就活の準備 就職活動ノウハウ

漢字検定、秘書検定、英語検定…資格欄に記載したほうが有利?

漢字検定、秘書検定、英語検定…資格欄に記載したほうが有利?

 

エントリーシート・履歴書では、少しでも通過率を上げたいですよね?

そのために、いかに空白のスペースを埋めるかに注力される方がいらっしゃいます。おどろくことに、取得していない資格でも「TOEIC800点をとるために勉強中です」など、今頑張っていることを書け!とアドバイスしている参考書まであるのです。

 

しかし待ってください。

建築系など資格が必要な採用枠でないかぎり、企業は資格など重要視していません。

そこで今回は、エントリーシート・履歴書におけるアドバイスとして、資格欄の本音をお伝えします。

 

面接官
私も資格って欄いらないと思うのですが…資格がないと困る職種もあるのです。今回はそんなお話です。

1.資格が多いと就活に有利になるのか?

就活性にこんな質問をされて事があります。

学生Sさん
秘書検定とか周りも資格をとっていて、やっぱり資格は持っていたほうがいいのでしょうか?

 

学生Sさんから聞いたのですが、大学の就職課では、資格神話みたいなものがあるようで、「簿記検定、秘書検定、衛生管理者、PC検定、FPなど」よくわからない資格をとる学生さんがたまにいらっしゃいます。

 

この5年位で、特によく見かけるようになったのは「秘書検定」「ITパスポート」。

どうやら本を1冊読めば、多くの方が資格取得者になれるという有名な資格です。

 

 

面接官
残念ですが、資格神話を話す就職課の方は、採用どころか社会を知らない素人の方です。

 

 資格欄というのは、「資格が必要な仕事が存在している」からです。例えばこんな仕事です。

 

 

資格が必要な仕事
士業(弁護士、会計士、税理士など)
教師、保育士、看護師、栄養士、介護福祉士、社会福祉士
不動産系企業(宅建)、秘書職(秘書検定)、貿易事務(通関士)、建築系企業(建築士)

 

これらの仕事に就きたい場合は、資格欄に記載しておきたいですね。

これらの資格は技能が必要な場合もあるので学生で取得ができない場合もあります。その場合はその仕事に付くために何をしてきたのかを記載すれば大丈夫です(特定の学部で学んできたとか)。

 

それ以外は、基本的には空白でもいいくらいです。大学まで進んでいるのであればTOEICくらいは努力の証として載せておきたい程度のものです。

 

つまりこういうことです。

ポイント 企業にとっての資格とは
1.資格が必要な仕事の場合:採用するための必要条件を備えているかの判断材料
2.資格が不必要な仕事の場合:大学時代の努力の証があるかの枠

2.資格の取りすぎは逆効果になる

 

 

一貫性のない資格は自分の首をしめます

 

書類審査では資格は重視しません。

そこまでマジマジと見ている余裕などないのです。学生中の努力に関しては学校名でだいたいどの程度努力してきた人なのかはわかります。

 

しかし、この資格が厄介なのは面接の場です。

冒頭でも述べたように英語・漢字・秘書・簿記など色々とっていると面接官は必ずこう思います。

面接官
この人は何がやりたいんだろうか。何を目的にこの資格を取ろうとしていているのかな?

 

私も年に何度もこの質問をしますが、答えられた人は数えられるくらいしかいません。

面接官「なぜこの資格を取ろうと思ったのですか?」

面接官「秘書になりたいんじゃないんですか?」

面接官「この資格を活かして働きたいと思っていないのですか?」

面接官「これだけTOEICが高いなら海外に挑戦とかしないのですか?」

相手の態度によって意地悪な質問になっていきます(笑)

 

 

資格=スキルではない

 

自分をよく見せるために、「できる人」を装うことは面接の場ではよくあります。

面接官は毎年何十人と面接をしてきているので、「意識高い人」とそうでない人の差なんて、自己PRを聞いただけわかってしまいます。 そのため、資格を武器装備にするのは避けましょう

 

 

 

3.資格が有利になる方法とは?

 

 

一貫性のある資格の取り方は高評価

 

むやみやたらに資格を取るのはお勧めしませんが、こういうのはどうでしょうか

 

資格の記入例1
TOEIC480点(2015年)、TOEIC600点(2016年)、TOEIC680点(2017年)、社会人になる前にTOEIC800点を目指し日本と海外を橋渡しができる人材に成長したいと考えています。
資格の記入例2
簿記3級(2016年)、簿記2級(2017年)、現在は簿記1級を目指し勉強しています。

 

2パターン考えてみました。

TOEICパターンは、このように記載されると、目標に向かって頑張っているのがわかりますね。面接では、なぜこういう目標を持つようになったのかを面接官は聞きたくなり、話が盛り上がりそうです。

 

簿記パターンも資格に一貫性がありますので、努力しているのがわかります。面接では、なぜ簿記なんですか?という質問になります。その質問がきたら「授業で経営の財務を把握できるようになると聞いたので、偉くなるには必要だと思い挑戦しています。」と言っておけばまず通過します。

 

急に意識高い系です。 伝え方ひとつで、その人の意欲というのが全面に出るものなのです。

 

 

面接ではストーリーで話そう

 

エントリーシート・履歴書は、面接のために使われている。と思っていませんか?

半分正解で半分不正解です。 面接では何次面接になってもエントリーシートがついて回ります。

面接官
注意 面接官が履歴書を見れるのは直前です。なのでほぼノールックで面接に挑みます

 

なので、半分不正解というのは、エントリーシートや履歴書は、大半の面接官は事前に見ていませんのでその内容がどんなに素晴らしくても、採用/不採用へい影響はほぼありません。

 

面接官は、質問するネタを探すために、資格や自己PRを見て話を聞いてみるのです。

そのため、初見の人にもわかるように、シンプルに伝え割りやすいように、以下の順序で話すことをお勧めします。

 

  • 目的:なにを目指そうとしているのか
  • 手段:その中で資格をどんな努力をして取得したのか

 

重要なのは、資格の多さでも種類でもありません。

どんな目的に向かってその資格を取ったのか、そのストーリーこそが重要なのです。

そのストーリーが面接している企業の仕事内容と合致していたら無双の武器となり、合致していなければ諸刃の剣にもなります。

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

面接官のホンネ 管理人

アラフォーの管理職。12歳と10歳の娘がいます。 新卒・中途採用に10年以上携わり、安定を手にするために私自身も財閥系企業に転職しました。次世代に知識と経験の継承を目的として「リアルな現場の声」をテーマに、“面接官のホンネ”を立ち上げました。わかりやすく、人事/採用の担当としての本音をお届けします。

-就活の準備, 就職活動ノウハウ
-,