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避けられない人間関係とストレス 上手に解消し仕事に取り組むための方法を知ろう

職場の人間関係というと、ストレスのもとになってしまうことが多いものです。

どうしても人付き合いが苦手だという人も、仕事ともなると避けては通れません。

人間関係のストレスは、放っておくとメンタルヘルス不調の原因にもなりかねません。

 

では、どのようにうまく対処していけばいいのでしょうか。

改めて確認していきましょう。

 

1.人間関係がギクシャクしやすくなった時代背景

 

人間関係を円滑にするうえで大事になってくるのが、普段からどれだけコミュニケーションを取れているのかです。

 

普段、職場で孤独感を持つ方も多いのではないでしょうか。

人間関係が希薄化した主な要因として考えられるのが、以下の3つです。

 

①組織への帰属意識の低下

今や雇用者全体に占める非正規雇用労働者の割合は4割に達します。*1

非正規ともなると、ずっと居続けられるという保証もないため、組織に対する帰属意識も低くなりがちです。

 

また最近では、フリーランスや副業といった働き方も注目を集めるようになり、会社という組織に縛られない働き方を模索する人も増えてきています。

 

②余裕の無さ

少子化の影響を受け、多くの企業は人手不足に頭を悩ませています。

また、IT化、合理化、グローバル化によって、仕事もスピードが求められるようになりました。

 

そうなると、自分の仕事で手一杯になってしまい、他の人とコミュニケーションを取るような余裕がありません。

 

③喫煙や飲酒の世代間のギャップ

若い世代と年配の世代とでコミュニケーションが取りづらい要因として、喫煙や飲酒に対する意識の差が挙げられます。

 

30~60代男性の喫煙率は平均で約35%程度に対し、20代男性の喫煙率は約25%と他の世代に比べ低くなっています。*2

飲酒習慣の有無についても、40代は約30%が飲酒習慣があるのに対し、20代は13%程度しかありません。*3

 

そうなると、休憩所でタバコを吸いながら談笑したり、仕事終わりに居酒屋まで飲みに行ったりということが少なくなり、コミュニケーションが取りづらくなったことも人間関係の希薄化の背景として考えられます。

 

 

2.ストレスマネジメントの重要性

 

2015年12月より、労働者が50人以上いる事業所では、年に一回のストレスチェックが義務化されました。*4

メンタルヘルス対策が重要視される背景には、メンタルヘルス不調による社会的損失の大きさがあります。

 

厚生労働省の「過労死等の労災補償状況」によると、過労などが原因で精神疾患にかかり労災申請した件数は、令和元年度には2060件となり近年増加傾向にあります。*5

また、社会全体の経済的損失を見ても、2009年を例にとると、自殺やうつ病が無くなった場合、経済的便益(自殺・うつによる社会的損失)の推計額は、約2兆7千億円にものぼります。*6

 

個人の観点から見ても、メンタルヘルス不調に陥ってしまうと、仕事のパフォーマンスが大きく低下してしまいます。

 

また、一度うつ病を発症してしまうと、職場への復帰は容易ではありません。

仕事をするうえで、ストレスをうまくマネジメントできるスキルというのは、重要になってくるでしょう。

 

3.ストレスの発生を防ぐための3つの方法

 

ストレスは、自分の思い通りにならないことによって発生します。

そうは言っても、何でも自分の思い通りにコントロールできるというものでもありません。

 

そんな中で、一番変えやすいのが、自分自身の考え方です。

そこで、具体的な方法を3つご紹介します。

 

①自分の思い込みに気づく

「~であるべきだ」や「~すべきだ」という考えを持っていても、現実にはその通りにならないことも多くあります。

どうしても思い通りにならないという時、次の4つの質問を自分に投げかけてみることで、思い込みに気づくことができます。*7

 

「それは本当でしょうか?」

「その考えが本当であると、絶対言い切れますか?」

「そう考えるとき、(あなたは)どのように反応しますか?」

「その考えがなければ、(あなたは)どうなりますか?」

 

目の前の現実によってストレスが引き起こされていると感じる人は多いでしょう。

しかし、実際にストレスを引き起こしているのは、目の前の現実ではなく、自分の頭の中にある思い込みです。

 

本当にその考えは正しいだろうかと考えるときに、必ずしもそうだとは言い切れないことに気がつくはずです。

 

また、その考えがなくなると苦しみがなくなるのであれば、苦しみを生み出していたのは、目の前の現実ではなく、頭の中にある思い込みだということになります。

 

「~であるべきだ」や「~すべきだ」という考えが思い込みであることに気づき、目の前の現実を受け入れられるようになれば、苦しみから楽になれます。

 

②受け止め方を変える

同じものを見ていたとしても、それをどのような枠組みで捉えるのかによって、受ける印象は大きく違ってきます。

 

例えば、コップの水を飲んで半分の状態になった時に、「もう半分しかないのか」と思うのか「まだ半分残ってる」と思うのかで、受ける印象も違ってくるでしょう。

 

物事の捉え方の枠組みを変えることで、今まで気づかなかった物事の別の側面に気づけるようにすることを心理学では「リフレーミング」と呼びます。

 

