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先行きが不透明な時代でも安心して働ける「入社3年後の離職率が0%」の大企業25社

世界銀行の「世界経済見通し(GEP)2020年6月版」によると、2020年の世界経済成長率は5.2%減になるとの予測が公表されました。

新型コロナの影響により、第二次世界大戦以来最悪の景気後退になるそうです。*1

そんな時代だからこそ、安定した労務環境で働ける会社を探してみたいと考える人も多いのではないでしょうか。

 

今回のトピックは「入社3年後の離職率が0%の大企業」です。

 

大企業という安定した基盤だけではなく、安心して働ける環境や待遇が期待できる大企業25社について特徴や待遇面などを詳しく解説していきます。

 

1.入社3年後の離職率が0%の大企業一覧

 

就職四季報2021年版によると入社3年後の離職率が0%の大企業は384社中25社となっています。

平均年収などの基本情報は、以下の通りです。

 

No 社名 業種 平均年収(万円) 平均勤続年数(年) 平均残業時間(時間/月) 有給取得実績(日/年)
1 (株)東洋経済新報社 出版 1,136万円 15年 26時間 11日
2 キーウェアソリューションズ(株) システム 578万円 18年 22時間 13日
3 明和産業(株)※三菱G 商社 765万円 16年 9時間 8日
4 三愛石油(株) 商社 928万円 18年 5時間 9日
5 (株)タクティー※トヨタG 卸売業 720万円 14年 18時間 15日
6 日東工業 電機 658万円 16年 34時間 13日
7 SMK(株) 電子部品 636万円 20年 4時間 12日
8 豊田鉄工(株)※トヨタG 自動車部品 749万円 16年 38時間 18日
9 トピー工業 自動車部品 708万円 18年 17時間 15日
10 (株)ジーテクト 自動車部品 658万円 16年 28時間 12日
11 太平洋工業(株) 自動車部品 698万円 16年 29時間 13日
12 (株)ミツトヨ 機械 700万円 18年 17時間 10日
13 (株)FUJI 機械 831万円 18年 27時間 17日
14 JUKI(株) 機械 675万円 19年 21時間 11日
15 (株)トクヤマ 化学 776万円 21年 13時間 16日
16 藤倉化成(株) 化学 684万円 16年 17時間 14日
17 大陽日酸(株) 化学 910万円 17年 16時間 12日
18 東亞合成(株) 化学 822万円 23年 8時間 18日
19 荒川化学工業(株) 化学 811万円 17年 17時間 13日
20 日本コークス工業(株) 土石 699万円 18年 20時間 11日
21 合同製鐵(株)※日本製鉄G 鉄鋼 596万円 15年 22時間 11日
22 大成有楽不動産(株)※大成建設G 不動産 775万円 14年 22時間 10日
23 学校法人 立命館 教育 非公開 14年 13時間 10日
24 NSユナイテッド海運(株)※日本郵船G 海運 879万円 16年 20時間 14日
25 (株)日本貿易保険 保険 875万円 7年 17時間 14日
  平均   731万円 17年 19時間 13日

※図1 参考)就職四季報 総合版2021年「会社比較384社 学生のための気になるデータくらべ」P42~P77を参考に筆者作成

 

業種では化学・自動車部品・機械メーカーがトップ3

図1によると、業種では化学が5社、自動車部品が4社、機械メーカーの3社がトップ3です。

自動車部品メーカーの(株)ジーテクトでは、女性活躍推進担当の女性社員を中心に

「女性が働きやすい職場の環境」に積極的に取り組んでおり、家庭と仕事の両立ために様々な施策を立案しています。

 

これからは女性の柔軟な働き方もきちんと対処してくれる企業が、ますます定着率を伸ばしていくことでしょう。*2

 

2.入社3年後の離職率が0%の大企業の特徴

 

それでは、入社3年後の離職率0%の大企業の特徴には、どのようなものがあるでしょうか

データを見比べると気になる4つの特徴が見られます。

 

特徴① 勤続年数の平均は16.6年と長め

入社3年後の離職率が0%である大企業25社の平均勤続年数は、16.6年です。(図1)

 

国税庁が実施した平成30年分「民間給与実態統計調査」(下図2)によると、H30年の男女合わせた平均勤続年数は12.2年ですから、平均より長めの会社が多いことが分かります。

 

国税庁 「平成30年分 民間給与実態統計調査」

図2 引用)国税庁 「平成30年分 民間給与実態統計調査」(第8表)平均給与 P12(https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2018/pdf/001.pdf)

 

