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誰でも簡単に身に付けられる転職で困らないためのコミュニケーション力とは

専門的なスキルには自信があっても、コミュニケーション力となると自信が持てないという方も多いものです。

その場合、もっと自分のスキルを評価してくれるところに転職したいと思っても、なかなか決断できないという事態に陥りかねません。

とはいえ、コミュニケーション力というと簡単に身につけられるものではない・・・と諦めている方も多いのではないでしょうか。

 

そこで今回は、脳科学や心理学の知見に基づき、無理なくコミュニケーション力を高めるためにはどうすればいいのかについて、ご紹介します。

 

1.まずは知っておきたいコミュニケーション力の大前提

 

コミュニケーションが苦手だと感じる人の多くは、過去に自分の伝えたいことが上手く伝えられなかったり、相手の伝えたいことを上手く理解できなかったという経験をしたことがあるのではないでしょうか。

どこに通じない理由があるのかということが分からないと、コミュニケーションの問題を改善することはできません。

まずは、お互いのコミュニケーションを成立させるための条件を知る必要があります。

 

コミュニケーションが成立するためには、自分と相手との前提がそろっているということが一番の条件になります。同じ言語を使わないと会話が成立しないというのは、簡単に理解できるでしょう。

 

では、同じ日本語を使っているのに話が通じなくなるのはどうしてなのかという疑問が出てきます。これを脳科学的に説明すると、脳の中で情報処理が行われる際に、人によって処理の仕方が異なるからであるという考え方があります。

 

外界からの情報を頭の中で理解・記憶したり、表現したりする方法は「認知特性」と呼ばれ、人によって3つのタイプに分かれます。*1

 

具体的には、見た情報を処理するのが得意な視覚優位者、言葉を処理するのが得意な言語優位者、聞いた情報を処理するのが得意な聴覚優位者の3つのタイプです。

 

以下に、その特徴などをまとめます。

 

視覚優位者言語優位者、聴覚優位者
情報の把握方法空間的に把握時間軸で把握
順に対する考え先に全体を把握し、次に詳細を把握先に詳細を把握し、最後に全体を把握
コミュニケーションに有効な方法

・メール

・グラフや写真

・イラスト入りの資料

・口頭

・電話

 

コミュニケーションをする際には、相手の認知特性に合わせることが重要になってきます。

 

例えば、相手が視覚優位者の場合、電話や口頭でやり取りしようとすると、音声の情報しかないため、聞き漏らしや聞き間違いが多くなってしまう可能性があります。ですので、この場合には、目で見て確認できるように、メールや紙媒体の資料でやり取りするというようにすれば、コミュニケーションのミスを減らすことができます。

 

また、認知特性が違えば、手順に対する考え方も違ってくるということが知られています。

 

視覚優位者の場合、最初に全体像をつかみ、次に構成部分を見て、そのつながりについて考えるという思考のやり方をします。これは、視覚なら一瞬で多くの空間情報をおおざっぱに把握できるためです。

 

ですので、視覚優位者である相手に手順について説明する際には、まず全体像を示し、その次に細かい部分のつながりについて説明していくという方法がいいということになります。

 

一方、言語優位者や聴覚優位者の場合には、まず細かい部分に着目し、次にそれをどのようにつなげていくのかを考え、最後に全体像を把握するという思考のやり方をします。これは、言語や聴覚は、時間軸に沿って連続的に流れる情報として把握するものだからです。

 

ですので、言語優位者や聴覚優位者である相手に対して手順について説明する際には、一から順に細かく説明していき、最後に全体像を説明するという方法がいいということになります。

 

まずは相手をよく観察して相手の認知特性を把握することが大事です。そうしたうえで、相手に合わせた方法でコミュニケーションを取るようにしましょう。

 

2.コミュニケーション力を向上させるテクニックとは

 

コミュニケーション力というと、身につけるためには、かなり努力しないといけないという印象をお持ちの方も多いのではないでしょうか。ただ、コミュニケーションには、ちょっとしたテクニックが存在し、それをマスターすれば短期間で上達できます。

 

ポイントとなってくるのが、相手との信頼関係の構築です。この信頼関係の構築は、心理カウンセリングでは「ラポール形成」とも呼ばれ、特に重要視されます。

 

それでは、相手との信頼関係を築く上で重要なポイントとは何でしょうか。

 

脳科学的には、相手の脳と自分の脳が同期する「シンクロする状態」を作ることが重要であるとされています。*2

 

このシンクロした状態を作り出すためには、相手をそのまま真似するとうまくいきます。

 

具体的にどのような点に着目して真似すればいいのかを、以下の表にまとめました。

シンクロさせるもの内容
言葉相手が使った言葉の一部をそのまま繰り返す。
動作、身なり相手の動作や服装などをそのまま真似する。
声のトーン、ペース相手の声の高さや話すスピードに合わせる。

 

