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5/19朝刊: 84歳で3度目の社長就任…キャノンは大企業病を患っている?

20200519本日のニュース
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1.本日のnewsトピックス

 

[文春]キヤノン御手洗氏84歳、3度目の社長就任 後継者はいないのか…

 

キヤノンは5月1日、御手洗冨士夫会長兼最高経営責任者(CEO、84)が社長を兼務した。御手洗氏の社長登板は異例中の異例の3度目となる。真栄田雅也社長兼最高執行責任者(COO、67)は健康上の理由で退任した。「病気の治療に一定期間を要する」として真栄田氏から退任の申し出があり、同日の取締役会で決議した。真栄田氏は非常勤の技術最高顧問に就く。新型コロナウイルスの影響で主力の事務機器やカメラの販売が落ち込むなか、御手洗氏は事業環境が落ち着くまで社長を兼務し、陣頭指揮に当たる。

 

5月中旬~下旬にかけて、新聞各社には決算・人事の情報が多く掲載されています。その中で5月19日(火)にとりあげたいニュースは、84歳の御手洗 冨士夫さんが、3度目のキャノン社長へ就任するという文春砲です。

 

編集安井
元気なのはわかりますが…84歳で企業の舵取りをするというのは、常軌を逸しています。

 

 

御手洗富士夫さんとは?
・キャノンのレジェンド、名君である。
・社長歴:1回目1995年~2006年、2回目2012年~2016年、3回目2020年~
・日本経済団体連合会会長歴:2006年~2010年
・1995~2006年では、パソコンなど赤字事業から撤退し、プリンター向けのインク、カートリッジなどオフィス機器とデジタルカメラに経営資源を集中させ、連結売上高は1.5倍、営業利益は2.6倍に拡大。売上高営業利益率は15.5%と欧米の有力企業に引けを取らない水準に到達させた。
強力なリーダーシップの一方で地縁意識が幾分強く、社内でのポスト優遇に地縁(同郷など)が見られるため、社員の内向きな姿勢(派閥体制)になってしまう懸念がある。

現状把握

・キヤノンは5月1日、御手洗冨士夫会長兼最高経営責任者(CEO、84)が社長を兼務すると発表

朝の8時前から役員を集めて朝会を開くなど、会長時も社長に全権を任せず指示を出していた。

・実質25年間以上、御手洗氏がキャノンで長期政権を敷いている。

 

考察を考える

・長期政権の弊害は、社内の派閥体制や社内政治の動きが活発になる事

・事実、長期政権企業では新しいコンセプトの商品開発妨害や志の高い社員のが退社してしまう傾向にある

・長期政権は、自ら考え行動するという文化が醸成され難く、それ故後継者が生まれにくい

 

本日の雑感

キャノンの御手洗社長と言えば、元経団連の会長としても有名です。これまでの経営経験も豊富で発言力もあり、いわゆるその会社のレジェンドです。その方が3度社長となるというニュース。

これをどのようにとらえればいいのか。

これはキャノンが大企業病を患っていると捉えるべきです。御手洗社長の力云々以前に、後進が自ら立ち上がれない状況下に陥っているということです。

 

一般的に健康的な企業では以下の流れで人員を整えていきます。

20代で仕事を覚え
30代で会社を牽引するようになり
40代で部署の責任者として、部下の育成・企業の成長の原動力となり
50代で、次なる世代のための成長の土台となる環境整備をしていく

 

①30歳頃に係長職(リーダー職)に到達し、30代終わりから40歳頃に課長職(マネジメント職)に至る。

②45歳前後で部長となり55歳で役職定年し、次の世代のためにそれまでの人脈から同業界他社や他業界との橋渡しをして環境整備をしていくものです。

 

これが健康的な企業の組織体制です。大企業病というのは、②の流れが変わります。いつまでたっても部長職にしがみ付くので、課長職が大人数化し、企業の組織ピラミッドが崩壊します。

企業の組織ピラミッドが崩壊すると、指揮系統、責任の明確化ができなくなり、生産性の乏しい人材が中間層として人数が膨れていきます。こうなると末期の状態です。

 

