政府が実現しようとしている「働き方改革」を背景に、残業削減やテレワーク推進、有給休暇取得の義務化などとともに、大企業においても副業の解禁が進められてきました。
それに伴い女性も収入アップだけでなく、本業以外の生きがいやキャリアを求めて、副業に取り組んでいる人が増えています。
今回は女性におすすめの副業について詳しくご紹介をしていきます。
女性向けの安全な副業の選び方や副業の種類、目安となる報酬月額などを解説していきますので、これから副業を考えている方はぜひ、参考にしてください。
1.女性が安全に無理なく働ける副業の選び方
巷には女性の副業として様々な種類の仕事が募集されていますが、中には安全と言いきれない副業もあります。
また本業だけでなく家事なども忙しい女性には、負担をかけ過ぎずに無理なくできる副業でないと長続きしません。
ここでは女性が安全に無理なく働ける副業の選び方について、3つのポイントをご紹介しましょう。
①未経験でも始められる
どんな副業を選べばいいのか迷ったら、とりあえず「未経験者でも始められる仕事」からチャレンジしてみても良いかもしれません。
アンケートなど短時間で終了できる仕事なら、副業するのが初めてという方でも取り組みやすいでしょう。
ライティングも未経験OKの案件がありますので、最初は単価が安いかもしれませんが、次第にスキルが上がると稼げるようになります。
テープの文字起こし作業なども、パソコン操作ができれば特に問題ありません。
クラウドソーシングのサイトには、これといったスキルがなくても始められる仕事が豊富にあるので、慣れないうちは簡単な作業から始めてみるのも良いでしょう。
②趣味や特技などスキルを活かせる
女性ならではの趣味や特技など、スキルを活かせる仕事もおすすめです。
たとえばハンドメイドのウエディングリースやアクセサリーなど、手先が器用で手作りが得意な人は、楽しみながら副収入を得られて一石二鳥といえるでしょう。
また女性の得意分野である家事のスキルを活かして、家事代行サービスや料理のレシピなどを販売している方も大勢います。
他にも女性ならではの副業として、美容やファッション、メイクなどに詳しい方が相談者に合った美容法や服の選び方、メイクアップの方法などをアドバイスして、稼いでいる人も少なくありません。
③時間を調整しやすい
時間を調整しやすいというのも欠かせない要素です。
平日は本業で1日の大半の時間を取られるうえに、帰宅したら家事や子育てをこなさなくてはならないなど、女性は息つく暇もありません。
また子どもが発熱したり本業が忙しくなったりなど、状況が急変した場合には休むようになってしまいます。
働く場所や時間が固定されずに働ける副業なら、自分の状況に合わせて臨機応変に対応できるので良いでしょう。
④体力的・精神的な負担が少ない
本業に支障をきたさないためにも、体力的・精神的な負担が少ない副業を選ぶようにしましょう。
平日の夕方までバリバリ働いて、それから立ち仕事や精神的に疲れる副業をしてしまうと、体力的・精神的な負担が多くなってしまいます。
いくら収入を増やしたくても、身体や精神に負担がかかるようでは元も子もありません。
副業といっても引き受けるからにはきちんとこなさなくてはならないため、自分のできる範囲を考えながら副業に取り組むようにしましょう。
⑤怪しさや危険性がない
仕事の内容が男性を対象としている怪しげな副業には、手を出さないようにしてください。
「パパ活」「レンタル彼女」「メールレディ」「チャットレディ」など男性を対象にした副業には危険なものが多いからです。
「短時間でラクして高収入を稼げる」というのが売り文句ですが、世の中そう甘くはありません。
「高収入を稼げる」という事は、長時間労働や高度な頭脳労働など等価交換をしているのです。
軽い気持ちで始めてしまい、危険な目にあってしまう女性も少なくありませんので、くれぐれも気をつけるようにしましょう。
2.女性におすすめの安全な副業
こちらでは女性におすすめの安全な副業をご紹介していきます。
「未経験者の方」「特技やスキルを活かしたい方」「趣味と実益を兼ねたい方」の3通りに分類しましたので、自分に合っている職種を見つけてはいかがでしょうか。。
①未経験からでもOK
未経験からでもOKな副業としては「ライター」「データ入力」「アンケートモニター」などがあげられます。
ライターは執筆内容によっては、ある程度の知識やスキルが要求される職種ですが、恋愛やグルメ情報などの記事では、未経験者でも採用してくれる案件が豊富に用意されています。
執筆するごとにライティングスキルも上達してくるので、努力次第では10万円以上の月額報酬も期待できるでしょう。
副業が初めてという方は、データ入力やアンケートなど、比較的簡単に取り組める仕事から始めてみるのも良さそうです。
単価は低いですが毎日コツコツ取り組みと、ある程度まとまった金額を稼げるようになっていきます。
副業 | 仕事内容 | 報酬単価目安 | 月間の報酬額目安 |
ライター | クライアントからの指示に従って、キーワードやテーマに沿った記事を書く | 1,000円~10,000円(1記事) | 3,000円~100,000円 |
データ入力 | パソコンで企業の住所や情報などの入力をする | 5,000円(1案件) | 3,000円~30,000円 |
アンケートや体験談・感想 | サービスなどのアンケートに回答、体験談や感想を記入する | アンケート 22円 / 件(作業目安時間5分)アニメの感想55円 / 件(作業目安時間7分 | 3,000円~30,000円 |
図1 参考)クラウドワークス「すべて の仕事・求人情報を探す」(https://crowdworks.jp/public/jobs?category=jobs&order=score)を参考に筆者作成
②特技やスキルをさらにブラッシュアップ
すでに持っている特技やスキルを活かしながらできる副業もおすすめです。
副業として案件をこなすことにより、さらにブラッシュアップも目指せるでしょう。
女性の得意分野である料理や掃除などの家事スキルを利用した「家事代行」や、カラー診断や転職など、様々な分野における「講師」を副業としている人も多数見られます。
バナー制作などの「Webデザイン」も在宅でできるため、平日夜の空いた時間に副業として取り組めるのがメリットです。
副業 | 仕事内容 | 報酬単価目安 | 月間の報酬額目安 |
家事代行 | 掃除・洗濯 料理・作り置き 整理収納 チャイルドケア | 1,500円~2,990円/60分 | 4,500円~50,000円 |
講師 | カラー診断、転職、英検・TOEICの指導 コーチング、オンライン家庭教師、仕事の悩みの解決など |
カラー診断(3,000円/件)職務経歴書を添削(2,000円/件)英検・TOEICの指導(3,500円 / 60分) | 3,000円~100,000円 |
Webデザイン | ホームページ作成 WordPressのカスタマイズ |
ホームページ作成 (70,000円/件)WordPressのカスタマイズ(40,000円/件) |
3,000円~30,000円 |
図2 参考)タスカジ「料金」(https://taskaji.jp/?lang=ja#price)ココナラ「サービス 講師」(https://coconala.com/search?keyword=%E8%AC%9B%E5%B8%AB)を参考に筆者作成
③趣味を活かして実益も得られる
趣味を楽しみながら、実益も得られる副業をする女性が増えています。
ハンドメイドのウエディングリースやオリジナルのハーバリウムの製作など、女性ならではの手先の器用さを活かした副業も人気です。
イラストが上手な方は、得意のジャンルに合わせて作成するのも良いでしょう。
カメラが趣味の方は、相手が希望する場所での写真撮影代行や、花・自然など自分が撮影した写真素材を販売することもできます。
副業 | 仕事内容 | 報酬単価目安 | 月間の報酬額目安 |
ハンドメイド | ハンドメイドのアクセサリーや雑貨を販売 | オリジナルのハーバリウムを製作 (3,000円/個) ウエディングリースの製作 (3,500円/個) |
10,000円~50,000円 |
イラスト | 似顔絵やアイコン、動物・背景イラストなどを作成 | 動物イラスト (3,500円/件) 動物イラスト (10,000円/件) |
20,000円~60,000円 |
写真撮影代行・写真提供 | 写真撮影代行、花・自然などの写真素材を提供 | 希望の場所での写真撮影代行(10,000円/件)花・自然の写真素材を提供 (3,000円/件) |
3,000円~40,000円 |
図3 参考) ココナラ「サービス ハンドメイド/サービス イラスト/写真撮影代行・写真提供」(https://coconala.com/categories/352?ref_c=1&y=0)を参考に筆者作成
3.女性のリアルな副業事情
ここでは女性のリアルな副業事情を「年齢層」「収入」「労働時間」に分類して、簡単に解説していきましょう。
①女性で副業をしているのは40代が最も多い
厚生労働省が令和2年に実施した「副業している人の年齢構成」の調査では、女性で副業をしているのは、40代が最も多く27.9%という結果になりました。(下図4)
平成29年の調査では40代女性の割合は32.9%であり、それと比較するとやや少なくなりましたが、結果的には3年後も一番多い割合となっています。
2番目に多いのは30代の25.6%、3番目には50代の21.6%が続いており、30代から50代の年齢層において副業をしている人が多いです。

