大手企業研究 空運(旅客)業界

スカイマーク

1996年11月に、当時のエイチ・アイ・エス社長である澤田秀雄らの出資により設立される。1986年から始まった日本の航空輸送業における規制緩和政策による新規参入航空会社の第1号である。

2011年12月21日にスターフライヤーが東京証券取引所第2部に株式上場するまでは、規制緩和による新規参入航空会社で唯一の株式上場会社であった。1998年9月19日に羽田 - 福岡線で運航を開始する。日本国内定期航空運送事業の新規参入は、1963年の長崎航空以来35年ぶりであった。

機内サービスを簡素化して普通運賃を他航空会社の普通運賃の半額程度に抑え、平均搭乗率80%以上を記録する。

しかし、大手航空会社がスカイマーク便前後の自社便の割引運賃をスカイマークと同一水準へ値下げするという対抗策をとった結果、次第にスカイマーク便の搭乗率が下がって平均搭乗率が60%を切ることが多くなり、赤字経営となる。その後、自社による副操縦士の教育プログラムや自社整備の拡大、航空運賃の見直しを図るなどして一時的に黒字を出すまで回復するものの、その後も経営は低迷する。2004年にインターネットサービスプロバイダ (ISP) のゼロ株式会社会長、西久保愼一が増資を引き受け、同社がスカイマークと合併、西久保が社長に就任する。2005年には運航トラブルが続発し、経営状態はさらに悪化するが、最新鋭機のボーイング737-800型機への機材更新や整備、運航、サービス体制の全社的かつ抜本的見直しなどにより業績は回復し、2008年3月期には黒字を確保する。

しかし2014年7月31日に開示した平成27年3月期第1四半期決算短信では、格安航空会社同士の競争や円安による燃料費負担の増加の結果、4 - 6月期決算で55億円の営業損益ベースでの赤字を計上する、エアバスとの機材購入に関するトラブルから多額の違約金を請求されているという2点を理由に「継続企業の前提」について「重要な疑義が生じている」と表明する。

規制緩和による新規参入航空会社のなかでは春秋航空日本と並んで、全日本空輸 (ANA) グループおよび日本航空 (JAL) グループの大手2社の系列に入り高度な業務提携は行わず、独立性を保ち続けながら航空事業を継続していたが、2014年の経営悪化に伴いJAL、ANAに支援要請を行う(#日本航空、全日本空輸とのコードシェアも参照)

2015年1月28日、臨時取締役会において民事再生法適用を申請することを決議し、東京地方裁判所に申請した。

2016年3月28日付で、東京地方裁判所からの監督命令の取り消し決定と民事再生手続きの終結が発表された。

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