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データから見る経理職の転職 実務未経験者が転職を成功させるポイントとは
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企業のお金を扱う経理職は専門性が高く、転職では実務経験を求められることが多い職種です。

実務経験がない方が経理職への転職を目指す場合、未経験でも転職できるか気になるのではないでしょうか。

また、経理職はAI(人工知能)やロボットにより代替可能な仕事のひとつに挙げられていることから、将来性について心配している方もいるでしょう。

 

そこで今回は、経理職の将来性や仕事内容、未経験者が転職を成功させるポイントについて詳しく解説します。

 

1.経理職の将来性について

 

英オックスフォード大学と株式会社野村総合研究所の共同研究によると、日本の労働人口の約49%が就いている職業について、AIやロボットにより代替可能だと推計されています。*1

 

代替可能な職業の中には「経理事務員」も含まれており、将来的には伝票入力などの単純作業はなくなる可能性が高いでしょう。

しかし、経理職の仕事自体がなくなるわけではありません。

業務効率化のためにAIやロボットを導入するにしても、経理業務を理解している社員がいなければ導入は難しいからです。

 

総務省の調査研究によれば、AIの導入によって機械化可能性が高い職業のタスク量が減少する一方で、

「AIを導入・普及させるための仕事」

「AIを活用した新しい仕事」

の2種類の仕事により、タスク量が増加するとの見方もあります。

 

総務省 平成30年度版 情報通信白書「第1部 特集 人口減少時代のICTによる持続的成長」

引用)総務省 平成30年度版 情報通信白書「第1部 特集 人口減少時代のICTによる持続的成長」(https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd145210.html)

 

また、会計基準や税制は年々複雑化しているため、企業経営においては専門性の高い経理人材の確保は不可欠です。

単純作業を行う経理事務員の求人は減少するかもしれませんが、専門性の高い経理人材を求める企業は今後も増えていくと考えられます。

 

2.経理職の仕事内容とは

 

経理職が企業のお金を扱う仕事であることは知っていても、具体的にどんな業務を行うかはイメージできないのではないでしょうか。

経理職の主な仕事内容をまとめました。

日常業務現金出納、経費精算、伝票入力など
月次業務売掛金管理、買掛金管理、預金管理、銀行振込(経費、給与など)、月次決算など
年次業務決算整理、会計監査対応、財務諸表作成(連結含む)、税務申告など
その他銀行対応、予算・実績管理、税務調査対応など

 

経理では、現金出納や経費精算といった日常業務から、月次・年次で取り組む業務、イレギュラー対応まで実にさまざまな業務があります。

事業規模によって変わってきますが、基本的には1人ですべての業務をこなすのではなく、仕事内容によって複数人で分担します。

企業規模が大きくなるほど業務は細分化され、大企業の場合は売掛金管理だけで1つの部署があるようなケースもあります。

実務未経験の場合、まずは日常業務や月次業務からスタートし、その後は年次業務やイレギュラー対応にも関わっていくことになります。

 

このように、経理職の仕事は経験やスキルに応じて対応できる業務が増えていくので、少しずつステップアップしていけるのが魅力です。

 

3.未経験者が経理職への転職を希望する年齢

 

実務未経験者が経理職への転職を目指す場合、転職活動を始める年齢は重要なポイントになります。

株式会社MS‐Japanが公表したデータによると、未経験者が転職を希望する年齢は20代後半が最も多く、次いで30代前半、20代前半となっています。

 

経理財務転職市場_年齢

引用)株式会社MS‐Japan「2020年の経理財務転職市場はどうなる?2019年データから予想!」(https://www.jmsc.co.jp/knowhow/topics/11777.html)

 

経理職の転職においては、30代以降は経験者を求める傾向にあり、即戦力や幹部候補として採用されることが多くなります。

未経験OKの求人では

 

「ポテンシャルや将来性を重視する」

「若返りを進める」

「幹部候補として採用後に育てる」

 

といった目的で採用を行うため、年齢が高くなるほど未経験で転職するのは難しくなります。

未経験で経理職への転職を目指すなら、20代のうちに動くほうが成功する可能性は高いでしょう。

 

