資格や免許は、面接時に企業へアピールできるきっかけのひとつです。せっかく頑張って取得した資格。職務経歴書や履歴書に記入するときにはできるだけしっかり書きたいですよね。
でも、「資格や免許はたくさんあるけど、これって全部書いていいの?」「企業に好印象を持ってもらえる書き方が分からない」「資格がないときはどうすればいいんだろう」など、資格欄の書き方に頭を悩ませているという方も多いのではないでしょうか。
企業が資格を通して何をチェックしているのかということを知り、ポジティブな印象になる資格の書き方について確認していきましょう。
1.企業が資格欄からチェックしていること
企業が資格欄からチェックするのは、あなたの知識やスキルです。
資格とこれまでのキャリアを結び付け、「どんな仕事をしてきたのか」また、「入社したときに資格を活かして、どんな業績を残してくれるのか」などを想像します。
資格・免許の多さは面接時でのアピールと比較しない
資格欄を記入するときに悩みがちなのが、取得資格や免許を全部書いていいのかどうかということです。
もちろん、資格をたくさん持っていることは素晴らしいことですが、実際、資格の多さと面接でのアピールは比例するわけではありません。企業が知りたいのは、資格と仕事の結びつきです。
人事担当者によっては「資格が多いから何事にも挑戦しようという意欲が高い」と肯定的に捉えることもあれば、「資格が多いのになぜ仕事に活かしてこなかったのか」と否定的に捉えてしまうこともあります。
2.職務経歴書に書きたい資格
資格を通してアピールするためには、あなたが仕事をする上でプラスになった資格や、応募する職種に必要な資格を記入するのがベストです。
持っている資格や免許をチェックし、これまでの仕事や、転職したい職種との関係性を考え、以下に該当する資格がないか確認しましょう。
・入社してから活かすことができそうなもの
・入社してから必要になるもの
3.職務経歴書の資格・免許の書き方ポイント
ここからは、実際に職務経歴書の資格欄を書くときのポイントを解説していきます。資格の書類や職務経歴書、履歴書を手元に置き、チェックしておきましょう。
年 | 月 | 免許・資格 |
2008年 | 6月 | 普通自動車第一種運転免許 取得 |
2010年 | 12月 | 宅地建物取引士 合格 |
2012年 | 1月 | 管理業務主任者 合格 |
2014年 | 11月 | 日商簿記検定2級 合格 |
2016年 | 6月 | 2級ファイナンシャル・プランニング技能士試験 合格 |
2018年 | 12月 | 第一種衛生管理者 合格 |
①.資格や免許の有効期限とスコアを確認
資格や免許の中には「有効期限」を設けているものがあります。職務経歴書に記入する前にはまず、資格が失効していないか、確認しておきましょう。
また、意外と忘れがちなのが「スコア」や「階級」です。特にTOEICなど点数が定められているものは、正確な数字を覚えていないこともあります。
企業によっては通知書の提出を求められるケースもあるので、スコアや階級も忘れずに確認しておきましょう。
②.履歴書と職務経歴書の資格欄は同じものを記入
企業が書類をチェックする手順は、履歴書→職務経歴書が一般的な流れです。この2つは合わせて提出することが多いので、「重複しない方が良いのかな」と悩みがちですが、これは同じで大丈夫。
むしろ、履歴書に書いていた資格が職務経歴書にないと、「本当に資格を所持しているのだろうか」と不審に思われてしまう場合もあります。履歴書と職務経歴書の資格欄は、同じものを記入するようにしましょう。
③.応募する企業の職種に関係する資格・免許を中心に記入
最初にも触れましたが、保有資格や免許がたくさんある場合には、応募する職種と関連性があるものを記入するのがベストです。
例えば、事務なら簿記やPCに関する資格を、システムエンジニアならITに関する資格を記入すると、入社したときに資格や知識を活かせるというアピールになります。
また、TOEICやPCスキルなど、幅広く対応できる資格はどの企業でもポジティブに評価される場合が多いです。もし所持していたら積極的に記入しましょう。
④.免許と資格では「免許」の方が先
資格には、資格と免許の2種類があります。この2つでは「免許」の方が先で、次に資格を記入するのが正解です。
ただし、応募する職種に深く関係する資格を持っている場合は、この順番を無視し、先に資格を書く方が良いときもあります。人事担当者が分かりやすいよう、アレンジして記入してみましょう。
⑤.資格取得年は和暦・西暦どちらでもOK
資格の取得年月日を記入する際は、和暦、西暦、どちらでもOKです。職務経歴書も履歴書も年月日を記入する項目はたくさんあるので、全体で和暦、西暦を統一するようにしましょう。
⑥.資格名称は正式名称を
資格や免許には「運転免許」「簿記」「英検」など、略称で認知されているものも多くあります。略称で通るものもありますが、資格によっては何通りかの意味を示すものも少なからず存在するので、注意が必要です。
例えば「簿記」には、日商・全商・全経の3種類があり、一般的には簿記=日商ですが、企業によってはほかの2種類と勘違いしてしまう可能性も考えられます。
このような勘違いをなくすためにも、履歴書や職務経歴書では略称ではなく、正式名を記入するようにしましょう。
⑦.勉強中の資格も記入してOK
まだ取得には至らないけど、希望する職種に関係のある資格を勉強中の場合も「勉強中」と記入してOKです。この場合は取得しようと思った理由も付け加えると、企業に自分の意欲や向上心を伝えることができ、ポジティブなアピールになります。
ほかにも、資格取得にはつながらないけど、スキルや知識を得るためのスクールなどに通っている場合には、学んだ内容を書くこともおすすめです。
4.保有資格がないケース
保有資格がない場合には「特になし」と記入しても構いません。人事担当者は資格だけを見てあなたを判断するわけではありません。資格がない=ダメとネガティブに考えなくても大丈夫。
面接で大切なのは、企業の魅力と転職理由の結びつきや、これまでのキャリア、知識などです。もし資格がない場合には、「資格以外の理由で企業にアピールする!」とポジティブな気持ちにシフトしましょう。
5.まとめ
保有資格は面接時でアピールできる項目のひとつですが、多ければ良いというわけではありません。これまでの仕事で役に立った資格や、応募する職種に必要かどうかをしっかり見極めることが大切です。
とはいえ、志望動機と比べるとそこまで重要視するポイントでもないのも確か。もしあまり記入できる資格や免許がないという場合には、ほかの項目を充実させ、企業に自分の魅力をアピールしていきましょう。