転職での面接でも、新卒採用と同じように「成功体験」を聞かれることが少なくありません。そのため面接に備え、あらかじめどんな話をするかを考えておくのがおすすめです。
この記事では、転職面接で成功体験を聞かれる理由から、成功体験の話し方と話すときの注意点まで紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
1. 面接で成功体験を聞く理由
面接でよく聞かれる質問のひとつに、「成功体験」があります。就職活動で「あなたの成功体験を教えてください」と聞かれた記憶がある方も多いのではないでしょうか。
転職面接でも、成功体験を聞かれることがありますが、大きな理由としては応募者の「価値観」を知るためとされています。どのような体験を「成功」と感じるかは人それぞれです。成功体験を聞くことは、その人がどのような体験に価値を感じるのかを判断する手段になります。
例えば、前職で大きな売上を達成したことを成功体験として挙げた場合でも、目標とした数値を達成したことを成功と感じたのか、仲間と協力することで目標を達成したことを成功と感じたかのかによって、その人に対する評価は異なります。
それはどちらがいい、悪いではなく、社風に合っているか、募集している職種に合うのか、入社後どの部署が適しているかなどの判断材料になります。
2.成功体験の話し方
成功体験を話すときには、順序立ててわかりやすく話ができるか、スピーチの能力も見られると考えて準備しておくようにしましょう。なぜ企業がその質問をしているのかを踏まえ、以下のような順番で話をするようにしてください。
- 成功した内容をひと言で伝える
- 具体的な内容を5W1H(いつ・どこで・誰が・どのように・なにを)で簡潔に伝える
- 体験から学んだことを述べる
- 体験で得たことを入社後どう活かすのかを伝える
3.成功体験の例
それでは具体的な成功体験の回答例を紹介します。転職面接では、学生時代や私生活での成功体験ではなく、これまでの職務経験の中からピックアップするようにしましょう。
①成功した内容をひと言で伝える | 私の成功体験は、前職のプロジェクトで法人営業関東部門売上1位になったことです。 |
②具体的な内容を5W1Hで簡潔に伝える | 具体的にお話しいたします。前職では、パソコン販売の営業部に所属していましたが、関東地方の法人営業において他社に遅れをとっていました。販売を強化するためにプロジェクトを立ち上げ、私はそのプロジェクトリーダーに抜擢されました。 メンバーは私を含めて7名で、市場調査や競合調査などを分担して行い、これまでのデータの洗い出しと分析などを進めた結果、顧客のパソコンの買い換え時期と営業のタイミングが合っていなかったことを突き止めたのです。 適切なタイミングで顧客企業に通い営業を行うことで売上を伸ばすことに成功し、また同じタイミングで新規企業にも営業に通った結果、私のチームは2年目に関東地方の法人営業売上1位になりました。 |
③体験から学んだことを述べる | 私はこの成功は、チームのメンバーそれぞれの適性を見極め、データ分析と実際に営業に回るメンバーを分業させることで、効率化を進めたことにあると考えています。 |
④体験で得たことを入社後どう活かすのかを伝える | もし御社で採用していただけた場合には、この経験を活かし、個人の素質を尊重した適材適所で業務の効率化を進めることで貢献したいと思います。 |
4.成功体験を話すときの注意点
最後に、面接で成功体験を話すときに注意したいポイントを2つ解説します。
①嘘をつかない
あらかじめ成功体験を考えず、その場で「特にありません」と答えてしまうのはもってのほかですが、成功体験を思いつかなかったからといって話をでっち上げて嘘をつくのもよくありません。
成功体験を聞いた後は面接官から質問があるものなので、思わぬ質問をされた場合には矛盾が生じてばれてしまう可能性があります。
面接当日に慌てて嘘をついてしまわないよう、面接に挑む前に、いくつか成功体験をピックアップしておきましょう。
②成功体験=自慢ではない
成功体験を自慢話と勘違いする人がときどきいます。面接官は、成功体験からその人がどういった人かを判断し、成功体験を活かして今後どう貢献しているのかを知りたいのであり、自慢話を聞きたいわけではありません。
成功体験を話すときには、成功した事実そのものではなく、そこから何を学んだのかにスポットをあて、どう活かしていきたいのかを中心に話すようにしましょう。
5.まとめ
転職の面接で成功体験を聞かれたときには、面接官が成功体験を聞きたいと思っている理由を考えたうえで話すことが大切です。また成功体験を話すときには、スピーチ能力も確認されていることを踏まえ、あらかじめしっかりと構成を立てておくようにしましょう。
成功体験は面接でよく聞かれる質問のひとつですので、今回の記事を参考に、準備をして面接に臨むようにしてください。