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「転職するんじゃなかった!」女性に多い転職の失敗とは?

転職は、成功する人もいれば、失敗する人もいるのが現実です。

実際に筆者は、女性の多い企業での採用活動を通し、たくさんの女性たちの転職を見てきました。

 

女性に多い転職の失敗に共通する特徴として「事前に想定していれば、回避し得るものが多い」ことが挙げられます。

本稿では、これから転職したい方に向けて、実際に多い具体的な失敗事例と、失敗から学ぶ対策法をご紹介します。

 

1.女性に多い転職の失敗 4つのケース

 

まず、「女性に多い転職の失敗例」として、実際に多い事例を見ていきましょう。

どんなつまずきをする可能性があるのか、事前に把握しておくことが大切です。

 

失敗1:働き方がハードでついていけない

1つめの失敗は「働き方がハードでついていけない」ケースです。

 

これは特に、男性社員が多い職場へ転職した女性に多い失敗例です。

男性も女性も平等に活躍する企業が増えている一方、差がないからこそ、女性に負荷がかかるケースがあるのです。

 

例えば、男性社員たちが夜遅くまでパワフルに働いている転職先の雰囲気に押され、同じように働こうとした結果、ホルモンバランスを崩してしまう女性は少なくありません。

 

転職先でホルモンバランスが乱れる

参考)独立行政法人労働者健康福祉機構「働く女性のためのヘルプサポートガイド」P7(https://www.johas.go.jp/Portals/0/data0/oshirase/pdf/HealthSupport-2nd-2.pdf )

 

実際、「深夜勤務の男性と女性を比較すると、女性のみホルモン分泌リズムが変動する」という研究結果が出ていることからも、女性のハードワークには注意が必要です。*1

さらに「男性より、女性の方がうつ病にかかりやすい」というデータもあります。

 

日本におけるうつ病の有病率

引用)独立行政法人労働者健康福祉機構「働く女性のためのヘルプサポートガイド」P20(https://www.johas.go.jp/Portals/0/data0/oshirase/pdf/HealthSupport-2nd-2.pdf )

 

このような性差を考慮することなく無理をすれば、心身の健康を損ないかねないことは、知っておきたいところです。

 

転職を決める前に、転職先企業の働き方を把握して、実際の仕事量を正しく見積もる必要があります。

 

失敗2:転職してからプライベートの変化や問題が起きた

2つめの失敗は「転職してからプライベートの変化や問題が起きた」ケースです。

 

“プライベートの変化や問題”の具体例としては、以下が挙げられます。

・結婚することになった

・妊娠した

・家族が病気になった

・家族の介護が必要になった

・自分が病気になった

 

では、なぜこれが転職の失敗につながるのでしょうか。

それは「有事のときに初めて企業の本質が見える」という点に尽きます。

 

特に何の問題もない、平常運転中の転職活動では見抜けなかった“転職先企業のマイナス点”が、緊急事態で露わになるケースは多いものです。

 

しかし、転職活動の最中に、「自分に突然プライベートの変化や問題が訪れる」とは、思ってもみない方がほとんどでしょう。

 

一方、出産や家族の病気・介護など、ひとたび家庭に関する出来事が起これば、男性より女性に大きな影響が出やすいのもまた事実です。

 

いざというとき、「こんなことが起きるとわかっていたら、他の選択肢を選んだのに……」と悔やんでも後の祭りとなります。

 

失敗3:女性社員たちの雰囲気が悪い

3つめの失敗は「女性社員たちの雰囲気が悪い」ケースです。

 

これは、入社前の面接で、男性社員としか接していないときに起きやすい失敗です。

働くうえで男女の差がない企業でも、“職場の人間関係”の観点から見ると、少し違った風景が見えてきます。

 

というのは、業務内容とは直接関係のない社内コミュニティは、男性社員は男性社員同士、女性社員は女性社員同士で形成されることが多いためです。

結果、まったく同じ会社なのに、男性社員・女性社員で雰囲気が大きく異なることがあります。

 

