高島屋は約190年の歴史を持つ老舗百貨店で、海外にも店舗を展開しています。
また、グループ企業内ではまちづくりそのものを積極的に推進しています。
「時代を切り開くバイタリティ」を求める高島屋の採用情報と対策などについてみていきましょう。
1.高島屋の新卒採用:募集職種と初任給など
高島屋の新卒募集は全て「総合職」です。
具体的な業務内容としては、
マネジメント職、バイイング職、企画職、セールス職、スタッフ職
などがありますが、入社後はまず売場運営の知識、スキル習得のためのジョブローテーションが実施されます。
初任給は、基本給として225,000円です*1。
勤務地は関東・関西の各店舗で、勤務は営業時間に合わせたシフト制です。
選考フローは、エントリーシート、適性検査(筆記試験)、面接(複数回)の流れを取っています。
倍率は59倍と公表されています*2。
2.百貨店業界の激動期を超えて
少子高齢化の時代のなかで2000年代中頃から、百貨店業界は激動期とも言えるほどの再編の連続でした。
2005年には「そごう」「西武」をセブン&アイ・ホールディングスが買収しその後統合したほか、2007年には阪急百貨店と阪神百貨店が統合してH2Oリテイリングを発足させました。
また、同じ2007年には大丸と松坂屋が経営統合してJ.フロントリテイリングを設立し、2008年には三越と伊勢丹が経営統合して三越伊勢丹ホールディングスが誕生しました。
各社が生き残りをかけて、規模拡大のために統合を進めた結果です。社風を異にするための苦労もあったと考えられます。
そうした中で高島屋は、再編の流れとは距離を置いたまま、現在も単体で経営を続けています。
誇るべき歴史と一定の企業体力が、現在の孤高ともいえる存在に繋がっているとも言えるでしょう。
今後の国内市場の縮小は否めませんが、92年にはシンガポール、2012年には上海、2018年にはバンコクに店舗をオープンさせ*3、海外事業での収益強化をはかっています。
また、97年にはインターネットショップである「タカシマヤ バーチャルモール」をオープンしています。
3.高島屋の社風
高島屋の社風は、歴史という一定の枠組みはあるものの、自由でありチャレンジャー精神も持ち合わせているといったところです。
歴史の中では「初」の取り組みも多く、1889年にはすでに国際的な博覧会に意欲的に出品を続け、呉服店系の百貨店として異例の食堂経営に乗り出しました。
また1958年には、日本の百貨店として初めてニューヨークの五番街に店を出す歴史的にも先進的な事業戦略を続けてきた百貨店です。
また、近年では百貨店を単体で建てるのではなく「大型商業施設」「再開発事業」といった枠組みでの「まちづくり」をリードする試みに取り組んでいます。
幅広い世代をターゲットにできる店舗開発でショッピングセンターへの進出をはかり、顧客の年齢層が高めというイメージを打破することが狙いです。
規模ではなく、自分たちならではの質の向上で成長を続けていこうという挑戦精神です。
高島屋が求める人材としては、このようなメッセージが発信されています。
みなさんに望むのは「時代を切り拓くバイタリティ」です。しかし、何事も自分だけで成し遂げることは難しく、その実現には、周囲を動かすコミュニケーション力が求められます。必要な情報を得るための『ネットワーク』、主体的・組織的な行動に移せる『フットワーク』、経験のない局面に対して自分なりの対策を考え抜ける『ヘッドワーク』。みなさんに望むのは「時代を切り拓くバイタリティ」です。しかし、何事も自分だけで成し遂げることは難しく、その実現には、周囲を動かすコミュニケーション力が求められます。必要な情報を得るための『ネットワーク』、主体的・組織的な行動に移せる『フットワーク』、経験のない局面に対して自分なりの対策を考え抜ける『ヘッドワーク』。
アイデアや思考力と同時に、チームワーク性が重視されると言えるでしょう。
百貨店を舞台に、自分はどのような夢やビジネス像を描くのか、といったことをまとめておく必要があります。
実際に各百貨店を周り、「色」の違いにについても感じておきたいところです。
企業活動を直接見に行ける業界であることは最大限利用しましょう。
また、販売・接客がメインの業界であるため、「明るさ」「態度」も重視されます。
なお、高島屋の採用サイトには内定者の経験談が紹介されています。
総じて、
「リーダーシップやチームワークと同時に、部活やアルバイトの経験の中で『何かを改善した』経験、そこに至るまでの思考力」
を問われている様子がうかがえます。
問題を発見し、自分のコミュニケーション力と思考力を使って何かを改善した、そのような体験談が受け入れられやすいようです。
また、他業種を同時に志望していても特に問題はありません。実際、内定者の体験談では、就活当初の志望業界として、
小売 56.7%
メーカー 46.3%
サービス・インフラ 38.8%
広告・マスコミ 23.9%
金融 20.9%
商社 19.4%
その他 13.5%
というものだったと紹介されています*4。
4.高島屋の新卒面接で参考にしたい書籍やサイトとまとめ
高島屋についての書籍としては「高島屋」(出版文化社新書)があります。
発行年は2008年と、ちょうど業界再編の時期にあたり経済状況などは異なりますが、これまでの歩みや社員インタビューがしっかり掲載されています。
高島屋の事業展開については、株主レポートから見ることができます。
「株主レポート」:リンク
グループの総合戦略である「まちづくり」についての事例はこちらです。
「グループ総合戦略『まちづくり』」:リンク
また、外部機関による客観的な高島屋の企業評価はこちらが参考にできます。
「Shared Reserach 高島屋」:リンク
決算書のレビューといった形を取っていて見かけは複雑ですが、どのような事業が進んでいるのかがわかります。
歴史と、革新。
その両立を実現できる、思考力と自主性、チャレンジ精神のある人材が求められています。
www.takashimaya.co.jp/corp/Saiyou/freshman/recruit/
*2「就職四季報総合版 2021年版」東洋経済 p652
*3「高島屋の歩み」高島屋
www.takashimaya.co.jp/corp/Saiyou/freshman/kigyo/02.html
*4「内定者が語る!就職活動の体験談や高島屋の魅力」
www.takashimaya.co.jp/corp/Saiyou/freshman/kigyo/06.html