4.未経験者が経理職へ転職した場合の年収

 

未経験者が経理職への転職を目指す場合、年収も気になるのではないでしょうか。

株式会社MS‐Japanが公表したデータによると、転職に成功した年齢で最も多いのが30代、次いで40代です。

そして、提示される年収は30代が400万円台、40代は600万円台が多くなっています。

 

経理財務転職市場_年収

引用)株式会社MS‐Japan「2020年の経理財務転職市場はどうなる?2019年データから予想!」(https://www.jmsc.co.jp/knowhow/topics/11777.html)

 

こちらは経験者が転職したときの事例であることから、未経験の場合はもう少し低い年収が提示されるでしょう。

具体的には、年収300~400万円程度が多いと考えられます。

ただし、前職での年収や実績・経験によっては、もう少し高い年収が提示される可能性もあります。

 

5.未経験者が経理職への転職を成功させるポイント

 

未経験者が経理職への転職を成功させるには、以下のポイントを押さえておく必要があります。

 

①基本的な会計知識は必須

たとえ未経験OKの求人であっても、経理職への転職では基本的な会計知識は必須です。

具体的には、日商簿記2級取得がひとつの目安になります。

日商簿記2級では高度な商業簿記と工業簿記を学ぶため、取得していれば未経験でもスムーズに業務をスタートできます。

 

簿記は経理職の共通言語です。

プログラミングなどのITスキルがないと、プログラマーやエンジニアに転職するのが難しいように、簿記がわからなければ経理職への転職は難しいでしょう。

日商簿記1級や税理士資格といった難易度の高い資格は必ずしも必要ありませんが、実務未経験で経理職への転職を目指すのであれば、最低でも日商簿記2級は取得しておきたいところです。

 

②年齢は若いほど有利になる

経理職は、経験・実績があれば40代以降でも転職は可能です。

しかし、未経験OKの求人は20代が多く、30代以降は経験者を求める傾向にあります。

実務未経験者が経理職への転職を目指すのであれば、とにかく早く動くことが重要です。

 

③会計知識以外に求められる経験・スキル

経理職への転職では、会計知識の他に以下の経験・スキルがあると有利です。

  • 基本的なパソコンスキル
  • コミュニケーション能力

 

経理の仕事では、基本的なパソコンスキルが求められます。

たとえば、CSVデータを取り込んで自動仕訳を行うなど、伝票入力は効率化が進んでおり、伝票を見ながら入力するだけの単純作業は少なくなっています。

新たな会計ソフトを導入する際は社内のシステム部門と連携し、また決算資料などはエクセルで作成することが多いでしょう。

金融機関や監査法人などの外部機関とデータをやり取りする機会もあります。

 

また、経理職は他部署や経営層、外部(金融機関、監査法人、会計事務所など)とのやり取りが多い仕事でもあります。

業績などについて、根拠を提示しながらわかりやすく説明しなくてはならない場面もあるため、コミュニケーション能力も必要です。

 

「経理は事務作業が多くて人と関わる機会が少ない」

というイメージで転職を目指すなら、考え直したほうがいいかもしれません。

 

6.まとめ

 

実務未経験者が経理職への転職を目指すなら、なるべく20代のうちに動くほうが有利です。

未経験OKの求人はポテンシャル重視で社員の若返りを主な目的としていますが、30代以降は即戦力として経験者を求めることが多くなります。

転職に必要な知識やスキルを習得して、なるべく早く転職活動を始めましょう。

 

参照データ
*1参考)野村総合研究所「日本の労働人口の 49%が人工知能やロボット等で代替可能に」
www.nri.com/-/media/Corporate/jp/Files/PDF/news/newsrelease/cc/2015/151202_1.pdf

執筆者
名前:大西 勝士
金融ライター(AFP、2級FP技能士)
フリーランスの金融ライター。会計事務所、一般企業の経理職、学習塾経営などを経て、2017年10月より現職。10年以上の投資経験とFP資格を活かし、複数のメディアで執筆しています。
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