キャリア形成 働くコラム

働き盛り世代の健康を守る!あなたの健診結果から考えるべき食事制限の考え方とは

働き盛り世代の健康を守る!あなたの健診結果から考えるべき食事制限の考え方とは

今までずっと健診を受けてきて「異常なし」だったのが、ここへきて「要検査」になってしまった…そんな経験はありませんか?

働き盛りの30〜40代は、今までの生活習慣が少しずつ体に不調を現し始める時期です。

まさに大きな病気を未然に防ぐのには適した年齢であると言えます。

 

しかし、健診は受けているけど結果を読んでも何が書いてあるのかよく分からない、何を改善すればいいのか分からない、という方は多いと思います。

 

そこで今回は、健康診断で引っかかってしまった時の食事の注意点を紹介します。

食事制限というと厳しい内容に聞こえますが、ポイントを押さえれば食事の内容に少し気をつけるだけで数値が改善する事もあります。

試してみやすい内容で各項目別に紹介しますので、ご自身の健診の結果と照らし合わせながらご覧下さい。

 

1.引っかかりやすい項目別気を付けたい食事

 

健康1

引用:pixabay(https://pixabay.com/2493327/)

 

今までずっと健診を受けてきて「異常なし」だったのが、ここへきて「要検査」になってしまった…そんな経験はありませんか?

働き盛りの30〜40代は、今までの生活習慣が少しずつ体に不調を現し始める時期です。

まさに大きな病気を未然に防ぐのには適した年齢であると言えます。

 

しかし、健診は受けているけど結果を読んでも何が書いてあるのかよく分からない、何を改善すればいいのか分からない、という方は多いと思います。

 

そこで今回は、健康診断で引っかかってしまった時の食事の注意点を紹介します。

食事制限というと厳しい内容に聞こえますが、ポイントを押さえれば食事の内容に少し気をつけるだけで数値が改善する事もあります。

試してみやすい内容で各項目別に紹介しますので、ご自身の健診の結果と照らし合わせながらご覧下さい。

 

2.引っかかりやすい項目別気を付けたい食事

 

健康2

引用)pixabay(https://pixabay.com/photos/1228627/)

 

ここでは血圧測定と血液検査で引っかかりやすい項目を挙げ、その内容にあった食事制限や運動療法を紹介します。

一般的な健康診断の血液検査では、肝臓・腎臓などの異常、貧血、糖尿病、脂質異常症などのリスクを判定する事ができます。

健診結果を片手に、ご自身の引っかかってしまった項目を中心に見ていきましょう。

 

 

・高血圧

まず皆さん引っかかりやすいのが血圧です。

医師の前で緊張する事を考慮した上で140/90mmHg以上の数値が出ると高血圧であると判断されます。

血圧は心臓から送り出された血液が血管壁を押す力のことで、この圧力が強いと心臓や血管に負担がかかり、心不全・心筋梗塞・脳卒中などのリスクが高まります。

 

血圧は運動や精神的なストレスなどが関与して変動するので、気づいた時に測定して自分の平常時の血圧を知っておく事が大切です。

厚生労働省スマートライフプロジェクトHP「血圧と循環器病のリスク」

引用)厚生労働省スマートライフプロジェクトHP「血圧と循環器病のリスク」(https://www.smartlife.mhlw.go.jp/disease/pressure/?csid=h97icp2ut0fs7lnmn4gtccbdm6)

 

<高血圧の方の食事制限>

高血圧の方が気をつけたいのは、食塩を摂り過ぎないように心掛ける事です。

食塩に含まれるナトリウムを控える事で血液中の水分が減り、血圧を下げる事に繋がります。

目安として1日男性9g、女性7.5gまでという数値を目標としていますが、これはラーメン約1杯分の塩分です。

味噌汁や麺類のスープには多量の塩分が含まれているので、なるべく飲み過ぎないよう気をつけましょう。

またお酒を飲まれる方はおつまみにも塩辛いものが多いので、注意が必要です。

食べるにしても少量にするか、ナッツなどの塩分が低めのものを選ぶようにしましょう。

 

積極的に摂りたいのはカリウムや食物繊維です。

カリウムは果物や野菜類に、食物繊維はこんにゃくやきのこ、海藻類に多く含まれています。

これらはナトリウムの吸収を防止し排出させる効果があります。

いつものお昼ご飯にコンビニや食堂でサラダを一品プラスするなど、できる事から工夫してみましょう。

またカルシウムが不足すると血圧が上がりやすいので、朝に牛乳やヨーグルトなどを取り入れるのも良いでしょう。

 

・脂質異常症の項目

脂質異常症は、血液内の悪玉コレステロールが多かったり善玉コレステロールが少なかったりする状態のことを言います。

 