図1を見てみると、瞬間接着剤の「アロンアルフア」を製造している東亞合成(株)は、平均勤続年数が22.8年と長めの年数であることがわかります。

 

他には化学メーカーの(株)トクヤマ(ガラス原料や洗剤などの原料などを製造)が平均勤続年数20.2年、電子部品メーカーのSMK(株)(コネクタ・スイッチなどの電子部品を製造)が19.9年と続いており、社員の定着率が非常に高いと言えます。

 

特徴② 平均年収は一般サラリーマンの約1.7倍

図2の国税庁 「平成30年分 民間給与実態統計調査」によると、平均年収は男女合わせて約440万円です。

 

図1のデータによると、入社3年後における離職率が0%である大企業25社の平均年収は731万円で、一般的なサラリーマンの年収より高めとなっています。

会社により平均年収には幅があり(株)東洋経済新報社の場合は1,136万円ですが、キーウェアソリューションズ(株)は578万円です。

 

平均年収で比較すると約2倍近く差がありますが、どちらも離職率が0%という点では変わりありません。年収だけが全てというわけではないのです。

 

特徴③ 残業時間は多いが有給取得実績は高い

他に目立つ特徴としては「残業時間は多いが有給取得実績は高い」というものが挙げられます。

厚生労働省の発表では、1ヶ月の残業時間の平均は14.5時間となっています。(図3)

 

一方で、図1に掲載している25社の1ヶ月平均残業時間は19.2時間ですから、いささか多いと言えるでしょう。

 

厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和元年10月分結果速報」

図3 引用)厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和元年10月分結果速報」第2表 月間実労働時間及び出勤日数(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r01/0110p/0110p.html)

 

図1によると、トヨタ自動車グループの豊田鉄工(株)の場合、平均残業時間は38.0時間です。

一般的なサラリーマンの平均残業時間に比べ、約2.6倍となっています。

自動車部品メーカーでは平均残業時間が多いところは他にもあり、太平洋工業(株)が29.3、

(株)ジーテクトが28.2時間です。

 

他業種では、電機メーカーの日東工業(電子機器収納キャビネットなどを製造)が34.3時間の平均残業時間、出版界では(株)東洋経済新報社の26.3時間が目立ちます。

 

ただ、もちろん多いところばかりではありません。

電子部品メーカーのSMK(株)は3.8時間、三愛石油(株)は5.2時間と少ないところも存在します。

 

このように、平均すると残業時間は多めですが、年間有給取得実績は12.7日と、有給取得実績が高いのも特徴です。

 

厚生労働省が作成した「平成30年就労条件総合調査の概況」の労働者1人平均年次有給休暇の取得状況のデータによると、日本の平均的な有給取得日数は9.3日です。(図4)

比較すると3~4日ほど多いと言えるでしょう。

 

なお、平均残業時間が多い豊田鉄工(株)は、有給取得実績は17.8日とナンバーワンです。(図1)

働くときはバリバリ働きますが、休む時はしっかり休める状況が考察されます。

 

また残業時間が少なく、有給取得実績が多い会社は東亞合成(株)が拳げられます。

1ヶ月の平均残業時間は8.2時間、1年の有給取得実績が17.6日となっており、働きやすい環境が整っていると言えそうです。(図1)

 

厚生労働省「平成 30 年就労条件総合調査の概況」

図4 引用)厚生労働省「平成 30 年就労条件総合調査の概況」P6 第5表 労働者1人平均年次有給休暇の取得状況(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/18/dl/gaikyou.pdf)

 

特徴④ 有名企業グループの関連会社が多い

4つ目の特徴は、25社のうち、日本を代表する有名企業(三菱・トヨタなど)の関連会社が6社ランクインしていることです。

大企業のグループ会社として安定した経営基盤が強みとなっています。(図1)

 

不動産業種でランクインしている大成有楽不動産(株)も大成建設グループの会社の一つで、オフィスビルや分譲マンションの開発・管理事業を展開。

有給を取得しにくい業界といわれる不動産業で、1年の平均有給取得日数は10.4日という実績を出しています。(図1)

 

3.会社選びには離職率の低さが重要!

