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心理学的に見た面接での第一印象対策 高評価を貰うためこれだけは抑えよう!

心理学的に見た面接での第一印象対策 高評価を貰うためこれだけは抑えよう!

就職活動や転職活動で、とりわけ重要とされる「第一印象」。

ここでしくじってしまうと、後でそれを挽回するのは至難の業です。

 

そうはいっても、どれくらい影響力があるものなのかや、具体的にどういったポイントに気をつければいいのかなど、ちゃんと理解できている人も少ないのではないでしょうか。

 

第一印象で損をしないためには何に気をつければいいのかを解説します。

 

 

1.どうして第一印象で決まってしまうのか

 

 

「見た目だけで人を判断するのは、やめて欲しい」

 

 

採用面接に限らず、初対面でよく誤解されるという人は、そう感じることも多いはずです。

 

長く付き合えば、お互いにどういう人なのかはよく分かるものですが、短い面接時間で判断しないといけない採用面接ではそうもいきません。

そうなってくると、面接官も見た目で判断すべきでないと分かっていても、どうしても第一印象で判断してしまうことも多くなってきます。

 

第一印象に基づいて作られたイメージというのは、簡単に書き換えることができません。

そのため、出会った直後にいかに良い印象を与えるのかが重要になってきます。

悪い印象を持たれてしまうと、後で挽回しようとするのは非常に難しいものなのです。

 

それではどうして、第一印象の影響力がこれほどにまで強くなってしまうのでしょうか?

 

その理由は、人類の進化の歴史にあります。

 

実は、現代人の脳は、発達した文明を持つようになったとはいえ、基本的な働きは原始人と大きく変わりません。

 

自然界で暮らしていた原始人には、近づいてくるものが安全なものなのか、脅威となるものなのかを素早く判断する必要がありました。

そのため、少ない情報量で素早く判断を下せるように、第一印象で判断するようになったわけです。

 

第一印象が簡単に書き換えられないのも、それが命の安全を守るために重要なものであるからだと考えることができます。

最初のイメージをコロコロと書き換えるということをしいていると、素早い判断に支障をきたしてしまいます。

 

このような意志決定をしていると、スピードは確保できる分、どうしても精度が犠牲になってしまいます。

 

現代人にも、原始時代からずっと受け継がれてきたこのような脳の働きがあるため、無意識のうちに第一印象で判断をしてしまうのです。

 

 

 

2.印象は飛び抜けた特徴の影響を受けやすい

 

 

何か一つのことで突出した実績や特技を持つ人がいると、あたかもその人の能力が全体的に高いかのような錯覚を生じることがあります。

 

これは心理学的には「ハロー効果」と呼ばれるもので、採用などでは特に問題になります。

 

面接官が応募書類をチェックして、「優秀な人材だ!」と判断して採用したものの、実際には思ったほど結果が出なかったということもあります。

 

このような錯覚は、無意識下で起こります。

そのため、面接官としては「自分は公平に採用選考をした」と思いがちですが、知らない間にかなりの影響を受けてしまっているのです。

 

それではどうして、このようなことになってしまうのでしょうか?

 

現代人の脳も、無意識下では原始人と同じように限られた情報で素早く意思決定をしようとします。

 

情報量が少なくなってしまうと、意志決定の精度は下がってしまいます。

 

そこで、影響力の大きいであろう飛び抜けた特徴に着目すれば、ある程度の意志決定の精度を確保できるというわけです。

 

気をつけないといけないのが、ハロー効果は「ポジティブな方向」だけでなく、「ネガティブな方向」にはたらく場合もあるということです。*1

十分な能力を持っているにも関わらず、目につきやすい欠点があると、全体的に能力が低いとみなされてしまいます。

 

なんとなく「おとなしい、元気が無さそう」という印象から、あまり仕事でも結果を出せないのではと判断されてしまうとマイナスです。

このようなネガティブなハロー効果は、特に注意が必要です。

 

努力もしていて十分な能力もあるにも関わらず評価してもらえないという場合には、ネガティブな印象が陰で足を引っ張っている可能性があります。

 

ハロー効果の厄介な点は、無意識下ではたらくため、自分も相手も気づきにくいことです。

 

何かおかしいと感じた時には、少し時間を空けてから応募書類や面接時の立ち振る舞いを客観的に見直すようにすれば、評価のズレに気がつきやすくなります。

 

間違った評価によって人生を左右されてしまわないようにするためにも、ぜひとも気をつけたいところです。

 

 

3.話す内容よりも影響力の強いものとは

 

 

第一印象に一番影響を及ぼすものとは何でしょうか?

 

実は、話す内容の影響度というのは思いのほか小さく、大部分は見た目と声の印象で決まってしまいます。

 

言葉を使って論理的に物事をとらえる能力は、見た目や声のトーンといった非言語的なものから情報を得る能力に比べると遅れて発達したものであるため、どうしても非言語の情報の影響力の方が強くなります。

 

それでは具体的に、どれくらいの影響力の差があるのでしょうか?

