国内最大の広告会社です。
2020年1月に持株会社体制に移行しました。広告代理店で国内最大手で、世界でも5位に位置しています。
マスコミ4媒体(テレビ、新聞、雑誌、ラジオ)の扱いに強く、五輪やサッカーW杯など、スポーツイベントの放映権やマーケティング権などを多数保有・販売しています。2013年には英広告大手イージスグループを買収し、本格的に海外展開を開始しました。近年では電通デジタルを中心にネット分野も強化しています。
今回は広告・ネット広告業界の中でも業界トップの「電通」の収入という観点に迫ります。
有価証券報告書に記載されている平均年収・平均年齢から、当メディア独自の算出により生涯賃金も割り出しています。
新卒採用の難易度、転職採用の難易度、そして学歴フィルター情報も参考にしてください。
1.電通の平均年収は1,169万円
2020年の電通の年収の平均は、1,169万円(有価証券報告書調べ)、従業員数は6,907人、平均年齢46.4歳です。ただしこれは一般職を含めた平均年収。当メディアの独自調査結果によりますと、総合職のみの平均年収は推定1,300~1,600万円程度と予測されます。
(1) 電通の平均年収 推移(2010年から)
平均年収 | 電通 | 業界の平均 | 上場企業平均 | ||||||||||||||||||||||||||||
2010年 | 1,118万円 | 616万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
2011年 | 1,163万円 | 635万円 | 563万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2012年 | 1,146万円 | 640万円 | 570万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2013年 | 1,143万円 | 659万円 | 571万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2014年 | 1,192万円 | 678万円 | 577万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2015年 | 1,272万円 | 679万円 | 588万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2016年 | 1,229万円 | 676万円 | 594万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2017年 | 1,248万円 | 684万円 | 598万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2018年 | 1,273万円 | 701万円 | 605万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2019年 | 1,180万円 | 712万円 | 612万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2020年 | 1,169万円 | 714万円 | 614万円 |
今回は、広告・ネット広告業界の電通の年収推移をグラフ化しました。
計測は2010年から2020年まで。
電通では2010年から2020年の11年間で平均年収が50万円(104%)の上昇となっています。
広告・ネット広告業界の11年間の上昇平均は98万円(116%)となっており、業界全体の賃金が上昇していることがわかります。また上場企業の平均では11年間で40万円(107%)です。
広告業界全体としては、新型コロナの影響を大きく受けました。店舗や対面での商品やサービスの提供における消費は減少し、広告宣伝費を抑える企業が多くなりました。また、経済活動の制限や各種イベントの中止は広告費にも大きな影響をもたらしました。
しかし、緊急事態宣言が解除され、ウィズコロナ時代へと社会が動き出してからは少しずつ改善してきているようです。
中でも早い回復が見られたのはインターネット広告費です。実店舗での売り上げが期待できない今、多くの企業でデジタル施策の推進が進んでおり、ECモールへの進出や自社ECの展開により顧客の再獲得・新規顧客の開拓へと動き始めています。その為、SNSの活用、およびSNS広告に注目が集まっています。
(2) 電通の生涯賃金 推移(2010年から)
生涯賃金 | 電通 | 上場企業の平均 | 上場平均との差額 | ||||||||||||||||||||||||||||
2010年 | 4億3428万円 | - | |||||||||||||||||||||||||||||
2011年 | 4億5166万円 | 2億2450万円 | 2億2716万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2012年 | 4億4478万円 | 2億2729万円 | 2億1748万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2013年 | 4億4737万円 | 2億2939万円 | 2億1799万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2014年 | 4億6628万円 | 2億3185万円 | 2億3443万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2015年 | 4億9767万円 | 2億3631万円 | 