企業研究
コネ入社はバレて嫌われる?メリット・デメリットを確認し後悔のない転職活動をしよう

「コネ入社」あるいは「縁故入社」と聞くと、非常に特別なことのように感じる方もいるかもしれません。

 

しかし、いわゆるコネ入社は結構身近なもので、マイナビ社の調査によると、約7割の人が社内にコネ入社の人がいると思っています。

 

 

縁故入社はいますかアンケート結果

参考)マイナビニュース「ワーク&ライフ>仕事術>コネ入社の人は働かない? 実情を調査した」(https://news.mynavi.jp/article/20200503-1022346/)を元に筆者作図

 

 

 

コネ入社は、通常とは異なる選考過程で入社が決まるため、「ずるい」という印象を持つ人も多いかもしれません。

しかし、採用側からすれば欲しい人材を確実に確保するための手段であり、応募側からすれば新しい職場を得るきっかけの一つともいえます。

 

そこで今回は、何かと非難されがちなコネ入社のメリット・デメリットについて考えてみます。

 

 

1.コネ入社のメリット

 

 

まず、コネ入社のメリットを、採用側・応募側の両面から検証してみましょう。

 

①採用側のコネ入社メリット

 

採用側としては、応募者の人となりが最初からわかっているため、面談などにかかる時間や人件費を大幅に削減することが可能です。

また、企業にとって必要な人材を確実に確保できるチャンスであり、ニーズにかなう人材であれば採用側は大きなメリットを得られます。

 

ではここで、実際に採用側が大きなメリットを得た例をご紹介します。

 

親族経営のある警備会社での事例です。

この会社では、社長の妹が経理を担当していました。

しかし、妹が家族の都合で3ヶ月後に他県へ引っ越すことになり、経理経験のある人材を探すことになりました。

従業員の一人を経理担当者にする案も出たのですが、仕事の単価と従業員に支払っている日当の差額が他の従業員に明らかになってしまう可能性が高いため、断念。

たまたま同じころ、社長の姪が子どもの保育園入園のために就職先を探していたため、スカウトすることにしました。

経理経験のない方でしたが、即日採用して子ども同伴で出社してもらい、十分な引き継ぎ期間を確保できました。

 

実際にこの会社の社長に話を聞いたところ、過去に仕事の単価が従業員に明らかになったことがあり、賃上げをしつこく請求されて困ったとのことでした。

そこで、経営にかかわる役職は親族で占めることにしたそうですが、タイミングよく適切な人材を確保できたということで、大変喜んでいました。

 

 

②応募側のコネ入社メリット

 

応募側としては、ほぼ確実に採用されるという点がメリットの一つとして挙げられます。

 

そして、内部事情が事前にわかるのも大きなメリットです。

仕事の内容だけではなく、どのような人が社内にいるのか、社内トラブルはないのか、といったことも場合によっては聞き出せるため、ミスマッチが少なくなります。

 

縁故で転職を決めた理由

順位理由回答数
1待遇がいいから30
2知人に誘われたから20
3会社や仕事に魅力を感じたから17
4就職先に困っていたから14
5楽に転職ができるから9

引用)リクルートエージェント「転職成功ガイド>データ&ランキング>縁故転職者の実態とホンネ」(www.r-agent.com/guide/ranking/201007/)

 

 

実際、筆者自身もコネ入社で大きなメリットを経験した一人です。

その時の経緯をご紹介しましょう。

 

高校の同窓会へ参加したところ、高校・大学と同じだった友人に声をかけられました。

そして「従業員の一人が産休を取るから、一緒に働いてほしい」と持ち掛けられ、再就職に向けて活動中だった私はすぐに承諾しました。

友人から、社内の雰囲気や細かな仕事内容、正社員とパートの人数比なども事前に教えてもらえたため、安心して入社できました。

 

もちろん、コネ入社でも仕事内容や負うべき責任は他の従業員と変わりません。

ただ、転職エージェントからは得られない細かな情報まで得られたこと、職場訪問の際に緊張しなくて済んだこと、そして友人を介して他の従業員とすぐに仲良くなれたことなど、コネ入社だからこそ得られたメリットは非常に大きかったと感じています。

 

 

2.コネ入社のデメリット

 

 

①採用側のデメリット

 