大企業病を把握するには、マネジメント職の役職名を見るとわかります。

組織の課長職に、課長代理、担当課長、課長、次長、副部長、部長代理など役職名が刻んでいたら、中間層の人員が膨れているのがわかります。そうした企業は組織ピラミッドが崩壊しています。

長期政権となると、上に気に入られることを目的として動く人が多くなります。大きな成績を残すよりは、失敗をしないで成績を微増させることに注力するのです。

 

さてキャノンの話に戻ると、25年間もの長期政権を敷いている会社は今どういう状況でしょうか。

安倍政権もそうですね、10年も政権が続くと権力が集中してしまい、その権力に群がる人があふれてきます。組織が崩壊していく足音が聞こえます。25年…新たなチャレンジが積極的にできる社内風土となり、新たな企画・挑戦ができる組織に変えられるか、売上や利益などの数値ではなく、定性的な部分を今後もチェックしたくなる本日の雑感です。

 

2.人材に関するニュースの見出しピックアップ

 

[日経]平均給与が伸びる中堅企業、遠隔サービス上位(NEXT1000)
[朝日]休業者へ直接給付、月33万円程度上限 非正規も対象 自民PT制度案

 

3.政治・経済に関するニュースの見出しピックアップ

 

[日経]景気後退、認定へ、政府方針、今夏にも最終判断。
[日経]法案先送り、政権に打撃、検察庁法、SNSでも反対相次ぐ―透明性高い議論を、検察も信頼得る努力必要。
[日経]司法書士試験、コロナで延期、実施時期は未定。
[日経]富士山、今夏閉山、1960年以降初、登山道すべて閉鎖、コロナ対策、安全確保できず。
[朝日]GDP、年率3.4%減 1~3月期 2期連続マイナス
[朝日]景気悪化、戦後最悪の恐れ GDP4~6月期、「年20%減」予想次々
[朝日]緊急事態、都市圏ごと判断 近畿3府県、21日解除有力

 

4.各業界・企業に関するニュースの見出しピックアップ

 

