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ベンチャー企業の面接で見られているポイントは?内定を勝ち取るコツを解説

ベンチャー企業の面接で見られているポイントは?内定を勝ち取るコツを解説

ベンチャー企業への就職や転職を考えている方にとって、最も知りたいことのひとつは、「面接」にどう挑むべきかでしょう。

 

ベンチャー企業の面接への取り組み方次第で、人生が決まります。

ですが、ベンチャー企業の面接官はどこを見ているのか、応募者はどんな点でつまずきやすいのか、あまり知られていません。

 

今回はベンチャー企業の面接で内定を勝ち取るうえで知っておきたいポイントを解説します。

 

「ベンチャー企業の面接で評価を落としやすいパターン」や「面接官が見ているポイント」を、具体的に知ることで、自信を持って面接に臨めるようになりましょう。

 

1.ベンチャー企業の面接で評価を落としやすい4つのパターン

 

前提として、一口にベンチャー企業といってもさまざまな企業があります。

職種やポジションによっても、求められる人材は変わります。

 

ここでは、筆者が実際にベンチャー企業の採用に携わってきた中で、職種などに限らず共通して見られた「評価を落としやすいパターン」を4つ、ご紹介します。

 

1.ベンチャー企業の面接で評価を落としやすい4つのパターン

 

①「理念に共感している」のゴリ押し

 

1つめは「理念に共感している」のゴリ押しパターンです。

 

誤解のないよう先にお断りしておくと、多くのベンチャー企業では、企業理念を大切にしています。

理念に共感してくれる人材を採用したいと考えており、その優先順位は高いものです。

 

実際、求人ページなどには「私たちの理念に共感してくださる方の応募を待っています!」と、熱いメッセージが掲載されていることも多いでしょう。

 

しかし、実際の面接の場で「御社の理念に共感しています!」と思いだけを“ゴリ押し”してくる応募者は、評価を落としやすいのです。

なぜでしょうか。

 

その理由は、ベンチャー企業が欲しい人材とは、“企業理念に共感したうえで、企業理念を実現するために必要な能力を持っている人材”だからです。

 

つまり企業理念への共感は必要最低限の条件であり、内定を勝ち取るためには、それだけでは不十分なのです。

 

「面接で理念に共感していることを熱く話したら、とても場が盛り上がったのに、なぜ落ちたのだろう」と思ったら、「その理念を実現するために、自分が提供できる能力」を示せていたか、振り返ってみましょう。

 

②「成長できそう」という受け身

 

2つめは「成長できそう」という受け身パターンです。

 

ベンチャー企業の面接で応募動機としてよく出るフレーズに「自分が成長できそうだから」があります。

しかし、ベンチャー企業が求めているのは、“企業を成長させられる人材”です。

 

もちろん、成長意欲があることは素晴らしいことです。企業も成長意欲が強い人を採用したがっていますし、実際にベンチャー企業で働くことで、大きく成長できる可能性が高いでしょう。

 

それなのに「自分が成長できそう」という話をして評価を落とす人が多い理由は、そこに「受け身」の姿勢が見て取れるからです。

 

「この企業に入社したら、私は成長させてもらえる」という他力本願な考え方が垣間見えると、ベンチャー企業での内定率は下がります。

 

ベンチャー企業で得られる成長とは、整っていない環境にあっても自ら試行錯誤して、チャレンジした結果、手にできる成長です。企業が準備した研修や教育を受けて得られる成長ではありません。

 

ベンチャー企業の面接で成長について話すときには、「御社の成長に貢献することを通して、結果として自分も一緒に成長していきたい」というスタンスが必要でしょう。

 

③「勝ち馬に乗りたい」下心が丸見え

 

3つめは「勝ち馬に乗りたい」下心が丸見えパターンです。

 

これは急成長中のベンチャー企業で起きやすいものです。

ベンチャー企業が急成長すると、さまざまな方面から声がかかります。

取引したい、提携したい、一緒に働きたい……と、たくさんの人が集まってくるのです。

 

今まで冷遇されてきたのに、手のひらを返したように扱いが変わることもあります。

近寄ってくる人のなかには不誠実な人もいて、だまされそうになることも。

経営者や創業メンバーが、一時的に疑心暗鬼になることは、珍しくありません。

 

そんな背景があるため、「成長中のベンチャー企業に就職すれば、甘い汁が吸える!」という下心が見える応募者は敬遠されます。

経営者や創業メンバーの立場に立てば、せっかくここまで育ててきた会社のおいしいところだけ持っていこうとする人には、好感を持てないのです。

 

下心が見える応募者というのは、例えば、経営状況を執拗に聞き出そうとしたり、入社後のポジションをしきりに気にしたりします。

 

経営状況もポジションも応募者にとって知りたいポイントではありますが、固執している印象を与えると、マイナスになります。

 

④「承認欲求」が強すぎる

 

4つめは「承認欲求」が強すぎるパターンです。

 

承認欲求とは、人から認められたいという欲求です。

承認欲求はすべての人が持っているもので、必ずしも悪いものではありません。適度であれば成長のモチベーションにもなります。

 

しかし、強すぎると問題です。誤解を恐れずにいえば、承認欲求が強すぎる人は「手間がかかりそう」という意味で印象が良くありません。

 

例えば、承認欲求が強すぎる人は「自分の仕事」と「自分の人格」を切り離して考えるのが苦手です。

 