相手の能力ではなく、属性のみで採用を決めてしまうコネ入社には、あまりメリットがありません。

 

たしかに、応募者が取引先の親族などであれば、入社させることにより取引の継続が担保されるというメリットはあります。

しかし、相手によっては気遣いが求められるケースも少なくありません。

また、能力が低ければ他の取引先や従業員からクレームが来る可能性があります。

その一方で、解雇が難しいというデメリットもあります。

 

筆者が以前勤めていた企業では、実際にこんな例がありました。

 

転職先がなく困っていた会社役員の甥が、営業職として採用されました。

本人にやる気はあるものの業績はまったくあがらず、部署内では当たり障りのない仕事しかさせられない状態が続いていました。

最終的にその社員は、会社が吸収合併される際に「雇用を守る」との名目で関連会社へ出向させられました。

 

このケースは、採用した会社だけではなく、採用された方にもメリットがなかったコネ入社だったといえます。

コネ入社であっても、マッチングが非常に重要であることがわかります。

 

 

②応募側のデメリット

 

コネ入社の場合、応募側にデメリットはあまりないように思われますが、入社した本人からしてみれば、正当な評価が得られにくい・他の従業員との関係に苦慮する・辞めたくても辞められないなどのデメリットがあります。

さらに、自分とはまったく関係のないトラブルに巻き込まれてしまうこともあります。

 

縁故入社のデメリット

順位理由回答数
1デメリットはない36
2周囲からの期待が大きい31
3仕事の成果が評価されにくい18
4職場に溶け込めない13
5ミスが許されない11

引用)リクルートエージェント「転職成功ガイド>データ&ランキング>縁故転職者の実態とホンネ」(https://www.r-agent.com/guide/ranking/201007/)

 

 

 

これは、私の遠縁にあたる人の話です。

 

その人は、義理の兄(実姉の夫)が取締役、義理の兄の母親(実姉の姑)が社長を務める会社に勤務していました。

コネ入社であったものの、一般従業員と同じ仕事をしており、待遇も他の人と全く変わらなかったそうです。

また、苗字が違うため、親類であることを知らない人がほとんどだったとのこと。

 

しかし、入社後しばらくして実姉と姑(社長)の関係が悪化。

毎日のように公私の区別なく社長からののしられ、社内でも孤立化が進んでいきました。

ただ、自分が退職してしまうと姉の立場がますます悪くなると思い、耐えながら仕事を続けていました。

ほどなくして実姉と義兄は離婚に至ったのですが、離婚が成立したその日に社長に呼び出され、

「いつまでもここにいられると思うな!さっさと辞めろ!」

と怒鳴られ、その日のうちに退職願を出さざるを得なかったそうです。

退職は1ヶ月後でしたが、自己都合退社とされたため失業手当がなかなかもらえず、大変苦労したそうです。

 

このように、コネ入社をすると仕事以外のトラブルに振り回される可能性があります。マッチングがうまくいっても、それ以外のところで足下をすくわれては元も子もありません。コネ入社には、それ相応の覚悟が必要といえます。

 

 

 

3.コネ入社はきっかけの一つ!win-winをめざして仕事に取り組もう

 

 

今回は、コネ入社の当事者である採用側・応募側のそれぞれの側面からメリット・デメリットを検証しましたが、入社後はすでに働いているほかの人たちとの関係も大切になります。

コネ入社でwin-winの関係を得るためには、仕事はもちろん、人と人との関係も大切にしなくてはなりません。

 

就職・転職は、入社がゴールではありません。そして、コネ入社はあくまで選択肢の一つです。きっかけをうまく活かし、長く続けられる仕事を探しましょう。

 

 

参考文献/参考サイト
*1参考)マイナビニュース「ワーク&ライフ>仕事術>コネ入社の人は働かない? 実情を調査した」
news.mynavi.jp/article/20200503-1022346/
*2参考)リクルートエージェント「転職成功ガイド>データ&ランキング>縁故転職者の実態とホンネ」
www.r-agent.com/guide/ranking/201007/

執筆者
名前:中西 真理
プロフィール:公立大学薬学部卒。薬剤師。薬学修士。医薬品卸にて一般の方や医療従事者向けの情報作成に従事。その後、調剤薬局に勤務。現在は、フリーライターとして主に病気や薬に関する記事を執筆。

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