ユーモアのある人は、誰とでもすぐに打ち解け、人間関係を築くのがうまいものです。
発想力やコミュニケーション力の高さが備われば、転職や就職で有利になることはもちろん、営業系の職種では特に重宝されるでしょう。
面接、商談、会議など、重苦しい雰囲気になってしまった時に、切り抜けるのにユーモアが役立ちます。
では、そんなユーモアのスキルを身につけるためのポイントとは、どのようなものなのでしょうか。
1.なぜ話がつまらなくなってしまうのか
「話が長続きせずに、気まずい雰囲気になりやすい」
「初対面の人と、なかなか打ち解けられない」
相手の関心を引くような話ができていないと、相手との関係構築がなかなかうまくいきません。
場合によっては、相手を遠ざけてしまうことになってしまいます。
相手から嫌がられてしまう話になってしまう原因は、どこにあるのでしょうか?
以下に示すのは、話がつまらなくなってしまう原因を4つのパターンに分け、さらに細かく24の症例に分類したものです。
いかがでしょうか?
もし、話し相手がここに示すようなタイプに該当していて、自分が聞く立場の人だったとしたら、そのような相手とは距離を置きたくなるというのも納得できるのではないでしょうか。
ユーモアのある人というのは、ここに示したのとは真逆のタイプの人です。
話す内容はシンプルで具体的であり、ポジティブ、そして、誰とでもオープンでフラットな関係を構築できる人です。
他人とギクシャクしてしまいやすいという人は、先ほどのパターンに該当してしまっていないかをチェックしてみましょう。
2.間違った常識は捨て去ろう
面白い話をすることに対して、
「何かオチのきいた話をしなければならない」
「テンションを上げて話さないといけない」
と思っている方も多いと思います。
面白いオチなんて思いつかないし、自分はテンションを上げられるようなキャラではないと、面白い話をするのをあきらめてしまっている人も多いかもしれません。
しかし実際には、笑いを取るために、オチのある話をしたり、テンションを上げたりする必要はありません。
むしろ、無理やりオチを作ろうとしたり、テンションを上げようとしているのが相手に伝わってしまうと、相手はしらけてしまいます。
面白い話をするためには、まずは自分がリラックスする必要があります。
また、わざとらしさが相手に伝わってしまわないように、自然に振る舞うというのも大事です。
面白いことを言うにしても、難しく考える必要もなく、その場でみんなが感じているであろう心境を素直に吐露することで笑いが取れます。
例えば、目の前でスベりまくっている人がいたとしましょう。
その人に向かって、「出口はあちらです」と言えば、みんなが思っていることを代わりに言ってくれたと共感の笑いが取れます。*1
そして大事なのが、「面白い話には、前フリが必要」ということです。
いきなり面白いことを言っても、状況を理解できないと相手は「え?」となります。
四コマ漫画でオチの部分だけを見せられても、あまり面白くないのと同じです。
いきなり笑いを取りにいくのではなく、まずは笑いを誘いやすい雰囲気作りを心がけましょう。
また、ひねりのきいたオチがないと笑いは取れないのではないかと思う人も多いかもしれませんが、実際は必ずオチが必要だということはありません。
普通の言葉だったとしても、間の取り方次第で、笑いは取れます。
例えば、嫌な上司から飲みに誘われていて、同僚から「飲みに誘われてるんだって?」と言われた場合。
「行きたくないんだけどねえ」と答えずに、
「うん・・・・行きたくないんだけど」と少し間を入れて答えれば、
微妙な間が笑いを誘います。
面白いことをいう人というのは、そのフレーズ自体が面白いわけではなく、「その場の空気」の読み取りと、「言うタイミング」が適切なのです。*1
3.才能が無くても面白くできる
ボケるとなると、ある程度の才能も必要になってくるため、多くの人にとってはハードルが高いものになります。
一方で、ツッコむというのは、才能は関係なく、場数を踏めば身につけられるとされています。*2
実は漫才コンビにおいては、ボケ役よりもツッコミ役の方が社交的な人が多いのです。
このことからも、ツッコミには好かれるようになる要素があると考えて良いでしょう。
それでは、ツッコミができるようになることで、どのようなメリットがあるのでしょうか。
具体的には、ツッコミには以下に示す6つのメリットがあるとされています。*2
①ボケ=軽薄に対して、まじめに映る
②頭がよいと思われる
③聞き上手と思われる
④会話相手に喜ばれる
⑤笑いが取れる
⑥場の主導権を握れる
知的で、聞き上手で、笑いも取れるとなると、人が寄ってくるというのも納得できるのではないでしょうか。
ツッコミと言われても、何をどうツッコんだらいいのやらと感じる方もいらっしゃるでしょう。
ツッコミの本質は、『違和感』を指摘することです。
とりわけ、「発言」「行動」「見た目」「物」「環境」の5つをよく観察することが重要になってきます。*2
ツッコミとは、周囲をよく観察して何かおかしいと感じるところをスルーせずに指摘することなのです。
ツッコミができるようになれば、ビジネスマンとしても重宝されます。
会議、新商品、社内ルールの常識ではない部分(=非常識)に、人とは違う着眼点からツッコミを入れることができれば、それは斬新な改善点になるからです。*2
アイデアを求められた時に、独自の視点で指摘できるというのは大きな強みになるでしょう。
もちろん、おかしいと感じたものは何でもツッコめばいいというわけではなく、周囲の空気もよく観察するというのが大事です。
4.シチュエーション別「好かれるための話し方」
ボケやツッコミのやり方が分かっていても、素早く対応できるようにしておかないと、タイミングを逃してしまいます。
チャンスはいつ、どのように転がり込んでくるのか分からないものの、さすがに何もしていなければ、うまく拾うことができません。
そうならないようにするためにも、事前の準備が大切です。
それでは、シチュエーションに分けて、どのようにしていけばいいのかを解説していきましょう。
まず、就職や転職の面接、営業の初顔合わせなどで使えるケースが自己紹介です。
相手に自分のことを覚えてもらうというのが大事ですので、どれだけインパクトを持たせられるのかが重要です。
具体的な活用例としては・・・
「か細く見えますが、趣味は登山で百名山制覇しました」
「派手に見えるのは顔だけで、趣味は切手集めです」
…といった具合に、見た目と実際のギャップを取り上げると、インパクトが出ます。*1
このように、ちょっと意外だなというギャップがあると、ウケやすいうえに、相手の記憶にも残りやすくなります。
他にも、誰でも簡単にできるテクニックとしては、上司やお客様から無茶ぶりを振られてしまった時の対処法をご紹介します。
無茶ぶりを振られた時に、即座に「そんなの無理ですよ!」などと答えてしまってはカドが立ってしまいます。
そこで、
「……えっ?」
という具合に、間を使ってツッコミを入れます。
このように間を使うことで、私はあなたの要求を受け入れようと努力しましたよというのを伝えるとともに、相手の無茶な要求にさりげなく反論できるわけです。*2
ユーモアは、うまく使えば自分をアピールするのに使えます。
また、カドを立てない言い回しによって、他人との衝突を回避することもできます。
ユーモアは、人間関係の潤滑油です。
人間関係を豊かにするために、ぜひともユーモアを取り入れてみてはいかがでしょうか。
*2 参考)「最強のコミュニケーション ツッコミ術」村瀬健著 P6~7,18~36,38~39,43,64,214~215