転職活動の第一歩であり、最初の難関ともなるのが書類選考です。ほとんどの企業では一人一人と会って面接するわけにはいかないため、募集条件外の応募者をふるいにかける目的で、履歴書や職務経歴書による書類選考を行なうことが一般的です。
この書類選考の通過率とはどれくらいなのでしょうか。転職において書類選考に通過する重要性と、通過率をあげるために、書類選考時に見られるポイントを解説します。
1.履歴書による書類選考通過率は3~5割が目安
履歴書による書類選考通過率は募集状況や企業の方針、職種によってさまざまで、5割ほどの通過率というケースもあるため一概にはいえませんが、大部分の企業の通過率は3割前後が多いです。
その後の一次面接も同じくらいの通過率を考えておくと良いでしょう。最終面接まで進めば、内定はかなり近いところにあります。
こうしてみると書類選考は通過できない確率の方が高く、転職者が最初に直面する壁と言っても過言ではありません。書類選考をクリアできないことが続いた場合は、応募数から通過率を考え、3~5割を下回るようなら応募企業の選び方や書類選考対策を見直してみましょう。
2.一工夫して通過率をアップさせる履歴書を作成する
書類選考通過率が低い理由として、採用担当者に好印象を与えるような履歴書の作成ができていないことがあげられます。
どんなに仕事の能力が高くても、履歴書という紙面から採用担当者にアピールできなければ、その後の一次面接には進めません。転職活動のスタートとして書類選考通過率をアップさせる履歴書を準備することが重要です。
①.募集条件と自分の経歴がマッチしているか確認
書類選考通過率が低いとき、まず見直すべき点は履歴書の経歴が応募している企業とあっているかどうかです。募集要項に「2年以上の実務経験」などはっきり書かれている場合は、当然ながらそれに合致していなければ通過は難しいでしょう。
条件にマッチしているかは書類選考で見られるポイントなので、履歴書には漏れなく記入するようにします。
また、自分の経歴で内定をもらえる可能性があるのか現実的に考えなければいけません。競争率の高い企業や職種だと求められるレベルも高くなるため、そういった企業ばかり選んで書類選考にのぞんでいると通過率も低くなります。
②.持っているスキルを最大限アピールする
アピール力の弱い履歴書の書き方だと、採用担当者の目に留まりにくく、企業の求めるスキルがあるのに書類選考に通過できないという非常にもったいない事態が発生します。求人情報を読み込んで、どのようなスキルや経験、実績を見られるのかを見極めましょう。
応募企業に合わせて強みとなるスキルを選び、職歴に記すだけでなく志望動機や自己PRでもしっかりアピールすることが大切です。
③.企業に見られるポイントをおさえる
履歴書でチェックしているポイントはスキルの有無だけではありません。
例えば、見られるポイントとして多いのが「長く働いてくれそうか」という点です。前職の在籍期間が短かったり転職回数が多かったりすると、「また辞めるのではないか」という懸念から書類選考の時点ではずされてしまう可能性があります。
採用担当者にマイナスな印象で見られる経歴があるときは、履歴書で転職理由を説明したりこれからはこの会社で活躍したいという入社の熱意を示したりして、フォローするようにしましょう。
また、履歴書の記入ミスも書類選考に悪影響を与えます。履歴書でミスをするなら、仕事でもミスが多いのではないかと思われるからです。送付前には何度か読み直して念入りな確認を行いましょう。
見られているポイントに合わせた対策は、書類選考通過後の一次面接・最終面接の通過率を高めるためにも大切な点です。一次面接、最終面接で見られるポイントをチェックし、それに応じた面接対策と共に転職活動を進めていきましょう。
- 清潔感があり爽やかな人柄
- ポジティブな印象を与える転職理由
- 質問の意図に合った回答ができ、コミュニケーション力があるか
- 企業研究をしているか
- 入社後のキャリアプランを持っているか
- 企業への興味、入社の熱意
- 社風とのマッチング
- 誠実さ、素直さなど人間性に問題がないか
- 本音で話し、ありのままの自分を見せているか
3.転職エージェント利用時はエージェント内で埋もれないよう注意
転職エージェントを利用している場合、エージェント内での競争に負けている可能性もあります。
特に、大手企業だと登録者数も多く、条件のいい求人には多くの応募者が集まります。エージェントもすべての転職者の履歴書を送るわけにはいかないので、エージェント内で他の候補者と比較し、企業による書類選考自体に進めていないということがあるのです。
カウンセリングをする自分の担当と、企業との交渉をする企業担当が異なる場合は特に、自分の強みがうまく伝わらず埋もれてしまうかもしれません。
エージェント利用時は、そういった点をカバーする対応を行なっているところや、狙っている業種に特化したエージェントに絞って、エージェント内で埋もれて通過率を下げてしまうことを防ぎましょう。
4.まとめ
書類選考通過率をアップさせるためには、採用担当者の目に留まり「この人と話してみたい」と思わせる履歴書を作る必要があります。募集要項や業務内容から、見られるスキルや経歴を研究し、企業が求めている人材であることをアピールしましょう。