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第二新卒が理想の大手企業に転職するためのコツを伝授!

第二新卒が理想の大手企業に転職するためのコツを伝授!

 

新卒入社して、1年未満から3年以内に転職をする人のことを第二新卒と呼びます。この第二新卒での転職を考える人も多いですが、「第二新卒は新卒より不利」というイメージが強いかもしれません。

 

実際に、第二新卒が中途採用でより大手の企業へ転職することはできるのでしょうか。

 

そこで第二新卒での転職を成功させるためのコツを、グループ全体で新卒/中途を年間1,000人規模で採用をしている超大手人材会社の現役人事担当者に、伺いました

 

編集渡辺
今回も、私の前職でもある大手人材会社の人事部マネジャーである「山田さん(仮名)」にインタビューをしました。

 

 

1.大手でも中途採用に積極的なのには理由がある

 

中途採用は決して余り物の市場ではなく、条件の良い企業に入社することは可能なようです。それには第二新卒の転職市場の動きが関係しているとのこと。なぜ中途採用でも大手企業の募集を見つけることができるのか聞いてみました。

 

―― 第二新卒の転職市場はどのようなものか教えてください。

 

山田さん 近年、第二新卒による転職者は、多くの企業が狙っている市場になっています。というのも、新卒採用が売り手市場になり、多くの学生が希望の企業に入社できているにも関わらず、大卒入社3年以内の離職率にはほとんど変わりがないのです。

 

つまり、常に一定数の人たちが新卒入社したものの、「何かが違う」と考え、離職つまり転職しているということになります。

 

―― 志望していた企業なのに、転職を考えるというのは不思議な気もしますが。

 

山田さん そうですね。売り手市場ゆえに、なんとなく気になる企業を選び、企業研究と対策を比較的練らなくてもすんなりと内定がもらえたという状況が多いのかもしれませんね。

 

結果、自分のビジョンと合っていない企業を選んでしまい、第二新卒での転職を考えるというわけです。

 

これは企業にとって、優秀な人材を確保するチャンスです。そのため、大手企業であっても第二新卒の中途採用に力を入れていることがあります。

 

―― なるほど。新卒採用で十分な人員を確保できなかった企業にとっても、願ってもいないチャンスですよね。

 

山田さん その通りです。採用活動ベタと言いますか、企業PRが苦手だったり製造やデザインなど「作る」系に多いBtoB企業で知名度が低かったりすると、計画していた人数の新卒を採用できず、第二新卒の採用にも力を入れています。

 

そういった企業は、企業自体に問題があるのではなく単に企業PRができていないことが不人気の理由なので、業界ではトップシェアを誇る大手企業だったり業績が好調だったりすることも多いんです。大手に転職したいなら、こういった企業は狙い目ですよ。

 

 

2.企業選びで注意すべきこと

 

第二新卒を積極的に採用しているからと言って、働く条件の悪い弱小企業とは限らないことがわかりました。その中でも、自分に合っていてスキルアップできるような大手企業に転職するためには、就活時と同じように企業選びが大切です。

 

―― 第二新卒で転職を成功させるためのコツはありますか?

 

山田さん スキルアップを考えているなら、第二新卒の価値を評価している企業を選ぶことでしょう。

 

企業の中には、育成コストを考え、新卒ではなく第二新卒の中途採用に力を入れているところもあります。

 

というのも新卒だと基本的なビジネスマナーを学び、身に着けるまで待たなければいけませんが、一定の社会人経験がある第二新卒はその必要がありません。業務に合わせた人材育成にすぐに入れるため、即戦力にもなりえます。

 

こういった企業は、大手であっても第二新卒が活躍しやすい環境が整っているため、スキルアップのための転職としてぴったりでしょう。中途採用に力を入れているかどうかは中途採用比率などで調べることができます。

 

―― 中途採用者が多い企業は、第二新卒の転職先として最適というわけですね。

 

山田さん ただし、新卒採用を積極的に行っていたのに、中途採用も同じようにたくさん広告を出して募集を行っている企業には注意が必要です。退職者を補充するための中途採用の可能性があります。

 

応募する前に、なぜ退職者が多かったのか、仕事内容や企業体制、待遇などを確認する方が良いでしょう。

 

とはいっても、退職者が多いからと言って問題のある企業とは限らず、ハードな仕事でもその分成長できる環境かもしれません。大手ゆえの環境・競争の厳しさもありますので、転職理由や自分への適性に合っていれば問題ないでしょう。

 

 

3.第二新卒がアピールすべきポイント

 

自分に合った企業を選べば、あとは選考に挑むのみです。就活とは異なり第二新卒だからこそアピールできるポイントを聞いてみましょう。

 

―― 転職活動の面接や書類選考で上手にアピールする方法やコツのようなものはあるでしょうか?

 

山田さん 第二新卒の特徴であり、弱みともなり得るのが「短期間で前職を退職すること」です。根気がないのでは、何か問題がある人物なのではという先入観を持たれてしまうのは仕方ありません。

 

これを強みに変えるコツは、論理的でポジティブな転職理由を持つことです。転職して行いたいことやなぜ前職ではそれが達成できないのかなど、転職する正当な理由を伝えることで、採用担当者を安心させることができます。

 

―― 転職したいけど、そこまでビジョンが固まっていない時はどうしたらいいでしょうか?

 

山田さん 企業を選ぶ前に、自分の適性や強みを自己分析してみましょう。

 

第二新卒は社会人としての経験を元に強みを洗い出すことができるというメリットがあります。得意分野や力を発揮できるシーンなどを書き出してみて、自分の傾向を知りましょう。

 

また自己評価だけでなく、上司や同僚から言われたことを思い返して客観的な自己分析をすることをおすすめします。

 

そこから浮かび上がった自分の長所やスキルを発揮できる環境のある企業を選べば「自分の強みを活かしたい」というビジョンの元、転職活動が行なえるでしょう。面接や履歴書でも説得力のある自己PRができるようになります。

 

 

4.まとめ

 

社会人経験のある第二新卒は即戦力になる人材として、欲しいと思っている企業も多いことがわかりました。

 

もっと自分に合った会社で働きたい、就活では諦めた大手企業に入りたいなど第二新卒での転職を決める理由はさまざまです。大手企業への転職を考えているなら、転職の目的に合った企業を選び、第二新卒の強みをしっかりアピールすることで転職成功を目指しましょう。

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編集者 渡辺

人材業界の大手転職メディアの企画/編集を15年、そして10年以上新卒・中途採用の面接官を行い、年300人以上の就職者に耳を傾けてきました。特異分野は、各業界や企業の分析、データに基づいた役立つ記事を更新していきます。

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