政府が進める「働き方改革」により、副業を認める大企業が増え、実際に始める人が増えています。
そのような中で、「外出しなくても在宅でできる副業」に今、注目が集まっています。
今回は「在宅でできる副業」の種類や仕事の流れについて、詳しく解説をしていきます。
これから在宅で副業することを考えている方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
1.副業で在宅ワークを行う人は34万8千人
厚生労働省が実施した「在宅就業調査報告書」によると、2013年時点での在宅ワーカーの数は、約126万4千人と推計されています。
その内訳は、専業で在宅ワークを行う人が91万6千人、副業で在宅ワークを行う人が34万8千人です。*1
ここでは在宅ワークを始めた理由や、近年、需要や単価が高くなっている職種について解説していきましょう。
①在宅ワークを始めた理由は「都合のいい時間に働ける」がトップ
下図1は、厚生労働省がまとめた「在宅ワークを始めた理由」のアンケート結果です。
一番多い理由は「都合のいい時期、 時間に働けるため」で54.6%、 次に多いのは「スキルや趣味をいかした仕事をしたいため」で40.8%となっています。
また3番目には「自分がやった分だけ報われ、働きがいがあるため」25.9%で入っており、やりがいを感じながら自由に働けることが大きな魅力です。
②需要や単価が高いのはIT系が多い
下図2は、週刊東洋経済が特集記事として、「IT系の在宅仕事」をカテゴリ別に分類した表です。
こちらをご覧になっていただくと、「IT系の在宅仕事」には高需要・高単価の職種が多いのがお分かりになるでしょう。
特に需要と単価が高いのは「スマホのアプリ開発」で最高200万円です。
その他にも「データベース設計」「ソフトウェア開発」が最高80万円、「ホームページ(ECサイト)制作」「バグ修正」が最高40万円と、高需要・高単価の職種が並んでいます。
このようにスキルの高いエンジニア向けの案件は高単価ですが、一方「データ収集・打ち込み」など、ノースキルの案件は1万円以下など、スキルのレベルにより、収入には大きな開きがあります。
2.在宅でできる仕事の種類
ここでは在宅でできる仕事の種類を、難易度のレベル別にご紹介していきます。
自分のスキルレベルに合わせて仕事を選ぶと良いでしょう。
①簡単に始められる仕事【難易度:易しい】
特にスキルがなくても始められる仕事は下記の通りです。
副業の種類 | 仕事内容 | 収入の目安(単価) |
データ収集・打ち込み | 企業が収集したアンケート調査結果や、住所録、顧客情報などを一覧表などにまとめて打ち込む | 数百円~1万円以下 |
アンケート | 各種アンケートの内容に答える | 10~220円 |
ECサイトの商品登録作業 | ECサイトの商品説明、カラー、サイズ等の入力 | 5,000円~1万円 |
商品モニター | 実際に商品を使用して使用感や感想などを提出 | 5,000円 |
図3 クラウドワークス「質問・アンケート・テスト」「 ECサイトでの商品登録(BASE、ECサイト)」「質問・アンケート・テストのモニター」を参考に筆者作成
②趣味やスキルを活用する仕事【難易度:普通】
自分の趣味や特技、中程度のスキルを活用してできる仕事は下記の通りです。
副業の種類 | 仕事内容 | 収入の目安(単価) |
ライティング | クライアントの依頼を受け、ブログやメディアなどの記事を執筆 | 2,000円~1万円 |
WEBデザイン | クライアントから依頼された内容に従って、Webサイトのデザインを作成 | 5~10万円 |
ハンドメイド | 手作りの小物やぬいぐるみ、洋服などをフリマアプリなどで販売 | 1,000円~5,000円 |
漫画・イラスト作成 | 自作の漫画やイラストをフリマアプリなどで販売 | 1~4万円 |
バナー作成 | 広告用のバナー(ホームページにある文字や写真や絵でつくられた画像。別のページにリンク。)作成 | 5,000円~5万円 |
図4 参考)ココナラ「ハンドメイド」 を参考に筆者作成
③高度な専門知識が必要な仕事【難易度:難しい】
ビジネスやプログラミングなど、専門的な知識を活かして稼げる仕事はこちらです。
高単価な案件が並んでいます。
副業の種類 | 仕事内容 | 収入の目安(単価) |
ビジネスコンサル | ビジネスに関する専門的なアドバイスをしたり、インタビューを受けたりする | 1~3万円(60分) |