2億6135万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2016年 | 4億8078万円 | 2億3897万円 | 2億4180万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2017年 | 4億8817万円 | 2億4046万円 | 2億4771万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2018年 | 4億9788万円 | 2億4320万円 | 2億5468万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2019年 | 4億6158万円 | 2億4610万円 | 2億1548万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2020年 | 4億5380万円 | 2億4481万円 | 2億0899万円 |
電通に新卒入社をしてから60歳まで勤務をした場合
4億5,380万円の収入を得る事ができます。
日本の上場企業の生涯賃金との差額は、2020年時点で2億899万円。
おおよそ日本の平均の1.85倍、広告・ネット広告業界の平均値の1.64倍となっています。
日本では上場企業とひとくくりにされますが、このように入社する企業で人生において2億円もの収入差が出てしまうのです。
(3) 電通の平均年収を業界と比較
業界プレイヤー | 平均年収 | 生涯賃金 | |||||||||||||||||||||||||||||
電通 | 1,169万円 | 4億5380万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
博報堂 | 1,079万円 | 4億1887万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
CARTA HOLDINGS | 900万円 | 3億4945万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
サイバーエージェント | 734万円 | 2億8484万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
オプト | 702万円 | 2億7265万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
セプテーニ・ホールディングス | 597万円 | 2億3197万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
アドウェイズ | 581万円 | 2億2559万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
バリューコマース | 576万円 | 2億2349万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
インタースペース | 542万円 | 2億1060万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
GMOアドパートナーズ | 523万円 | 2億0314万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
ファンコミュニケーションズ | 452万円 | 1億7538万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
上場平均 | 603万円 | 2億3421万円 |
今回は、広告・ネット広告業界11社(電通、博報堂、CALTA HOLDINGS、サイバーエージェント、オプト、セプティーニ・ホールディングス、アドウェイズ、バリューコマース、インタースペース、GMOアドパートナーズ、ファンコミュニケーションズ)の平均と、電通の年収推移を比較しました。
結論、電通は業界平均の1.64倍、上場企業の平均年収と比べると1.85倍の収入を得る事ができています。また2010年より電通内でも平均年収が50万円あがっており、企業としての業績/収益が順調に伸びていることがわかります。
(4) 電通の年収カースト
電通の年収は1,169万円なので、カーストは一番上の“プチ富裕層”。
東京商工リサーチが日本の上場企業1841社を調査した所、平均年収1,000万円台の企業はたったの27社で、全体の1.47%しかありませんでした。
上場企業の平均年収は603万円で”一人暮らし貴族”のランク。ここが全体で一番多い割合となっています。
2.電通の給与制度/年収推移
2020年の電通の年収の平均は、1,169万円(有価証券報告書調べ)、従業員数は6,907人、平均年齢46.4歳です。ただしこれは一般職を含めた平均年収。当メディアの独自調査結果によりますと、総合職のみの平均年収は推定1,300~1,600万円程度と予測されます。
(1) 電通の勤務状況の推移
勤務状況 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | |||||||||||||||||||||||||||||