仕事で「この点を改善してほしい」と指摘を受けると、その指摘を自分の人格への否定や攻撃だと捉えてしまい、必要以上に落ち込んだり、あるいは反抗的になったりします。

 

多くのベンチャー企業は少数精鋭で成り立っており、仕事以外の部分に手間をかける余裕がありません。

 

承認欲求が強すぎる応募者は、面接中に自慢話をしきりにしようとしたり、自分を誇張してアピールしたりします。

 

2.ベンチャー企業の面接官が見ている3つのポイント

 

ここまで「ベンチャー企業の面接で評価を落としやすい4つのパターン」をご紹介しました。

 

ここからは、面接の精度をさらにアップしたい方に向けて、「ベンチャー企業の面接官が見ている3つのポイント」をご紹介します。

 

2.ベンチャー企業の面接官が見ている3つのポイント

 

ポイント1:今の社内にない能力を持っているか

 

面接官が見ている1つめのポイントは「今の社内にない能力を持っているか」です。

 

内定を勝ち取るためには、理念への共感は最低限必要な条件で、大切なのは「その理念を実現するために自分が提供できる能力を示すこと」だとお伝えしました。

 

ベンチャー企業の面接官が、応募者の能力を見るときに重視しているのは、「社内にないスキル、人脈、情報を持っているか?」です。

 

人件費が限られているベンチャー企業の採用は、パズルを完成させている途中と捉えるとイメージしやすいでしょう。

欲しいのは、いま欠けているピース(人材)で、同じピースは2枚いらないのです。

 

同じピースは2枚いらない

 

どんなに優れた能力を持っていても、すでに社内のスタッフが持っている能力であれば、内定に直結しません。

能力のレベル自体は高くなくても、今の社内にない能力を持っている人材の方が採用されやすいのです。

 

自分の能力をアピールするときには、「応募先企業の社内にない能力」を意識しましょう。

 

応募先企業の社内にない能力を知るためには、求人ページや求人広告を隅々まで読むことが役立ちます。

自分が応募する職種以外の情報も読むことで、パズルの状態が予測できるはずです。

 

ポイント2:自己完結したパーソナリティの持ち主か

 

面接官が見ている2つめのポイントは「自己完結したパーソナリティの持ち主か」です。

 

先ほど承認欲求の話をしました。

承認欲求が強い人は、意識的にせよ無意識的にせよ、相手に自分を認めさせようとするため、相手を疲れさせてしまいます。

 

慢性的な人手不足にあることが多いベンチャー企業では、慰めたり、なだめたり、フィードバックの言葉に細心の注意を払わなければならなかったり……といった手間は、最小限に抑えたいものです。

 

だからこそ、他人に依存したところがない、自己完結したパーソナリティの持ち主は、ベンチャー企業にとって採用したい人材です。

良い意味で、手間がかからない人間であることが、選考過程では優位には働くでしょう。

 

手間のかからない人財になる

 

もし、承認欲求が異常に強すぎる自覚のある方は、一度、自分のメンタルケアに取り組んでみることをおすすめします。

 

近年は「いいね」で承認が可視化されるSNSの登場によって、承認欲求が刺激されやすい時代といわれています。

承認欲求の関連書籍が多数発売されていますので、1〜2冊読んでみると、打開のきっかけになるかもしれません。

 

ポイント3:誠実な良い人か

 

面接官が見ている3つめのポイントは「誠実な良い人か」です。

 

どんなに高い能力を持っていても、悪意を持っている人や不正を働くリスクがある人は、採用できません。

 

特に急成長中のベンチャー企業には不誠実な人も集まってくるため、経営者や創業メンバーが疑心暗鬼になりやすいことは、先に述べたとおりです。

 

応募者が誠実な良い人かを見極めるうえでは、芝居がかった自己アピールを繰り広げる人よりも、地味で良いので、自然体で話をする人の方が、印象に残ります。

 

自然体で自分を話す

 

自分の意見や考えを述べるときには、他の企業の面接でも使い回している暗記フレーズをよどみなく話すのはやめましょう。

たどたどしくて構わないので、ぜひ自分の言葉で話してみてください。

 

目の前の面接官と会話しながら、その場で頭の中に浮かんでくる言葉を一生懸命に話す姿勢が見えると、面接官は「誠実で良い人そうだ」と感じます。

 

3.面接の準備をしすぎないことも大事

 

今回は、ベンチャー企業の面接をテーマにお届けしました。

 

最後に、筆者自身が見てきたなかで、多くのベンチャー企業の内定を勝ち取っていた人たちの印象をお話したいと思います。それは「面接の準備をしすぎていないこと」です。

 

企業の最新情報や手がけている商品はよく把握しているのですが、「自分の話す受け答え」の準備は、必要最低限しかしていません。それは「面接は対話である」という意識が強いからだと思います。

 

面接官も人間です。血の通っていない表面的な言葉のやり取りで終わる人よりも、自分と目線を合わせて、心を通わせて対話してくれた人と一緒に働きたいと感じるものです。

 

本稿を参考に、ベンチャー企業の面接で注意すべき点を押さえたら、あとは面接官との対話を楽しむくらいの気持ちで、自然体で臨んでみてください。それが、あなたの本当の良さを理解してくれるベンチャー企業との出会いにつながります。

 

 

執筆者
名前:三島つむぎ
プロフィール:成長期から安定期のベンチャー企業でマーケティングや組織づくりに従事。その後独立し複数のベンチャー企業の立ち上げに携わった経験を活かしてライターとしても活動中。
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