pickup
輝け!女性起業家~組織を抜け出し、自身のキャリアで輝くためには~
スポンサーリンク

 

 

私たち社会人は、会社やチームなど、何らかの組織に属して仕事をすることがほとんどです。

 

「社会人」は会社で働く人だけではありません。社会の最小単位である「家庭」で、妻が家事を行う時間は平日4時間23分、休日4時間44分という調査結果があります*1。妻が家庭で行う「家事」を「仕事」と捉えると、むしろ休日が忙しく、妻が休める日など(表面上は)無いことになります。

 

「働き方の多様性」という言葉をよく耳にするようになりましたが、殊に女性にとって、組織(会社、家庭)でキャリアを積む以外に、どのような働き方で生き生きと輝くことができるのでしょうか。

 

図1は、女性のキャリアの特徴について、「ライフイベントに伴う働き方の自由度との関係」を示しています。女性の就業率について「M字カーブ」を描くと言われてきましたが、近年ではМ字カーブの底辺が上がってきています。晩婚化、未婚化などによる出産機会の減少もありますが、一番の理由は、仕事と育児を両立できる働き方が浸透したためでしょう。しかし、女性にとっての働き方の自由度は、育児だけではなく、配偶者の転勤・退職、家族の介護、自身の健康課題などによっても左右されます。これらは男性にも当てはまる事由ですが、特に女性は、ライフイベントから多大な影響を受けると考えられます。

 

女性起業家等支援ネットワーク構築事業

図1:経済産業省/女性起業家等支援ネットワーク構築事業(https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/joseikigyouka/pdf/knowhow.pdf)(ノウハウ集p6)

 

 

1.「女性は家庭に入るべき!」イマドキの夫婦はそう思わない?

 

「内助の功」「家内(かない)」など、昔から慣用的に、妻は家庭に入ることが当然と考えられていました。しかし、今ではどうでしょうか。図2は「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方に関する意識の変化」を表したグラフです。昭和54年では、じつに70%以上の男女が、「賛成」「どちらかといえば賛成」と答えています。しかし、平成28年では、女性58.5%、男性49.4%とほぼ半数が「どちらかといえば反対」「反対」と答えています。

 

男女共同参画白書平成29年版

図2:内閣府/男女共同参画白書平成29年版(「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方に関する意識の変化(http://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/h29/zentai/html/zuhyo/zuhyo01-03-05.html)

 

これに伴い、「女性が職業を持つことに対する意識の変化」(図3)を見てみると、「子供ができても、ずっと職業を続ける方がよい」と答えた割合が、平成28年では男女ともに50%を超え、平成4年と比べると倍以上の結果となりました。女性が職業を持つことに対する意識が、社会全体として大きく変化してきたことが分かります。

 

男女共同参画白書平成29年版(女性が職業を持つことに対する意識の変化)

図3:内閣府/男女共同参画白書平成29年版(女性が職業を持つことに対する意識の変化)(http://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/h29/zentai/html/zuhyo/zuhyo01-00-06.html)

 

 

これら職業意識の盛り上がりの反面、女性(妻)に働きたい意思があっても、子供がいる場合は育児が最優先となることは否めません。時間短縮で勤務を続けることや、ここ最近急増しているテレワークなど、働き方を選択しながら会社員としてキャリアを積むことももちろん可能です。

しかし、ここへ来て「起業する」という選択肢が注目されています。図4は平成19年から29年の「男女別に見た起業家の推移」のグラフです。男性の起業家が減少する一方で、女性の起業家が増加しており、起業家全体に占める女性起業家の割合が上昇しています。

 

中小企業庁/2019年中小企業白書p167

図4:中小企業庁/2019年中小企業白書p167(https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2019/PDF/chusho/00Hakusyo_zentai.pdf)

 

さらに、女性起業家の年齢構成を見てみると、26歳~39歳で43.4%、40歳~49歳で29.4%と、中堅世代での起業が72.8%を占めています(図5)。この年代の女性は、会社内ではある程度の経験を積み、責任のある仕事を任される頃でしょう。そして自分自身のキャリアに自信を持ち、新たな進路を模索し始める頃でもあります。私自身、前職の会社に在籍中の30歳手前に、「もっと何かがしたい」と思う一方、この会社での自分の将来を想像することが難しく、これからのキャリアの方向性に悩んだ時期がありました。そして、いくつかあった選択肢の中で、「会社という箱」から飛び出し、自分自身で道を切り拓くことを決意。その直後に起業に踏み切りました。

 

中小企業庁/2019年中小企業白書「女性起業家の年齢構成」p168

図5:中小企業庁/2019年中小企業白書「女性起業家の年齢構成」p168(https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2019/PDF/chusho/00Hakusyo_zentai.pdf)

 

では、起業分野としてはどのような傾向にあるのか、図6を見てみましょう。男性で、建設業・製造業・運輸業が多いのに対し、女性は、小売業・生活サービス業・飲食業の割合が高くなっています。

