面接における最初の質問で多いのが「自己紹介」です。履歴書や職務経歴書を見ればわかる内容である自己紹介を、わざわざ質問する背景には理由があります。採用担当者は自己紹介を聞いている時にどのようなことをチェックしているのでしょうか。
この記事では自己紹介で良い印象を残すために、自己紹介を準備する時のポイントと効果的な自己紹介の答え方を紹介します。
1.面接の自己紹介は自分を知ってもらうためのもの
転職の面接での自己紹介は、自分がどんな人間なのか掴んでもらうための最初のステップです。まずは、自己紹介を考えるために「自己紹介」と「自己PR」の違いを整理しておきましょう。
自己PRは、自分の魅力を伝えるためのもので、具体的な数字や実績、成果を挙げてこれまでの経験やスキルをアピールします。一方で自己紹介は、自分がどこの誰なのか知ってもらうために、人柄や経歴、所属などを簡単に伝えることです。
自己紹介を求められているのに、実績やスキルについて事細かに話すと自己PRのようになって、「聞かれた質問を理解していない」「的外れな回答」と思われてしまうかもしれません。
そのため転職面接の自己紹介を作るときは、①名前、②あいさつ、③経歴・現職、④結びの言葉の4つのポイントにしぼってシンプルにまとめるようにします。
②本日はお時間をいただきありがとうございます。
③ものを作る仕事に就きたいと思い、広告制作会社である△△株式会社に入社後、営業として新規顧客の開拓を行なってきました。現在ではチームリーダーとして、企画やマネジメントにも携わっています。
④どうぞよろしくお願いいたします。
2.自己紹介で面接全体に良い流れを作ろう
採用担当者が自己紹介のときに感じた印象は、面接中もずっと影響します。自己紹介で好印象を持ってもらえると、その後の質疑も良い雰囲気で進みやすくなるため、自己紹介で良い印象を残すことは重要です。
それでは好印象を与える自己紹介のポイントをみてみましょう。
①.笑顔と落ち着いたしぐさで第一印象をアップ
採用担当者は自己紹介の内容だけでなく、話し方や表情に表れる「人柄」や「コミュニケーション能力」から、会社が求める人物像と一致しているか、または扱いにくい人物ではないかチェックしています。
そこで大切なのが、笑顔と相手の目を見て話すことです。緊張していることは向こうも理解していますが、あまりに目を合わせない、表情が暗いというのは、やはり良い印象を与えません。深呼吸をして緊張をほぐし、目・口元を緩めてほほえむようにすると、イメージが良くなるでしょう。
また姿勢が悪いと相手にだらしない印象を与えるので、椅子に座った時は、背筋をのばし体が傾かないよう気を付けます。自分でも気が付かないうちに姿勢が歪んでいることがあるので、一度鏡の前で椅子に座り、相手からどのように見えているかをチェックしてみてください。
表情・しぐさで悪い印象を与えると、内容がいくら良くてもマイナスのイメージばかり残ってしまうので気を付けましょう。
②.簡潔にまとめた経歴で興味を引く
転職の面接なら、学歴ではなく募集内容につながるような職歴を中心に、経歴を組み立てましょう。強みとなる経歴は詳しくアピールしたいところですが、自己紹介の時点ではすべてを盛り込まずに簡潔にまとめるようにします。
自己紹介で話す経歴は、興味を持ってもらうためにタネをまくようなものです。概要をあくまでも簡潔に話すと、採用担当者の目に留まりそうな内容を多くちりばめることができます。どの部分が芽を出すか、つまりどの部分に興味を示し深く掘り下げるかは、採用担当者次第です。
例えばこのような経歴を話したとします。
③.1分で要点をまとめる
自己紹介では、限られた時間内に必要な情報をまとめる能力も見られています。長すぎて要点がまとまっていないと、言いたいことを伝える説明力が低いと思われてしまうので、自己紹介は1分程におさめるようにしましょう。
ただし面接によっては「2分で」「3分で」などと自己紹介の時間を指定されることがあります。落ち着いて対応するために2分用、3分用などいくつかのパターンを考えておくことをおすすめします。
気を付けたいのが、準備として原稿を作り、一字一句違わずそのまま暗記することです。暗記した自己紹介は話し方の抑揚が不自然になり、良い印象は与えません。
準備するときは、話す要点と順番だけ書きだして、語尾や細かい言い回しは自分の言葉で話すようにしましょう。
3.まとめ
最初の自己紹介で与える印象は、転職の面接全体の印象を左右すると言っても過言ではありません。笑顔でハキハキと話し、要点を抑えたわかりやすい自己紹介を行うことで、好印象を与えてから面接の質疑をスタートできます。
きちんと準備された自己紹介は、面接で自分をアピールするための良い雰囲気を作り、転職を成功させる助けになるでしょう。