会社に属さず自分で仕事を探し依頼を受けて働く「フリーランス」。会社に縛られず自分の生活を犠牲にすることなく働ける、と就職活動をせずに新卒でフリーランスとして始める人も増えています。
しかし、新卒入社をせずに社会に出ることになるため、決して楽な道ではありません。
新卒でのフリーランスは実際にどうなのでしょうか。そこで、新卒フリーランスとしてやっていくために求められる資質や知っておくべき点について説明します。
1. 新卒でのフリーランスはメリットだけでなくシビアな面も
フリーランスだと人間関係に煩わらされることが少なく、自由なスタイルで働くことができます。その反面、すべて自分の責任で行わなければいけません。
企業に属していれば研修や社会保険、福利厚生などのサポートがあり、会社が築いた人脈の元仕事を行えます。社会的信用があるため、取引先から信頼も得やすいでしょう。
しかし、新卒でフリーランスになると社会経験ゼロからのスタートとなり、自分で勉強していかなければいけません。税金、法令関係も自己管理し、クライアントとの契約、支払い管理も自分で行なっていく必要があります。トラブルやリスクも自己責任です。
また新卒だと仕事を得るための人脈作りも行なわなければいけないでしょう。業界関係者との交流会などに参加するだけでなく、そこでビジネスへつながる人脈を築く力やコミュニケーション能力が求められます。
新卒でフリーランスという道を選ぶことは決して楽な働き方ではなく、自分で成果を上げて成長していきたいという高いモチベーションが必要です。
2.新卒フリーランスでやっていくためには必要な資質がある
やりたいことが決まっていれば誰でも新卒フリーランスとしてやっていけるわけではありません。新卒でフリーランスとして働いていくには、いくつかの資質が求められます。
①.仕事を取れるだけの実力と実績
フリーランスとして仕事をするには、仕事としてお金を取れるだけの秀でた能力が必要です。仕事を見つけるにはフリーランスの紹介エージェントやwebサイトなどで自分を売り込まなければいけませんが、ある程度の実力がなければ仕事がこないか、あっても低単価になってしまうでしょう。
またどのクライアントも仕事ぶりがわからない相手にお金を払って依頼したいとは思わないので、その実力がわかるような目に見える実績も求められます。
実績がない場合は、小さな仕事や実績を積むための依頼を受けて、自分のスキルを証明できるものを作らなければ新卒フリーランスとしてやっていくのは難しいでしょう。
②.自分を制する自己管理能力
フリーランスには叱責したり評価したり仕事ぶりを管理する上司はいません。そのため自分で自分を制して、時間通りに仕事を始め、目標を掲げ、スケジュールを管理するという自己管理能力が求められます。
新卒フリーランスだと、会社内でどのように売り上げ目標を設定したり進捗の調整をしたりしているか経験していないため、自分でノウハウを覚えて営業計画も立てなければいけないでしょう。
会社では、企画、営業、開発、人事など部署に分かれて行なっていることを、すべて自分で行なうため、幅広い能力が必要です。
③.余裕のある資金状況
新卒でフリーランスになるためには、ある程度の資金が必要です。これはフリーランスと言うスタイルがもともと収入の安定性がないことに加え、新卒だとスタートから何カ月も収入ゼロが続く可能性があるからです。
企業から独立した人は人脈や業界内の知名度があるため、そのツテから仕事を広げやすいですが、新卒はそうはいきません。少しずつ人脈や実績を作り、信用を得てから仕事につなげていかないといけないので、無報酬が続くこともあるでしょう。その時期を耐えられるだけの資金を持っていないと生活できなくなってしまいます。
3.職種によっても向き不向きがあり
新卒でもフリーランスとして働くのに向いている職種には、ライターやデザイナー、エンジニア、映像編集関係があげられます。またヨガやパーソナルトレーナーのようなインストラクターも実力や人気次第でフリーランスでもやっていきやすい世界です。
一方、Webディレクターのような複数のスタッフを集めて行なう職種は新卒フリーランスとしてリスクが高いでしょう。これは、新卒だと人脈が少ないため腕の確かな人を集めるのが難しいことや、自身が報酬をもらう前にスタッフに報酬支払いをしないといけないなどマネー管理が発生するからです。
人や商品を集めたり初期投資を行なったりしないといけないものは、まだ社会に不慣れな新卒フリーランスが行なうにはリスクが高い分野のため避けた方が賢明でしょう。
4.まとめ
安定した仕事を見つけて報酬を得る、という点では企業務めより努力が求められシビアな面がある新卒フリーランス。新卒だとゼロからのスタートなので、成功するには実力や行動力、積極性、強い精神力が求められます。
自分を売り込める得意分野を持っているのはもちろんのこと、目指したいものがある人や挑戦を続けて成長できる環境にいたいという人が輝ける分野です。自分のスキルやタイプを分析し、新卒フリーランスに向いているのか考えてみるようにしましょう。