男性社員・女性社員で雰囲気が大きく異なることがあります

男性社員・女性社員で雰囲気が大きく異なることがあります

 

 

具体的には、「面接過程で出会った男性社員たちは親しみやすく、社内の雰囲気も良いと言っていたのに、いざ入社してみたら女性社員たちの雰囲気が険悪でなじめない」と戸惑うケースがあるのです。

 

なお、念のため補足させていただくと、これは「女性社員の雰囲気が険悪な企業がある」という意味ではありません。

 

同じ企業であっても、男性社員という切り口で見た場合・女性社員という切り口で見た場合に、まったく異なる表情を見せることがあるため、注意が必要ということです。

 

失敗4:女性差別が残る会社だった

 

4つめの失敗は「女性差別が残る会社だった」ケースです。

 

20代、30代の方のなかには、「女性だからといって、仕事で不利と感じたことはない」という人も増えているようです。

 

この感じ方は、“身を置いている環境”によって大きく左右されます。

 

「女性差別なんて、時代遅れでしょ?」「そんな会社あるの?」と思っていた人ほど、転職先では初めて女性差別の壁にぶつかり、打ちのめされてしまうことがあります。

 

なかには、深刻なセクハラや性差別の被害に遭い、退職を余儀なくされるケースもあるのです。

 

非常に残念なことですが、まだまだ女性差別の残る企業も多いと知っておくことは、ひとつの自衛策となるでしょう。

 

2.転職してから後悔しないために転職前に行うべき3つの対策

 

ここまで、女性の転職ではどんな失敗が多いのか見てきました。

 

転職の失敗に共通する敗因は、「転職前に、その企業の実体を把握し切れなかった」こと。「求人要項や企業サイトだけでは見えてこない情報」が、転職の成功・失敗を左右するのです。

 

これを踏まえて、転職先を決定する前に行ってほしい対策を3つ、ご紹介します。

 

①面接で「面接官個人の体験談」を引き出す

まず最大限に活用したいのが、「面接」という生の現場で行う情報収集です。

 

有益な情報収集には「質問」が重要

面接で有益な情報を得るためには、応募者側の「質問」が鍵を握ります。

 

例えば、福利厚生について知りたいとしましょう。単刀直入に「福利厚生はどうですか?」と質問する方が多いのですが、これは良い質問とはいえません。

 

面接官はきっと「充実しています。●●という制度があります」と答えるでしょう。これでは建前の返答にとどまり、企業サイトに書いてある範囲の情報しか得られません。

 

転職で失敗しないために得るべき情報は建前ではなく、もっと体温のある生身の情報です。

体温ある情報を引き出すためにおすすめなのは、「面接官個人の経験を引き出す質問」です。

 

体温ある情報を引き出す質問の仕方

「面接官個人の経験を引き出す質問」の例を挙げましょう。

「●●様(面接官の名前)ご自身は、入社されてから今までに、御社の福利厚生に助けられたご経験はありますか?」

このように、「応募者 → 企業」ではなく「応募者 → 面接官個人」への質問を投げ掛けます。

 

企業の事ではなく個人のことを質問する

企業の事ではなく個人のことを質問する

 

すると、面接官が個人としてどんな経験をし、それに対して会社の制度はどう機能したのか、社内の雰囲気はどうだったのか、面接官の満足度(本音)も含めて、体温のある情報を得られるでしょう。

 

面接官が「経験がない」と答えたら、「では、同じチームなど他の社員様が経験されたお話をおうかがいできますか」と質問を変えてみましょう。

 

具体的なエピソードが出てこない場合には、「福利厚生とは名ばかりで、実際には制度が機能していない会社かも知れない」などと仮説を立てることができます。

 

なお、質問例では「福利厚生」を例に挙げましたが、もちろんこれは他の事項でも構いません。

 

社員の働き方、育児のサポート体制、家族の介護、自分自身の病気、会社の雰囲気など、自分が聞きたいことに当てはめて、面接官個人の体験談を引き出しましょう。

 

