企業研究
テレワーク導入のデメリットは?増加する肩こりや心身の不調対策を看護師が解説

 

時間や場所にとらわれず、自由度の高い働き方である「テレワーク」。

以前は限られた人の働き方という印象がありましたが、新型コロナウイルス感染防止のため急速に広まりました。

 

通勤のストレスもなく、メリットが多いように思われますが、実はテレワークで心身の不調を感じている人もいます。

放っておくと、さらに深刻な不調や病気につながるかもしれません。

 

そこで今回は、テレワークで起こりやすい不調を取り上げ、どのようにしたら健康的に過ごせるのかまとめました。

 

 

1.コロナ禍でテレワークの導入率は上昇!働き方が大きく変化

 

感染症は、人との接触を減らすとリスクを下げることができるため、コロナ禍ではテレワークが推進されています。

職種によって違いはありますが、オフィス勤務からテレワークになった人も多いのではないでしょうか。

 

ここで、テレワークの導入率をみてみましょう。

東京都の調査によると、令和元年度は25.1%でしたが、令和2年度では57.8%に上昇しています。

また、働く従業員の数が多い会社ほど、テレワークの導入率が高いことが分かります。*1

 

 

 

 

オフィス勤務と異なり、テレワークには以下の特徴があります。

  1. 自宅が職場になるため、通勤しなくてよい
  2. 1人で仕事をするので、上司や同僚が近くにいない

 

これによって、

  • 通勤時間がなくなり、時間が有効的に使える
  • 満員電車のストレスから開放される
  • 職場での人間関係のストレスが軽減する

 

といったメリットがあります。

 

しかし、メリットだけではなくデメリットを感じている人もいます。

詳しくは、次の見出しで紹介します。

 

 

2.テレワークによって感じる心身の不調とは

 

オフィス勤務からテレワークに変わったことによって、心身の不調を感じている人が少なくありません。

オムロンの調査によると、テレワークによって31%の人が不調を感じていることが分かりました。*2

 

 

 

具体的な不調の内容は、「肩こり」が68.1%で最も多く、次いで「精神的なストレス」「腰痛」「姿勢が悪くなる」と続きます。*2

 

 

 

 

上記のアンケートで挙げられた不調を身体面と精神面に分けて、なぜ起こるのか考えてみましょう。

 

「肩こり」「腰痛」「姿勢が悪くなる」といった身体面の不調は、仕事環境が身体に合っていないことが要因です。

突然のテレワークで、仕方なく自宅にあるテーブルと椅子で間に合わせている人もいるでしょう。

テーブルの高さが合っていなかったり、椅子の座り心地が悪かったりすると、身体に負担がかかります。

 

また、座ったままの時間が長く、運動不足によって不調が起こる可能性もあります。

オフィス勤務の場合、通勤だけでなく、資料を取りに行ったり会議室に移動したり身体を動かす機会が多くあります。

しかし、テレワークではこういった機会がなくなり、長時間同じ体勢をとることで身体の不調が出やすくなります。

 

「精神的なストレス」は、同僚との会話が減ったり、環境の変化で仕事が思うように進まなかったりすることが原因と考えられます。

同じ空間にいれば雑談もできますが、テレワークになると業務連絡が中心です。

テキストでのやりとりも増え、コミュニケーションのハードルが高いと感じる人も多くいます。

 

 

3.放っておけない心身の不調 続くとどうなる?

 

コロナ禍において、テレワークの推進はもうしばらく続きそうです。

これによって、不調も続く可能性があります。

もしこのまま不調が続くと、どのような影響があるのかみてみましょう。

 

①肩こりや腰痛、運動不足による影響

肩こりや腰痛は、痛みそのものがつらいだけでなく、悪化すると日常生活に支障が出てきます。

痛みがあれば、趣味や運動も楽しめません。

 

運動不足では、糖尿病や高血圧など生活習慣病のリスクが高くなります。

その他、筋肉量の低下、体重増加、骨粗鬆症、睡眠障害など、さまざまな不調につながります。

 

運動量と病気の関連は、データにも表れています。

国立循環器病研究センターによると、1週間に運動で2,000kcal以上のエネルギーを消費した人は、それより少ない人に比べて心臓発作による死亡の危険性が約30%低くなりました。*3

下記のグラフを見ると、心臓発作の発生率が明らかに低くなっていることが分かります。

 