図4 引用)厚生労働省「【資料1】副業・兼業に係る実態把握の内容等について」副業している人の年齢構成 P6(https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/000660780.pdf)
②副業収入は「100万円未満」が最も多い水準
気になる副業収入ですが、男女ともに「100万円未満」が最も多い水準となっており、
男性は49.1%、女性は52.9%をそれぞれ占めていることがわかります。(下図5)
次に多いのは「100万円以上300万円未満」で男性は38.0%、女性は37.6%とほぼ変わりません。
これらのデータから、副業での年収が300万円以上となっている割合は男性が13.0%、女性も9.4%に過ぎず、男女ともに副業収入が300万円未満の人は9割前後を占めています。

図5 引用) 中小企業庁「小規模事業者の多様な側面」第 2-2-13 図 P216(https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H28/PDF/shokibo/04sHakusyo_part2_chap2_web.pdf)
③1週間の平均労働時間は10時間未満が36.3%で最も多い
副業をしている人の1週間の平均労働時間は、「10時間未満」が36.3%で最も多い割合となりました。
次に多いのは「20時間以上、30時間未満」(20.2%)で、「10時間以上、20時間未満」(18.1%)が続いています。
10時間というと1週間の内、平日夜2時間の副業で5日間働けば達成できる数字でしょう。
平日の夜2時間でもキツイ人は、土日の内、どちらか1日だけ副業するというのも良いかもしれません。

図6 引用) 中小企業庁「小規模事業者の多様な側面」第 2-2-20 図 P220(https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H28/PDF/shokibo/04sHakusyo_part2_chap2_web.pdf)
4.まとめ
今回は女性が安心してできる副業の選び方を中心に、おすすめの副業などを詳しくご紹介していきました。
政府の旗振りやスキルシェア市場の目覚ましい発展もあって、今や副業をしている女性は少しも珍しい存在ではありません。
ただ女性を狙った怪しげな業者も多いため、副業する際にはきちんとした副業サイトなどを通して働いた方が無難でしょう。
副業をすることによって、本業では得られない満足感や貴重な経験ができることもあります。
また副業から本当にやりたかったことが見つかり、そのまま起業してしまう方も多いです。
女性ならではの特長を活かして、自分に合った安全な副業をぜひ、見つけてみてはいかがでしょうか。