脂質異常症の診断基準

LDLコレステロール

140mg/dL以上

高LDLコレステロール血症

HDLコレステロール

40mg/dL未満

低HDLコレステロール血症

中性脂肪(TG)

150mg/dL以上

高トリグリセリド血症

参考)厚生労働省 e-ヘルスネット「脂質異常症」を参考に筆者作成

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-004.html/

 

コレステロールは細胞膜を作ったりホルモンを生成するなど大切な体成分です。

しかしコレステロールが増えすぎると、血管の壁にくっついて動脈硬化を起こしたり心筋梗塞や脳梗塞の原因となる血栓ができやすくなります。

 

厚生労働省スマートライフプロジェクトHP「動脈硬化を起こし、心筋梗塞や脳梗塞などの原因に」

引用:厚生労働省スマートライフプロジェクトHP「動脈硬化を起こし、心筋梗塞や脳梗塞などの原因に」(https://www.smartlife.mhlw.go.jp/disease/cholesterol/)

 

<脂質異常症の食事制限・運動療法>

脂質異常症は、その数値によって食事制限や運動療法の内容が変わってきます。

 

LDLコレステロール値が高い:動物性脂質を減らす(バター・ラード・生クリーム/脂身)

HDLコレステロール値が低い:1日20分ほどの有酸素運動(1駅歩いてみるなど)

トリグリセリド(TG)値が高い:お酒や甘いもの、炭水化物を控えめに

 

悪玉と呼ばれるLDLコレステロール値やトリグリセリドが高い方は、動物性脂質やお酒、甘いものなどのいわゆる”太りそうなもの”を少し控えるようにしましょう。

洋菓子やラーメン、洋食に含まれる事が多いので、意識的に和食や和菓子を選ぶようにする事で数値が下がりやすくなります。

HDLコレステロールが少なめの方は、ウォーキングやエアロビクスなどの有酸素運動を取り入れる事で数値が改善していきます。

通勤の時に一駅前で降りて歩いてみるなど、できることから始めてみましょう。

 

・高血糖

糖尿病のリスクの判断基準として用いられるのが、採決時の血液中のブドウ糖の量を示す血糖値と、中・長期の血糖の指標となるHbA1cです。

空腹時血糖値が100mg/dL以上、またはHbA1cが5.6%以上は糖尿病予備群と言われ、空腹時血糖値が126mg/dL以上、またはHbA1cが6.5%以上の場合は糖尿病の可能性が高いと言われています。

 

<高血糖の方の食事制限・運動療法>

高血糖になりやすい方は、血糖が下がりやすい体にする為に内臓脂肪の減少を目指します。

バランスの取れた和食などを中心にした食事で、食べ過ぎないようにする事が大切です。

また食べるときには、食物繊維が多い野菜やこんにゃくなどを先に食べるようにすると糖の吸収が穏やかになります。

合わせてウォーキングなどの有酸素運動を取り入れるとより効果的です。1日20分を目安に散歩してみてはいかがでしょうか。

 

厚生労働省スマートライフプロジェクト「定期的な運動は、内臓脂肪減少+血糖値低下のダブル効果」

引用)厚生労働省スマートライフプロジェクト「定期的な運動は、内臓脂肪減少+血糖値低下のダブル効果」(https://www.smartlife.mhlw.go.jp/disease/diabetes/)

 

 

・肝機能

肝機能異常は健診で引っかかる事の多い項目で、これらの数値が高いと肝炎に罹っている可能性やアルコール性の脂肪肝などが見つかることがあります。

AST、ALTは肝臓へのダメージが高く働きが悪い時に放出されるホルモンです。

γ-GTPは多量の飲酒によりアルコール分解機能が疲弊した時に多く排出されます。

飲酒の機会が多く、疲れやすい方がこれらの数値に引っかかりやすい傾向があります。

独立行政法人 労働安全機構 労働安全衛生総合研究所「化学物質の毒性作用メカニズムの解明-肝障害早期発見のためのバイオマーカーを中心に-」

引用)独立行政法人 労働安全機構 労働安全衛生総合研究所「化学物質の毒性作用メカニズムの解明-肝障害早期発見のためのバイオマーカーを中心に-」(https://www.jniosh.johas.go.jp/publication/mail_mag/2012/47-column.html)

 

<肝機能異常の方の食事制限>

まずは肝臓にダメージを与える飲酒の量を減らすことです。

1日の適量はビール中瓶2本程度と言われていますので、それより多く飲んでいる方は少し控えると良いでしょう。

また、適度に休肝日を設けて肝臓を労わることも大切です。

 

また脂肪肝や肝炎になるのを防ぐ為、揚げ物や肉類、洋菓子などの高脂肪な食事もなるべく控えるように心がけると良いでしょう。

コンビニなどでお弁当を買う時にも、揚げ物ではなく炒め物のおかずにするなど、できる事から始めてみましょう。

 