まず、言葉の一部をそのまま繰り返す方法は「バックトラッキング」とも呼ばれ、心理カウンセリングでもラポール形成するためによく使われます。

 

相手の言葉の一部をそのまま復唱することで、相手に対して「この人は、ちゃんと聞いてくれているんだな」という安心感を与える事ができます。

 

また、動作や身なりにつていも、お互いに似ているとなんだか親近感がわいてくるので、信頼関係が構築しやすくなります。

 

ただし、真似するのはあくまで自然な感じにするというのが重要であり、わざとらしさが出てしまうと、かえって相手に違和感を与えてしまうので注意が必要です。

 

さらに、相手と話をする上では、相手の声のトーンや話す速さに合わせるというのも重要です。ちゃんと相手に合わせるということができていないと、相手に対して、テンポが合わないから話しづらいという印象を与えてしまいます。

 

この項でご紹介したテクニックは、相手を真似するだけという簡単なものですので、日常会話の中で少し意識していただければ、相手に言いたいことを伝える力の向上に役立ちます。

 

3.注意しなければいけない前提のズレ

 

人はコミュニケーションを取る際に、無意識的に説明されていない情報を自分の知識や経験をもとに補うということをしています。そのため、毎回、一から十まで前提を説明しなくてもコミュニケーションを取ることができ、コミュニケーションにかかる時間と労力を節約できるわけです。

 

しかし一方で、説明されなかった情報について、自分の知識や経験を当てはめて補った際に、相手の前提と自分の前提がズレてしまうということが起こってしまいます。

 

例えば、以下のような3つの指示があったとしましょう。

 

①四角形を描いてください。

②その四角形を四等分してください。

③その四角形の半分を塗り分けてください。

 

一見すると、何の変哲もない指示のように見えますが、実際に描き出してみると、いくつものパターンがあるということが分かります。

 

以下に、その一例を示します。

図の一例

 

あくまでこれは一例であって、これ以外にもたくさん考えられます。

 

先ほどの指示では、四等分といっても、どのように四等分するのか、半分を塗り分けるにしても、どの半分なのかというのが抜けています。

 

欠けている情報を自分の知識や経験で補ってしまうという行為は、無意識的に行われてしまうので、なかなか前提がズレているということに気がつかないことがあります。

 

仕事をする際には、事前に相手との前提をすり合わせるというのが重要になってきます。また、大きなプロジェクトの場合には、途中経過のやり取りをとおして、前提にズレが生じていないかを確認するということも大事でしょう。

 

前提がズレていることに気がつかずにそのまま進めてしまうと、トラブルのもとになってしまいます。

 

4.人間関係のトラブルを回避する3つのポイント

 

これまでの内容をまとめると、転職先で面倒なトラブルにならないようにし、自分の能力を十分に発揮するためには、次の3つのポイントが重要です。

 

一つ目は、相手をよく観察して、相手の認知特性を知ること。

 

相手の認知特性に合っていない方法でコミュニケーションを取とうとすると、トラブルのもとになります。相手の認知特性に合ったやり方でなければ、こちらの伝えたいことが思うように相手に伝わりません。

 

電話でやり取りしていて、相手の聞き漏らしが多かったり、どうも相手の反応が良くないと感じたなら、メールでのやり取りに変えてみるというのも一つの手です。

 

二つ目は、相手からの信頼を得られるようにすること。

 

信頼関係が構築できていなければ、こちらの言うことを聞き入れてもらえません。相手から見たときに、安心して仕事を任せられる人という印象があることが必要です。

 

思うように組織に馴染めないと、仕事を進める上で、やりにくさを感じてしまうものです。先ほどもご紹介した通り、自然な形で相手の真似をすることで、組織に馴染みやすくなります。

 

三つ目は、前提のズレに注意すること。

 

勝手な思い込みをしてしまうと、相手との信頼関係が崩れてしまいます。相手に対して、この人とは話が合わないと思われてしまうと、相手はそれ以上話をしようとはしなくなってしまうので、注意しましょう。

 

この3つのポイントは、円滑なコミュニケーションを行う上では大事な要素です。

 

コミュニケーションの主役は相手であり、相手がどう感じるのかが非常に重要です。最近問題になっているパワハラでも、こちらが指導のつもりでも、相手がパワハラだと感じてしまえば、パワハラになってしまいます。

 

もし可能であるならば、相手がどのように感じているのかということを聞いてみて、こちらが意図したとおりに伝わっているのかということを確認してみることも大事でしょう。

 

こちらが意図したことと、相手が感じたことにズレがある場合、そのズレに気づかずに放置してしまうことは、トラブルにつながってしまいます。相手はどう感じるだろうかということを意識したうえで、こちらが意図したとおりに伝わるようにコミュニケーションをとるようにしましょう。

 

コミュニケーション力に自信がないという方は、ご参考にされてみてはいかがでしょうか。

 

参照データ
*1 参考)「最新科学で解き明かす最強の記憶術」洋泉社MOOK、P60~63

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