2010年 | 39.1歳 | 13.8年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2011年 | 39.1歳 | 13.6年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2012年 | 38.6歳 | 12.8年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2013年 | 38.9歳 | 13.1年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2014年 | 39.1歳 | 13.5年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2015年 | 39.5歳 | 13.9年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2016年 | 39.5歳 | 13.3年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2017年 | 40.3歳 | 14.1年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2018年 | 40.1歳 | 13.6年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2019年 | 40.7歳 | 13.8年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2020年 | 40.9歳 | 13.8年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2021年 | 46.4歳 | 17.3年 |
電通は2020年に純粋持株会社制に移行したため、2021年は従業員数、平均年齢、平均勤続年数ともに変化がありましたが、それを除くと平均年齢・平均勤続年数は大きな増減をしておらず、一定といえます。
これは定年退職以外の退職が少ない企業の特徴です。
これまでの終身雇用型企業の平均年齢が42歳前後 平均勤続年数は18-19年です。
電通の中途採用人数や入社3年後の離職率は公表されていませんが、上記データを見る限り安定して働ける企業といえます。
(2) 電通の年齢別の年収推移
平均年収から年齢別の推定年収を算出しました。
年齢 | 電通の推定年収 | 上場企業の平均年収 | |||||||||||||||||||||||||||||
25歳 | 707万円 | 406万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
30歳 | 959万円 | 509万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
35歳 | 1,212万円 | 572万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
40歳 | 1,464万円 | 621万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
45歳 | 1,591万円 | 647万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
50歳 | 1,717万円 | 739万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
55歳 | 1,843万円 | 808万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
60歳 | 1,664万円 | 730万円 |
電通の給与制度は、初任給が大卒で260,000円ですので、初年度は350~450万円ですが
30代前半に年収1000万円を超え、最大年収を迎える50代の年収は1,670~1,960万円になります。
給与は上場企業の中でもかなりの高水準、広告・ネット広告業界の中ではトップです。
日本の上場企業の平均年収との比較するとその差は
25歳 +301万円
30歳 +450万円
35歳 +640万円
40歳 +843万円
45歳 +944万円
50歳 +978万円
55歳 +1,035万円
60歳 +934万円
となり、上場企業の平均よりもかなり高い年収となっています。
※一般的には役職定年が55-58歳になります。
55-58歳になると年収が25%ダウンする企業もありますが部長級以上だと、その限りではありません。
また親会社の場合、子会社への“転籍”を促されますが、転籍の場合は年収が30%ダウンします。
当メディアは順調に昇給・昇格した場合の推定値を算出しております。
次は役職ごとの年収をご覧ください。
(3) 電通の役職別の年収推移
役職 |
年齢 |
推定年収 |
役職なし |
23歳〜27歳 |
400万円~710万円 |
主任 |
28歳〜 |
760万円〜980万円 |
係長 |
32歳〜 |
1,010万円〜1,460万円 |
課長 |
37歳〜 |
1,500万円〜1,930万円 |
部長 |
45歳〜 |
2,000万円〜 |
(openworkのデータを参考に編集部作成)
年功序列でしたが、評価制度が見直され、実力主義へと移行しつつあるようです。それにより、若手社員の管理職登用も増えてきているようです。
部署によって差はありますが、全体的に体育系であり、上下関係がしっかりしています。また、若いうちから仕事を任せてもらえるため、新入社員の成長・スキルアップは早いようです。
(en Lighthouseに寄せられた社員口コミを参考に編集部作成)
(4) 電通の口コミ情報
20代男性
給与制度: 年4回賞与、年1回昇給。6年目と11年目に年収がグッと上がる。
月給 | 残業 | 賞与 | 年収 | ||||||||||||||||||||||||||||
- | - | - | 700万円 |
30代女性
