「もうすぐ、面接の日がやってくる……!」
そんなとき、気が重いのが「当日のメイク、どうする?」という“面接メイク問題”ではないでしょうか。
40代女性の面接メイクは、正解がわかりづらいものです。かつての就職活動と同じメイクでは通用しないとわかっていても、実際どうすれば良いのか、迷いやすい年代といえます。
この記事では、40代の面接メイクに多い失敗例を踏まえたうえで、具体的に注意すべき実践ポイントを解説します。大切な面接を控えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
1.40代の面接メイクでやりがちな3つの失敗例
さっそく、40代の面接メイクでやりがちな3つの失敗例を見ていきましょう。
失敗例1:生活感が出過ぎて余裕なく見える
1つめの失敗例は「生活感が出過ぎて余裕なく見える」ケースです。
「一生懸命に日々生活をしている、その生活感が出て何が悪いの?」
というご指摘はごもっともですが、面接に限っていえば、生活感丸出しは避けたいところ。
なぜなら、生活感は「余裕がない印象」を与えてしまうからです。面接では、ゆとりある佇まいを感じさせる人の方が、印象が良くなります。
では、生活感が出過ぎてしまうメイクの原因は、なんでしょうか。それは「きちんと感の欠如」です。具体的には、「化粧っ気がないように見える」ことが挙げられます。
自分ではメイクをしているつもりでも、与える印象が「まるで、すっぴん(ノーメイク)」になっているのが、失敗の原因です。
失敗例2:無理して若作りしている感じがする
2つめの失敗例は「無理して若作りしている感じがする」ケースです。
自分を若々しく見せるために好きなメイクを楽しむことは、決して悪いことではありません。
しかし、面接の場で若作りと思われるメイクは、残念ながら失敗です。面接の印象を落とすリスクがあるからです。
若作りが面接に悪影響を与える最大の理由は、「自分を偽っている違和感」にあります。
面接で高い評価を得やすいのは、自然体で正直な印象を与える人です。逆に、違和感のある不自然な印象の人は、「何かを隠している」「自信がなさそう」とネガティブな印象が強くなります。
面接では、面接官に違和感・不自然さを感じさせないことが重要ですから、若作りに見えないメイクがポイントとなります。
失敗例3:応募先企業の雰囲気から浮いている
3つめの失敗例は「応募先企業の雰囲気から浮いている」です。
面接官が重視してチェックするポイントとして、「この応募者は、うちの会社に合うか?合わないか?」という点が挙げられます。
応募先企業の雰囲気に合わないメイクは、「うちの会社には合わない人」と判断されるリスクがあるので、好ましくありません。「自分の雰囲気を応募先の雰囲気に寄せていく」意識が大切です。
とはいえ、メーキャップのプロでもない限り、応募先企業に合わせてメイクを的確にアレンジするのは至難の業。
そこで、どの企業にもオールマイティになじむ「浮かないメイク」の技術を習得しましょう。詳しくは、次の章でご紹介します。
2.40代の面接メイクで押さえたい5つのポイント
ここまでにご紹介した失敗例を念頭に置きながら、40代の面接メイクで押さえたい5つのポイントをご紹介します。
ポイント1:ベースメイクは厚塗り厳禁
1つめのポイントは「ベースメイクは厚塗り厳禁」です。
ベースメイクの厚塗りは、「生活感を出す原因」「若作りに見える原因」の両方になり得るため、面接メイクでは避けるべきポイントです。
具体的には、ベースメイクを厚く塗るほど、肌には“くたびれ感”が出て生活感が増しますし、同時に“厚化粧”の印象が強まって、若作りしているようにも見えてしまいます。
とはいえ、隠したい肌悩みがあるのに、ベースメイクの厚塗りをせずして、どう乗り切れば良いのでしょうか。
そのポイントは、2つあります。1つめは、ファンデーションは1度塗りでサッと薄く仕上げること。
2つめは、カバーしたい肌悩みは、ファンデーションではなく「コンシーラー・ハイライト・チーク」の3つのアイテムで行うことです。
▼ 厚塗りを防ぐ3つのアイテム
|
主な役割 |
使い方 |
コンシーラー |
シミを消す |
隠したい部分にピンポイントで塗る |
ハイライト |
くすみを消す |
おでこ・鼻筋・目の下の明るく見せたい部分に塗る |
チーク |
血色感を足す |
頬にふんわりと塗る |
多くの人は、コンシーラー・ハイライト・チークを塗る前の、ファンデーションの工程ですべての肌悩みをカバーしようとするため、ファンデーションが厚塗りになります。