 

言語と非言語が印象に与える影響について明らかにしたものとして有名なメラビアンの法則と呼ばれるものがあります。

 

それによると、各要素が印象に与える影響は以下の通りです。

 

 

印象に与える各要素の影響度(筆者による図解)

印象に与える各要素の影響度(筆者による図解)

 

 

 

見た目と声が、非言語による情報です。

見た目だけで55%もあり、声の印象も38%と大きな値です。

 

このことからも第一印象を良くするためには、見た目や声の出し方について対策を取るのがいいということが読み取れます。

 

面接ともなると、どのように自分をアピールしようかと話す内容にばかり意識がいきがちです。

しかし、話す内容が影響する割合は、たったの7%しかありません。

 

話す内容を完璧に練り上げたとしても、見た目や声に問題があれば、残念な結果になりかねません。

 

印象を良くするためにも、まずは見た目と声を意識するようにしましょう。

 

 

 

4.印象をコントロールするために気をつけておきたいこと

 

それでは印象対策として、どういった点に気をつけていけばいいのかについて解説していきます。

 

まず優先的に押さえておきたいのが、見た目対策です。

 

面接ではシワのないスーツを着て、清潔感のある格好をして臨むというのがよく言われることです。

 

ここではそのような一般的に言われている対策はできているという前提で、それ以外の部分で特に気をつけたいポイントを解説します。

 

 

 

③見た目で気をつけたいポイント

 

a.体の一部をあまり触らないようにする

 

不安や緊張が高まった時に、腕や膝をさする、髪の毛を触る、頭を掻くといった動作をしてしまうことがあります。

 

これは心理学的には、自分の体に触れることで不安や緊張を和らげようとする「なだめ行動」と呼ばれる行為です。*2

 

面接で緊張している際に、いつもの癖でやってしまうと、なんだか頼りないような印象を与えてしまいかねません。

 

不安や緊張が高まると無意識的にやってしまいがちなので、うっかり面接官の前でやってしまわないように注意しましょう。

 

 

b.視線をキョロキョロさせない、アイコンタクトを意識する

 

面接のために会社に訪問した際や、面接室に入る際などに、周囲が気になって視線があちこちにいってしまうということもあるでしょう。

 

ただ、あまりキョロキョロし過ぎてしまうと、不審者のような印象を与えてしまいます。

 

場合によっては、何かアラ探しでもしているかのような印象さえ持たれかねません。

 

あまり視線を泳がせるというようなことは、しない方がいいでしょう。

 

また、面接中にも、アイコンタクトがちゃんとできていないと、ウソを言っているかのような印象を持たれることがあります。

 

どうしても視線を合わせるのが苦手だという場合には、相手の胸元あたりを見るようにするといいでしょう。

 

 

c.腕時計を身につけるようにする

 

今はスマホで時間を確認できるようになったということから、腕時計を持たないという人も増えています。

 

しかし、腕時計をしていないと、時間を気にしない人だという印象を与えてしまいやすいので、注意が必要です。*2

 

また、仕事中にスマホを見てしまうと、余計な通知やアプリが目についてしまい集中力がそがれてしまう可能性もあります。

 

そういった点も踏まえ、仕事ができない人という判断をされかねないので、腕時計は身に付けておいた方がいいでしょう。

 

 

見た目は印象に与える影響の半分を占めるので、見た目に気を配るようにするだけでも、印象はかなり改善するはずです。

 

見た目に加えて、声の印象対策もできるようになれば、印象の9割は改善できます。

 

それでは、声について気をつけたいポイントについて解説していきましょう。

 

 

 

②声で気をつけたいポイント

 

a.声が小さくなり過ぎないようにする

 

声が小さいと、自信がない、元気がないという印象を与え、仕事で成果を出せない人という判断をされかねません。

 

普段、それほど声が小さくないという人でも、いつも通りにしゃべったとしても、面接では面接官との距離があります。

 

ですので、面接官にはこちらが思っているよりも小さな声で聞こえている可能性があります。

 

そのことも考慮して、少し大きめの声を意識しましょう。

 

また最近のリモート面接においても、マイクがちゃんと声を拾いきれていないと印象を悪くしてしまいますので、音声に問題が無いかは事前に確認しておきましょう。

 

 

b.なるべく低く、ゆったりした声を心がける

 

面接となると多くの人は緊張しますので、声はいつもよりも高めになり、話すスピードも速くなりやすくなります。

 

ただ気をつけないといけないのが、ウソをついている時も同じように声が高くなって、話すスピードも速くなります。

 

そのため、単に面接で緊張しているだけであるにも関わらず、面接官の目には内定を取るために話の内容を盛っているのではないかという印象を持たれてしまう可能性があります。

 

話す際には、なるべく低く、ゆったりした声で話すように意識しましょう。

 

 

第一印象は、見た目と声に気を配るだけで、かなり改善できます。

 

良い印象を持たれていないと感じるのであれば、見た目や声に問題がないか、見直してみましょう。

 

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Editor12

コミュニケーションマインド代表、心理カウンセラー(NLPマスタープラクティショナー) 職場の人間関係、発達障害によるコミュニケーションの悩み、その他、コミュニケーションスキルの不足による問題の解決を脳科学と心理学を用いてサポートしています。

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