企業研究
ハロートレーニング~急がば学べ~失業したら公的職業訓練でスキルアップを目指そう!

ハロートレーニングは、希望する仕事に就くために必要な職業スキルや知識などを習得できる公的職業訓練制度です。

 

より良い転職に成功するためにこの制度を利用して、自らをスキルアップし、新しい未来を切り開いている方が大勢います。

 

今回は、仕事をする意欲のある人ならば受講資格がある「公的職業訓練制度」について詳しく解説をしていきますので、現在、仕事を探している方は、ぜひ、参考にしてください。

 

1.ハロートレーニングとは

 

ハロートレーニングとは、平成28年11月に厚生労働省が決定した公的職業訓練の愛称で、キャッチフレーズが「ハロートレーニング~急がば学べ~」というものです。*1

 

ここでは、ハロートレーニングの制度内容について解説をしていきます。

 

①職業スキルや知識などを習得できる公的制度

ハロートレーニングとは、雇用保険を受給している求職者を主な対象とする「公共職業訓練」と、雇用保険を受給できない求職者を主な対象とする「求職者支援訓練」の総称です。

 

キャリアアップや希望する就職を実現するために、必要な職業スキルや知識が習得できる公的な制度で、受けられるのは失業中の人だけではありません。

就業経験のない人やキャリアが少ない人など、現在の状況は関係なく受講が可能です。

 

公的な制度のため、一部テキスト代等は自己負担ですが、受講料は基本的に無料です。

また、在職者や学卒者の方が対象のハロートレーニングは受講料が有料となります。*2

 

②働こうとする人、働く人すべてが対象

ハロートレーニングの対象となるのは、「これから働こうとする人、働く人」のすべてが対象です。

障害をお持ちの人や、学卒者の人、スキルアップを目標とする在職者の人向けの訓練

も用意されています。

 

受講できる場所は、公共職業訓練の場合、国(独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構のポリテクセンター、ポリテクカレッジおよび障害者職業能力開発校)、都道府県(職業能力開発校および障害者職業能力開発校)、民間教育訓練機関等(都道府県からの委

託)で実施中です。

 

求職者支援訓練の場合は、民間教育訓練機関等(訓練コースごとに厚生労働大臣が認定)で受けられます。*3

 

2.ハロートレーニングの利用方法

 

ハロートレーニングのコース選択は、雇用保険の受給の有無で決まります。

 

トレーニングの種類や受講の流れは以下の通りです。

 

①ハロートレーニングの種類

ハロートレーニングの種類は雇用保険の受給の有無により、「公共職業訓練」と「求職者支援訓練」の2種類に分けられます。

 

a.公共職業訓練

雇用保険を受給している人は、公共職業訓練を選択します。(図1)

 

ハローワークの求職者の場合、テキスト代等は実費負担ですが、受講料は無料です。

 

在職者や高等学校卒業者の方などを対象とした、高度な職業スキルや知識を習得するための訓練も実施していますが、こちらは原則、有料となります。

 

訓練期間はコースにより違いがあり、1コース2か月から2年までが目安と言えるでしょう。

 

受講できるコースは多岐に渡り、IT技術、介護、CAD、保育士、パティシエなど様々な分野が用意されています。

 

b.求職者支援訓練

雇用保険を受給していない人が該当するのは求職者支援訓練です。(図1)

 

この場合、受給が終わった人も含みます。

 

公共職業訓練と同様に、受講料は無料でテキスト代などが実費負担となり、訓練期間は

1コース2か月から6か月までと半年未満なのが特徴です。

 

埼玉労働局「ハロートレーニングって何?」

図1 引用)埼玉労働局「ハロートレーニングって何?」(https://jsite.mhlw.go.jp/saitama-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/shokugyou_kunren/syokugyou-kunren.html)

 

 

②受講の流れ

ハロートレーニングは、再就職の実現のために必要な知識やスキルを磨いていくのが目的の訓練です。

 

受講するには、まず、ハローワークで求職の申し込みをした後に、ハロートレーニングを実施する機関の面接などの選考に合格しなければなりません。

 

合格後、ハローワークで受講をあっせんしてもらう必要があります。

 

受講をあっせんしてもらうには、ハローワークが「訓練を受講することが必要であること」「訓練を受ける際に必要な能力があること」と認められた場合です。

 

厚生労働省「ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)」

図2 引用)厚生労働省「ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/rishokusha.html)

 

 

3.職業訓練を受けるメリット

 

公的な職業訓練を受けることにより、様々なメリットが得られます。

 

ここでは、代表的なメリットについてご紹介をしていきましょう。

 

①多種多様な訓練分野を選べる

ハロートレーニングの内容は、様々なコースが用意されています。

 