さらに、身体活動量の少ないグループは、多いグループに比べ心筋梗塞や狭心症を起こす危険度が1.5~2.4倍も高くなるというデータがあります。*3

 

身体活動量と心発作発生率との関係

引用)国立循環器病研究センター 「循環器病情報サービス

 

 

②精神的なストレス

ストレスはごく身近なもので、完全に避けるのは困難です。

私たちは適度にかわしたり気分転換をしたりしながら過ごしていますが、ストレスが続くと不眠やうつ病を引き起こす可能性があります。

さらに、ストレスの影響は精神面だけではありません。

高血圧や胃潰瘍など、身体の病気にもつながります。

 

このように、心身の不調が長引けば、さまざまな病気になる可能性があります。

健康的にテレワークを続けるためにも、早めに対処することが大切です。

 

 

4.テレワークで健康を保ちながら働くコツ

 

では、テレワークでも健康的に働くためにはどうしたらよいでしょうか?

ここでは、ポイントを4つにまとめました。

 

①働く環境を整える

まず、テーブルと椅子の高さを調整し、パソコンの作業環境を整えましょう。

富士通では、パソコンの画面は水平線より下に、ディスプレイと目の距離を40cm以上離すことを推奨しています。*4

その他、下記のイラストに細かなポイントが書いてありますので、現状を振り返りながら環境を整えてみてください。

 

<ノートパソコン使用時>

 

 

<デスクトップパソコン使用時>

 

 

②運動する習慣をつくる

パソコンで仕事をしていると、つい座っている時間が長くなってしまいます。

運動する機会が減るテレワークでは、こまめに休憩して身体を動かすことが大切です。

軽いストレッチやスクワットは、その場で簡単にできます。

身体を動かすと筋肉がほぐれるだけでなく、気分転換にもなります。

 

もし余裕がある方は、散歩を習慣化してみましょう。

デスクワーク中心の生活をしている男性は1日に200~300kcaⅼ、女性は100~200kcalを運動で消費するのが望ましいといわれています。*3

300kcaⅼは、約1万歩に相当します。*3

スマホのアプリでも歩数を測れるので、チェックしながらなるべく歩数を増やすようにしましょう。

 

その他、オンラインジムや無料の動画を活用して運動する方法もあります。

自分に合った方法を見つけて、少しずつ取り入れていきましょう。

 

③生活リズムを整える

テレワークによって通勤時間がなくなり、起床時間と就寝時間が遅くなってしまったという方がいるかもしれません。

生活リズムが乱れると、日中眠くなったりメンタルが不安定になったりします。

テレワーク中は、起床時間と就寝時間が大幅にずれないようにして、睡眠時間をしっかり確保しましょう。

朝起きたら太陽の光を浴びる、食事は3食とるといった習慣も大切です。

 

④オンラインでのコミュニケーションを積極的に取り入れる

コロナ禍で、オンラインでの飲み会やお茶会が急速に広まりました。

オンラインでの会話は、仕事にも活かせます。

 

筆者のおすすめは、職場の人とのオンライン作業会です。

ZoomやGoogle meetなどのビデオ会議ツールをつないだまま、仕事をします。

メリットは、質問したり雑談したり、オフィスと同じような雰囲気で仕事できることです。

テキストで質問すると、言い回しを気にして時間がかかったり、相手にうまく伝わらなかったりした経験はありませんか?

しかし、ビデオ会議ツールを使えば、会話できるのでストレスが少ないです。

仕事の合間の雑談も、息抜きになります。

1時間でも気分転換になるので、ぜひ試してみてください。

 

 

5.まとめ

 

テレワークは便利な反面、オフィス勤務との違いから心身の不調を感じることもあります。

心と身体は、密接に関係しています。

放置すると病気につながることもあるので、早めの対処がおすすめです。

 

状況の変化が激しく気の抜けない毎日ですが、健康的に働くコツを取り入れながら過ごしていきましょう。

 

 

参考資料/参考サイト
*1参考)東京都 「テレワーク導入実態調査結果
*2参考)オムロン 「テレワークとなった働き世代1,000人へ緊急アンケート
*3参考)国立循環器病研究センター 「循環器病情報サービス
*4参考)富士通 「パソコンの利用と健康 3.パソコンを使う時の姿勢

監修
名前:浅野すずか
プロフィール:フリーライター。看護師として病院や介護の現場で勤務後、子育てをきっかけにライターに転身。看護師の経験を活かし、主に医療や介護の分野において根拠に基づいた分かりやすい記事を執筆。

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