ベンチャー企業への転職について悩んでいるとき、まずおすすめなのは「メリット・デメリット」を整理することです。
良い点は何か?悪い点は何か?と明確にしてから検討すれば、後悔しない決断が可能になります。それが曖昧なままグルグルと思考していると、後悔しない決断どころか、迷う気持ちばかり募ってしまうでしょう。
そこで今回は、ベンチャー企業に転職するメリット・デメリットをご紹介します。ベンチャー企業と一口にいっても多種多様な企業があるため目安とはなりますが、後悔しない決断の糸口になるはずです。
ではさっそく、ベンチャー企業に転職するメリット・デメリットを解説しましょう。
1.ベンチャー企業に転職する5つのメリット
まず、ベンチャー企業に転職する5つのメリットからご紹介します。
メリット1:応募条件が緩い
1つめのメリットは「応募条件が緩い」ことです。
ベンチャー企業が欲しい人材とは、即戦力になれる能力を持っている人材です。逆にいえば、能力以外の部分は、条件を厳しく設けない傾向が強くなっています。
例えば、四大卒ではない・働いていないブランク期間が長い・働ける時間が短いなど、「一般企業では応募条件を満たせず、なかなか履歴書の書類選考を通過できない」と悩んでいる方もいるでしょう。
しかし、ベンチャー企業なら「実力」で勝負できるのが大きなメリットといえます。応募条件に引っかかってしまうせいで、本来の実力を発揮できる環境が見つからないなら、ぜひベンチャー企業にチャレンジしたいところです。
メリット2:高収入のチャンスがある
2つめのメリットは「高収入のチャンスがある」ことです。
一般企業では、社員の収入が大きく上振れすることは、ほとんどありません。業績が上がったとしても、基本的には定められた給与レンジ(範囲)内での収入しか得られないためです。
国税庁の調査によると、2019年の平均年収は男性540万円・女性296万円となっています。*1
一方、ベンチャー企業では、収入が大きく上振れするチャンスがあります。特に、ベンチャー企業の創業期から参加しているメンバーは、事業の成功とともに大金を手にするケースも珍しくありません。
自社株を取得できるストックオプションや成果に応じたインセンティブを取り入れているベンチャー企業も多くあります。
性別・年齢・勤続年数などに関係なく、ベンチャー企業を成長させることさえできれば、高収入のチャンスがある。これはベンチャー企業ならではの魅力です。
メリット3:ルールや仕組みを作れる
3つめのメリットは「ルールや仕組みを作れる」ことです。
ベンチャー企業には、何十年も続く社内ルール・慣習・仕組みは存在しません。すでにある枠組みに従うのではなく、自分たちで枠組みを作り上げていく過程にあります。
前職では決められたルールに従うしかなくストレスを感じていたなら、ベンチャー企業で働くことは楽しく感じられるでしょう。ベンチャー企業なら“ルールを作る側”に回ることができるからです。
会社の歯車になるのではなく「自分も一緒に会社を作っている」と感じられる手応えは、ベンチャー企業でしか得られないものかもしれません。
メリット4:フラットな組織で働ける
4つめのメリットは「フラットな組織で働ける」ことです。
多くのベンチャー企業では、職位・ポジションへのこだわりが弱く、誰とでもフランクに話します。経営陣にも直接意見を言える機会が多くあり、風通しの良さが特徴です。
それゆえ承認・決裁もスピーディですし、市況に合わせてフットワーク軽く動ける快適さを感じるシーンは多いでしょう。
さらに付け加えるなら、フラットな組織で「経営者の近くで働ける」ことも、経営視点を学びたい人にとっては大きなメリットです。
特に将来的に起業を考えているのなら、経営者の近くで働いた経験が後になって大きく役立つかもしれません。
メリット5:さまざまなフェーズを経験できる
5つめのメリットは「さまざまなフェーズを経験できる」ことです。
会社には「創業期→成長期→成熟期→安定期」というサイクルがあります。例えば社員数を例にとっても、10人、50人、80人…と増えていくプロセスをすべて経験できるのは、ベンチャー企業ならではの良さです。
「社員数が10人の会社」「50人の会社」「80人の会社」では、まったく違った課題とやりがいを経験できます。1つの会社にいながら、まるで多くの会社を転職して回っているかのような濃い体験ができるのです。
一定の安定した環境ではなく、変化のなかで成長していきたいと考えるなら、ベンチャー企業は最高の環境を与えてくれるでしょう。
2.ベンチャー企業の3つのデメリット
次に、ベンチャー企業の3つのデメリットを見てみましょう。
デメリット1:組織全体に未熟な部分がある
1つめのデメリットは「組織全体に未熟な部分がある」ことです。
例えば、社内の組織体制、福利厚生制度、社員への研修、働き方、上司のマネジメント……など、大企業と比較してベンチャー企業が未完成な部分を挙げれば、枚挙にいとまがありません。
前述のとおり、必要な仕組み・ルールを自ら作っていくことに喜びを感じる人にとっては、未完成さは魅力と映ります。しかし、そうでない人にとってはストレスを感じるシーンもあるでしょう。
また、会社の資金力に充実度が依存する部分(例・福利厚生制度)は、会社が成長するまでは諦める必要も出てきます。
デメリット2:将来どうなるかわからない
2つめのデメリットは「将来どうなるかわからない」ことです。
もちろん、大企業であっても将来性が保証されているわけではありません。「将来どうなるかわからないのは、どの企業でも同じ」という考え方もあります。
ですが、なかでもベンチャー企業は、将来を見透すのが難しい現状があります。ベンチャー企業は、急成長する可能性を秘めている一方、事業がうまくいかずに撤退・廃業するリスクも大きいためです。
将来の安定性を重視するのであれば、ベンチャー企業はリスクが高い選択といえるでしょう。リスクをできるだけ下げるためには、転職したいベンチャー企業の将来性を、自分自身で見極める必要があります。
デメリット3:社会的信用が低い
3つめのデメリットは「社会的信用が低い」ことです。
例えば、住宅ローンを組むときの審査では、勤務先は「継続的に安定収入が見込めるか」の判断材料になります。その意味では、前述のとおり将来どうなるかわからないベンチャー企業は、信用が下がりやすいのです。
ローンのほかに、ステータスの高いクレジットカード(ゴールドカード・プラチナカードなど)の審査が通りにくくなる可能性もあるでしょう。
あるいは、子どもの私立幼稚園や小学校の受験では、親の職業が間接的に影響する可能性も0ではないでしょう。
現在、社会的信用が高い企業で働いていて、ベンチャー企業へ転職を考えているのであれば、状況によっては転職するタイミングを慎重に考える必要があるでしょう。
3.メリット・デメリットを可視化して眺めて判断を
今回はベンチャー企業に転職するメリット・デメリットを解説しました。最後にご紹介したいのがプロコンチャート(Pros Consチャート)です。
「ベンチャー企業に転職すべきか?否か?」をロジカルに判断するためには、判断材料の可視化が役立ちます。プロコンチャートは、Pros(賛成意見)とCons(反対意見)を一望できる表にして、意志決定するフレームワークです。
▼ プロコンチャートの作成例
本記事でご紹介したメリット・デメリットを参考にしつつ、ぜひあなた自身のプロコンチャートを作ってみてください。後悔しない判断ができるはずです。

プロフィール:成長期から安定期のベンチャー企業でマーケティングや組織づくりに従事。その後独立し複数のベンチャー企業の立ち上げに携わった経験を活かしてライターとしても活動中。