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2021年の最新情報 “現役人事が教える”就活のグループディスカッションで見られているポイント

【現役人事が教える】-就活のグループディスカッションで見られている点

就活でグループディスカッションを行う企業がありますが、直前にテーマを与えられるため、苦手とする人が多いのではないでしょうか。しかし、グループディスカッションで企業がどのような点を評価しているのかをあらかじめ知っておけば、対策が立てられるかもしれません。

 

そこで、今回は新卒をグループ全体で年間1,000人規模で採用をしている超大手人材会社の現役人事担当者に、グループディスカッションで企業が評価する学生について教えてもらいました。

 

渡辺
今回は、私の前職でもある大手人材会社の人事部マネジャーである「山田さん(仮名)」にインタビューをしました。

 

 

1. グループディスカッションはどのように行うのか

 

グループディスカッションを通して多くの学生の採用合否を決めてきた大手人材会社の人事部マネジャーである「山田さん(仮名)」に、まずはグループディスカッションをどのように行っているのかを聞いてみました。

 

―― グループディスカッションの流れを教えてください。

 

山田さん 企業によってやり方は違うと思いますが、一般的に1グループ5名から多くて7名ほどの学生に、面接官が2名参加してすすめます。面接官がその場でディスカッションの議題を提示して、1時間ほど自由にディスカッションしてもらいます。

 

最後に2人の面接官が互いの評価を見ながら話し合い、選考を行いますが、通過者が出ない場合もあれば、複数人の通過者が出るケースもあります。

 

―― グループディスカッションのテーマはどのようなものが選ばれるのでしょうか?

 

山田さん グループディスカッションは、知識の有無が評価につながるわけではありませんし、またそれが議論の妨げになることを避けるためにもごく一般的なテーマを選ぶようにしています。例えば、製品の技術的な問題点をテーマにしてしまうと、理系の学生に有利に働き、文系の学生は議論に加われなくなってしまいますので。

 

具体的には「○○の売上を上げるためにできることとは?」「企業で大事なのは売上か商品価値か?」といった、誰でもなんらかの意見を出せるものが選ばれます。

 

 

2. グループディスカッションで見るのはコミュニケーション能力と論理的思考力

 

―― グループディスカッションでは、どのような点を見ているのでしょうか?

 

山田さん 面接官は、学生が社員になったとき、「自社の一員として一緒に働きたいと思える人物かどうか」を見極めようとしています。とくに仕事において重要な「コミュニケーション能力」と「思考力」を観察しています。

 

―― 具体的に教えてください。

 

山田さん 例えば、先ほどの「企業で大事なのは売上か商品価値か?」といったテーマで、どちらを大切と答えるかが評価に影響することはありません。どちらであっても、自分の考えをきちんと主張できるかどうか、また別の意見に反論するときでも、論理的に話せるどうかは重要ですね。

 

また、自分の主張を通そうとするだけではなく、ほかのメンバーの様子や雰囲気を読み取ろうとしているかどうかも見ています。発言の少ないメンバーから意見を引き出し、コミュニケーションを取ろうとする学生は高く評価できます。

 

 

3. グループディスカッションでNGとされる行動

 

―― では反対に、こういった行動はグループディスカッションでNGというものはありますか?

 

山田さん 人の意見を聞けない人はどうしても評価が低くなりますね。人の話を聞くというのは、仕事をしていく上でとても大切なことです。自分の意見を主張するだけで、人の話が聞けない人とは、一緒に仕事ができるとは思えませんから。

 

また、自分で考えるのではなく、短絡的にフレームワークやツールを使おうとするのも高く評価されません。そのフレームワークやツールをしっかり自分のものにしている学生はまれで、大抵はなんとなく知っているものを当てはめる、といった使い方になってしまうケースが多く見られます。

 

そうなると、そもそものスタート地点が枠にはまってしまっている分、テーマを深掘りできず、議論が浅くなってしまいます。

 

―― 少し話が変わりますが、発言回数が少ないと評価は低くなってしまうのでしょうか。

 

山田さん 発言回数が多ければ多いほど高評価、というわけではありません。発言の回数が少なくても、その質がよければ評価は高くなります。

 

かといって、一撃必殺を初めから狙うよりは、最初から積極的に議論に参加するほうが、やはり面接官の目に留まる回数は増えるのでよいのではないでしょうか。

 

―― 最後にグループディスカッションを受ける学生に向けて、一言アドバイスをお願いします。

 

山田さん グループディスカッションは、正解を出すことを目的とはしていません。話し合いを通して、学生の資質を見るために行うものです。自分の考えを、しっかりと根拠を持って論理的にぶつけ合いつつ、協力して答えを導き出すことができればよいのです。ぜひディスカッションそのものを楽しんでみてください。

 

 

4.まとめ 

 

今回は、大手人材会社の人事部マネジャーである「山田さん(仮名)」に、グループディスカッションとはどのようなものなのか、評価ポイントなどをあわせて教えてもらいました。

 

グループディスカッションでは、自分の意見を主張するだけではなく、まわりにもしっかり心配りができる「社会人としての資質」が見られるということを、しっかり意識することが大切です。

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編集者 渡辺

人材業界の大手転職メディアの企画/編集を15年、そして10年以上新卒・中途採用の面接官を行い、年300人以上の就職者に耳を傾けてきました。特異分野は、各業界や企業の分析、データに基づいた役立つ記事を更新していきます。

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