・貧血

特に女性に気をつけていただきたいのが貧血の項目です。

この年代の女性はホルモンバランスがだんだんと崩れやすくなったり、出産を経て貧血になりやすい傾向にあります。

貧血の多くは鉄欠乏性貧血で、血液中の赤血球(RBC)の血色素であるヘモグロビンの濃度が低い状態の事を言います。

ヘモグロビンは全身に酸素を運搬する働きがあるので、この濃度が下がっていると酸素が身体中へうまく行き渡らなくなり、慢性的な疲れやだるさなどの症状が現れます。

 

毎日の生活をする中で、1日あたり男性=約1mg、女性=約0.8mg(月経期には約1.3mg)の鉄分を失っています。

貧血の改善には鉄分が多く含まれている食材をたっぷりと摂り、代謝で減ってしまった鉄を補う事が重要です。

 

<貧血の食事制限>

では実際に1日にどれくらいの鉄分を摂ればいいのでしょうか。

目安として成人男性では7.5mg、月経のある女性では10.5mg(月経のない女性:6.5mg)が推奨されています。

吸収率の良いヘム鉄を効率的に摂っていくと良いでしょう。

 

また、鉄分はビタミンCと一緒に摂る事でより吸収が良くなるので、合わせてキウイやいちご、オレンジなどのフルーツやブロッコリー、パプリカといった野菜と一緒に摂るとさらに効率がアップします。

 

厚生労働省e-ヘルスネット「貧血を予防するための食生活のポイント」

引用)厚生労働省e-ヘルスネット「貧血を予防するための食生活のポイント」(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-008.html)

 

3.今後に注意!50代で発見されやすい疾病とは

 

30〜40代の皆さんは今気をつければまだ間に合う「最後の疾病予防ができる年齢」です。

ここで体の声を無視して労わる事をしなかった時、

この先にどんな病気が待ち構えているのでしょうか。

ここでは、50代から見つかる事の多い疾患について少しお話したいと思います。

 

健康3

引用)pixabay(https://pixabay.com/photos/4590164/)

 

・がん

50代に入ると少しずつがんの死亡リスクが高まり、小さながんが見つかりやすくなる時期です。

男性で飲酒や喫煙の生活習慣がある方は、負担がかかっていた肝臓や肺にそのツケが回ってくる時期でもあります。

女性ではホルモンの転換期が訪れ、乳がんや子宮系のがんのリスクも上がります。

男女問わず、胃がんや大腸がんなどの消化器系のがんも合わせて積極的にがん検診を受けるようにし、なるべく早期に発見する事が大切です。

また、大腸がんや胃がんなど食事からリスクを下げる事ができるものもありますので、塩分を控えめに食物繊維をたっぷりと摂るよう心掛けましょう。

 

・心疾患や脳血管疾患

50代では内臓機能の衰えも出始め、不整脈などの心疾患が現れやすくなってくる時期です。

自分ではなんとも感じていなくても、心臓に負担がかかっている事も稀ではありません。

 

また、中性脂肪やコレステロール値の異常がある方や喫煙習慣のある方は、心筋梗塞や脳梗塞などの血管疾患に気をつけなければなりません。

これらは本当に突然にやってくるもので、予兆があることは少ないと言われています。

昨日まで健康でなんともなかった方が突然亡くなる事もあるのです。

そんな日が来ないよう、今から少しずつ気をつけて毎日を過ごす事が大切です。

 

適度な運動と、和食中心の生活。食塩や脂、甘いものは摂り過ぎない。10年後の自分をイメージしながら、今から気をつけていきましょう。

 

4.健診結果は単なるきっかけ!大切なのはそこからどうするか

 

今回は、健診結果から見る項目別の食事制限の方法について紹介しました。

健診の結果を見て「要検査」になっていても、忙しいから受けなくていいか…と保健指導や精密検査を受けない方も多いのではないでしょうか。

自分は大丈夫、辛くなったら病院へ行こう、なぜかそんな気になってしまってあまり気に留めない方も多いと思います。

しかし健診は、普段忙しくて気にすることのない健康を見直す事ができる大切な機会です。

せっかく大切な時間を割いて得られた結果ですので、ぜひ今後の健康に活かせるようにしていきましょう。

 

自分の体を作っているのは、今ご自身が食べている食事です。

その食事が未来の自分を作るという意識を持って、毎日少しずつ体を労っていけたら、きっと未来のあなたは微笑んでいてくれるはずですよ。

 

執筆者

内田昌子(うちだまさこ)

管理栄養士・フードスペシャリスト
企業在籍時に行ったダイエットの栄養指導、親子料理教室の開催、レシピブック作成などの経験をもとに、現在は「食」の魅力を伝えるwebライターとして活動中。2児の母として、美味しくて手軽にできる栄養満点ご飯を作るのに毎日奮闘しています。
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