国内第2位の広告代理店です。
1895年創業。傘下に大広や読売広告社を抱える博報堂博報堂DYホールディングスの中核事業子会社です。メインの広告主は自動車や大手IT企業です。近年は制作業務の内製化を進め、利益率を上げています。ツール開発にも積極的に取り組み、デジタル対応にも力を入れ、DX支援専門チームも発足しました。
今回は広告・ネット広告業界の中でも「博報堂」の収入という観点に迫ります。
有価証券報告書に記載されている平均年収・平均年齢から、当メディア独自の算出により生涯賃金も割り出しています。
新卒採用の難易度、転職採用の難易度、そして学歴フィルター情報も参考にしてください。
1.博報堂の平均年収は1,079万円
2020年の博報堂の年収の平均は、1,079万円(有価証券報告書調べ)、従業員数は3,812人、平均年齢43.9歳です。ただしこれは一般職を含めた平均年収。当メディアの独自調査結果によりますと、総合職のみの平均年収は推定1,200~1,400万円程度と予測されます。
(1) 博報堂の平均年収 推移(2010年から)
平均年収 | 博報堂 | 業界の平均 | 上場企業平均 | ||||||||||||||||||||||||||||
2010年 | 994万円 | 616万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
2011年 | 1,018万円 | 635万円 | 563万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2012年 | 994万円 | 640万円 | 570万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2013年 | 1,021万円 | 659万円 | 571万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2014年 | 1,053万円 | 678万円 | 577万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2015年 | 1,037万円 | 679万円 | 588万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2016年 | 1,036万円 | 676万円 | 594万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2017年 | 1,057万円 | 684万円 | 598万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2018年 | 1,089万円 | 701万円 | 605万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2019年 | 1,065万円 | 712万円 | 612万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2020年 | 1,079万円 | 714万円 | 614万円 |
今回は、広告・ネット広告業界の博報堂の年収推移をグラフ化しました。
計測は2010年から2020年まで。
博報堂では2010年から2020年の11年間で平均年収が85万円(108%)の上昇となっています。
広告・ネット広告業界の11年間の上昇平均は98万円(116%)となっており、業界全体の賃金が上昇していることがわかります。また上場企業の平均では11年間で40万円(107%)です。
広告業界全体としては、新型コロナの影響を大きく受けました。店舗や対面での商品やサービスの提供における消費は減少し、広告宣伝費を抑える企業が多くなりました。また、経済活動の制限や各種イベントの中止は広告費にも大きな影響をもたらしました。
しかし、緊急事態宣言が解除され、ウィズコロナ時代へと社会が動き出してからは少しずつ改善してきているようです。
中でも早い回復が見られたのはインターネット広告費です。実店舗での売り上げが期待できない今、多くの企業でデジタル施策の推進が進んでおり、ECモールへの進出や自社ECの展開により顧客の再獲得・新規顧客の開拓へと動き始めています。その為、SNSの活用、およびSNS広告に注目が集まっています。
(2) 博報堂の生涯賃金 推移(2010年から)
生涯賃金 | 博報堂 | 上場企業の平均 | 上場平均との差額 | ||||||||||||||||||||||||||||
2010年 | 3億8606万円 | - | |||||||||||||||||||||||||||||
2011年 | 3億9518万円 | 2億2450万円 | 1億7068万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2012年 | 3億8602万円 | 2億2729万円 | 1億5873万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2013年 | 3億9946万円 | 2億2939万円 | 1億7008万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2014年 | 4億1195万円 | 2億3185万円 | 1億8009万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2015年 | 4億0553万円 | 2億3631万円 | 1億6922万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2016年 | 4億0514万円 | 2億3897万円 | 1億6616万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2017年 | 4億1351万円 | 2億4046万円 | 1億7305万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2018年 | 4億2587万円 | 2億4320万円 | 1億8267万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2019年 | 4億1660万円 | 2億4610万円 | 1億7051万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2020年 | 4億1887万円 | 2億4481万円 | 1億7406万円 |
博報堂に新卒入社をしてから60歳まで勤務をした場合
4億1,887万円の収入を得る事ができます。
日本の上場企業の生涯賃金との差額は、2020年時点で1億7,406万円。
おおよそ日本の平均の1.76倍、広告・ネット広告業界の平均値の1.51倍となっています。
日本では上場企業とひとくくりにされますが、このように入社する企業で人生において2億円近くもの収入差が出てしまうのです。
(3) 博報堂の平均年収を業界と比較
業界プレイヤー | 平均年収 | 生涯賃金 | |||||||||||||||||||||||||||||
電通 | 1,169万円 | 4億5380万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
博報堂 | 1,079万円 | 4億1887万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
CARTA HOLDINGS | 900万円 | 3億4945万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
サイバーエージェント | 734万円 | 2億8484万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
オプト | 702万円 | 2億7265万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
セプテーニ・ホールディングス | 597万円 | 2億3197万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
アドウェイズ | 581万円 | 2億2559万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
バリューコマース | 576万円 | 2億2349万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
インタースペース | 542万円 | 2億1060万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
GMOアドパートナーズ | 523万円 | 2億0314万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
ファンコミュニケーションズ | 452万円 | 1億7538万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
上場平均 | 603万円 | 2億3421万円 |
今回は、広告・ネット広告業界11社(電通、博報堂、CALTA HOLDINGS、サイバーエージェント、オプト、セプティーニ・ホールディングス、アドウェイズ、バリューコマース、インタースペース、GMOアドパートナーズ、ファンコミュニケーションズ)の平均と、博報堂の年収推移を比較しました。
結論、博報堂は業界平均の1.51倍、上場企業の平均年収と比べると1.76倍の収入を得る事ができています。また2010年より博報堂内でも平均年収が85万円あがっており、企業としての業績/収益が順調に伸びていることがわかります。
(4) 博報堂の年収カースト
博報堂の年収は1,079万円なので、カーストは一番上の“プチ富裕層”。
東京商工リサーチが日本の上場企業1841社を調査した所、平均年収1,000万円台の企業はたったの27社で、全体の1.47%しかありませんでした。
上場企業の平均年収は603万円で”一人暮らし貴族”のランク。ここが全体で一番多い割合となっています。
2.博報堂の給与制度/年収推移
2020年の博報堂の年収の平均は、1,079万円(有価証券報告書調べ)、従業員数は3,812人、平均年齢43.9歳です。ただしこれは一般職を含めた平均年収。当メディアの独自調査結果によりますと、総合職のみの平均年収は推定1,200~1,400万円程度と予測されます。
(1) 博報堂の勤務状況の推移
勤務状況 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | |||||||||||||||||||||||||||||