給与制度: 非正規社員は、期間限定と割り切って働くほうが良いと思う。 正社員登用の制度に関しては、所属局の1/4が非正規社員だったが、正社員へ登用された方は一人もいなかった。 給与アップは、非正規社員は大幅UPは見込めないため、入社時の給与交渉がポイントだと思う。
評価制度: 全体的には、年功序列、上下関係の厳しさが残っている。 一方で上司によっては、意見を聞いたり、話し合った上で受け入れてくれるため、良い上司に恵まれるかどうかで変わってくると思う。
月給 | 残業 | 賞与 | 年収 | ||||||||||||||||||||||||||||
50万円 | 0万円 | 200万円 | 800万円 |
30代男性
給与制度: 金額は比較的に高いと思う。残業代も全て支払われるので給与面では良いと思う。
評価制度: 発信力の強い人が昇進する傾向だと思う。最近ではDXなど新たな領域に積極的に取り組んでいる人が昇進していると思う。
月給 | 残業 | 賞与 | 年収 | ||||||||||||||||||||||||||||
60万円 | - | 90万円 | 815万円 |
40代男性
給与制度: 一般的な上場企業の中でも給与水準は高い。 賞与は年4回(春期2回、秋期2回)出る。 各種手当が整備されている。
評価制度: 評価精度が安定せず、数年に一度変更されている。 現行制度では単年で成果の出ない長期的な取り組みを評価するのがやや難しい状況。 全社的な指標は存在するものの、所属している部署及び管理職により評価のされ方に違いが生じている。 以前は年功序列だったが、近年は実力主義へ移行している。狭間期のプロパー社員は苦労していそう。
月給 | 残業 | 賞与 | 年収 | ||||||||||||||||||||||||||||
- | - | - | 1,500万円 |
40代男性
給与制度: ミッションを設定されてクリアしたかどうかのミッショングレード制度。
評価制度: 昔は年功序列でしたが、今は完全に実力主義。
月給 | 残業 | 賞与 | 年収 | ||||||||||||||||||||||||||||
- | - | - | 1,500万円 |
(en Lighthouseに寄せられた社員口コミを参考に編集部作成)
(5) 電通の福利厚生/待遇
電通の福利厚生についてご紹介します。
就職・転職する時に求人票の情報だけでは、意思決定する時に情報が不足します。
実際に電通での勤務経験のある社員や元社員の方の福利厚生に関する口コミ情報も併せて紹介します。
2021年 新卒採用の募集要項
手当 |
出社回数に応じて交通費支給 |
休日・休暇 |
完全週休2日制(土・日)、祝日、年次有給休暇(初年度10日:半休、時間休制度あり)、育児・介護休業制度、年末年始休暇など |
保険 |
雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金保険など |
福利厚生・諸制度 |
<諸制度>企業年金、持株会など |
20代女性
福利厚生: 退職金・寮・育休や産休など一般的なものは一通りある。組合保険なのでそのほかの制度も充実している。
オフィス環境: 駅から直結なので天気の悪い日や暑い日・寒い日なども通勤には億劫にならない。とにかくビルが大きいので慣れるまで迷う。
20代男性
福利厚生: 住宅補助が基本的に無い。 若手(5年目くらいまで)は、関東に住居が無い人は借り上げマンションを割り当てられるので格安の家賃で済むが、その他の人は大阪支社や名古屋支社など、引っ越しを伴う異動があった人にも転居後数年は補助があると聞いた。 その他は、保険や、健康保険組合など、特に不満のない内容。持ち株などもあるが、ストックオプションは無い。
オフィス環境: 執務スペースは、いわゆる普通のオフィスだと思う。会議室はたくさんあり、綺麗に保たれている。また、ほとんどの場所・機能が自社ビル内に集約されているので、面倒な移動はあまり無い。 立地も汐留で、どこに対しても基本的にアクセスは楽。 社内にカフェや、図書室、病院もあるので、良い。
40代男性
福利厚生:多くの大企業が採用しているベネフィットステーションがフルに使える。そのほか会社独自の福利厚生も多数。従業員持株会や財形貯蓄なども当然備えており、福利厚生面では他社に負けない充実度がある。まったく不満はない社員が多い。
オフィス環境:時代に合わせ、常に最先端のテクノロジーを装備したオフィス環境となっている。社員誰でも利用できる共有スペースも多く、充実している。部署によるがフリーアドレスも導入されており、執務スペースも広い。また、東京では汐留の自社ビルに勤務となる社員がほとんどで、別の建物に配属になる心配は少ない。
40代男性
福利厚生: 福利厚生は整っているが、縮小傾向。 住宅補助は地域手当という形で出るが、現在地域間格差をなくすための移行期間。 新入社員、営業所間異動者に対しては手厚い借上住宅の提供ないし住宅補助がある。 社員持株会は出資金に対し8%社から上乗せがある。 企業型の確定拠出年金があり毎月24,000円社が拠出する。併せて社員も24,000円まで入れることが出来る。
オフィス環境: もともと持ちビルだったが、売却した。 部署内はフリーアドレス。 COVID-19が流行し出した2020年2月よりリモート勤務となった為、出勤率はかなり低いと思う。 利用率が減ったこともあり、グループ会社が同じオフィスビルに入居することが可能となった。 会議室は各フロアに整備されているが、それでも足りない状況がCOVID-19前はあった。 またカフェスペース、社員食堂などもあったが、COVID-19の影響もあり、規模は縮小されている。
(en Lighthouseに寄せられた社員口コミを参考に編集部作成)
3.電通に新卒/転職で入社するには
4.電通の過去10年間の業績推移、中期経営計画書を見るには