転職では実績やスキルをアピールすることが定石なため、入社1年未満での転職だと履歴書の職歴欄に書ける内容なんてないと思うかもしれません。職歴が短い転職は不利だと感じることもあるでしょう。
しかし入社1年未満での転職でも履歴書の書き方次第で効果的に自己PRすることは可能です。職歴が短くて記入するスキル・実績が少ないときの転職はどのようにアプローチすると良いのでしょうか。
職歴が短いときの効果的な履歴書の書き方やアピールするポイントを紹介します。
1.職歴が短いなら履歴書のフォーマット選びから慎重に
入社1年程での転職やこれまで働いてきた会社の在籍期間が3カ月未満など短い場合、履歴書の職歴欄に書けることが少なく、記入欄が余ってしまう恐れがあります。空白が目立つとどうしても実績・スキルの少なさが強調されてしまい良い印象を与えません。
そのため、職歴が短い転職では、「学歴・職歴」欄が小さく右半分には収まるフォーマットがおすすめです。
その代わり志望動機や特技、資格、自己PRなどの記入欄が広く設けられているものを選べば、入社に対する熱意や意欲、円滑に業務を行なうためのヒューマンスキルをアピールできます。
職務経歴書を書くときは、時系列で記入していく「編年体式」と行なったプロジェクトごとに記入する「キャリア式」がありますが、1年程の職歴で業務経験が少ないなら「編年体式」がおすすめです。自分に合ったフォーマットや書き方の形式を選ぶことで職歴の短さをカバーできるでしょう。
2.履歴書・職務経歴書の書き方を工夫して職歴をカバーする
履歴書や職務経歴書など選考の書類を作るときは、1年未満の短い職歴や実績が少ないことに目がいかない書き方をしましょう。
①.丁寧かつ正確に書きあげてビジネスマナーをアピール
転職ではビジネスマナーを身に着けていることが求められます。たとえ3カ月の職歴でも、きちんとした社会人であることをアピールするためにマナーをきちんと抑えた書き方を意識しましょう。
パソコンより手書きの方が、書き方から人柄や個性をアピールできるためおすすめです。誤字脱字がなく社会人らしい字体で丁寧に書くのはもちろん、氏名は戸籍と同じように書くといった基本的なルールを守ります。
また、履歴書に記入する資格は業務に直接関係するものや汎用性の高いものだけに絞ることや、希望欄には「そうでないと働けない」という条件でなければ年収や勤務地の希望を書くことは避ける、といった履歴書を書くときのNG事項も確認しておくといいでしょう。
②.職歴は詳細を具体的に書いて空白をなくす
工夫して職歴欄の空白を少なくし、職歴の短さを目立たなくしましょう。例えば、学歴は中学卒業から記入したり学歴と職歴の間は行を空けて書いたりするとスペースを埋めることができます。
また、職務経歴書でも共通することですが、職歴を書くときは会社名・入社日だけでなく規模や業務内容、社員数、など詳細に書くようにします。そのあとに自分が行なっていた業務を付け加えましょう。
その際も「営業」「企画」など端的に書くのではなく、どんな商品を扱っていたか、何人体制で行なっていたか、そこで得た成果や評価などを具体的に書けば、空白を埋めつつ自己PRも行えます。業務に関連した知識なら、受けたビジネス研修や講習も記入できるでしょう。
③.いかに会社に貢献できるかという目線で書く
企業は転職してくる人が即戦力となることを期待しています。1年程の職歴しかないと経験不足を補うために「経験を積めるよう御社で勉強したいと思います」と熱意をアピールしがちですが、職場は勉強の場ではなく結果を出すための場所です。転職だとマイナスイメージがついてしまうでしょう。
志望動機を書くときは常に「どのように会社に貢献できるか」という流れにしなければいけません。そうすることで職歴が短くても「採用すると会社のメリットになる」とイメージしてもらえます。
また、転職理由と志望動機は関連していると説得力を増します。例えば、転職理由で「キャリアップを目指すため」としているなら、志望動機はキャリアアップのためにどうしてその会社でなければいけないのか、ということを含めます。もちろんその結果企業の売上が増えるなど企業側のメリットとなることを強調しましょう。
3.3カ月未満の短い職でも正社員だったなら記入が必要
3カ月ほどの短い職歴の記入をためらう人も多いですが、たとえ3カ月未満であっても、正社員として働いていたならきちんとを書かなければいけません。雇用保険や社会保険などに記録が残っているため、隠してもすぐにばれてしまい経歴詐称になってしまうでしょう。
確かに3カ月といった短さは、「仕事が長続きしない」と良くないイメージを持たれる可能性があります。しかし、3カ月でも正当な退職理由や、キャリアプランに沿った職種で働きたいといったポジティブな理由であれば、悪い印象は薄くなります。
履歴書には「一身上の都合」「契約満了につき」「会社都合」など大まかに書き、面接できちんと説明できるよう準備しておきましょう。
4.まとめ
1年未満の職歴でも、そこから学んだことや成長したことは必ずあるはず。スキルや表彰だけにこだわらずアピールできること探し出しましょう。会社が求める人材と一致したヒューマンスキルや長所、入社の意欲や熱意をアピールした履歴書を書くことで、採用担当者に好印象を残すことができます。