何らかの理由で休職していた場合、転職活動をスタートしたときに職務経歴書の書き方を迷うことがあるかもしれません。休職期間が長くブランクが空いてしまうと、印象が悪いのではないかと心配になるでしょう。
自分の経歴について書く職務経歴書には休職していることを書かなければいけないのでしょうか。ここでは休職していたりブランクが長かったりしたときは、どのように職務経歴書を書けばいいのか解説します。
1.職務経歴書に休職について書かなくても問題なし
結論から述べると、転職時に休職について職務経歴書に記載しなくても問題ありません。転職活動時に勤務先を休職している場合でも、在籍していることには変わりないので、現職として職歴に書くことができます。
ただし「嘘」を書くことは詐称となってしまうので注意が必要です。休職中なのに、現在も最前線で働いている、という書き方をすると虚偽となり、発覚時は内定取り消しもあり得ます。職務経歴書には入社日や所属部署、業務内容を経歴として記し、わざわざ「現在休職中」とは書かない、というようにしましょう。
基本的に「休職中」というのは、応募先の企業が知ることのない情報です。しかし、関連会社や取引先など関わりがある企業だと、何らかの形で耳にする可能性があります。また、休職期間が長いと、入社後源泉徴収票を見たときに、収入額から休職していたことに気づかれるかもしれません。
後から休職していることが発覚した場合、虚偽申告していたわけでなければ、それが理由で内定取り消しになる可能性は低いですが、「隠していた」と不信感を抱かれてしまうことは考えられます。
休職と言うと転職の難易度が上がってしまうことは事実ですが、後々トラブルになるリスクを考えて、先に職務経歴書や面接時に申告しておくのも1つの方法です。どちらが良いかは休職期間や理由など状況に応じて判断しましょう。
2.休職について書くときは採用担当官へ与える印象に注意
職務経歴書に休職について記載した方が良いと思う場合は、採用担当者にマイナスな印象を与えない書き方をすることが大切です。休職を申告する際に注意すべき3つの点を見てみましょう。
①.休職理由について明確に説明する
採用担当者が休職を気にするのは、すぐにまた休職してしまわないか心配しているからです。休職するのにやむを得ない事情があったことを明確に説明しましょう。ケガや病気などで一時的な休職理由だとわかれば採用担当者を安心させることができます。
また、ただ「残業が多く体を壊しました」とだけ伝えると、「入社後残業を頼んだらすぐに休職につながるのでは」と良い印象を与えません。「月〇時間を超える時間外労働で」などと具体的に説明して、そうならざるを得ない状況だったことを伝えるようにしましょう。
②.現在は働ける状況なことを明示する
休職理由で伝えているつもりでも、採用担当者は入社後の休職の可能性を捨てきれないかもしれません。悪いイメージをなるべく払しょくするために、理由を説明した後は、今は休職が必要はなく通常通り働けることをはっきりと伝えましょう。
その際は、ただ「休職はしません」というだけでなく同じ理由での休職がないことを、根拠を添えて説明するようにします。例えば、体調不良が理由だった場合は、今はどのように改善されたのかなど具体的に説明することが大切です。
③.退職による休職は退職理由と空白期間の説明を
退職して休職状態になっている場合は、職務経歴書で退職理由をきちんと説明しましょう。そのとき、「人間関係がうまくいかなかった」などネガティブな理由だと「同じ理由でまた辞めてしまうのでは」と選考に悪影響を与えてしまうので注意が必要です。
また休職期間が長い場合、職務経歴書の経歴に空白期間が生まれてしまいます。理由もなくブランクが長いと、採用担当者に良い印象は与えません。どうしてその間休職していたのか、理由をきちんと記載してフォローすることが必要です。
もし空白期間中に資格を取ったり語学の習得をしたり前向きな行動をしていたなら、空白期間を活用して業務に役立つスキルを身につけた、とアピールポイントにできます。職務経歴書に記載して、しっかりアピールしましょう。
3.倒産による退職・休職なら悪影響の心配はない
会社の倒産によって休職しているなら、職務経歴書で「倒産による退職」と書いても問題ありません。経営者側のポジションでなければ、倒産による退職は自分の責任ではないため、選考でマイナスなイメージを与えることはないでしょう。
経験をアピールするときはどんなスキルを持っているか、どのような姿勢で仕事に取り組んだか、など自分が成し遂げたことを実績としてアピールできます。
4.まとめ
休職していることを職務経歴書に書いた方がいいかどうかは、一概には言えません。場合によっては休職理由から状況を理解してもらえ、働く環境を整えやすいこともありますが、休職経験が選考にマイナスに働く可能性があるもの事実です。
職務経歴書に休職していることを記載するときは、理由やまた働けるようになったことを根拠とともに説明して、できるだけ悪い印象を与えないように心がけるようにしましょう。