転職活動の面接の最後に「なにか質問はありますか?」と面接官に聞かれたことはないでしょうか。面接の最後を締めくくる定番ともいえるこの質問は、「逆質問」と呼ばれています。
その場でとっさにいい回答が思い浮かばず、「特に何もありません」と答えてしまっては印象がよくありません。
この記事では、転職活動での面接を受け、最後に逆質問をされたときの効果的な答え方をご紹介します。
1.新卒面接と転職(中途採用)面接の違い
採用面接に新卒採用と中途採用の大きく2つに分けられます。
新卒と中途は、企業にとっても採用をする意味が異なります。
※第二新卒の場合は、新卒採用の考え方になります。
新卒・第二新卒では、採用目的・役割の違いから、面接における判断基準が異なります。
面接のノウハウ本では、内容が新卒に傾倒されていますので注意が必要です。
(鵜呑みにしないでくださいという意味です)
1.中途採用の面接で最後に逆質問される理由とは
転職での面接の最後に必ずといっていいほどされる逆質問ですが、そもそも面接官が逆質問をする理由を考えたことはありますでしょうか。
実は面接官が逆質問をする理由とは…
①なんとなくの慣例
大半がこれです。
意味などありません。中途採用(転職)の場合、各面接時間は60~90分ほどになります。
残念ですが、逆質問にたどり着く約1時間のやり取りの中で、その人の人柄・スキル・経験・当社にどの程度貢献できるのかは十二分に把握され、既に面接官の中で採用/不採用がほぼ確定しています。
しかし最後5-10分くらいを使って
「なにか当社について質問ございますか?」という謎のやり取りが始まるのです。
ではなぜ、なんとなくの慣例をするのか
②準備をされてきた選考者への配慮
この逆質問について、よく就活のノウハウ本では
「本気度を確かめるため」「コミュニケーション能力を図るため」「企業の社風との相性を知るため」など理由を語っているものが多いのですが、中途採用の場においては全て的を得ていません。
転職面接では、逆質問にたどり着くまでの面接のやり取りで既に判断がされているものです。
ではなぜ最後に逆質問があるのか
「面接のために調査をしてきたであろう、面接者(選考者)のための配慮の時間」といえます。
具体的には以下2点です。
①選考者は当然面接前に、企業の事を調査していると考えておりその調査の中で生じた疑問を解消できるよう配慮しようとしている。
②選考者の疑問や悩みを解消せぬまま面接を終わらせ、選考者の期待と異なる結果になった場合、SNSなどで企業へのネガティブキャンペーンをさせないように相互理解を深めようとしている。
特にBtoCのビジネスにおいては、選考者というのは将来のお客様になる可能性があります。
そのため、気持ちよく帰っていただく「おもてなし」のひとつとして逆質問が用意されているのです。
③就職面接のノウハウ本で掲載されいている内容とは…
いくつかの面接対策本を確認しましたが、おおよそこの3つが語られていました。
逆質問は面接の50分後に始まるという事を前提にこれらを見てください。
「50分の面接のやり取りで判断済んでいる内容」ということがわかりますよね?