2010年 | 41.8歳 | 16.2年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2011年 | 42.3歳 | 15.8年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2012年 | 42.7歳 | 15.6年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2013年 | 42.9歳 | 16.3年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2014年 | 44.2歳 | 17.5年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2015年 | 42.8歳 | 15.4年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2016年 | 42.9歳 | 15.2年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2017年 | 42.2歳 | 15.6年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2018年 | 43.7歳 | 16.3年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2019年 | 43.4歳 | 15.4年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2020年 | 43.6歳 | 15.6年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2021年 | 43.9歳 | 16.7年 |
博報堂の平均年齢、平均勤続年数は12年で大きな増減をしておらず、一定といえます。
これは定年退職以外の退職が少ない企業の特徴です。
これまでの終身雇用型企業の平均年齢が42歳前後 平均勤続年数は18-19年です。
博報堂もこれにほぼ当てはまり、安定して働ける企業といえます。しかし、博報堂DYホールディングスは2018年に続き2021年の12月にも連結子会社の博報堂と博報堂DYメディアパートナーズ(DYMP)で満50~59歳・勤続5年以上の社員を対象に早期退職者100人を募集すると発表しており、定年まで働ける保証はなさそうです。
(2) 博報堂の年齢別の年収推移
平均年収から年齢別の推定年収を算出しました。
年齢 | 博報堂の推定年収 | 上場企業の平均年収 | |||||||||||||||||||||||||||||
25歳 | 574万円 | 406万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
30歳 | 779万円 | 509万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
35歳 | 985万円 | 572万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
40歳 | 1,190万円 | 621万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
45歳 | 1,292万円 | 647万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
50歳 | 1,395万円 | 739万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
55歳 | 1,497万円 | 808万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
60歳 | 1,352万円 | 730万円 |
博報堂の給与制度は、新卒の大学卒・大学院卒の2021年度実績では年俸制で3,600,000円+超過勤務手当+業績賞与(年1回)となっています。
30代半ばに年収1000万円を超え、最大年収を迎える50代の年収は1,310~1,560万円になります。
給与は上場企業の中でもかなりの高水準、広告・ネット広告業界の中では上位です。
日本の上場企業の平均年収との比較するとその差は
25歳 +168万円
30歳 +270万円
35歳 +413万円
40歳 +569万円
45歳 +645万円
50歳 +656万円
55歳 +689万円
60歳 +622万円
となり、上場企業の平均よりもかなり高い年収となっています。
※一般的には役職定年が55-58歳になります。
55-58歳になると年収が25%ダウンする企業もありますが部長級以上だと、その限りではありません。
また親会社の場合、子会社への“転籍”を促されますが、転籍の場合は年収が30%ダウンします。
当メディアは順調に昇給・昇格した場合の推定値を算出しております。
次は役職ごとの年収をご覧ください。
(3) 博報堂の役職別の年収推移
役職 |
年齢 |
推定年収 |
役職なし |
23歳〜27歳 |
360万円~700万円 |
主任 |
28歳〜 |
760万円〜990万円 |
係長 |
32歳〜 |
1,010万円〜1,420万円 |
課長 |
37歳〜 |
1,360万円〜1,580万円 |
部長 |
45歳〜 |
1,770万円~2,000万円 |
(openworkのデータを参考に編集部作成)
