転職面接では、志望動機と同じく、転職理由を質問されることがよくありますが、採用担当者はこの質問から「転職に妥当な理由があるか」をしっかりと見定めています。
面接で転職理由を聞かれた時は、回答の仕方にコツがあります。採用担当者が質問の意図を解釈し、的を射た回答が出来ることが重要です。
ここでは、転職時の面接で転職理由を質問された時の回答ポイントと、回答例をご紹介します。
1.会社が転職理由を気にする理由は2つある
転職活動中、面接で転職理由や退職理由を尋ねられる理由は大きく分けて2つあります。まず1点目は、すぐに退職してしまわないか、長く勤めてもらえる人物かを見極めるためです。
人の採用業務には、多くの時間と労力がかかります。それだけの時間と労力を掛けて採用した人材がすぐに退職してしまうと、会社としては大きな損失になりかねません。
「上司と相性が合わなかった」「給料が低かった」といった理由では、職場に不満があればすぐ辞める人という印象を与えてしまいます。転職理由に妥当性を持たせ、困難な状況でも長く努力できる意欲と能力をアピールする必要があるのです。
もう1点目は、応募職種と転職理由とのマッチングです。例えば、残業が多いという理由で転職活動を開始したのに、忙しい職場へ応募してきたのであれば、前職と環境が変わらないため、早い段階で再度転職を繰り返す恐れがあります。
そのため、自社との相性を見ようと転職理由を聞かれるのです。
2.転職理由を回答する時のポイント
転職理由を聞かれて、回答する場合のポイントについて4点ご紹介します。
①.転職理由はオブラートに包みつつ正直に話そう
転職理由を質問されたら、ごまかして話すより、正直に話した方が印象は良くなります。転職するということは、前職に何かしらの不満を抱いていることが容易に予想できるからです。
しかし、正直に話した方が誠実さは伝わりますが、すべてを包み隠さず話してはいけません。前職で勤務する中で感じた問題点や疑問点に対して、自分が取った行動や学んだことなどを応募職種と関連させて話すと、「困難な状況でも意欲的に動く前向きな人」という評価につながるでしょう。
②.伝えてもOKな事、NGな事を決めておこう
転職理由は、面接時に伝えたほうがプラスになること、マイナスになることがあります。何をどう伝えるか、その線引きが必要です。
前職を退職した理由は、キャリアアップやキャリアチェンジなど前向きな内容ばかりではなく、希望や条件と合わなくなった、環境を変えたいなど色々なものが考えられます。中には人間関係の悩みや会社への不満など、マイナスな要因であるケースも多くあるでしょう。
その場合、そのまま面接官へ伝えてしまうと、同じような問題が起きた場合、すぐに退職してしまうのではないかという懸念を持たれてしまう危険があります。
どの職場でも起こりうる理由であれば、あえて面接官へ説明しないことも賢明な判断です。もし説明するのであれば、問題について自分が取った行動や考えを伝え、問題を解決しようと努力した姿勢を見せるなど、前向きに捉えてもらえるような工夫が必要です。
③.志望動機や転職理由とのつながりを意識する
転職面接では、転職理由と並んで志望動機を聞かれることがよくあります。志望動機と転職理由に一連のつながりがあると考えるのが自然です。
例えば、前職の事務職では得意な英語を活かせなかったため、語学力を活かしたいと海外営業を希望するといった場合は、転職理由と志望動機に一貫性が見られ、採用担当者も納得してくれるでしょう。
3.転職理由の回答例
続いて、転職面接で使える、具体的な転職理由の回答例についてご紹介して参ります。転職面接を控えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
①.ワークライフバランスを理由とした回答例
②.キャリアアップを理由にした回答例
ですが、現在会社の業績が振るわず、今後も当分正社員への登用はないと聞いています。そこで、さらに専門性の高い分野でキャリアを高めたいと考え、応募させて頂きました。
③.異業種へのチャレンジを理由にした回答例
4.まとめ
今回は、転職面接でよく聞かれる転職理由について、ご紹介してまいりました。面接で転職理由を聞かれるのは、採用した人材がすぐに退職しないか、自社との相性はいいかを確認するためだと考えられます。
転職理由は正直に伝えることが一番ですが、前職への不満を改善するための努力や行動を合わせて伝えるような工夫も必要です。
回答ポイントや回答例を参考に、面接対策を万全にして、採用へとつなげてきましょう。