②内定後に迷いがあれば追加の面談を企業にリクエストする

転職活動が順調に進み、早々に内定が出ることもあるかもしれません。

内定が出たものの、まだ十分な情報収集ができておらず、応募先企業に対して不安がある場合には、「追加の面談」をリクエストするのも、ひとつの方法です。

 

面談を希望する応募者は珍しくない

「企業に応募者から面談をリクエストするなんて、そんなことできるの?」

と思った方もいるかもしれません。

 

あまり知られていないことかもしれませんが、応募者から面談を希望することは、珍しいことではありません。

 

実際に、筆者自身も面接官側の立場として、何度か経験しています。

多いのは、応募者と企業の間に入っている転職エージェントの担当者から連絡が来るケースです。

 

具体的には、

「(応募者が)まだ迷っている様子です。一度、面談のセッティングをお願いできませんか。
できれば、応募者と近い立場の方とお話してみたいとおっしゃっています」

…といった具合です。

 

内定が出た後でしたら、選考過程に影響を与えることもありません。

不安を抱えたまま内定を承諾して失敗するくらいなら、思い切って面談の場を設けてもらい、不明点をクリアにしましょう。

 

女性社員との面談を希望してみる

 

「女性ならではの視線で情報が欲しい」という観点からすれば、追加の面談では、女性社員をお願いするのも良いでしょう。

 

できるだけ自分の立ち位置に近い社員と直接話すことができれば、転職後の失敗回避につながる情報を得られる可能性が高くなります。

 

なお、面談の希望をどの程度まで伝えて問題ないかは、企業によって異なるため一概にはいえません。

 

しかしながら、「あくまでも入社したい意志があり、念のために最終的な確認をしたい」という熱意さえ伝わっていれば、受け入れてくれる企業が多いでしょう。

 

(3)転職口コミサイトなども最大限に利用して情報収集を行う

 

面接という生の現場での情報収集と並行して行いたいのが、「転職口コミサイト」を利用した情報収集です。

 

転職口コミサイトとは、現在働いている社員や過去に働いていた元社員が、その企業の実態について口コミを投稿するサイトです。

 

実際に経験した人しか知り得ない、リアルな情報を得られるのがメリットです。

転職口コミサイトは複数ありますから、できる限りすべてに目を通しておきましょう。

 

転職口コミサイトは信用できない?

ところで、転職口コミサイトには「その企業が嫌で辞めた人の投稿が多いから、悪意のバイアスがかかっており、信用に値しない」という意見もあります。

 

筆者自身はそうは思いません。

もちろん、企業を貶めることを目的とした誹謗中傷は論外ですが、口コミサイトに書かれた辛辣な意見も、面接で現役社員が熱心に語る愛社精神も、どちらも真実でしょう。

 

同じ会社でも、「どの視点から見るか」によって、まったく異なる顔を見せるものです。

できるだけ多角視点で企業を見る

できるだけ多角視点で企業を見ることが重要です

 

転職活動をするうえで大切なのは、できるだけ多くの視点から、その企業を眺めること。

 

視点は、多ければ多いほど好ましいのです。

その会社の本質を浮かび上がらせることができ、転職の失敗を避けることにつながります。

 

3.自分自身の個性を誰よりも深く理解することも忘れずに

 

今回は「女性の転職の失敗」をテーマにお届けしました。

 

筆者個人としては、企業というひとつの組織に個性あふれる人間同士が集まって、共通の目的に向かって歩んでいく、その過程で「男だから・女だから……」にこだわるのは、ナンセンスだと思っています。

 

ですが、その一方で、性別による体力の違い、大まかな傾向としてある性質の違い、出産の有無など、「あるものを、まるでないかのように振る舞う(無視する)」のもまた、不自然であると感じています。

 

女性が転職を考えるときに大切なのは、性別による特性も含めて、「自分自身の個性を誰よりも深く理解すること」かもしれません。

 

そのうえで、転職先企業の情報収集をしっかり行うことができれば、より良い転職、引いてはより良い人生につながっていくことと思います。

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