転職活動で履歴書を書いているとき、「このくらい嘘をついてもばれないのでは」と思い、つい盛ってしまった…という話は、残念ながら時々聞く話です。しかし、履歴書で嘘をついた場合には、ほとんどの場合ばれてしまいます。
この記事では、履歴書に書いた嘘はどのようにばれるのか、また嘘をついて採用されたらどのような点で困るのかを紹介します。
1. 履歴書でよく見られる嘘とは
履歴書でよく見られる嘘には、以下のようなものがあります。
詐称ポイント | 詐称内容 |
学歴詐称 | 卒業した学校や最終学歴、留学経験を偽る |
転職回数や在籍期間 | 転職の回数を少なく見せる、在籍期間を長く見せる |
役職や職務内容 | 一般社員であったのに課長とする |
スキル | オフィスソフトやプログラミングのレベルを偽る |
雇用形態 | 契約社員だったのを正社員と偽る |
年収 | 現在の年収を多く見せかける |
このように、多くの嘘は自分をよく見せたいために「このくらいであればばれないのでは」と思ってつく内容のものがほとんどです。しかし、自分にとってはささいな嘘であっても、嘘は嘘。ばれたときには心証が一気に悪化します。そして多くの嘘は、企業に見抜かれてしまうものなのです。
企業に嘘を見抜かれる4つの理由を次章から詳しく見てみましょう。
2. 履歴書の嘘がばれる3つのタイミング
履歴書の嘘がばれてしまう3つのタイミングを紹介します。
①年金手帳や雇用保険被保険者証を提出するタイミング
履歴書を提出し、面接を受けた段階では、話のつじつまを合わせることで嘘がばれない可能性はあります。しかし、採用が決まり、入社手続きを開始した段階でばれることがほとんどです。
入社手続きでは、年金手帳や雇用保険被保険者証を採用企業に提出する必要があります。年金手帳には、過去加入していた企業での加入履歴が記載されているため、職歴を偽っていた場合には嘘が知られてしまうでしょう。
また、雇用保険被保険者証にも、直近まで勤めていた会社名や退職日が記載されているため、随分前に退職していたのに最近まで働いていたと嘘をついていた場合にはばれる可能性が高いです。
②源泉徴収票を提出するタイミング
源泉徴収票には、勤務していた企業名や退職日、収入などが記載されています。年末調整のため前職の源泉徴収票を提出するときも、嘘がばれる可能性があるでしょう。
また、確定申告は自分でするとした場合でも、翌年住民税を源泉徴収する際に、金額がおかしいと思われる可能性が考えられます。
③資格など証明書が必要なタイミング
採用に必要とされていたり有利とされていたりする資格を「持っている」と偽った場合には、証明書の提出を求められたタイミングで嘘がばれてしまいます。学歴詐称も同様で、卒業証書のコピーなどを提出できなければ、不審に思われてしまうでしょう。
紛失したとごまかそうと思っても、ほとんどの資格は証明書の再発行が可能なため、いつまでも提出しなければ嘘をついていたことはやがて見破られてしまいます。
3.履歴書に嘘を記入して採用された場合に困ること
履歴書に嘘を記入して採用された場合、どのようなことで困るのか紹介します。
経歴詐称とされた場合は懲戒解雇の可能性がある
そもそも履歴書に嘘を記載することは、「経歴詐称」とされる犯罪行為です。特に、仕事をする上で必要な条件について嘘をついていた場合には、懲戒解雇されることも考えられます。
例えば、業務遂行に必要な必須資格を持っていなかった、大卒でなければ就けない職に偽って就いたなどの場合には、業務を与えた企業側にもペナルティが課せられることが考えられ、懲戒解雇される可能性は高くなるでしょう。
「嘘をつく人」と評価される
履歴書に書いていた嘘がばれても、解雇まではされないかもしれません。しかし、その場合でも、「嘘をついていた人物」「ごまかす人物」とのレッテルを貼られ、居づらくなってしまう可能性があります。
また、万一嘘がばれなかったとしても、「いつ嘘がばれるのか」とずっと心配を心に抱えたまま働き続けなければなりません。ついた嘘にスキルが合わない場合には、周りから不審に思われる可能性もあり、ボロを出さないように神経をすり減らすことにもなりかねないでしょう。
嘘をついて採用された場合には、その先何年もずっと困るのは自分です。最初から嘘をつくことはやめておくほうが無難です。
4.まとめ
転職活動をするときには、少しでも自分をよく見せたい、よい条件を勝ち取りたいと思うがゆえに「これくらいの嘘なら」と思うこともあるでしょう。しかし、嘘をついてしまっても、採用の段階でばれることが多く、またばれなかったとしても、そのあと自分の首を絞める結果になりがちです。
転職活動をするときには、ありのままの自分をしっかり見つめ、強みを見出してしっかりとアピールするようにしてください。