ビジネスシーンでは報告・連絡・相談を忘れずに行わなければいけません。これを「報連相」といい、新入社員に教える大切な事柄として、多くの企業がこの報連相をあげています。
報連相は一見簡単そうに見えますが、実際にやろうとすると、それぞれの違いや使い分けがわからなくなるケースも少なくありません。
この記事では、報連相の定義から報連相のビジネスマナーについて説明します。
1.「報連相」の基本
きちんと報連相が行なわれているオフィスは雰囲気が良く、仕事の進みもスムーズです。これはメンバー全員が業務内容を報告、連絡、相談することで、全体の状況を把握でき、状況に応じて計画を調整したりフォローしたりできるからです。
理解のすれ違いでギスギスすることなく、ケアレスミスを防ぎ、問題が大きくなる前に対策を講じることができるため、業務も効率的に進みます。
また、何かを相談、報告しているうちに問題点に気づき、改善策を練ったり新しいアイディアが生まれたりするため、会社全体の業績にも良い影響を与えるでしょう。
報連相は円滑なコミュニケーションのもと、効率性、生産性を向上させるために欠かせないものなのです。
そのため、「報連相ができている人」になりたいなら、ただ形式的になんでも情報を伝えるのではなく、ふさわしい相手に、必要な内容を伝えられなければいけません。また言葉遣いや伝えるタイミングもビジネスマナーに沿っていることが大切です。
定義 | する相手 | |
報告 | 上からの指示で行なっている業務の途中経過や結果を知らせること | 指示をした上司や先輩 |
連絡 | 必要事項や共有すべき情報を伝えるもの | 関係する人すべて |
相談 | 疑問点や不明点、なにか意見を聞きたいときに、状況について話すこと | 直属の上司 |
内容によっては先輩、同僚など |
2.注意したい報連相のマナー
ビジネスシーンでは相手への礼儀が大切なので、報連相はただ相手に情報を言うだけでなく、ビジネスマナーに沿って行なうと好印象です。そこで、報連相をするときに注意したいマナーについて見てみましょう。
①.ワンクッション置いてから話し始める
報連相は「してあげる」ものではなく「聞いてもらう」もの。忙しい相手の時間を取ってもらうため、声をかける前に、要点を簡潔に伝えられるようまとめておきましょう。
特に、アイディアや改善策の提案を相談する際は、思いつきで話すのではなく、そうすると良い理由やデータなど根拠を準備してから話すようにします。
また、突然話し始めるのではなく、「失礼いたします」「今お時間よろしいでしょうか」などワンクッション置いて話すのがマナーです。
②.後回しせず早めに行なう
報連相はリアルタイムの情報でこそ意味があります。伝えるべきことはなるべく早く報連相を行ないましょう。
もちろん緊急度の低い報連相なら、相手が忙しそうな時は少し時間を置いて近づいたりメモで伝えたりして、相手への気配りを忘れてはいけません。
しかし、重要度が高い内容やすぐ判断が必要な事案の場合は「お忙しいところ申し訳ありません」など一言添えて、近づきましょう。
つい後回しにしたくなるのが、ミスやトラブルの報告です。自分でどうにかしようと報告するのを遅らせてしまうと、取り返しがつかなくなる可能性も。それを防ぐのが報連相の役割でもあるので、トラブルはすぐに相談しましょう。
③.小まめな報連相が大切
報連相には状況の変化を把握する目的もあるため、報告は小まめに行ないます。特に、作業の終了報告だけでなく、あとどれくらいで終わりそうか、予定より遅れているかなど進捗に関わることは、細かに伝えるとその後の段取りに役立つでしょう。
その際、新たに指示を受けるかもしれないので、メモを用意していると新しい指示にさっと対応でき、「おっ、なかなかできる人だな」と思ってもらえるかもしれません。
まだ会社に慣れていない時、特に意識したいのは「相談」です。よくわからないまま作業を進めるのは効率が悪く、間違っていたら周りに迷惑をかけてしまうこともあります。自己判断で進めることなく、すぐに指示をもらった相手に相談して確実な業務を行ないましょう。
④.事実をはっきりと伝える
報告・連絡で必要なのは「事実」です。まずは事実を結論として述べて、その経緯や原因は求められた際に付け加えるといいでしょう。
自身の意見や憶測を情報として伝えたいときは、事実を述べたあとに「あくまで私の観察による憶測なのですが、」「個人的には」など添えてから話すようにして、事実と私見をはっきりと分けます。
また連絡時は、「○○するみたいです」など曖昧な言い方は避けます。情報がはっきりしないことは自分で確認して、確実な情報を得てから伝えるようにしましょう。
3.メールでの報連相には注意が必要
職場によってはメールで報連相を行うこともあるため、職場のルールや状況に合わせて、メールで報連相をしてもいいか判断しましょう。
例えば、真横にいて直接話せる状況なのにメール連絡すると、「直接言えばいいのに」と思われてしまうかもしれません。逆に、小さな報連相で逐一話しかけていたら、不快にさせてしまう可能性もあります。
また、メールでの報連相は、他のメールに埋もれたり見落としたりして相手がメールを読んでいない可能性も。メールを送ったから報連相済み、と安心せずに、メールに気づいて読んでもらうまで気にかけておくようにしましょう。
反対に、自分がメールで報連相を受け取ったときはすぐに確認したことをお知らせする返信をするのがマナーです。
4.まとめ
報連相を意味あるものにするには、正しい相手、必要なときに行なうことが大切です。またきちんと報連相を行なう人ほど仕事を任せるうえでも信頼してもらえるでしょう。
つい忘れてしまわないように、常に報告・連絡・相談を意識して、習慣づけるようにしましょう。