アプリ開発 | パソコンやスマホのOSに沿ったゲーム・コンテンツなどのアプリを作成 | 30万円~200万円 |
翻訳 | 英語や中国語など外国語を翻訳する | 1文字5円~ |
ソフトウェア開発 | 消費者のニーズに合わせてコンピュータ上で動作するプログラムを開発 | 10万円~80万円 |
図5 上図2、ビザスク「アドバイザー募集中の公募コンサルティング案件を探す」を参考に筆者作成
3.在宅ワークの仕事の流れ
ここでは在宅ワークの仕事の流れを確認していきましょう。
仕事を探す際は、「クラウドワークス」「ランサーズ」などの副業サイトに、たくさんの案件が提供されています。
自分に適している仕事を探して、無理なく続けられることが大切です。
厚生労働省が発行している「在宅ワーカーのためのハンドブック」*2を参考に、仕事の流れをご紹介していきます。
①自分自身を分析する
まずは自分自身を分析することから始めましょう。
「自分にはどんなスキルがあるのか」
「得意なことは何か」
「時間はどのくらい使えるのか」
「どのくらいの収入を得たいのか」
などを確認してから探すと、仕事が見つかりやすいでしょう。
自己分析をすることで、自分のやりたいことやセールスポイント、自分に適している働き方が見えてきます。
②仕事を探す
自己分析をして、自分の副業の方向が見えてきたら、実際に仕事を探してみましょう。
在宅ワークを見つけるための手段には
「インターネットなどの求人に応募」
「仲介業者への登録」
「クラウドソーシングへの登録」
「知人などからの紹介」
などがあります。
近年ではクラウドソーシングサイトが多数ありますので、登録だけしておいても良いでしょう。
また在宅ワーカーを対象に、スキルアップを目的とした実践的なセミナーなども開催されています。
③契約する
仕事を見つけた後は、次に契約へと着手します。
きちんとした仕事内容であることを確認してから契約をすることが重要です。
クライアントから仕事を依頼された際には仕事内容に目を通し、自分にできるレベルであるか、スケジュールは間に合うかなど、きちんと納品できるかどうかを見極めてから請け負います。
依頼内容を理解したうえで契約金額でクライアントと合意ができたら、正式に契約をしましょう。
④作業をする
契約が完了したら、いよいよ作業に入ります。
まず、仕事の内容を把握してから、納期に間に合うように取りかかりましょう。
次に発注者から提供された仕事に関する書類やデータファイルなどの中身を確認し、作業のスケジュール調整をします。
作業をするうえで疑問点がある場合は後回しにせず、すぐ確認をするようにしてください。
作業が一通り完了したら、仕様書で示された内容の通りに仕上がっているのかを確認します。
⑤納品し、代金を請求する
作業が完了し、納品できる状態でしたら、「成果物」として納期までに納品をします。
納品が完了したら、そのことを発注者に連絡して受領の確認をもらい、検査を受けます。
成果物に問題がなければそのまま納品完了です。
しかし、合格基準を満たしていない場合は修正作業が追加されます。
修正後に検査が完了したら納品完了となり、納品書などを発注者に提出しますが、成果物のデータは入金が確認されるまでは保存しておいた方が、万が一の場合、安心です。
納品が完了したら発注者の締切に合わせて請求書を発行し、入金日にきちんと入金されているかを確認します。
4.まとめ
今回は「在宅でできる副業」について、詳しく解説をしていきました。
コロナ禍の影響もあり、近年では在宅でできる仕事に注目が集まっています。
テレワークを推進する企業も増加しており、在宅ワークへと切り替わったサラリーマンなどが、空いた時間を利用して在宅副業にチャレンジする機会が増えています。
特にIT系の在宅副業はパソコンが1台あれば、今すぐにでも始められるでしょう。
在宅副業にチャレンジして、本業以外の収入を稼いでみてはいかがでしょうか。
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000068112.pdf
*2 参考)厚生労働省「在宅ワーカーのためのハンドブック」第2章 在宅ワークの仕事の流れP6~P23
https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/zaitaku/dl/100728-2.pdf