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新卒の住民税はいつからかかる?手取り給与の仕組みを解説

新卒の住民税はいつからかかる?手取り給与の仕組みを解説

給与所得者になるとさまざまな税金を納めるようになります。その1つが住民税です。しかし、給与が入っても住民税を払うよう通知が何もないことを疑問に思っている方もいるかもしれません。

 

社会人になったら住民税はどのように払えばいいのでしょうか。少し難しい税金についても社会人であればきちんと知っておきたいものです。そこで新卒の住民税と給与の仕組みについて解説します。

 

1.「住民税」を納めるのは新卒2年目から

 

結論から言うと、新卒1年目は住民税を払うことはありません。というのも、住民税は前年の所得額に基づいて課税されるため、前年は学生だった新卒は住民税を払わないのです。

 

もちろん学生の時に何らかの仕事をしていて、課税所得まで稼いでいたなら新卒1年目でも住民税を払うことになりますが、学生アルバイトであればほとんど当てはまらないでしょう。

 

そのため、実際に住民税を払い始めるのは新卒2年目以降です。「新卒は住民税がかからない」というわけではなく、所得分の住民税を約1年遅れで納めていくような形といえるでしょう。

 

 

2.給与は税金、保険料が引かれてから手元にくる

 

給与は丸ごと振り込まれるわけではなく、税金や社会保険料などを差し引いた金額が手元に届きます。これがいわゆる「手取り」といわれるものです。新卒2年目以降はこの天引きされる項目に住民税も含まれるようになります。

 

では住民税はどんな仕組みで課税、徴収されているのでしょうか。

 

①.住民税は市区町村で計算され、給与から引かれる

 

住民税はその年の11日に住民票がある市区町村に納めるものです。新卒であれば給料をもらい始めた4月~12月までの給与、賞与などすべての所得に応じて住民税が決まります。

 

給与所得者は、雇い主が毎月の給与から住民税を天引きしていく「特別徴収」という形で住民税を納めるケースが多く、その場合は市区町村が計算した住民税は「住民税課税通知書」として勤め先に送付されます。

 

会社は受け取った住民税課税通知書にある税額を新卒2年目の6月から翌年5月までの12ヶ月に分けて天引きしていく、という流れです。それ以降の1月~12月までの所得に対する住民税は3年目の6月以降の給与から引かれる、というように毎年繰り返していきます。

 

新卒2年目に給与明細を見たら、6月から急に手取りが減っていてびっくりしてしまうということがありますが、給与が少なくなったのではなく、税金の納税が始まったからなのです。

 

②.基本的には住民税の税率は10

 

居住する市区町村に納める住民税は、各自治体によって例外があるとはいえ、ほとんどは課税所得の10%程です。ただし、扶養控除や生命保険控除などの所得控除額や税額控除額によって同じ給与額でも住民税の金額は異なります。

 

新卒2年目6月以降は住民税が引かれた金額が手取りとなるため、新卒1年目の手取りの感覚でローンや分割払いを行なっていると、住民税の天引きで手取りが減って支払いに困ってしまうかもしれません。出費の計画には注意しましょう。

 

③.所得税は新卒1年目から天引きされている

 

他にも払うべき税金には所得税があります。所得税も住民税のように前年の所得を元に金額が決まりますが、住民税と異なるのは、新卒1年目から給料より引かれていることです。

 

これは所得税の場合、月給から考えられる総所得額で計算した、おおまかな所得税をあらかじめ天引きしていく仕組みだからです。正確な計算ではないので、たいていは多めに徴収されていますが、その年が終わって正しい課税所得がわかると差額を調整するため、多めに払った分はきちんと戻ってきます。

 

 

3.退職しても住民税は納める必要がある

 

新卒1年目は住民税の天引きはありませんが、反対に退職したときはその所得分の住民税を翌年に納めることになります。それ以降、他の会社に所属していなければ翌年に住民税課税通知書が届き、4期にわかれた納付書を用いて自分で納税をする「普通徴収」を行います。

 

個人事業主や自営業の人も同じように納付書を使い自分で住民税を納めます。このように課税所得があれば何らかの形で必ず住民税を払う仕組みになっているのです。

 

 

4.まとめ

 

新卒で給与をもらうと、手元に来る前に色んなお金が引かれていることに驚くかもしれません。さらに新卒2年目は住民税も加わるため、手取り額もまた変化があります。手取りが減っていると切ないですが、どれも給与による所得があるなら支払うべきもの。どういった天引きがあるのか把握して、計画的な貯蓄や出費できちんとお金を管理するようにしましょう。

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