男性、女性それぞれの特徴を活かした分野と言えるかもしれませんが、やはり、女性ならではの発想やイメージ、気遣いが活かせる業種での起業が多いことが分かります。仕事から得た知識や経験もさることながら、女性にとっては、育児や家庭生活から得た発見・アイデアを元に起業へ繋げるパターンもあるでしょう。

 

中小企業庁/2019年中小企業白書p170

図6:中小企業庁/2019年中小企業白書p170(https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2019/PDF/chusho/00Hakusyo_zentai.pdf)

 

 

2.いざ起業、女性起業家に立ちはだかる障壁とは

 

女性が起業に踏み切る際、どのようなことが障壁(課題)となるのでしょうか。図7は「女性の創業・起業に係る特有の課題」の調査結果です。やはり一番の課題は「家事・育児・介護との両立」71.4%です。現実的に家事や育児との両立が可能かどうか、ということより、これらの不安が先行し、起業に対して二の足を踏むケースもあると思います。

そして二番目には「経営に関する知識・ノウハウ不足」53.2%が続いています。確かに、経営という響きは、「何となく」ではスタートできない重責を感じますし、実際、ここが不足しているとその後の成功にはつながりません。「女性特有の課題」とされる、一番目と二番目の内容(性質)はまるで異なりますが、避けて通れない課題であることに違いはありません。

 

経済産業省/平成27年度女性起業家等実態調査報告書

図7:経済産業省/平成27年度女性起業家等実態調査報告書p43(https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/joseikigyouka/pdf/joseikigyou_report.pdf)

 

さらに、上記グラフで「その他」と回答した内容について、図8に抜粋しました。

「趣味の延長での起業が多く、社会の課題解決や税収増につながる起業が少ない」

「資格等を活かした、(自分一人の)小遣い程度の規模での起業を考える率が高い」

「起業前の就業において、管理的な職務経験の少なさや、人脈形成が男性のようにできていない」

「家族やコミュニティにおける理解を得られがたい」

といった、辛辣な回答が見られます。起業する以上、収益の上がらない事業では「仕事」とは言えません。

 

経済産業省/平成27年度女性起業家等実態調査報告書p44

図8:経済産業省/平成27年度女性起業家等実態調査報告書p44(https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/joseikigyouka/pdf/joseikigyou_report.pdf)

 

また、女性が起業する動機として、出産や育児等の経験から得た社会問題等に対する意識が起点となるケースや、企業で勤務することより、自ら事業主となることを選ぶケースがあり、いずれも男性と比べてプライベートが大きく関わっている*2との見解もあります。既婚女性は、自身のキャリアとともに、家庭事情(プライベート)も抱えながらの起業となるため、その一歩を踏み出すまでにはある程度の期間を要するでしょう。

 

 

3.女性起業家がサポートされる様々な支援ネットワークの活用を!

 

実際に、これまで挙げてきたような「女性起業家特有の課題」を解決・支援するためのさまざまな制度が用意されています。

 

経済産業省は「女性起業家等支援ネットワーク構築事業」を行っており、全国10箇所に、「地域の金融機関や産業・創業支援機関等を中心とする女性起業家等支援ネットワーク」を形成しています*3。起業に向けてのフェーズを段階的に設定し、各フェーズでの女性起業家特有の課題やそれに対する支援方法を紹介しています。

 

また、起業で必要な資金の融資について、日本政策金融公庫では「女性、若者/シニア季語優佳支援資金(新企業育成貸付)」*4を行っています。女性であれば年齢制限なく利用できることと、起業後もおおむね7年以内であれば融資の対象となるため、女性にとって心強い制度と言えます。

 

起業分野(業種)によっては、開業時の店舗改装や設備導入等にかかる経費の一部補助が受けられる制度もあります。東京都内限定ではありますが、東京都中小企業振興公社が行っている「若手・女性リーダー支援プログラム助成事業」*5は、都内商店街の活性化を図る目的で、女性の開業を支援しています。

 

働き方改革では、副業・兼業の促進が示され、その先には「起業」という選択肢が見据えられています。これからの時代、女性も自分自身でキャリアを選択・決定していく流れになるでしょう。仕事もプライベートも充実させられるよう、各種制度やサポートを利用し、輝く自分に向かって前進しましょう!

 

 

参照データ
*1参照:国立社会保障・人口問題研究所/第6回全国家庭動向調査の結果(概要p12)
www.ipss.go.jp/ps-katei/j/NSFJ6/Kohyo/NSFJ6_gaiyo.pdf
*2参考:経済産業省/平成27年度女性起業家等実態調査報告書(女性起業家支援の現状)p69
www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/joseikigyouka/pdf/joseikigyou_report.pdf
*3参考:経済産業省/女性起業家等支援(女性起業家等支援ネットワーク構築事業)
www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/joseikigyouka/index.html
*4参照:日本政策金融公庫(女性、若者/シニア起業家支援資金)
www.jfc.go.jp/n/finance/search/02_zyoseikigyouka_m.html
*5参照:東京都中小企業振興公社(若手・女性リーダー支援プログラム助成事業)
www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/jigyo/wakatejosei.html
スポンサーリンク

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事