逆質問をする1番の理由は、応募者の意欲の高さを確かめるためです。一般的に転職活動で、応募者は何社もの企業をかけもちして面接を受けているため、志望度の低い企業の対策は手薄になりがちです。
そのため逆質問をしたときに質問を用意していなければ、志望度が低く企業に興味があまりないと判断される可能性があります。
②.コミュニケーション能力を見たい
逆質問をすることで、応募者のコミュニケーション能力をチェックしたい場合もあります。面接では通常、面接官が応募者に質問をする形で会話が進んで行きますが、逆質問では応募者側からの発言が求められることがポイントです。
疑問を的確に質問し、返ってきた質問に対しさらに質問をするなど、会話をスムーズに続けられるかを見られると考えてよいでしょう。
③.企業の社風との相性を確認したい
自由な質問が認められる逆質問では、質問の内容に応募者の個性や考え方が表れます。質問の内容によって、社風に合うかどうかを見られる場合もあるでしょう。
たとえば「入社してから教育を受ける機会はありますか」のような質問は、自主的に動く人物の入社を期待している会社には、主体性がないと判断されてしまうかもしれません。
中途採用の場においては、スキルと経験が第一です。第二がが継続性・再現性の確認ですね。
2.面接での逆質問に答えるときのポイント
転職するときの面接での逆質問は、「アピールの場」ではなく
相互理解を深めるための時間と捉えることが重要です。
そのため逆質問をあらかじめ用意するときには、「縁があって入社となった際に、自分がその会社で働くと覚悟をするために必要な情報は何か」を考える必要があります。
働く環境を重視したい場合は、
職場の雰囲気や働らいている人の特長、男女比や年代を確認してください。
自身のキャリアを重視したい場合は
どのようなチャレンジが可能なのかレポートラインの確認してみてください。
モチベーションを重視したい場合は
組織のキャリア形成について(大手企業や、子会社の場合は新卒や親会社出向が優遇されるケースがあります)確認をしてください。
このように、まずは逆質問を通してアピールしたい項目を決め、それに合わせた質問を考えることがもっとも重要なポイントです。
3.面接での逆質問で聞いてはいけない4つの質問
それではここからは、逆質問で聞いてはいけない質問を4つご紹介します。逆質問は一般的に自由に質問してよいとされていますが、悪い印象を残してしまっては意味がありません。これから紹介するような逆質問は、避けるようにしましょう。
①.事前に調べればわかる質問(思考がない質問)
質問には、ならず得たい果実(目的)が必要です。
そのため、会社の事を調べ、思考し、わからない事を知るために質問をするのです。
例えば、
ホームページや会社案内を見ればすぐにわかるような、「どのような商品を取り扱っているのでしょうか?」などといった逆質問をした場合、その企業について調べていないと思われても仕方がありません。
また「貴社の今後の事業展開を教えてください」などは、中期経営計画を見ていれば把握できますし、そもそも面接官では答えられない可能性があります。
同じような質問でも、「〇〇が主力商品とホームページで拝見しましたが、どのような特徴がお客さまから支持を得ているのでしょうか?」など、調べた内容を深掘りする質問を投げかけると好印象を持ってもらえます。
②.すでに話したことを繰り返し質問
面接中にすでに話し終わったことを再度質問した場合には、話を聞いていなかったと思われてしまう可能性があります。
質問をひとつしか用意していなかったとき、面接中にその話が出てしまったら、とっさに他の質問が思い浮かばず焦ってしまうかもしれません。逆質問は2つ以上用意しておくようにしましょう。
③.面接官が答えられない質問
中途採用では、新卒とは違いジョブローテーションという考え方は存在しません。
※第二新卒の大量採用を除く
中途採用は、部署/課レベルで人材不足を補填するために、採用計画を立て経営から承諾を得て進めています。そのため、他の部署の経験を積みたいや・他の職種にも興味があるなどは、採用を予定している組織から見ると、将来の人員不足が見込まれてしまうため
そういった方は不採用となってしまうのです。
④.福利厚生についてだけの質問
仕事の内容や会社の雰囲気には触れず、残業がどれくらいあるのか、あるいは有給は取りやすいのかといった福利厚生についてだけ質問するのも困りものです。
気になることではありますが、仕事の内容よりも、待遇面だけに興味があると思われる可能性があるため避けたほうが無難です。
※給与・残業・有給・福利厚生については中途採用の場合、内定後に人事と条件面の面談がありのが通例です。
待遇面はそこで交渉をしてください。面接官は人事ではないのです。
4.まとめ
転職活動中の面接で最後に聞かれる逆質問は、相互理解のための時間です。
しっかりと自分の考えを整理し、その会社に人生を注ぐつもりで入社判断ができるかを
自分で行うための、質問を考えておくことが大切です。
質問しようと思っていた内容を面接中に話してしまって焦らないよう、逆質問は2つ以上考えてから面接に臨むようにしましょう。