仕事で何かミスをしてしまったり、意地悪な顧客を担当することになってしまったなどという時には、「成長するチャンスだな」と受け止められれば、ひどく落ち込まずに済むはずです。

 

③他人の迷惑にならないように自己主張する

自分の言いたいことを言えずにため込んでしまうと、ストレスになってしまいます。

しかし、他人のことを気にし過ぎてしまい、言いたいことをなかなか言えないという方も多いのではないでしょうか。

 

そこで、注目されているのが「アサーション」と呼ばれているものです。

アサーションとは、「相手の立場や権利を侵すことなく、自分の意見、感情、権利を抑圧せずに適切に表現する行動」と定義されています。*8

 

その表現方法の一つとして挙げられるのが、以下に示すDESC法と呼ばれる4つのステップで表現するものです。

 

 

①D

描写する(describe)

状況や対応する相手を客観的に描写する。客観的、具体的に特定の事柄、言動を描写する。事実を描写するのであり、相手の意図、動機、態度を述べるのではない。

②E

表現する(express)

説明する(explain)

共感する(empathize)

状況に対して自分が感じていることを表現する。自分の主観的な気持ちを表現したり、説明したり、他者の気持ちへの共感を伝える。「私」を主語に、自分の感情や気持ちを明確に、ただしあまり感情的にならずに述べる。

③S

特定の提案をする(specify)

相手、または自分の特定の言動の変化について提案する。他者に望む行動、妥協案、解決策なども含まれ、具体的で現実的に、命令や指示ではなく提案として言語化する。

④C

選択する(choose)

提案された言動が実行されたとき、あるいは実行されないときの両方の結果を考え、想像し、それに対してどういう行動をするのか、具体的で現実的な選択肢を示す。

「キャリアコンサルタント講座TEXT2カウンセリングに関する理論」日本マンパワー P131の内容をもとに筆者が作表

 

この方法を使って表現してみると、以下のようになります。

 

状況

会議が始まって2時間、話し合いが膠着し、かつ、室内は暑く、不快に感じている人が多いと思われる

D

「会議が始まって2時間経ちました。その間休憩もなく、室温が高いと感じている人も多いようです」

E

「私自身も疲れて少しぼーっとしてきました。同じように感じている方も多いのではないでしょうか」

S

「一度休憩をとって、少し頭を休めたり、その間に窓を開けて空気を入れ替えたりしませんか」

C

「そうすれば、皆が気持ちよく、効率的に話し合いを続けられると思います。もし休憩をとるのが無理だとしても、窓を開け、室温を調整させてもらえませんか」

「キャリアコンサルタント講座TEXT2カウンセリングに関する理論」日本マンパワー P132の内容をもとに筆者が作表

 

このように、他者に配慮した表現によって、自分の言いたいことが言いやすくなります。

 

4.どうしても避けられないストレスに対処するには

 

ストレスには、どうしても回避するのが難しいものもあります。

そんな避けて通れないストレスに、どう対処していけばいいのでしょうか?

 

効果があるとされているのが、「運動」です。

 

運動というと、ちょっとした気晴らし程度のイメージしかない人も多いかもしれません。

しかし最近の研究では、ストレスを減らすうえで、非常に有効であることが分かってきました。

 

人はストレスを受けると、コルチゾールと呼ばれるストレスホルモンが分泌されます。

このコルチゾールの血中濃度が増えると、腹部に脂肪が蓄積するうえ、食欲が増進し、高カロリーのものを食べたくなります。*9

その結果、いわゆる「ストレス太り」の状態になりやすくなります。

 

コルチゾールは、ストレス以外に運動によっても分泌されます。

 

しかし定期的に運動を続けていると、ストレスを抱えているときでも、コルチゾールの分泌量はわずかしか上がらなくなっていきます。

フィンランドにおける調査では、週に2回以上運動をしている人は、ストレスや不安とほぼ無縁という結果もあります。*9

 

単に生活習慣病の予防というだけでなく、ストレスに対して強くなるという観点からも、運動を取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

参照データ
*1 参考)「「非正規雇用」の現状と課題」厚生労働省 P1
www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000120286.pdf
*2 参考)厚生労働省「平成30年 国民健康・栄養調査結果の概要」P24
www.mhlw.go.jp/content/10900000/000635990.pdf
*3 参考)厚生労働省「飲酒習慣の状況(性、年齢階級別)」
www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/alcohol/siryo/insyu03.html
*4 参考)「ストレスチェック制度導入マニュアル」厚生労働省 P1
www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/pdf/150709-1.pdf
*5 参考)厚生労働省「過労死等の労災補償状況」P15
www.mhlw.go.jp/content/11402000/000521999.pdf
*6 参考)厚生労働省「自殺やうつによる社会的損失」
www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000qvsy-att/2r9852000000qvuo.pdf
*7 参考)「ザ・ワーク」バイロン・ケイティ著 P12,32~34
*8 参考)「キャリアコンサルタント講座TEXT2カウンセリングに関する理論」日本マンパワー P128
*9 参考)「一流の頭脳」アンダース・ハンセン著 P61,75,86

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