企業研究
「楽に」「誰でも」「必ず」儲かる…?副業詐欺の手口と、被害に合わないための対策

在宅での様々な副業がある中で、あたかも短時間で楽に、特別な知識がなくても誰でも稼げるようなうたい文句で副業を持ちかけてくる事業者があります。

 

中には悪質な「副業ビジネス」も含まれています。詐欺的な手段で、儲かるどころか100万円200万円を騙し取ろうとするものもあります。

 

消費者庁などが注意喚起する悪質副業ビジネスの手口と、被害防止策をここで紹介します。

 

 

 

1.在宅スマホ副業で7日で20万円?

 

最近SNSで、短時間の簡単な副業で大金を稼いだ経験談についての投稿をよく見かけるようになりました。

また、見知らぬ人からLINEなどでメッセージがきて、稼げるノウハウを伝授するとうたって転売などの副業を持ちかけるものもあります。

 

消費者庁は、こうした「副業ビジネス」事業者について、これまでに実名を挙げて注意喚起を出しています。

 

その一例が「在宅スマホ副業で7日で20万円稼げる人続出中!」という謳い文句で、逆に高額なお金を払わせる業者の手口です。

 

東京都渋谷区に商業登記をしている「株式会社トップ」は、SNSで知り合った人に今なら自分の紹介で無料モニターを経験できると持ちかけていました。

 

そこであたかも高収入が得られるように見せかけ、その後の流れは下のようなものです(図1)。

 

図1 「株式会社トップ」の勧誘の仕組み

図1 「株式会社トップ」の勧誘の仕組み
(出所「『在宅スマホ副業で7日で 20 万円稼げる人続出中!』などとうたい、多額の金銭
を支払わせる事業者に関する注意喚起」消費者庁)(https://www.pref.yamagata.jp/documents/1862/top.pdf)

 

 

利用者からの相談が相次いだことで消費者庁が実名を公表した という背景があります。

 

このように記事でこの話について読んでいると、「そんなにおいしい話があるわけがない」と感じるかもしれませんが、事業者はあらゆる言葉を尽くして勧誘してきます。

 

この業者の場合、SNSで知り合った人からのメッセージにはこのようなことが記されていました。

 

「私も最初は軽い気持ちでしたが、5分の作業でその日のうちに3万円も GETしてしまいました」

「その後、たったの1週間で 22 万円」

「1ヶ月で 100 万円を超えました」

「今なら●●の紹介って言ってもらえば、無料モニターを体験できます」

 

そして、記載されたURLのサイトを見ると、

 

「在宅スマホ副業で7日で 20 万円稼げる人続出中!」

「簡単安心の稼げる副業」

「サイドビジネスランキング第1位」、「ユーザー満足度第1位」

「10 名様限定追加募集!」

 

という言葉が並んでいるという具合です。

 

そこから、モニター体験のためにはLINEの友だち登録が必要だという流れになります。

登録をすると、

 

「1日5分で2万円以上稼げる副業を紹介しています。」

「現在人気のために、紹介に限り無料モニター参加が可能です。」

「無料モニター希望の方は、紹介者の名前を LINE してください。」

 

といったメッセージがさらに送られてくるという始末です。

 

2.メッセージで個人を狙い撃ち

 

 

この話題について、「リア友」と会話している場面を想像してみてください。

「本当なの?」「怪しくないのかな」などと話し合うことでしょう。

 

しかし、この場合、個人へのメッセージという形で勧誘をしています。

一人で、「紹介限定」という謳い文句がつくと、自分だけに向けられたものだと感じて判断力が低下してしまい、「試すだけならいいかな」と思ってしまうことは珍しくありません。

 

そこから始まり、気がつけば業者に主導権を握られ、高額な支払いののちに後悔して「詐欺だ!」と感じたとしても、時すでに遅しとなってしまいます。

 

というのは、消費者庁から公開された理由は「虚偽・誇大広告にあたる」というものだからです。

 

実際にはいないと考えられますが、もし実際に稼いでいる人がいたとしたら「詐欺事件」とは言い切れなくなってしまうという側面があるため、余程の大きな被害が出た場合などを除けば、警察がすぐ動くとは限りません。

 

 

このように「儲け方などのマニュアルやノウハウといった情報を売る」形態のビジネスは「情報商材」と呼ばれます。

 

情報商材を販売する行為そのものは違法ではありませんが、情報詳細の契約をめぐるトラブルの相談件数は急増しています(図2)。

 

 

情報商材に関する相談件数の推移

図2 情報商材に関する相談件数の推移(出所「令和元年消費者白書」消費者庁)(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/white_paper/2019/white_paper_214.html)

 

 

要因としては、SNSで気軽に勧誘できるようになったことがあります。

またインターネット上で契約が全て完結できる利便性が逆にトラブルの種になっていることも考えられます。

 

 

3.副業に関する情報商材の他事例

 

 

冒頭に紹介した事例はスマホ操作、というものですが、他にもあります。

 

「食事の写真を投稿するだけで1枚あたり5000円から1万円すぐに手に入る」などのうたい文句で、まず1万円程度の情報商材を購入させる手段です。

しかし1万円では期待通りの稼ぎができず、そこから「さらに儲けを出すには別のプランを利用する必要がある」と誘導し、多額の金銭を支払わせていた複数の業者についても、消費者は実名を挙げた注意喚起を行っています(図3)。

 

 

架空の副業ビジネスの例

図3 架空の副業ビジネスの例
(出所「最初に1万円程度の情報商材を消費者に購入させ、その後に執ような電話勧
誘により著しく高額な情報商材を購入させる事業者4社に関する注意喚起 」消費者庁)(https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_policy_cms103_200318_0001.pdf p7)

 

 

実際は根拠や実態がなく、いくら支払っても稼げるどころかお金を取られただけ、という相談が相次いでいるのです。

 

 

4.被害に遭わないために

 

 

警視庁はこうしたインターネット上での契約でトラブルや被害を防止するために、このような対策を紹介しています。

 

<引用>「インターネット利用詐欺」警視庁
  • 相手のメールアドレスしか知らず、実際に会ったこともないなど、信用できない相手の話は信じない。
  • 出会い系や交流サイトへの登録を要求してくる場合や、お金の支払いを求めてくる場合は、詐欺を疑う。
  • 見知らぬ人に、安易に自分の個人情報を教えない。
  • 利用規約をよく読み、料金に関して不明な点があるサイトは利用を避ける。
  • 他人に見られて困るような画像は、悪用される場合があることから送信しない。

<引用>「インターネット利用詐欺」警視庁
www.keishicho.metro.tokyo.jp/sodan/nettrouble/jirei_other/internet_scam.html

 

また、「転売で必ず儲かる」と情報商材の契約を勧誘する業者もあります。

こちらも最初は1万円程度のプラン利用契約を結ばせ、その後に高額な有料オプションを提示して執拗に勧誘するというものです。

 

少しでも不審な点がある場合には、消費者ホットライン(188)や警察相談専用電話(#9110)などに電話しましょう。

 

内容や解約について曖昧な理解のまま契約したり、多くのケースでは支払ったお金を取り戻すことはできません。

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