参考に筆者作成

 

 

 

 

また、リチウムイオン電池も、EV時代の到来により注目される業界です。

 

車載用リチウムイオン電池の世界シェア第1位は、中国の「寧徳時代新能源科技」(CATL)で23%の割合ですが、2位は日本の「パナソニック」で、20%の割合で食い込んでいます。

 

売上高も1兆4,824億円と巨額の金額で、トヨタ自動車を顧客に持ち、今後はトヨタが主導で生産能力を拡大していく動きがあります。*11

 

 

 

2.コロナ禍でも「晴れ」の業界

 

 

コロナ禍でも、業績や2021年度の見通しが、「晴れ」であるとの見通しが立てられている業界の一覧表は下記の通りです。(図3)

 

【コロナ禍でも「晴れ」の業界】

 

業界名理由代表的な企業
※( )は2019年 売上高
5G *122020年春に5Gの商用化がスタート、様々な業界で提携や実証実験など実用化に向けている・NTTドコモ
・KDDI
・ソフトバンク
※該当データなし
キャッシュレス *13新型コロナの感染拡大以降、「脱現金」の動きはさらに加速・PayPay(ペイペイ)
・NTTドコモ
・KDDI
※該当データなし
テレワーク *14新型コロナの影響で多くの企業がテレワークを拡大、今後も働き方の一環とする向きがある・シスコシステムズ
(5兆5,848億円)
・マイクロソフト
(4兆4,288億円)
・グーグル(9,595億円)
医療機器 *15長期的に各国の医療体制は強化、需要は堅調で安定的な成長が見込める・オリンパス(6,417億円)
・富士フィルムHD
(5,041億円)
・キャノンメディカルシステムズ(3,024億円)
サイバーセキュリティー *16成長するクラウド市場で大手ベンダーによるセキュリティーの標準装備が加速・セコム(1,012億円)
・SBテクノロジー
(583億円)
・ラック(404億円)
中食・宅配 *17コロナ禍による外出自粛により宅配サービスの利用者が増加・プレナス(1,059億円)
・ロック・フィールド
(476億円)
・オリジン東秀(458億円)
地図・ナビ *18自動運転化を背景にデジタル地図の市場は拡大することが予想される・日本アジアグループ
(683億円)
・パスコ(541億円)
・ゼンリン(503億円)
半導体 *19新型コロナの流行拡大によりデジタル化はさらに加速、需要が増加傾向・ソニー(9,852億円)
・ルネサスエレクトロニクス(7,182億円)
EC *20新型コロナによる外出自粛で最も潤った業界、将来的には食品などの買い物需要も膨らむ見込み・アマゾン
(30兆1,841億円)
・楽天(1兆2,639億円)
・Zホールディングス
(1兆529億円)
ゲーム *21巣ごもり需要と新型ゲーム機の登場で成長性はさらに抜群・ソニー(1兆9,197億円)
・任天堂(1兆3,085億円)
・マイクロソフト
(1兆2,251億円)

図3 参考)*12~21 「会社四季報 業界地図 2021年版」を参考に筆者作成

 

 

 

①注目度NO.1は「5G」

 

「5G」は、日本では2020年3月に商用化されたばかりですが、あらゆる産業で利用が可能。

 

新しい変革を巻き起こす5Gは、最も注目度の高い業界です。

 

NTTドコモなど通信キャリアの5Gは、まだ整備途上であるため、5Gを利用したサービスは、まだ多くはありません。

 

しかし、数年後には、広い分野で活用されることが期待されており、工場や店舗の無人化、完全自動運転など、今までになかった技術が実現されるでしょう。

 

 

②テレワーク業界はさらに拡大の見込み

 

2020年は新型コロナの影響で、多くの企業がテレワークに移行しています。

 

どこでも働けることが実証され、改めてクラウドは重要産業となり、米マイクロソフト社や米グーグルが提供するクラウド型のオフィスソフトは、必要不可欠な存在であるといえるでしょう。

 

また、ビデオ会議ツールが急速に普及し、なかでも米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズの「Zoom」は、大学での授業などにも利用され、急激に需要が加速しました。

 

 

③EC産業はこれからもさらに発展する見込み

 

EC産業は、新型コロナの感染拡大により、最もプラスの影響を受けた業界の一つであるといえるでしょう。

 

外出自粛により、実店舗での買い物を控えたい消費者はいまだに多く、新型コロナの感染状況が落ち着くまでは、しばらく追い風になりそうです。

 