[日経]ソフトバンクG、アリババ株1.25兆円、現金化、財務改善・自社株買いに、1~3月最終赤字1.[日経]TSMCが新規受注停止、ファーウェイ、スマホ生産打撃、米中供給網に分断リスク。
[日経]様子見の経済再開、飲食、客席を半減、宿泊、休業継続も。
[日経]病院、全国8割で経営悪化、コロナで受診減響く、遠隔医療の活用不可欠に。
[日経]1次産業、人材難に拍車、コロナで実習生、来日できず、農水省、観光・運輸から「援農」促す。
[日経]来年度概算要求、1カ月延期へ、財務省、コロナ対応を優先。
[日経]サービス業指数、最低水準、3月4.2%低下、飲食・宿泊に打撃。
[日経]中小買いたたき防止に向け協議、政府・経団連・日商など。
[日経]海上輸送の復調は―日本郵船社長長沢仁志氏、中国の生産回復、起点に(経済観測)
[日経]地銀の苦境、深めるコロナ、上場地銀の7割、今期減益見通し、貸し倒れの備え、重荷に。
[日経]ESG投資、日本に商機、年金などの需要開拓狙う、欧米運用会社、日本株対象の指数開発。
[日経]保険ショップ、ネット参入、アイリック、コロナ機に。
[日経]外為法の事前審査対象―リスト外れた三菱UFJ、採否分けたわずか2問(金融コンフィデンシャル)[日経]PC供給網復旧の兆し、中国部品工場の回復進む、VAIOは生産倍増。
[日経]日本IBM、3子会社統合、デジタル対応強化。
[日経]小野薬品のオプジーボ、肺がん「第1選択薬」に、米で承認。
[日経]オムロン、体温計生産能力3割増。
[日経]シスメックス、神戸でPCR検査。
[日経]日医工、対コロナ有望薬の生産5倍に。
[日経]東レ、車部品用フィルム6割増産。
[日経]フロンティア・マネジメント、米中の新興情報提供会社と提携。
[日経]ダイハツ、主力工場来月一時停止。
[日経]鳥貴族、きょう一部で営業再開。
[日経]伊藤忠系、IT新興向けファンド。
[日経]日立、伊トリノの路面電車受注。
[日経]孫氏の一問一答、「配当未定、ゼロもありえる」、「投資先15社倒産、15社は大成功」(ビジネスTODAY)
[日経]コマツ、中国回復乗り遅れ、現地勢と競争、シェア4%に低下。
[日経]ソニー・マイクロソフト、AIで高速映像解析、処理データ1万分の1に。
[日経]パナソニック、「津賀改革」出口見えず、前期の純利益21%減。
[日経]コマツ、中国回復乗り遅れ―純利益74%減、1~3月、北米など不振。
[日経]コロナ、小売業に明暗、コンビニ、オフィス街で苦戦、スーパー、まとめ買いで復権(NikkeiViews)
[日経]スバル、前期末6割減配、融資枠活用、2500億円確保へ、今期業績悪化に備え。
[日経]AGC、40%営業減益、1~6月、車用ガラス不振。
[日経]電力8社、最終増益、10社出そろう、燃料安など寄与、前期。
[日経]テルモ、前期営業益最高、カテーテル関連けん引。
[日経]住友ゴム、最終赤字に、1~3月34億円、工場の稼働率低下。
[日経]「SDGs、説明難しい」8ポイント増、非財務情報の開示、日本IR協議会調査。
[日経]日本ガイシ前期純利益24%減、車向け部品で減損。
[日経]日本ユニシス9年ぶり減益、今期最終。
[日経]シダックス赤字11億円、前期最終。
[日経]ダイドーリミテッド赤字、前期最終14億円。
[日経]鉄道株で占うコロナ後(一目均衡)
[日経]ニッタ、デザインワン・ジャパン、NFCホールディングス、進学会ホールディングス、ソフトバンクグループ(自社株取得枠設定)
[日経]農産品や牛乳、行き場失う、休業・休校で生産者苦境、「在庫積み上がるばかり」。
[日経]中小融資枠2.5兆円に拡大、東京都がコロナ支援策。
[朝日]コロナ受け入れ、病院経営に打撃 他の患者減、赤字転落相次ぐ
[朝日]外食チェーン、明暗 売上高、居酒屋激減/ファストフード健闘
[朝日]百貨店3社、売上高8~9割減 5月前半、悪化幅が拡大
[朝日]大手電力、8社が経常増益 電力小売り競争激化、7社減収 3月期
[朝日]上場地銀、7割減益・赤字 保有株が下落、与信費増 76社・3月期
[朝日]スタートアップ企業4割超、倒産危機 新型コロナ影響、あと半年続くと…
[朝日]米の規制強化、「巨大な影響」 ファーウェイ会長
[毎日]ソフトバンクG 1~3月、赤字1兆4381億円 国内最大規模、ファンド損失で
[毎日]パナソニック:パナ営業益28.6%減 3月期、工場停止で2937億円

 

参照データ
引用1:日経新聞朝刊
https://r.nikkei.com/search?keyword=%E6%9C%9D%E5%88%8A
引用2:朝日新聞朝刊
http://www.asahi.com/shimen/20200522/
引用3:毎日新聞朝刊
https://mainichi.jp/ch150900103i/%E6%9C%9D%E5%88%8A
引用4:産経新聞朝刊
https://www.sankei.com/flash/newslist/flash-n1.html
引用5:日経MJ(流通新聞)
https://www.nikkei.com/
※社会人となったら新聞は購読することをお勧めします。経済系でしたら日経新聞が一番詳しいです。
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編集者 安井

大手総合人材サービス企業にて入社後5年間は人事部にて年間500名の新卒採用を遂行し、その後大手転職メディアの企画/編集を5年。新卒/転職市場の市場調査、毎日のニュースから考え方を整理し価値ある情報を世に配信していきます。

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