基本的に給与はロール階級に基づいた年俸制で、今までは完全なる年功序列だったのですが、近年は実力主義の人事制度にシフトしてきています。また、今までは職等級は上がるだけでしたが制度改定により下がることもあるようです。
新卒採用から4年目の夏頃までは時間労働制で、残業を行った分だけの残業手当が支給されますが、4年目の秋頃からは裁量労働制に変わり、見なし残業代という形で毎月のお給料に組み込まれる形になるため、4年目に一度年収が少し下がってしまうようです。
(openworkに寄せられた社員口コミを参考に編集部作成)
(4) 博報堂の口コミ情報
20代女性
給与制度: よっぽどの事がない限り、年俸は毎年徐々に上がっていく。 個人賞与についてはかなり不公平。 個人の力量によりしっかり傾斜がつけられているが、在籍している部署によって原資が大幅に異なり、故に優秀な人でも他部署の低い評価の人の方が待遇が良い場合が多々ある。
月給 | 残業 | 賞与 | 年収 | ||||||||||||||||||||||||||||
- | - | - | 350万円 |
20代男性
給与制度: 非常に給与が高い。若手のうちは残業代で異常に高い給与が得られる。そのため働くモチベーションは非常に高く維持出来る。
評価制度: 組織ごとにその上長の色がでるものの、比較的適正に付けられている気がする。
月給 | 残業 | 賞与 | 年収 | ||||||||||||||||||||||||||||
60万円 | - | 230万円 | 950万円 |
30代女性
給与制度: 外資企業やコンサルと比較すると劣るが同年代と比較すると高い方。比較的若い年次から給与は高く、10-20年目は上がりにくく、その後は役職に応じて。
評価制度: 個人と会社の成長方向をリンクさせていく対話型評価制度が数年前から導入されて入るが、組織によって機能しているかどうかはまちまち。
月給 | 残業 | 賞与 | 年収 | ||||||||||||||||||||||||||||
- | - | - | 1,100万円 |
30代男性
給与制度: 給与はロール階級に基づいた年俸制。若手社員の不満を吸収できるようにロールを細分化して上がりやすくなってはいるが、やはり年功序列の文化は残っている。
評価制度: 期初、期中、期末に面談を実施。期初に設けた目標に対しての振り返りを行う。成果と成長の2軸で評価は受ける仕組みになってはいるが、成果に寄っているのが現実。
月給 | 残業 | 賞与 | 年収 | ||||||||||||||||||||||||||||
- | - | - | 1,200万円 |
40代男性
給与制度: 世間一般と比較すると給与は良い方だと思う。ただし、福利厚生などはほとんどない。
評価制度: 上司の感覚による差配が大きい。もちろん実績次第の部分はあるが完全実力主義という感じではない。
月給 | 残業 | 賞与 | 年収 | ||||||||||||||||||||||||||||
- | - | - | 1,500万円 |
20代男性
給与制度: 4年目までは残業代がつく。 100時間くらいつけられるので、給料が若手にすると高くなる。
月給 | 残業 | 賞与 | 年収 | ||||||||||||||||||||||||||||
31万円 | 25万円 | 50万円 | 740万円 |
(openworkに寄せられた社員口コミを参考に編集部作成)
(5) 博報堂の福利厚生/待遇
博報堂の福利厚生についてご紹介します。
就職・転職する時に求人票の情報だけでは、意思決定する時に情報が不足します。
実際に博報堂での勤務経験のある社員や元社員の方の福利厚生に関する口コミ情報も併せて紹介します。
2021年 新卒採用の募集要項
手当 |
超過勤務手当、通勤手当 |
休日・休暇 |
休日/完全週休2日制(土・日)、祝日、年末年始(12月29日 ~ 1月3日) |
保険 |
雇用・労災・健康・厚生年金保険 |
福利厚生・諸制度 |
制度/企業年金、育児・介護休暇制度など |
20代女性
福利厚生:福利厚生はしっかりしている。寮や住宅補助は正社員・契約社員ともにない。
オフィス環境:テレワーク中心になったので、変化の真っただ中。社員食堂が閉店してしまったので、ランチや休憩時がやや不便。
20代男性
福利厚生:住宅補助、寮はないが、それ以外に関して、基本的なものは一通り揃ってる。
オフィス環境:コロナ影響もあり、オフィスにいる人は少ない。1番出社率の高い営業でも、出社率30%程度。快適なオフィス環境とおもう。
30代男性
福利厚生:充実している。軽井沢や熱海に保養施設があり、申し込み制で応募できる。軽井沢の保養施設は新人の研修にも使われている。
オフィス環境:一部のグループ会社以外の大部分が勤務する赤坂オフィスは可もなく不可もない普通のオフィス。
30代男性
福利厚生:住宅補助は特になし、寮や社宅もなし。そのぶん給料がある程度高いため、大きな障害にはなっていない。
オフィス環境:赤坂に立地し、ビル自体も新しいため気持ちよく働くことができる。周辺にはランチできるお店も多くあり、ご飯には困らない。
40代男性
福利厚生:住宅補助はほぼなく、福利厚生は手厚いとはいえないが、財形貯蓄や持ち株制度などの資産形成に必要な基本的な制度は整っている。
オフィス環境:本社が赤坂にあり、執務スペースはキレイに整っており、会議室やカフェ等の共有スペースも十分にある。
(en Lighthouseに寄せられた社員口コミを参考に編集部作成)
3.博報堂に新卒/転職で入社するには
4.博報堂の過去10年間の業績推移、中期経営計画書を見るには