解決策としては、ファンデーションに対する認識を改めましょう。
「ファンデーションの工程では、仮仕上げで十分」と考えてください。隠したい肌悩みにファンデーションを塗り重ねたくなっても、グッと我慢です。
「物足りない」「こんなに薄付きで大丈夫?」と不安になるかもしれませんが、コンシーラー・ハイライト・チークを使えば、ナチュラルにカバーできます。
ポイント2:眉毛は丁寧に描く
2つめのポイントは「眉毛は丁寧に描く」です。
眉毛がきちんと描かれていないと、すっぴん感が増し、生活感の原因となります。眉毛は丁寧にきちんと描きましょう。
もし仮に「面接メイクで、1か所しかメイクしてはいけない」と言われたら、ぜひ眉毛を選んでほしいほどです。
眉毛の描き方のポイントは、細すぎる眉毛・角度が鋭い眉毛は避けること。
気が強そうな印象を与えてしまうためです。
角度を付けすぎず、普段より太めに描いて、穏やかな人柄を演出しましょう。
ポイント3:アイシャドウはブラウン系を使う
3つめのポイントは「アイシャドウはブラウン系を使う」です。
面接メイクのアイシャドウ選びは、無難な色が鉄則です。アイシャドウで冒険してしまうと、応募先企業の雰囲気から浮いてしまうことになりかねません。
アイシャドウの色には、ピンク、レッド、パープル、ブルー、カーキ……とさまざまありますが、そのなかで最も流行に左右されない色が「ブラウン系」です。
ブラウン系は、定番の万能カラーです。いつの時代でも、どの企業でも、ブラウン系を選んでおけば浮くことがありません。
ポイント4:まつ毛は長さよりも密度を重視
4つめのポイントは「まつ毛は長さよりも密度を重視」です。
若作りの印象を与えるリスクが最も高いのは、「まつ毛のメイク」です。
40代以降になるとまつ毛の量が減り、目まわりの肌にも変化が起きます。そのため、長いまつ毛をバサバサさせたメイクが似合わなくなってくるのです。
にもかかわらず、まつ毛エクステやつけまつ毛の進化により、40代女性でも、簡単に長いバサバサまつ毛を入手しやすい現状があります。これが失敗のもととなりますので、注意しましょう。
長さはあえて短めに抑えたうえで、密度を濃くする(まつ毛の量を多く見せる)メイクを心掛けてください。
繰り返しになりますが、40代のまつ毛メイクは、長さを出しすぎないことがポイントです。
ポイント5:リップは今年の新色を選ぶ
5つめのポイントは「リップは今年の新色を選ぶ」です。
面接メイクの原則は、時代に左右されない定番カラーを選ぶこと。これは、先ほどアイシャドウの項目でご紹介したとおりです。
しかし、リップだけは、今年の新色を選びましょう。
というのは、リップの色はトレンドを色濃く反映しており、昔のリップを使うと「古くさい雰囲気」になって浮いてしまう危険があるためです。
例えば、「青みピンクの口紅」を塗れば、昭和のバブル時期の雰囲気になります。これは極端な例ですが、“ひと昔前”の印象を与えないためには、新色のリップを選ぶのがコツです。
面接の予定が入ったら、新色リップのなかから、自分の肌に自然になじむ色を1色、購入しておくと良いでしょう。
色の選び方がよくわからない方は、百貨店の化粧品売り場に常駐しているビューティーアドバイザー(化粧品の販売員)に相談するとスムーズです。
「面接に適した色で、私の肌に自然になじむ色を教えてください」と依頼すれば、最適な1本を選んでもらえます。
3.メイクは自信を持つためのテクニック
今回は「40代の面接メイク」をテーマにご紹介しました。
最後にこんなことを言っては身も蓋もないかもしれませんが、筆者が今までに接した40代女性のなかで、複数の内定を勝ち取っていた方たちの共通項を挙げるなら、それはメイクの巧さではありませんでした。
メイクより、その人の内側からにじみ出る「自信」こそが、内定率に影響していたように思います。
しかしながら、実際のところ「そんな風に強い自信は持てない」という方が多いのではないでしょうか。それなら、自信を持つためのテクニックとして、メイクを大いに活用しましょう。
「ちゃんとメイクしないと評価が下がる」と不安を感じながらメイクするのではなく、「メイクで私の弱点をカモフラージュしてやろう」くらいの心意気で、積極的に使いこなしてしまえばいいのです。
40代の大人の女性なら、きっとそれができるはず。メイクの力を味方につけて、堂々と面接に向かってください。
プロフィール:成長期から安定期のベンチャー企業でマーケティングや組織づくりに従事。その後独立し複数のベンチャー企業の立ち上げに携わった経験を活かしてライターとしても活動中。