国内では「アマゾン」「楽天」「Zホールディングス」の3社がトップ3を争い、特に「Zホールディングス」では、ZOZOの買収や「PayPay yモール」をスタートするなど活発な動きを見せています。

 

 

 

3.コロナ禍後に起こる仕事・産業の変化

 

 

新型コロナの感染拡大により、世界中の経済状況、業界別勢力が大きく変わりました。

 

ここでは、コロナ禍後に起こるとされている仕事や産業の変化について、詳しく解説をしていきます。

 

 

①多くの企業で、昨年同月比較の売上が減少

 

2020年1月より世界に広がった新型コロナ感染症の影響により、世界経済は、大恐慌以来の大きな打撃を受けています。

 

日本の実質GDP成長率は、リーマンショックを超えるマイナス水準となる見込みとなっており、世界銀行は、日本の実質GDPが2020年に-6.1%に低下することを公表。*22

 

また、経済産業省が依頼した日本企業に対するアンケートによると、1年前より売上が減少した企業の割合は全体の84%という結果になりました。(図4:2019年4月と2020年4月の比較)

 

 特に、売上が減少した企業の業種は「飲食」「宿泊」「フィットネスクラブ」「映画・劇団」等で、95%以上もの減少率です。

 

全体としては84%の減少率となっており、厳しい状況といえるでしょう。

 

 

2020年4月の売上が減少した企業の割合

図4 引用)経済産業省「新型コロナウイルスの影響を踏まえた経済産業政策の在り方について」P11(https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/sokai/pdf/026_02_00.pdf)

 

 

 

(2)今後はさらにリモート化、オンライン化、テレワークが推進される

 技術戦略研究センターが調査した「コロナ禍後の社会変化と期待されるイノベーション像」によると、コロナ禍は様々な社会変化を日本にもたらしたことが、改めて浮き彫りにされました。

 

特に顕著である重要なキーワードは、「リモート化」「オンライン化」「テレワークの推進」の3つです。

 

これからの時代は、上記3つの事柄を推進しながら、仕事を進めていくことが予測されます。

 

また、バーチャルオフィスの拡充も検討されており、オンラインコミュニケーション技術の性能向上により、 バーチャル会議による3Dデータの可視化や、ホログラム(立体映像)技術でバーチャル空間で、一緒にいるように見せる技術も開発されています。

 

 

なお、これから打撃を受ける業界としては、

  1. 賃貸オフィス
  2. 鉄道・航空、輸送機器
  3. 服飾
  4. 飲食(飲み会の減少)
  5. コンサート
  6. スポーツ観戦
  7. 映画館
  8. パチンコ
  9. 娯楽遊泳

 

等の業界が挙げられます。

 

また、伸びる業界としては、

  1. 通販
  2. 輸送・宅配
  3. IT・AI・ロボットなどの先端技術
  4. 通信事業
  5. ゲーム
  6. 動画配信

 

等が代表的なものでしょう。*23

 

 

 

4.まとめ

 

 

今回は、「新型コロナ後の注目業界」について、プラス要素を持っている業界や代表する企業をご紹介していきました。

 

世界中で拡大している新型コロナの流行により、かつては好況であった業界が沈む一方で、新しいビジネスモデルが続々と誕生しています。

 

これからは、ウィズコロナ時代に適応して行ける「新しいビジネスモデル」開発する企業が存在感を増してくるでしょう。

 

これから、就活や転職で企業を選ぶ際には、ぜひ、業界の動向も一通り研究して、より良い就職活動を実践してください。

 

 

参考資料/参考データ
参考)会社四季報業界地図 2021年版 *1「AI」P28 *2・11「リチウムイオン電池」
P34~35 *3「先端技術材料」P36 *4「スキルシェア」P37 *5「宇宙開発」P38 
*6「オンライン教育」P42 *7・10「電子部品」P70 *8「クラウド」P90 
*9「倉庫・物流施設」P228 *12「5G」P14 *13「キャッシュレス」P16
*14「テレワーク」P22 *15「医療機器」P24 *16「サイバーセキュリティー」P41
*17「中食・宅配」P45 *18「地図・ナビ」P57 *19「半導体」P72 
*20「EC」P88 *21「ゲーム」P174 
*22 参考)経済産業省「新型コロナウイルスの影響を踏まえた経済産業政策の在り方について」P10 https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/sokai/pdf/026_02_00.pdf
*23 参考)技術戦略研究センター「コロナ禍後の社会変化と期待されるイノベーション像」コロナ禍後に起こる仕事・産業の変化 P19
www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/sangyo_gijutsu/kenkyu_innovation/pdf/019_02_00.pdf

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