IT技術やCAD関連などのデジタル技術から、保育士や介護福祉士などの人的サービス業務、医療事務やパティシエまで、多種多様な訓練分野があるのがメリットでしょう。

 

年齢に関係なく、自分に適したコースを選ぶことができます。

 

②原則無料で受講できる

原則無料で受講できるのも魅力です。

 

求職者支援制度の活用により、雇用保険を受給できない人でも、費用を心配することなく職業訓練を受けられます。

 

③就職率は80%以上

ハロートレーニングを受講した後の就職率は80%以上となっています。

 

平成30年度離職者訓練就職率のデータによると、施設内訓練の就職率は84.6%、委託訓練の就職率は72.7%と高めの就職率です。

 

同じく平成30年度での離職者訓練受講者数は、全国で82,440人となっており、多数の人が利用しています。*4

 

 

また、雇用保険を受給できる人は、雇用保険を受給しながら訓練を受講することも可能です。

 

雇用保険を受給できない人は、以下の全ての支給要件に該当すれば、職業訓練受講給付金の支給を受けられます。

 

a.給付金などの内容

 

【雇用保険】

基本手当

離職前の賃金に応じて支給額が異なる

受講手当

日額500円(上限あり)

通所手当

通所方法により支給額が異なる(上限あり)

図3 参考)厚生労働省「就職支援・給付金などについて知る」を参考に筆者作成(https://www.mhlw.go.jp/hellotraining/support/)

 

【職業訓練受講給付金】

職業訓練受講給付金

月額10万円

通所手当

通所方法により支給額が異なる(上限あり)

図4 参考)厚生労働省「就職支援・給付金などについて知る」を参考に筆者作成(https://www.mhlw.go.jp/hellotraining/support/)

 

b.職業訓練受講給付金の支給要件

職業訓練受講給付金の支給要件は、以下の項目に該当する人が対象となります。

 

訓練受講中の生活を支援してくれる制度なので、当てはまる人はぜひ、活用しましょう。

 

  1. 本人の収入が月8万円以下
  2. 世帯全体の収入が月25万円以下
  3. 世帯全体の金融資産が300万円以下
  4. 現在住んでいるところ以外に建物や土地を所有していない
  5. 全ての訓練実施日に出席している
  6. 世帯の中に給付金を受けて訓練している人がいない
  7. 過去3年以内に不正行為により、特定の給付金を受給していない *5

 

4.就職につながった訓練事例

 

公的職業訓練を受講することで、新たな分野での就職に成功する例が多くあります。

 

図5の資料によると、50歳の女性で自営業だった人が介護職員基礎研修科を受講後に、生活相談員として正社員として採用。

 

その他にも24歳のアルバイト女性が、ビジネスパソコン基礎科を受講して、医療事務として正社員として就職することに成功しています。

 

このように、年齢や性別、キャリアなどに関係なく、スキルを磨くことによって、よりよい転職へとステップアップしているのです。

 

厚生労働省「あなたもハロートレーニングで一日も早い就職を!(就職につながった訓練事例紹介)」

図5 引用)厚生労働省「あなたもハロートレーニングで一日も早い就職を!(就職につながった訓練事例紹介)」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/shokugyounouryoku/training_worke/jirei.html)

 

 

4.まとめ

 

今回は、国が支援している公的職業訓練である「ハロートレーニング」について詳しく解説をしていきました。

 

ハロートレーニングは、失業中の方で経済的な基盤が弱い方でも、安心して受講できる公的職業訓練です。

 

年齢や性別、今までのキャリアに関係なく、自分に適したコースを受講できるのが魅力でしょう。

 

失業中の方なら、基本的に費用はかかりませんので、経済的な心配もせずにスキルや知識を磨けます。

 

ぜひ、この制度を上手く活用して、よりよい転職に成功してください。

 

 

参考文献/参考サイト
*1 参考)厚生労働省「公的職業訓練の愛称・キャッチフレーズが「ハロートレーニング~急がば学べ~」に決定」
www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000144434.html
*2・3 参考)厚生労働省「ハロートレーニングを上手に活用して就職やスキルアップにつなげよう!」
www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11800000-Shokugyounouryokukaihatsukyoku/0000169449.pdf
*4 参考)厚生労働省「平成30年度公共職業訓練と求職者支援訓練の実施状況について」P2
jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/content/contents/000422321.pdf
*5 参考)厚生労働省「就職支援・給付金などについて知る」
www.mhlw.go.jp/hellotraining/support/

 

執筆者
名前:矢口ミカ
プロフィール:フリーランスの転職・不動産ライター。複数のメディアで執筆中です。宅建の資格を活かし、家族が所有する投資用不動産の入居者管理もしています。住まいに関する資格である整理収納アドバイザー1級、福祉住環境コーディネーター2級も取得済みです。趣味は整理収納と料理。

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