 

冒頭にも述べましたが、一つの企業に安定して勤めるには離職率の低い会社選びが重要です。

ここでは新規大卒の離職者の平均や、安定して働ける環境について解説をしていきましょう。

 

①新規大卒の離職率の平均は約3割

厚生労働省「新規大卒就職者の事業所規模別就職後3年以内※の離職率の推移」によるH28年の離職率は、従業員数500~900人の会社では29.6%、従業員数1,000人の会社では25.0%と約3割の人が離職をしています。

 

従業員数が多い事業規模の大きな会社ほど離職率が高い傾向です。

 

このデータは平成16年の調査からほとんど横ばいの数値であり、毎年約3割の新卒社員が3年以内に離職していることが読み取れます。(図5)

 

入社年 5人未満 5-29人 30‐99人 100-499人 500-999人 1000人以上
2004年 60.9% 52.5% 43.1% 36.5% 28.8% 26.5%
2005年 59.4% 52.2% 43.3% 36.8% 34.1% 27.2%
2006年 58.7% 51.8% 42.8% 36.5% 32.8% 26.6%
2007年 59.2% 50.8% 41.7% 34.5% 30.3% 26.1%
2008年 57.5% 49.2% 39.5% 32.1% 27.3% 22.4%
2009年 59.1% 48.9% 39.4% 31.5% 27.0% 21.5%
2010年 59.2% 49.8% 37.9% 30.1% 26.3% 20.5%
2011年 61.1% 50.3% 38.3% 31.0% 28.2% 21.7%
2012年 60.4% 51.4% 39.6% 32.1% 28.7% 22.8%
2013年 59.6% 51.5% 39.0% 32.2% 29.3% 22.8%
2014年 59.0% 49.9% 38.6% 31.9% 29.2% 23.6%
2015年 59.1% 50.2% 38.8% 31.9% 29.8% 24.3%
2016年 57.0% 49.3% 39.0% 31.9% 29.6% 24.2%
2017年 57.7% 49.7% 39.3% 32.2% 29.6% 25.0%
平均 59.1% 50.5% 40.0% 32.9% 29.4% 23.9%

図5 引用)厚生労働省「新規大卒就職者の事業所規模別就職後3年以内※の離職率の推移」(www.mhlw.go.jp/content/11650000/000556488.pdf)

 

②大切なのは長く働ける安定した環境

現代の若い人にとって大切なのは、会社の知名度や年収の高さだけではありません。

マイナビニュースによると、「就職したい会社を選ぶ際に何を重要視しましたか」というアンケート調査では

 

1位 業務内容 65.0%

2位 勤務時間・所在地 51.5%

3位 会社の雰囲気 50.0%

4位 給与・昇給・昇格 49.0%

5位 福利厚生 44.5%

 

という興味深い結果が出ました。*3

 

1位には業務内容がランクされ、現代の若い人にとっては給与や福利厚生などの待遇面よりも、仕事の内容や勤務時間、会社の雰囲気などを重要視していることが分かります。

いくら高給であったり福利厚生が素晴らしくても、仕事の内容にやりがいがなければ魅力ある企業とは映らないのです。

 

また会社の雰囲気が良いという点も外せません。たとえ苦しい状況でも、ひたすらガツガツ働いてお金をたくさん稼ぐという昭和的なワーカホリックは、今の若手では非常に珍しい存在でしょう。

 

4.まとめ

 

今回は「入社3年後の離職率が0%の大企業」について詳しく解説をしてみました。

新型コロナの影響で先行きがますます見えない時代に入り、定着率が高い安定した企業を求める人は、これからも増えていくことでしょう。

 

長く働き続けるためには、自分に適した業務内容や安心して働ける居心地の良い職場環境が欠かせません。

いくら年収が高くてもやりがいが感じられなかったり、身体を休めることができなかったら、いつか心身ともにバランスが崩れてしまいます。

 

企業選びをする際には給与などの待遇面だけでなく、離職率にも注目して就職活動をするようにしてみてください。

 

 

参照データ
*1 参考 世界銀行「世界銀行モーニングセミナー(第67回)「世界経済見通し(GEP)2020年6月版」https://www.worldbank.org/ja/events/2020/06/18/gep-covid-19-to-plunge-global-economy-into-worst-recession-since-world-war-ii
*2 参考)(株)ジーテクト「働く女性が、輝ける職場へ。~女性活躍推進の取組み~」https://www.g-tekt.jp/recruit/training-support/index.html#women
*3 参考) マイナビニュース「就職先を選ぶ際に重視すること、1位は?」
news.mynavi.jp/article/20160928-a263/#:~:text=%E3%80%8C%E5%B0%B1%E8%81%B7%E3%81%97%E3%81%9F%E3%81%84%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E3%82%92%E9%81%B8%E3%81%B6,44.5%25)%E3%81%A8%E7%B6%9A%E3%81%84%E3%81%9F%E3%80%82
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